第45回 老齢犬の介護 〜排泄〜


滝田雄磨 獣医師

老齢犬の介護のなかで、悩まれる飼い主が多い、排泄の介護。
排尿、排便ともに、もっとも基本的な生理活動のひとつである一方、適切に処理ができないと、消化器疾患、泌尿器疾患、感染症などを引き起こすリスクがあるという一面もあります。

また、汚物であるという認識、悪臭などから、 飼い主にとってストレスを感じやすい介護でもあります。
犬にとっても飼い主にとっても、より快適な介護生活を送るためのコツを紹介します。

排泄の介護はいつから?

排泄の介護が必要となるタイミングは、適切な排泄ができなくなったときです。
適切な排泄とは、自力でトイレなどの決まった場所で必要な量の排泄をすることです。
自力で排泄ができない、自力で排泄ができても、必要な量の排泄ができていない場合、飼い主による排泄の補助が必要となります。

姿勢の補助

高齢犬で排尿の補助が必要となるとき、多くの場合、足腰の筋力低下が原因です
足腰が弱くなると、排泄の姿勢をとることができず、適切な排泄ができなくなります
排泄の姿勢をとることが対策となるため、 飼い主は、犬の腰を支えることで、排尿の補助をすることができます
簡単に言うと腰を下から支えてあげればよいのですが、雄と雌で支え方が少し異なります。
男の子の排尿の場合、前方へ排尿することと、下腹部の陰茎を邪魔しないような支え方をすることがポイントです。
後方から股関節付近を支えてあげましょう。

中型〜大型犬の場合は、股の間から腰を持ち上げる方法でも補助することができます。
排便と女の子の排尿の場合は、背中側から腰を支えてあげましょう。
軽くしゃがんだ姿勢を好む場合は、腰を持ち上げすぎず、微調節しながら本人が排泄しやすい位置を探ってみましょう。
腰を持ち上げるためのハーネスの使用も効果的です
排泄部位に穴が開いているタイプを探してみましょう。

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排泄のタイミング

姿勢の補助の形を覚えたら、次はどのタイミングで排泄をするかを知る必要があります
若い頃は、排泄の前に走り回ったりくるくる回ったりしてタイミングがわかりやすかった犬でも、老犬になると目立った兆候を示さなくなります
室内飼育、外飼育、散歩の頻度などで排泄のタイミングは異なります。

また、老化により認知機能不全や基礎疾患によっても排泄のタイミングや回数は左右されます
最初は1日に4〜5回など多めに補助し、一回の排泄量や溜まり具合をみて調節してあげましょう
排泄したくなると鳴いて知らせてくれる子もいます。

圧迫排尿

老化によるものに限らず神経疾患などによって、膀胱に溜まっている尿を一度にすべて排泄できないことがあります。
その場合、膀胱を手で圧迫し、排尿を促す方法があります。
ただし、膀胱の圧迫には慣れが必要であることと、過度の圧迫は腎臓などの泌尿器に負担をかけたり、思わぬ怪我につながったりする恐れがあるため、独学でやることは控えてください
充分な量の排尿ができなくなってしまったら、動物病院で相談しましょう
症状によっては、尿路カテーテルを使って排尿の管理をすることもあります。

寝たきりになってしまったら

補助をしても立つ姿勢での排泄が困難になった場合は、寝たまま排泄をしても汚れにくい工夫をとります
まず、寝たきりになった場合、寝る場所の適切な素材と体位変換をすることが大切です。
これらのケアを怠ると、褥瘡、いわゆる床ずれを引き起こしてしまいます
寝る場所の素材は、柔らかく温かく通気性がよく洗いやすい物が望まれます。
最近ではペットの介護用マットも販売されています。
マットを準備したら、マットと犬の間にペットシーツを敷きます

このとき、男の子であればやや前方、女の子であればやや後方にペットシーツが来るようにしましょう。
男の子の場合は排便による後方のケアも必要なため、できれば広範囲にペットシーツを敷いてあげましょう。
排尿後すぐにペットシーツの交換ができないこともあるため、なるべく吸収性の高い上質なペットシーツを使いましょう。

身体が汚れてしまったら、なるべく早く体を拭いてあげます。
皮膚を清潔に保つことも、褥瘡予防において大切です

ペットシーツの他、おむつを使用することでもケアをしてあげることができます。

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食事やサプリメントによるケア

排尿、排便ともに、食事の変更やサプリメントによって病気が起こらないようにケアをすることができます
排尿ケアのサプリメントの種類は少ないですが、例えばサンメディカさんが発売しているUTクリーンという商品があります。
こちらは尿で排泄されるときにバクテリアを吸着して排泄を促す成分が含まれており、排尿困難から起こる細菌性膀胱炎を予防することができます。
排便ケアのサプリメントとしては、整腸剤があります。
消化の良いからだに合ったフードと併用し、腸内環境を整えることで、便秘のトラブルをケアすることができます。

老齢犬の介護 〜排泄〜

老齢犬の排泄に関する介護について紹介しました。
排泄は基本的な生理現象でありながら、適切にできないと泌尿器、消化器に関する疾患のほか、感染症を起こすリスクがあります。
適切な排泄ができないと、飼い主にとっても犬にとっても、著しく生活の質を落としてしまいます。
みんながより快適に楽しく過ごすために、上手に介護をしてあげましょう。