印鑑

印材説明

印材選びのアドバイス

丈夫な順に「象牙」「白水牛」「黒水牛」「柘」「彩樺」「黒檀」となります。それぞれ材質に大きな違いがあります。材質について、これらの長所と短所をご説明します。

柘でも十分印鑑としての機能は果たしますが、永く使う事を考えると、耐久性の高い黒水牛以上の材料がお勧めです。また、黒水牛以上の材料は彫り直しができるので、「おじいさんの形見の印鑑を彫り直して使う」という様な事もできます。

特に実印は自分自身を証明する上で、一生つき合ってゆくアイテムです。材料の善し悪しにかかわらず納得のいく物をお選び下さい。
黒檀【こくたん】
黒檀【こくたん】
焦茶、または黒色の木材で重く硬い材料。家具や楽器などによく使われています。少々木目が粗いので既製品用の印材としてよく使われています。印材ではわりと新しい材料です。
職人さんの一言
黒檀は色や質感はいいですね。ただ少々木目が粗いので、花の印章のように緻密な彫刻にはギリギリ使えるクラスの印材です。実用には問題ないですが、柘(つげ)に比べると彫刻のクオリティーは少し落ちます。(あくまでも職人から見てですが)
彩樺【さいか】
彩樺【さいか】
バーチ材(真樺)とフェノールレジンとの結合素材を、高圧過熱処理により創り出した新素材です。
職人さんの一言
質感も良く縞模様の美しい材料です。バーチ材はもともと木目の粗い木材ですが高圧過熱処理することで精密な彫刻が可能な製品に仕上がっています。彫刻のクオリティーは柘植(つげ)に比べ若干落ちますが、強度は十分あり実用的な印材だと思います。
柘【つげ】
柘【つげ】
適度な硬度と粘りがあり、木目も非常に緻密な木材です。以上のような理由から、細かい細工に最適で古くから印材や美術彫刻の材料として使われています。

ただ、永年使っていると、朱肉が付いた部分がもろくなって来ますので使用後はティッシュなどで軽く拭いておくと良いでしょう。丁寧に使えば末永く使える材料です。

職人さんの一言
なめらかな黄色の美しい材料です。古来から細かい細工に使われているだけあって、繊細な彫刻が可能な印材です。印影の写りも良く木製の商品の中で一番キレイに仕上がるのでお勧めです。
水に弱いので濡らさないように。メンテナンスは朱肉を拭いて落とすか、ブラシで軽くこする程度にしましょう。
黒水牛【くろすいぎゅう】
黒水牛【くろすいぎゅう】
漆黒の美しい材料で朱の油に非常に強く、長年に渡ってご使用いただける印材です。水牛材は牛の角ですが、人間の部位に例えると「頭髪」に当たります。髪の毛が固まって硬質化したものと考えると分かりやすいですね。当店では中でも芯持ちと呼ばれる最良の印材を使用しております。

長所としては、油に非常に強く、朱肉による侵食がない事です。

短所は毛質のため毛糸を食べる虫(よくタンスの中にいる虫)がこの水牛材をかじりる事があります。しかし、きちんと印鑑ケースに入れておけば、まず問題ありません。

耐久性で白水牛より少し劣るものの実用には十分な強度があり、古い印を再彫刻して使う事もできます。一生を通して使える割には価格も手頃で、コストパフォーマンスの高い印材と言えるでしょう。

職人さんの一言
非常に丈夫な材料です。印刀の通りも滑らかなので仕上がりもキレイですね。鳳凰の銀行印では細い線の部分の強度が気になる所ですが、黒水牛なら朱肉の油にも強いので心配なく永く使っていただけると思います。
白水牛【しろすいぎゅう】
白水牛【しろすいぎゅう】
オランダ水牛とも呼ばれます。白水牛は飴色の美しい印材で、象牙にはない気品を感じさせます。水牛材は、牛の角ですが、人間の部位に例えると「頭髪」に当たります。髪の毛が固まって硬質化したものと考えると分かりやすいですね。

耐久性も高く長年にわたってご使用いただける印材です。当店では中でも芯持ちと呼ばれる最良の印材を使用しております。長所としては、油に非常に強く、朱肉による侵食がない事です。

短所は毛質のため毛糸を食べる虫(よくタンスの中にいる虫)がこの水牛材をかじる事があります。しかし、きちんと印鑑ケースに入れておけば、まず問題ありません。

その美しさもさる事ながら、黒水牛と比較すると耐久性でも優れた印材です。使用頻度によりますが、永年使っていると磨耗の仕方に差が出ます。印材の価値でも白水牛の方が高級と言えます。

職人さんの一言
黒水牛よりも更に丈夫で摩耗の少ない材料です。印刀の通りも滑らかなので仕上がりもキレイですね。鳳凰の銀行印では細い線の部分の強度が気になる所ですが、白水牛なら朱肉の油にも強いので心配なく永く使っていただけると思います。材質・仕上がり・気品と大変クオリティーの高い印材です。
象牙【ぞうげ】
象牙【ぞうげ】
象牙は、象の牙ですから、人間の部位に例えると「歯」に当たります。非常に硬く良質の物程きめが細かくしっとりとした質感になります。朱肉の乗りも良く、綺麗な印影が得られます。 印材としては一生物に相応しい印材と言えるでしょう。
政府認定シール
種の保存法に基づき、正規ルートで輸入した象牙には政府発行のシールが付属します。当店で取扱っている象牙は全て政府に申請しており、この「政府認定シール」が付きます。
職人さんの一言

象牙は個体や製材する部位によって印材の品質が大きく変わります。
例えば象牙の中心部分から取った物はキメが細かく上質ですが、端の部分(外側)は目が粗く手彫りでは印刀が思うように通らないような印材もあります。強度的には問題ないと思いますが、そのような違いから仕上がりや見た目でやはり価値が変わると思っております。

当店ではお客様が一生持つ物にふさわしい材料を厳選してお届け出来るよう心がけております。