カシミヤのいろいろ


1.カシミヤの毛はどうやってできるの?


カシミヤはカシミヤ山羊から採取した毛のことです。カシミヤ山羊は中国(内モンゴル自治区・新疆ウイグル自治区など)、ネパール、モンゴル、イラン、ロシアなどに生息しています。カシミヤ山羊はそれらの国々でも冬は-30℃以下の極寒、夏は30℃を越す猛暑というとても厳しい環境下で生きています。 カシミヤヤギはそんな環境下で身を守るため、毛の表面は粗毛で覆われ、その下(皮膚に近い部分)に柔毛が密生しています。つまりカシミヤは穏やかな気候の場所では生えてこない毛なのです。 同じカシミヤといっても育つ気温、湿度、水質、飼料などの環境によってその質は高いものから低いものまでさまざまです。 内モンゴルにある自社牧場ではこれからもこれらの環境因子がどのようにうぶ毛に影響するかの分析も進めていきます。あの軽くて柔らかいカシミヤのうぶ毛は厳しい環境に耐えてくれたカシミヤヤギからの自然の贈り物なのですね。



2.カシミヤの毛はどうやって集めるの?


 羊の毛は表面の毛を採取するのでバリカンで刈られ羊がまるで裸のようになってしますが、カシミヤの毛は奥のほうに生えているうぶ毛なので丁寧に梳くことで採取します。カシミヤ山羊のうぶ毛(カシミヤ)は梳かずにそのまま放っておくと夏毛に変わるときに自然に落ちてしまうか、抜け落ちなければ岩などに擦りつけて毛を落とそうとするのです。そのため、暑い季節になりうぶ毛が生え変わってしまう前に収穫します。画像は弊社の牧場で飼育されているカシミヤ山羊たちです。うぶ毛を梳く準備をしているところです。



3.どうしてカシミヤは希少価値が高いの?


うぶ毛の採取にはとても手間と時間がかかり一頭から採れる量はわずか150グラムから250グラムでその少なさから高価なものとなります。その少ないうぶ毛を色や長さ、太さなどに基準をもうけ等級に分けられます。カシミヤといってもその等級によって質はピンからキリまであります。もちろん等級によって値段もかなりの差があります。現在、世界一の質をもつカシミヤ山羊を育てらるのは中国内モンゴル自治区です。わたしたちの自社牧場はそこにあります。



4.カシミヤ原毛(うぶ毛)は何色?


カシミヤ山羊のうぶ毛も山羊によって色が違います。 うぶ毛にはホワイト、グレー、ブラウンなどがあります。カシミヤが他の繊維と違うところは繊細過ぎて色を抜いた上に染色をすると柔らかさに影響するところです。パステルカラーのような薄い色の場合はホワイトカシミヤしか使えないのです。 また明度の低い色はグレーやブラウンの毛から染めたほうが染め時間が短くなり繊維が硬くなることを抑えることができます。染め時間が短いほど柔らかいので明度の低い色に染めたい場合はホワイトカシミヤよりもグレーやブラウンを使ったほうが肌触りのより良いものができます。それでもカシミヤは他の素材よりも断然柔らかいです。 染めない生成りのカシミヤが一番柔らかくカシミヤ本来の柔らかな風合いをお楽しみいただけます。 同じカシミヤなのに色によって柔らかさの違いがあるのはその理由からです。よくネット販売でホワイトカシミヤが一番とうたっている会社がありますが、染める色によって原毛の色を選んだほうがより風合いのよい品物に仕上げることができます。ホワイトカシミヤはその染色など利用できる範囲の広さなどからブラウンやグレーよりも価格は高いのですが、繊維の細さや長さも仕上がりの風合いに影響してきますので、ホワイトカシミヤが一番よいとは実は言い難いのです。



5.カシミヤはどうしてあんなに軽くて暖かくて柔らかいの?


カシミヤがあんなに軽くて暖かくて柔らかいのは繊維の細さにあります。ウールは20.5~22.0マイクロンなのに対してカシミヤは14~16マイクロンです。数字が小さいほど繊維が細く私たちが普段手に取る繊維の中で一般にカシミヤの毛が一番細いです。 カシミヤの細くて柔らかい繊維がたくさんの空気を抱えて暖かく包んでくれるのです。 カシミヤは毛が細く密度が高いですが、軽く上品な光沢もあり肌触りがよいとされその希少価値さもあいまって「繊維の宝石」とも呼ばれています。



6.カシミヤのストールやマフラーは厚手のほうがいいの?


同じサイズなのに、重さが違う場合、重いほうがたくさんのカシミヤが使われていてもっと暖かく、値段もお得と思われがちですが実は違うんです。 厚手のカシミヤを作るためには太くて短い毛を使用することもあるので一丸に厚手が良いカシミヤをふんだんに使っているとはいえないのです。カシミヤは短くて太い毛ほど安く、長く細い毛ほど良質です。よく厚手のほうが暖かいのではないかと思われがちですがカシミヤ100%であれば薄くても保温性は劣りません。



7.本当にカシミヤ100%ですか?


カシミヤは他の繊維に比べて何倍もする高価な原料なので少しの混率の違いで大きく原価に影響します。そのため混率を誤魔化してひと儲けしようとする悪い人たちが後を絶たないのです。その理由のひとつに識別方法の難しさがあり、羊毛などを混ぜる偽装が後を絶たず「流通量は生産量の4倍」と言われています。粗悪な原毛を使ったものでも「カシミヤ100%」とうたって世の中に出回っているのも現実です。この混率の誤魔化し問題はなぜ頻繁に起こるのかというと、カシミヤの原料の仕入れ・整毛・紡績・織り・起毛・仕上げ・輸出を一貫して行える工場はごくわずかで、工程ごとに工場が変わることがよくあります。そのどこかのタイミングですり替えなどの不正が起こる可能性があるようです。 自社牧場でカシミヤ山羊を育てることから、お客さまのもとにお届けするまでの様々な複雑な工程も全て自社で行っていますのでご安心してお使いください。