◇リボス自然塗料を使用しての木のライフプラン
- バンキライという南洋材(セランガンバツーとも呼ばれる)のデッキ材に、リボス/カルデット#002クリアーを塗った塗装例は、上の「透明塗装」のコーナーでご紹介しています。
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- その、カルデット#002クリアーを塗ったバンキライ・デッキ材が、年月の経過と共に風化してシルバーグレーに変化してきました。
今回、このデッキ材を塗り直しの実演として、シルバーグレーの程度が違う2枚のデッキ材を用意しました。
右上が雨ざらし放置して1年10ヶ月経過品、右下が1年経過品です。
- このようなシルバーグレー現象は街中でもよく見受けられますが、木がシルバーグレーになった訳ではなく、表面の木の組織が劣化して白く見えるだけです。
これは、雨などに当たると濃く濡れて色が戻る事でも分かります。
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- 1年10ヶ月経過したものは、表面が風化によりかなりガサツキがありますので、スポンジ研磨剤/ミディアムで研磨を施します。
少しこすっただけで白味が消え、材本来の色が戻ってくるのが分かります。
広い面積でしたら電動サンダーで研磨しても良いと思います。
1年経過品はガサツキの程度が少ないので、軽く汚れを取る程度の研磨に留めます。
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- 表面は研磨によりガサツキが消え、手触りの良い仕上がりとなりました。
- これより塗装に移る訳ですが、2通りの方法を試みたいと思います。
- 1つはデュブノ下塗りオイルを塗る方法。(右側・1年10ヶ月経過品)
- もう1つは直にカルデットを塗る方法です。(左側・1年経過品)
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左の画像は、カルデット#062ウォルナットを直に塗っています。
シゴキ塗りして手早く塗りっぱなしです。
右の画像は、デュブノ下塗りオイルをタップリと塗り込みます。
この場合、吸い込まないオイルは後で拭き取りますので、塗りムラは気にせずタップリ吸わせます。 |
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左の画像は、カルデット#062ウォルナットを塗りっぱなしで塗り終えた状態。
右の画像は、デュブノ塗布後10分経過して、吸い込まない余分なオイルを拭き取っています。 |
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左の画像は、一晩置いてカルデット2度目の#062ウォルナットを塗布しています。
1度目と違い、吸い込みが抑えられていて伸びが良いです。
手早く刷毛を動かし、塗りっぱなし。
右の画像は、デュブノの拭き取り完了して乾燥した状態。 |
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左の画像は、2度目のカルデット#062ウォルナット塗布後、乾燥した状態。
右の画像は、デュブノ1晩乾燥後、カルデット#062ウォルナットを塗布しています。
吸い込みが抑えられ、滑るようにブラシが進みます。
やはり素早く刷毛を動かし塗りっぱなし。 |
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右の画像は、カルデット#062ウォルナットを塗りっぱなしで塗布後、1晩乾燥させた状態です。
色ムラの少ない均一な仕上がりとなっています。 |
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右の画像は、デュブノ1回、カルデット#062ウォルナット1回のメンテナンス終了後、雨上がりの様子です。
雨を完全にはじいているのが良く分かります。 |
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今回のメンテナンス塗装のポイント
- 2種類のバンキライデッキ材を2通りの塗り方で、メンテナンスして見ました。
- どちらもカルデット#002クリアーを塗ってから、1年〜1年10ヶ月経過してシルバーグレーになっていますが、程度に差があります。
- 劣化の進んだ方は、表面が劣化によりガサツキがあり、このままカルデットを塗ると、色ムラや色のカラミが発生して汚くなることが予想される為、表面研磨調整後デュブノをタップリ下塗りしてカルデット#062ウォルナット1回仕上げとしました。
- 表面の比較的荒れ方の少ない方は、軽い研磨の後直にカルデット#062ウォルナットを塗り、2回塗りとしました。
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仕上がりについての考察
- カルデット#002クリアーを塗ってから1年10ヶ月経過した方は、木の組織の劣化が表面層より徐々に内部へと進み、ワレも発生し始めていました。
この状況のメンテナンスではデュブノの下塗りは必須です。
デュブノが浸透しただけで濃く発色したのは、内部への劣化もある程度進み、デュブノの吸い込み量が多かった為です。
カルデットで仕上がった感じはオイル感に溢れ、均一な仕上がりとなっています。
- カルデット#002クリアーを塗ってから1年経過した方は劣化も少なかった為、直接カルデットを塗り込みました。
材自体の部分色差や吸い込みの部分差によって少々の色ムラはあるものの、全体としてみれば均一な着色仕上げとなりました。
カルデットを直塗りしてのメンテナンス塗装をするタイミングとしては、限度だと思います。
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今後のメンテナンス計画と今回のデッキ材のライフプラン
- 今回のバンキライ材(セランガンバツー)は有色堅木で美しい杢理を持っておりますので、いっぺんに余り濃い色を着色しない、というプランでメンテナンスを行いました。
また、ある程度材そのものに耐久性が備わっていますので、着色オイルはカルデットを選択しました。
- 次回以降のメンテナンスプランとしては、1年〜2年程度の期間を開け、表面の状態を見ながら同じカルデット#062ウォルナットを塗り重ねます。
- 同じ作業を少なくとも3〜4回繰り返した後、材の劣化度をチェックしながら、タヤエクステリアを塗る決定をする。
- タヤエクステリアも最初から暗色を塗らずに明度の高い色より塗り、数年のインターバルを空けながら、だんだん暗色を選択する。
- ある程度木が着色された状態でこれ以上色を濃くしたくない場合には、リボス/クノス(透明)を塗ることで撥水性の維持が出来ます。
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