お食い初めとは?
「お食い初め」は、生まれて初めての赤ちゃんのお食事をお祝いする一生に一度の儀式です。
古くは平安時代から行われている、歴史ある伝統行事で、一生食べることに困らないように、と赤ちゃんの健やかな成長を願います。お祝いをする時期が100日前後であることから、「百日祝い(ももかいわい)」「100日祝い(ひゃくにちいわい)」とも呼ばれます。
お食い初めに必要なもの
お食い初めのメニュー
お食い初めでは昔ながらの日本の食事「一汁三菜」を基本としたお祝い膳を用意します。地域ごとにさまざまな食材がありますが、いずれも縁起の良い意味合いの献立が用いられます。一汁三菜の代表的なメニューは、焼き魚、お赤飯、お吸い物、煮物、香の物です。
祝い鯛
尾頭付きの立派な国産真鯛を
丁寧に焼き上げてお届けします
鯛は、その魚体の赤い色がおめでたいということからお祝い事によく登場する魚です。七福神の恵比寿様が抱えているのも鯛であり、昔からお祝いの席で食べられてきました。
お食い初めでも主役はやはり鯛です。頭から尻尾まで一匹丸ごと焼き上げます。「首尾一貫」(はじめから終わりまで全うする)の意味から、長寿の願いが込められています。
お赤飯
当店のお赤飯は原料すべてが北海道産です。
お赤飯には邪気を祓ったり魔除けの意味が込められています。古来から赤という色は邪気を払う力があると信じられてきました。赤いご飯は太陽を、小豆は星々の輝きともいわれます。悪いことが起きるとお赤飯を食べて、凶を返して福とする「縁起直し」を行う地域もあるようです。
赤ちゃんが病気や災難に遭わず、健やかに成長するよう願いを込めてお赤飯をいただきましょう。
蛤のお吸い物
国内流通量たった5%
千葉県九十九里産はまぐり
旨味が格段に違います
蛤は対になっている殻以外とはぴったりと合わないことから、良縁を意味します。一対の貝のように良い伴侶に恵まれ、幸せになってほしいという願いが込められています。また、お吸い物は「吸う力」が強くなるようにという意味もあります。
煮物
おめでたい意味のある食材や、旬の野菜を煮物にします。例えばれんこんは穴が開いていることから先が見える、見通しがきくといった明るい先行きを表します。たけのこは真っすぐにすくすく成長するようにという意味があります。
香の物
香の物(漬物)には長寿の意味があります。紅白なますなどは縁起が良く彩りもきれいです。「多幸」にかけて、たこの酢の物も縁起物です。
歯固めの石
歯固めの石は、赤ちゃんに
石のような丈夫な歯が生えますように、
という願いを込めて用意するものです。
生後100日頃は、ちょうど赤ちゃんの歯が生えはじめる時期でもあります。
昔から歯が強く丈夫なことが長寿を表すと考えられてきました。年齢を表す「齢」という字は「年歯」とも書き、「よわい」とも読みます。「数珠つなぎにならぶ年月」という意味があります。
赤ちゃんが健やかに育ち、長寿をまっとうできるようにと、歯固めの儀式が古くから行われてきました。
石の選び方は?
丸くてツヤツヤした小石がよく選ばれます。
ご両親が気に入った石であればOK、特に決まりはありません。大きさは2~5cm程度が扱いやすく、保管もしやすいです。
いくつ必要?
石の数は1~3個用意します。正式には黒・白・赤の3つの石を使うものとされていましたが、なかなか見つからないことも多いので、現在では形の良いものを1つ用意して儀式を行います。
石はどこで入手できる?
・お宮参りのときに神社から授かる場合
・近所の河原などで拾う
当店のお食い初めセットは歯固めの石付き
お食い初めの儀式のために選別され、磨き上げた専用の石ですので、準備いらずで歯固めの儀式ができます。
儀式のあと石はどうする?
儀式が終わったあとは記念に保管をしたり、赤ちゃんのお守り「福石」として残しておくのも素敵です。
当店では歯固めの石のみの販売も行っています
祝い箸
お食い初めでは赤ちゃんが初めてお箸を使って食事をするため、お祝いの意味を込めて「祝い箸」を用意します。
祝い箸はお祝い膳に用いる、お正月や婚礼の儀式などハレの日に欠かせない縁起の良いお箸です。
祝い箸ってどんなお箸?
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Point 1 【両口箸】
箸の両端を細く丸く削っており、これは一方が人が食べるため、もう一方は神様が食べるためのお箸という意味です。「神人共食(しんじんきょうしょく)」といい、神様へのお供え物を共に食すことで恩恵を授かるという意味を持っています。
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Point 2 【俵箸】
箸の両端を細く丸く削っており、これは一方が人が食べるため、もう一方は神様が食べるためのお箸という意味です。「神人共食(しんじんきょうしょく)」といい、神様へのお供え物を共に食すことで恩恵を授かるという意味を持っています。
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Point 3 【柳箸】
柳は折れにくくとても丈夫なことから強い生命力を表し祝い箸に用いられます。柳の木は、清らかな香りと木肌が白いことから、邪気を祓い長寿をもたらすといわれています。
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Point 4 【末広がりの八寸】
祝箸は縁起をかつぐ意味から、末広がりの八寸(約24センチ)の長さで作られることが多いです。
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Point 5 【箸袋】
祝箸は必ず箸袋に入っています。大みそかに家長が家族の名前をそれぞれの箸袋に記入し、箸を入れて神棚に供えておくという習わしがあります。祝箸を包み清めて家族一人一人の幸せを願います。
お食い初めの食器
昔ながらのお食い初め食器は、
お膳に器をのせた
漆器のセットが用いられます。
男女の食器の違い
男の子は内外ともに朱色の漆器、女の子は外側が黒色、内側が朱色の漆器です。
朱色は古来から高貴さの象徴であり、おめでたいものに朱色が使われてきました。昔は男子の誕生は尊いものであったことから、男子用の器には全面朱色の器が使われたようです。
しかしながら現代は平等ですから、必ずしもしきたりに従う必要はありません。
漆器の名称と並べ方
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飯椀左手前に置きます。ご飯を盛り付けます。
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汁椀右手前に置きます。汁物を盛り付けます。
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平椀右奥に置きます。煮物など温かい料理を盛り付けます。焼き魚用に別の皿を用意しない場合は、平椀に焼き魚を盛り付けます。
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壺椀左奥に置きます。酢の物などの冷たい料理を盛り付けます。お作り(刺身)を盛り付け場合も壺椀に盛り付けます。
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高杯真ん中に置きます。歯固めの石や梅干しを盛り付けます。通常の本膳料理では漬物や酢の物など軽いおかずを盛り付けます。高杯がない場合はお椀の蓋で代用できます。
※上記の配置は代表的な一例であり、仏教の宗派等によって異なります。
現代風に、ベビー食器で簡単かわいいお食い初め
漆器は日常的に扱いにくい面もあり、お食い初めだけの為に正式な漆器セットを購入するのは迷われるかと思います。最近ではしきたりにこだわらず、儀式のあとも使用できるベビー食器などで儀式を行うことも多いです。
当店では伝統的な食器から、普段使いができるベビー食器までお食い初めにぴったりの食器を取り揃えております。お食い初め膳と食器がセットになったお得なセットも大変人気です。
儀式のやり方
食べさせる順番
お食い初めでは、お料理を食べさせる順番が決まっています。現代ではあまりこだわらない家庭が多いですが、参考にしてみて下さい。
実際には赤ちゃんはまだ食べることができませんので、口もとに運んで食べさせる真似をします。お料理は儀式の後、ご家族で美味しくいただきましょう。
鯛・お赤飯・お吸い物の場合の順番
鯛・お赤飯・お吸い物・煮物・酢の物の場合
歯固めの儀
歯固めの石の石にお箸を軽くあてます。
そのお箸を「石のように丈夫な歯が生えますように」という願いを込めながら、赤ちゃんの歯茎にやさしくちょんちょんとあててあげます。
※ 赤ちゃんの誤飲の恐れもありますので、石を赤ちゃんの歯茎にあてるのは避けましょう。
※ 石は必ず煮沸消毒してから使用しましょう。
食べさせ役は誰がやるの?
食べさせ役は、長寿にあやかるということからその家の一番の年長者である「養い親」が行う習わしです。
男の子ならお祖父ちゃんまたはお父さん、女の子ならお祖母ちゃんまたはお母さん。
現在はあまりしきたりにこだわらず、みんなで食べさせ役をすることが多いです。最初の一口目は年長者、そのあとは交代でみんなが食べさせると記念にもなって楽しめます。
お色直し式
お食い初めでは、これまでの白い産着を着ていた赤ちゃんに、初めて色付きの晴れ着を着せる「お色直し式」を兼ねる伝統があります。
正式には小袖を着せる習わしですが、かちっと窮屈な恰好ですと赤ちゃんも疲れてしまい、ご機嫌を損ねてしまいかねません。
最近では色付きのベビードレスやタキシード風のロンパースなど、ベビーウエアも豊富。
赤ちゃんの大切な記念日ですので、プチおしゃれをして可愛らしい姿を残してあげましょう。お祝いでいただいたベビー服など、ちょっと特別なお気に入りを着せてあげるのがよいでしょう。
プチおしゃれができる
ベビー服や小物を
揃えています♪
記念写真
お食い初めは一生に一度の思い出となりますので、是非写真に残してください。
しきたりや形式にこだわりすぎず、赤ちゃんの成長を祈って楽しくお祝いしましょう。
将来、写真を見せて「あなたが産まれてきてくれて、みんなが幸せな笑顔になったんだよ」ということを伝えてあげてください。
赤ちゃんのペースに合わせてゆったりと儀式を進めることで自然と赤ちゃんのご機嫌も良くなり、かわいい笑顔が出るでしょう。
赤ちゃんにとっても初めての経験ですので、いろいろな表情が見れそうですね。
どの瞬間もシャッターチャンスです!
お食い初めパーティー
日本の伝統的な文化である「お食い初め」
現代は多様なライフスタイル合わせて、パーティーのような楽しいお食い初めも◎
なにもかも習わしに沿って・・と考えなくても大丈夫。一番大切に受け継がれてきたのは「子どもを慈しむ心」です。