スプロケットを交換します。
「スプロケット」は自転車の後ろのギアのことです。
「カセットスプロケット」とも呼ばれます。省略して「スプロケ」と呼ばれることもあります。
よく走る人はここを交換して自分にあったギア比にしたり、走るコースに応じて交換したりします。
今乗っている自転車のギアが重くて踏み切れない、なんていうときはここを交換してみるのもひとつの手です。
(最近ではコンパクトドライブが普及しつつあるので、フロントのクランクを換える方法もあります。)
ここをはずすと掃除がしやすい、というメリットもあります。
工具さえそろっていればそれほど難しい作業ではありませんので、ぜひチャレンジしてみてください。
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まず用意するのは「ロックリング回し」。
左の写真は「PARK
TOOL FR-7C」です。
本来シマノ用は「FR-5C」ですが、この「FR-7C」も使えてしまいます。
これを回すためのモンキーレンチやスパナなども必要ですね。
そのほか古くからさまざまな規格がありますが、
8段以上のものはほとんどがシマノ用に対応した「ロックリング回し」ではずれます。
たまにあるのも「カンパニョーロ用」ぐらいです。
7段以下のものは、また規格の違うロックリング回しが必要です。
「シマノ用」と「カンパニョーロ用」には互換性はありませんのでご注意ください。
他にシマノ純正のものや、BBBのものもあります。 |
それと「小ギア抜き」。
後輪のギアは後ろ回しにすると空転してしまいますので、
ギアを抑えるためのこのような工具が必要になります。
シマノ純正のもの、パークツール、BBB、などのものがあります。
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それでは作業に移ります。
以前に説明した「ホイールのはずしかた」に従ってホイールをはずし、いったんシャフトを抜きます。
そこに「ロックリング回し」をセットします。
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これだけでは回しにくいので上からクイックリリースのキャップをかぶせ、
シャフトも入れて固定するといいでしょう。 |
こうするとモンキーレンチなどで回しやすくなります。
ロックリングをはずしたい場合は実はこれだけでははずれません。
ラチェットが空転してしまい、うまくロックリングを回すことができません。
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そこで上で紹介したような「小ギア抜き」が必要になるわけです。
名前は「小ギア抜き」ですがギアが動かないように抑えるための工具で、
この工具のみでギアを抜くことはできません。
大き目のギアの適当なところに「小ギア抜き」のチェーン部分をしっかりと引っ掛け、
これで抑えながらロックリング回しを反時計回りに回すとロックリングがはずれます。 |
(上図はシマノの説明書より抜粋。)
はずれたスプロケットはばらばらになりますので、紛失しないように気をつけてください。
ギアだけではなく、間にある「ギア間座」も重要です。
シマノの場合「ロックリング」の裏に薄っぺらの金属のスペーサーが付いていますが、それも部品のひとつです。
あまりに薄すぎて要らないものかと思ってしまいがちですが、捨てないように。
上の図にあるハブボディ側の「スペーサー」はある場合とない場合があります。
ハブのボディと、スプロケにはそれぞれはめるときに間違わないよう、スプラインが切ってあります。
はめるときにはこれを合わせていけば問題ありません。
(シマノ用とカンパ用ではスプラインの形状が異なりますので、互換性がありません。)
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ロックリングをはめるときははずすときと違って空転することはないので、
そのままロックリングを回せば大丈夫です。
あまりトルクをかけすぎないように写真のように「上に引き上げるように」固定するようにした方がいいでしょう。
押す方向で固定しようとするとトルクをかけすぎることが多く、あまりよろしくありません。
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