大分県で唯一の伝統工芸品に指定されている「別府竹細工」。別府の温泉は古代から知られていますが、竹細工もまた古い歴史を持っています。
別府竹細工の起源について、「日本書紀」の記述によると、景行天皇が九州熊襲(くまそ)征伐の帰りに別府に立ち寄った際、お供の膳伴(台所方)が、良質のシノダケが多いことを発見し、メゴ(茶碗かご)を作ったのが始まりとされています。
本格的に工芸品として扱われるようになったのは室町時代からと言われており、行商用の籠が販売のために生産されるようになったことによって竹細工市場が整備されていきました。
江戸時代に入ると、湯治場として栄えた別府に滞在する際の日用品として使われるようになり、その後土産品としても好評になって別府の地場産業として定着していきました。昔から多くの人に愛用されてきた竹細工の技を絶やしてはいけないという思いから、別府には日本で唯一の竹細工の職業訓練校があります。