魅惑の芸術・ペルシャ絨毯の話
ペルシャ絨毯が世界的に有名なのは知っているけれど何故?
イラン国内でのペルシャ絨毯とは?
●使うのがイラン人自身
昔から現在に至るまで、生活必需品として使用されている。イラン人の生活に欠かせないものであり、土地や金と同じように財産としての価値がある。また、イラン人自身がとても絨毯を愛してる。
●イランの羊毛が絨毯に適している
イランのような乾燥した土地の羊毛は、弾力があり丈夫である。
●草木染の原料が豊富にある
染料の原料となる草木が多く自生しており、栽培も盛んに行われている。
●その美しさから、世界中にマニアがいる
使うほど美しくなるペルシャ絨毯は、ヨーロッパを中心に人気があり、世界中にペルシャ絨毯のコレクターがいる。
イラン人の生活で欠かせないものと言ったら、やはり絨毯。イラン人は絨毯がないと生きていけないと言っても過言ではないくらい生活に密着しているのです。 実際、絨毯というのはイランの乾燥した風土にピッタリの生活用品です。日本のように湿度が高いよりも乾燥しているほうが絨毯にとっては条件が良いですし、木造でなく石造りの床の上に置くのにも適しています。
イランの家ってどんな風?と思われるかもしれませんが、玄関で靴を脱いで、家の中に入ります。日本と同じですので、日本人にとっては違和感なく落ち着けます。ちょうど日本人にとっての畳のような存在ではないでしょうか。 絨毯の上にいると落ち着くらしいのです。 部屋に隙間なく敷き詰めるという敷き方が昔からのスタイルですが、最近では西欧風に大理石のような石張りのフロアーに絨毯を格好よくレイアウトして、室内ではスリッパやサンダルをはくという家庭も増えています。
ペルシャ絨毯の国ということは、どの家でもあのような高価な絨毯を敷いているのかというとそうではありません。普段使いの機械織りの絨毯も作られていますので、多くの家庭ではそちらを使っています。 裕福な家庭では高価なペルシャ絨毯が使われています。イラン人にとってもペルシャ絨毯は富の象徴であり、憧れであり、また自国の伝統芸術として自慢の存在です。
ペルシャキリムの素晴らしい点は、織りに関して、実に様々な技法を持つ点です。
ポシュティ |
約60×90cm
ドアマット・玄関マットサイズ。ポシュティはペルシャ語で背もたれやクッションを指します。 |
ザロチャラク |
約80×125cm
ドアマット・玄関マットサイズ。ポシュティはペルシャ語で背もたれやクッションを指します。 |
ポシュティ |
約60×90cm
ドアマット・玄関マットサイズ。ポシュティはペルシャ語で背もたれやクッションを指します。 |
ポシュティ |
約60×90cm
ドアマット・玄関マットサイズ。ポシュティはペルシャ語で背もたれやクッションを指します。 |
ポシュティ |
約60×90cm
ドアマット・玄関マットサイズ。ポシュティはペルシャ語で背もたれやクッションを指します。 |
ポシュティ |
約60×90cm
ドアマット・玄関マットサイズ。ポシュティはペルシャ語で背もたれやクッションを指します。 |
ポシュティ |
約60×90cm
ドアマット・玄関マットサイズ。ポシュティはペルシャ語で背もたれやクッションを指します。 |
モラッバ ・・・正方形の絨毯
ゲルドゥ ・・・円形の絨毯
ベイジー ・・・楕円形の絨毯
ペルシャ絨毯の素材
ウール製とシルク製がほとんどです。縦糸にはシルクやコットン、ウールが使用されます。生産の多くを占めるのは、ウール製ですが、ウールの中でもランクが様々あり、その中でも子羊の毛からとったウールは「コルクウール」と呼ばれ、毛質がしなやかで柔らかく高価になります。
ウールは耐久性と色持ちが良いという特徴を持ち、シルクは滑らかな感触、光沢による色の違いを楽しめるという特徴があります。ウールよりシルクが高級というわけではありませんが、シルクの糸の値段が割高なので、一般にシルクの絨毯は若干割高な傾向にあるようですが、どちらが良いかお選びになる際には、個人の好みや使用する場所に適した素材を選ぶようにされると良いと思います。よく踏むような場所に敷く場合には耐久性の高いウールが向いていますし、シルクは日光による変色が大きいので、日光の良く当たる場所には置かない方が良いなどということも考えられますが、やはりご自分の気に入ったものをお選びになるのが一番ではないかと思います。
ペルシャ絨毯の織り
■織り方
1本の縦糸に糸を結んでいくのを「シングルノット」、2本の縦糸に糸を結んでいくのを「ダブルノット」と呼びます。 シングルノットはより細かな模様を表現出来ますし、ダブルノットはシングルノットに比べ耐久性があります。ペルシャ絨毯は、シングルノットで織られます。
■ペルシャ絨毯の織り密度
密度が高いということは、織る時間が掛かる、より細かな模様を表現できるため美しいという事で品質や価格が高くなります。 織り密度を表現する単位ですが、イランの絨毯の産地ごとに独自の単位が存在します。
日本人に馴染みのあるのは、一般的な「ノット」という単位。1cm四方に100目を「100/cm2」、1m四方に100万目を「100万/m2」と表します。
タブリーズやクム、カーシャン地方では、「ラージ」という単位が使われます。1ラージ=約7cm、その中に結び目がいくつあるかで、40ラージとか50ラージとか80ラージとか表します。
ナイン産では、「ラ(LA)」という単位が使われます。例外はありますが、ナイン産の絨毯は、6LA(シシラ)と9LA(ノーラ)とに分けられ、実物を見なくても、6LAと聞けば細かい織りだな、9LAなら粗い方の織りだなと判断されます。イレギュラー的にですが、4LA(チャハルラ)という特別細かな絨毯なども稀に存在します。
エスファハンでは、「サッタイ」という単位。エスファハン産の絨毯には、端の房の付け根の部分に等間隔でラインが入っています。このラインは、縦糸が200本毎にひかれていて、その中の結びは100目になります。このラインが16本あれば16サッタイと呼ばれます。
※この密度の数字は大体の目安程度にお考え下さい。例えば80万ノットと100万ノットで、見た目の粗さに大きな差が見て取れるような違いはございません。絨毯の価格や良し悪しは密度だけで判断できるものではありませんので、織り密度だけを判断の基準にされない方が良いかと思います。
■織り子の技術
織り子の技術の高低により、仕上がった絨毯の出来、美しさにも差が出ます。密度の高い絨毯は、高度なテクニックを持つ織り子によって織られます。
アンティークやオールドですと、色の劣化や状態の良し悪し、補修跡などもチェックするようですが、現在当店では新しいもののみ扱っておりますので、新品の場合の基本的なチェック項目をいくつか挙げてみたいと思います。
■美しさ
やはり見たときの美しさが大切ですし、絨毯の優劣の要素になります。デザインの美しさ・色の美しさ・素材感などを見ます。
■全体のバランス
遠目で色とデザインのバランスを見ます。いろいろな角度から見ましょう。
■織り
絨毯を裏から見て、模様の乱れていないものほどきちっと織られたものです。また、織りの密度やゆがみがないかも見ます。
■破損がないか
ごく稀に織地が破損しているような場合もあります。
ウール素材よりシルク素材の方が高級・良質だということもありません。それぞれに素材の特性がありますので、敷く場所によって絨毯の素材をお選びになると良いです。高価で長く使えるものですので、人の意見は参考程度にしてやはりご自分が一番気に入った最高の一枚をお選びになるものが良いと思います。
絨毯に名前が織り込んであるものもありますが、必ずしも有名ブランドであるとは限りません。有名工房作でも名前の入っていないものもあります。