仕入担当コータローが行く!
ピカイチ野菜くん生産者取材記


2021年7月 にんじん産地 熊本県 平井さん
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今回はピカイチ野菜くんでお届けしているにんじんの産地、九州の熊本県にある平井さんの農場へお伺いし、仕入担当コータローがお話を伺いました。
※今回の取材では、マスクをして距離を取り、感染症対策をしっかりと行い取材をさせていただいております。
※掲載の内容は2021年7月時点のものです。 -
平井農園さんの農場について
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コータロー -
平井さんの農場はどのくらいの面積があるのでしょうか?
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平井さん -
水田もあり、色々な作物をやっているので全部で50町歩(ちょうぶ)ほどの面積でやっています。町歩とは畑を表す単位で、町(ちょう)>反(たん)>畝(せ)>歩(ぶ)と続きます。
1町歩=3000坪。平井さんの農場は50町歩なので15万坪!なんと東京ドーム10個分!
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コータロー -
すごい広さですね! にんじん以外にどのような作物を育てていますか?
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平井さん -
野菜でいえば、かぼちゃ・甘藷(さつまいも)・馬鈴薯(じゃがいも)は今年から試験的にやり始めました。整腸作用があるといわれる、きく芋もやっています。
穀物でいえば、大豆とお米です。
お米は「農作業委託」という取り組みで近隣の農家さんの稲刈りや田植えをサポートしていて、自分たちの50町歩とは別に40町歩やっています。
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コータロー -
別に40町歩も!途方もない広さですね(笑) ピカイチ野菜くんの契約している北海道の農家さんもとても広いですが、匹敵しますね。
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平井さん -
北海道の方に比べたら全然規模的には小さいんです。畑ひとつあたりの面積が狭く、全部で畑が250箇所くらいあります。
比べて北海道は畑1枚で10町歩とかだから、効率的には全然違います。 後継者のいない個人の農家さんの畑を受け入れてくれませんかと言われることもあります。
にんじんについて
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コータロー -
どのような農法で育てていますか?
使用されている有機肥料や平井さんのこだわりを教えてください。
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平井さん -
ピカイチ野菜くんの分は農薬・化学肥料不使用で作っています。
その他の作物はほぼ特別栽培、減農薬肥料、減化学肥料でつくっています。
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コータロー -
育てているにんじんはどのような品種で、どんな特徴があるものですか?
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平井さん -
主なものは「愛紅(あいこう)」と「紅うらら」、夏場は「七彩5(ななさいファイブ)」という新しい品種も育てています。
夏場は高温で、無理に早植えすると発芽しないことがあるんです。「七彩5」は遅く(8月下旬~9月上旬)に植えても12月の中下旬には採れるくらい生育が早く肥大もよく、色も味もいい新しい品種です。
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コータロー -
今の気候に向いていますね。
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平井さん -
異常気象で夏が暑すぎるので、気温が35度とかになると地面の温度は40度とか50度になってしまってにんじんが死んでしまいます。
なのでもう少し気温が落ち着いてから植えようと思っています。
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コータロー -
にんじんは毎年どのくらいの量を育てていますか?
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平井さん -
年間で、秋冬人参・春人参を合わせると全部で700~800トンになりますね。
収穫から出荷までの選果場の様子について
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コータロー -
収穫後はどのような流れでピカイチ野菜くんへ出荷をされているのか教えてください。
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平井さん -
収穫すると200kgのフレコン(荷物を保管・運搬する袋状の包材)に入ります。即座に回収して選果場にもってきて洗浄・選果を丁寧に行い、穴あきの袋へ入れて冷蔵庫へ入れます。
普段は1.5度に設定しているけど暑い時は温度が上がるので低めに設定しています、凍らない程度に。
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コータロー -
平井農園さんの設備は凄いですよね。
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平井さん -
北海道とか、いろいろな選果場を見てきて、どうやったらいいのかを考え、お金の掛かり過ぎないものと、手づくりのものを合わせてコストを下げれるように頑張っています。

選果場の様子
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平井さん -
昔は選果が1箱ごとに時間がかかっていて1日4トンしかできなかったけど、今は倍の8トン~10トンくらい出荷できるようになりました。 できる限り鮮度を落とさないために、はやく冷蔵庫に入れられるように選果のスピードを上げる努力をしています。
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コータロー -
にんじん洗い機が稼働するのは何時間ぐらいですか?
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平井さん -
稼働は朝9時から15時ごろまでです。昔は8時から17時で4トンしか洗えなかったけど、去年機械を改良したのでだいぶ早くなりました。
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コータロー -
にんじん洗い機が9時からということは、収穫はもっと早い時間からやっているのですか?
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平井さん -
朝から収穫はしますが、基本的には前日に掘ったものを翌日洗います。収穫の時間と選果の時間はずらして、とにかくなるべく早く冷蔵庫に入れられるように工夫しています。
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コータロー -
収穫と洗浄・選果のバランスが大事なんですね。難しいですよね。
天候に左右されてしまうし…。
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平井さん -
そうですね。畑の状態によって予定は変わりますからね。
その時々によって他の作物の作業をしたりします。
益城町について
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コータロー -
平井さんの農園のある熊本県益城町はどんなところですか?
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平井さん -
5年前に起きた熊本地震が益城町の安永というところが震源地でひどい被害を受けました。今でも仮説住宅に住まわれている方もいます。やっと自分たちも復興してきて、どこもそうですが元の生活に戻れるように、どうにか皆が頑張っています。 復興したように見えるけどまだまだ細かいところは地震の爪痕が残っているところもあったりして、どうにか皆で必死に頑張っている町です。
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コータロー -
ピカイチ野菜くんの先代の社長も当時偶然熊本に居て、スゴイ揺れだったと聞きました。 まだ仮設住宅に住まわれている方がいらっしゃるんですね。知らなかったです。
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平井さん -
毎年いろいろな災害が起きてて、復興に時間かかります。 去年も大雨で、益城町は被害はありませんでしたが人吉市とか芦北の方は水害に遭っていて、わたしたちも泥出し作業を手伝いにいきました。
うちの圃場も雨がひどくて、収穫機が入れず春にんじんは手で掘って出荷していましたが腐りがとてもひどかったですね。
作業の効率化をはかり全国表彰
平井さんは農林水産省と全国担い手育成総合支援協議会が、全国の農業経営体の中から優れた経営を実践している経営体を表彰する「全国優良経営体表彰」において、令和元年に農業経営の改善などを評価される「経営改善部門」で「経営局長賞」を受賞しました。-
コータロー -
受賞された「全国優良経営体表彰」とは、改めてどのような賞なのか、また受賞に至るまでの経緯などを教えてください。
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平井さん -
この賞をいただく前に熊本県で、農業コンクールという経営の内容や、取り組みなどが評価、審査されるものがあり、そこで上から2番目の賞をもらいました。
そのあと県から依頼があり、全国でも「経営改善部門」というのがあるので、出してみないかと言われ、県から推薦で出させていただきました。
熊本県で1番だった人は断ったみたいで、2番目のうちが出ました(笑)
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コータロー -
平井さんが受賞したポイントはどのようなところだったのですか?
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平井さん -
「経営改善部門」というのは、どういうふうに作業効率を上げているのかというのが審査の基準になるそうです。 そこでうちは、作業を機械化するのもそうですが、栽培するにあたって手のかからないようにしたり、多くの面積をこなすなかでも資材のコストを下げたり、選果場も自分でできるところは手作りをしているのですが、そういうところを評価していただき素晴らしい賞をいただきました。
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平井さん -
現在日本では農家の90%以上が兼業農家なんです。(平井農園さんのように)組織化されている農家は10%もいません。
どこも人手不足が深刻化していて、その中で、担い手不足を解消するために活動をしているのが、今回いただいた賞の主催をしている「全国担い手育成総合支援協議会」なんです。
うちは、人が少なくても作業効率をあげるために、スマート農家と言われる農業のIT化も進めています。
パソコンやスマホから自分が圃場のどこにいるかが分かるシステムがあるんですよ。うちは畑の枚数が多く、点々としているので覚えるのに2年くらいかかってしまうんですが、これがあれば入りたての方でも迷わず作業ができますので、大変助かっています。
平井さんからのメッセージ
お問合せなどございましたら、下記フリーダイヤル・LINE・メールアドレスまでお気軽にご連絡ください。
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