フランス、コフィンリュクス社(COFINLUXE)社より1983年に発売され、世界中で愛されているフレグランス、サルバドール・ダリ。


そのユニークなボトルに満たされた個性的なフレグランスの生みの親は、シュール・レアリズムの巨匠、サルバドール・ダリ自身でした。そのボトルは彼自身の作品からインスパイヤされたものです。


ダリ自身亡き後、現在もダリのスピリットを受け継ぐフランスのクリエーターたちの活動により、多くの香水が世界に送り出されています。


最初の香水の誕生

●1981年、絵画「クニドスのアフロディテの出現」を仕上げた後、ダリは香水のボトルをスケッチしました。美と愛の女神の官能的な鼻と唇から得たインスピレーションでした。このスケッチをもとに1983年に限定ナンバーつきのクリスタルボトルで最初の香水が発売されました。


●大芸術家が選んだ女性のための香りは、ジャスミンとローズの官能的なブレンド。ジャスミンは彼が絵を描くときによく耳たぶに挟んでいた花で、愛する妻ガラが最も好んでいた香りでした。クリスタル・ガラスのアーティスティックなボトルは、ダリの多岐にわたるアート活動の一端を飾ったのです。




ラグーナの大ヒット

●ダリの最初の香水ボトルのデザインは現在では「ラグーナ オードトワレ」のボトルとして知られています。フランスでこの香りが誕生したのは1991年。日本では1992年に発売され、そのユニークなボトルとトロピカルな香りが大きな注目を集めました。


●南国の美しいビーチをコンセプトに、ダリの花と唇のボトルデザインは、エメラルドグリーン色に生まれ変わりました。パイナップルやオレンジなどのフルーツやバニラの甘さが、憧れのバカンス生活をイメージさせます。




ラグーナ

フルーティなダリッシム

●ガラ(1894年生-1982年没)の生誕100年を記念して1994年に作られた香水がダリッシムです。ダリにとってガラは芸術活動のインスピレーションの源となる「ミューズ(女神)」。ピーチやアプリコットが香る優しい甘さは成熟した大人の女性にふさわしいブレンドでした。


●ボトルのインスピレーションの源となったのは、アメリカのヴォーグ誌の表紙を飾ったダリの絵画「クリスマス」(1946年)でした。美の女神アフロディテの鼻と唇がここでも描かれています。


ダリッシム