春慶塗(しゅんけいぬり)は、漆塗の技法、またはその技法で製造された漆器
「日本三大春慶塗(日本三春慶)」と呼ばれる飛騨春慶(岐阜県高山市・飛騨市)、能代春慶(秋田県能代市)、粟野春慶(茨城県東茨城郡城里町)がある
紅色または黄色で着色してできた木地の上に「春慶漆」と呼ばれる特に透明度の高い「透漆」(すきうるし)を塗り上げ、表面の漆を通して木目の美しさが見えるようにしている
製造工程 |
産地によって多少異なるが、おおよその工程は次の通りである。 ■材料の木は、トチ、ヒノキ、サワラ、ヒバを使用する。木目等を吟味し、その木材を木地師と呼ぶ 職人が加工する。 ■木地固め(目留め)木目に水練りした砥の粉、石膏などを塗り込んでは拭き取る作業を2、3回行う。 ■着色−色は黄色と紅色の2種類がある。黄色の原料はクチナシ、キハダ、オーラミン、紅色はベンガラ、ローダミンを使用する。 ■下地(素地)に漆が吸収されるのを防ぐために、木漆、膠液、豆汁などを塗布する。 ■摺漆(すりうるし)−透漆に荏油を混ぜたものを、数回に分けて薄く塗りこむ。 ■回数によって荏油の割合を変えることもある。 ■上塗−透漆に荏油を加えた春慶漆を刷毛で塗る。 ■春慶漆は塗師が独自の製法で精製する |