熊野の極(きわみ)とは、熊野にこだわったコンセプトのプレミアムシリーズです。現在、希少な伝統の熊野番茶を贅沢にも染料として仕上げた「熊野番茶染めシリーズ」と、100年ぶりに新種として認定されたクマノザクラの剪定材を染料に仕上げた「熊野桜染めシリーズ」の2種類を展開しています。


熊野桜染めシリーズ

100年ぶりとなる新種「クマノザクラ」を原料として染め上げた商品です。「クマノザクラ」は紀伊半島南部の山間部に元々自生していた桜で、特徴としては咲く時期がヤマザクラやソメイヨシノより2~3週間早い時期に咲き、一般的に2月~3月が見ごろとなります。花の特徴として従来の桜は花弁が白、薄紅色なのに対し、クマノザクラは淡紅色です。

「熊野桜染め」はクマノザクラの倒木したものや剪定された枝や幹の樹皮の部分を利用し、粉砕したものを天日乾燥させた後、染液となる原材料として使用しています。

1時間ほど炊き出し、濃い赤に煮詰まったところにTシャツやストールなどの製品を入れ撹拌、みょうばんでの媒染をして完成に至ります。

労力や時間のかかる工程ですが、一点一点を丁寧に地道な作業を経ることできれいなベージュ系ピンクの春らしい色合いに染めあがります。

熊野桜染めアイテム

熊野番茶染めシリーズ

お茶には人の心を落ち着かせる力があります。

熊野地方においては古来から伝統的に焙烙で焙煎した「お番茶」が親しまれてきました。 

今では地元でも貴重となった熊野のお番茶を贅沢に染料として利用した「熊野番茶染め」。

Tシャツをはじめストールなど、ご注文をいただいてから一点一点、店主自らの手染めにて

仕上げて商品にいたしております。



熊野の番茶文化

古くから熊野地方では各家庭でお茶の木を植え、各家庭で番茶を作る文化があります。


一般的に、番茶といえば堅い茶葉などからつくられる品質の落ちたお茶を想像されますが、熊野の番茶はそれとは全く違います。

良質の茶葉を摘み、釜で炒ったのち揉み込んでで乾燥させ、仕上げに大きな焙烙(ほうろく)で焙煎したものが熊野では番茶と呼ばれます。

昔は各家庭に大きな焙烙があり、香ばしい香りを楽しみながら自分たちでお茶を焙煎していました。


また、熊野の番茶の特徴としては、製造の途中で自然と半発酵が行われ、マイルドな味わいのお茶に仕上がります。その番茶は熊野や紀伊半島の伝統食「茶粥」にも使われ、このお茶でないと伝統の美味しさは出せません。

熊野番茶染め作業工程

熊野番茶染めは様々な工程を経て出来上がります。 
労力や時間のかかる工程ですが、丁寧に、地道な作業を経ることで熊野番茶染めならではの色と風合いが誕生します。 
以下では熊野番茶染めの「酢酸銅媒染」と「木酢酸鉄の重ね媒染」二つの作業工程をご紹介します。

熊野番茶染め【酢酸銅媒染】

1.染料となる熊野番茶を焚き出す

染料となる熊野番茶を焚き出していきます。熊野番茶は不織布に入れ、熱湯につけます。 

色をよく出すために、酢を加えます。 

このまま沸騰させ、煮詰めていきます。

2.染めの素材を洗浄する

染めるための素材を、色がよく染まるように、あらかじめ洗浄しておきます。 

洗浄が終わった後、熊野市に広がる七里御浜でとれる御浜小石を使用し、絞り柄の準備を行います。

3.染色、媒染 

焚き出し用鍋から染料入り不織布を取り出し、染めるための素材を投入し、撹拌(かくはん)を行います。 

再度沸騰したら酢酸銅を染液に入れ、馴染ませたのち火を止めます。 

冷ましながら時間をかけて、丁寧に攪拌を続けます。この攪拌作業を行うことにより、ムラなく綺麗に染め上げます。 

攪拌が終わったら、蓋をして暫く置きます。 

4.洗浄ののち完成 

十分に染まった素材を、お湯ですすぎます。 

すすいだ後に、御浜小石で絞りをしていた部分を取り外します。 

その後再度、洗剤を使用して洗濯。洗剤を落とすために、再度すすぎをし、乾かせば完成します。

熊野番茶染め【木酢酸鉄の重ね媒染】

木酢酸鉄の重ね媒染でしぼりの加工を行う場合は、酢酸銅媒染の過程までしぼりを入れない状態で染色を行います。

酢酸銅媒染で仕上げた素材を水洗いだけ行い、御浜小石にて絞りを入れます。 

木酢酸鉄で作った溶液の中に、素材を入れ、しばらくの間攪拌を続けます。 

攪拌の後、お湯ですすぎ洗濯。後に洗剤で洗濯、すすぎ、乾燥を経て完成します。

「酢酸銅媒染」と「木酢酸鉄の重ね媒染」比較

酢酸銅鉄媒染 |木酢酸鉄の重ね媒染 

同じ熊野番茶染めでも媒染によって色や風合いが変わります。

自然で優しいお茶の色合いが特徴の熊野番茶染め。 

熊野番茶染めは染める素材、焙煎の種類、しぼりを入れることによって様々な風合いに仕上がります。 

製品はTシャツ、ストールなどを展開しております。


本シリーズはご注文後、1点1点店主自ら手染めにて製作いたしております。他シリーズと異なり、発送まで7~10営業日を要しますので予めご了承くださいませ。

熊野染めシリーズは熊野商工会議所[熊野ブランド]認定商品です

熊野ブランドとは、熊野の豊かな自然遺産、歴史的文化遺産、産業遺産を結び付け、独自の資源および伝統的な加工技術などを活かし、ストーリー性のある特産物および魅力ある加工品等を認証するブランド認定制度です。

熊野番茶染めアイテム

お買い上げに関しての注意事項

洗濯は、アルカリが強いと変色しやすいのでご注意下さいませ。また草木染めは光に弱く、黄ばみ・色あせが起こりやすいので、できましたら明るい場所は避けて陰干しで乾かして下さい。


天然染料を使用していますので、一般のお洋服のように同じ品質の物を繰り返し製造することはとても難しいものです。写真で撮影したものだと、どうしても違った色合いになることもございます。もしお求め頂きました商品がイメージと違うようでしたらすぐに電話またはメールにてご連絡ください。返品または交換の手続きをさせていただきます。なおご返品は一週間以内にお願いします。  


また着用されたものやお客様ご自身で汚されたものにつきましては返品はお断りいたします。