一口にドライスーツと言っても、使用状況は様々でジェットスキー(PWC)、ウェイクボード、セーリング(ヨット)、ダイビング、サーフィンなどの用途が存在します。
当店では、主にジェットスキー(PWC)向け、ウェイクボード向け、セーリング(ヨット)向けのドライスーツを取り扱っております。
ここでは、ドライスーツの購入をご検討中の方に、ドライスーツの基礎知識や選び方をご説明いたしますので、商品選びの参考にしていただければ幸いです。
ドライスーツとは

シェルタイプとネオプレンタイプ
ドライスーツとは水中に入っても内部に水が浸入しない構造の保護スーツのことです。
ドライスーツは、シェルタイプとネオプレンタイプの大きく2種類にわけることができます。
シェルタイプは、ウェットスーツやセミドライスーツと比べ、かなりゆったりした作りになっています。シェルタイプの生地自体に保温性がほとんどありませんので、防寒用インナーを着用して保温効果を高める必要があります。
ネオプレンタイプは、シェルタイプに比べタイトフィットで、ウェットスーツと同様に保温性がある生地(クロロプレン生地)を使用したスーツとなります。

セミドライスーツ
防寒用ウェアとしてドライスーツと並んで注目されるのがセミドライスーツです。
その大きな違いは、ドライスーツは内部に水が浸入しない構造に対し、セミドライスーツは量は少ないものの水は確実に内部に侵入する構造です。セミドライスーツは、入った水の流動性を抑えて、水ごと温めて保温します。
セミドライスーツは、ドライスーツというよりもウェットスーツの部類です。
地域や時期によって変わりますが、春、秋、冬場の水温は本当に冷たいです。運動性はセミドライスーツやウェットスーツには劣りますが、ドライスーツは圧倒的に温かく、体が濡れないため着替えも非常に楽です。
夏場以外でもマリンスポーツを楽しむのであれば、ウェットスーツだけでなくドライスーツも準備しておくことを強くおすすめします。
タイプ選びで迷ったら・・・
シェルタイプは、ネオプレンタイプと比較するとルーズフィットのため、水中での運動性は劣りますが、陸上での運動性は優れます。
一方ネオプレンタイプは、タイトフィットなため、水中での運動性に優れますが、陸上での運動性は劣ります。
水上での活動が中心であればシェルタイプを、水中での活動が中心であればネオプレンタイプを選ぶと良いでしょう。
用語解説
ソックスタイプとアンクルシールタイプ
足先端部分の構造で、ソックス状のゴムで足を包んでしまうソックスタイプに対し、足首でシールして水の浸入を防ぐアンクルシールタイプがあります。ソックスタイプは、足が濡れないため保温性に優れるだけでなく、着替えがとても楽になります。アンクルシールタイプは、ビンディングを装着するウェイクボーダーや足の感覚を大切にしたいユーザーに好まれます。
タイプ選びで迷ったら・・・
ウェイクボードのお客様は、ビンディングを履くので圧倒的にアンクルシールタイプが多いです。マリンシューズやマリンブーツを履くジェットスキーおよびセーリングのお客様は比較的ソックスタイプを選ぶお客様が多いです。ソックスタイプは足がまったく濡れないので、防寒に優れる点、終わってからの着替えがとっても楽な点が長所です。一方でソックスタイプは、破れの可能性が高くなりますので余計な出費が心配です。 アンクルシールタイプでも、冬用のマリンソックスを履いてシューズやブーツを履けば、かなりの防寒対策にはなります。足裏の感覚を重視したい方やたまにウェイクもやりたいというお客様にはおすすめの組み合わせです。
首、手首、足首のシール素材
ラテックスゴムは、ドライスーツの首、手首、足首のシールに使用される素材としてもっとも一般的なゴムの通称です。ゴム素材ということもあり耐久性は低いが、肌に密着しやすいので水密性に優れています。
ネオプレンシールは、ウェットスーツと同様のクロロプレン素材を使用しているので、ラテックスゴムに比べて肌触りがよく快適に過ごせ、着脱も容易で耐久性にも優れています。但し、ラテックスゴムに比べて、水密性は劣ります。
フロントジッパーとバックジッパー
ドライスーツには着用する為のごっつい防水ジッパーがあります。
その防水ジッパーが前面に配置されているものをフロントジッパー、反対に背面に配置されているものをバックジッパーと言います。
防水ジッパーは非常に固いため、背面にあると延長ヒモをつけてもひとりで開閉することは困難です。そこでひとりで着脱ができるように開発されたものがフロントジッパーです。前面に配置されることで、首下がもっさりしたり、構造上コストが高くなる短所があります。
タイプ選びで迷ったら・・・
バックジッパーの場合、ひとりではジッパーを締められないと考えた方が良いでしょう。着替えや休憩も含めて、確実にまわりに友だちがいる環境であればバックジッパーでも問題ありませんが、ひとりでの環境が想定される場合は、フロントジッパーを選びましょう。
スモールジッパー(小用ジッパー)
男性が小用を足すための、いわゆる社会の窓です。頭や手が濡れた状態で、ドライスーツを半分脱ぐのは結構大変な作業です。男性には大好評の機能です。
タイプ選びで迷ったら・・・
上半身を脱がなくてもトイレに行けるので寒い冬には重宝します。少し値段が上がりますが、便利だと言う声が多く、当店では半数近い方がスモールジッパー付きを選ばれます。ただし、設定があるモデルは限られています。
サイズ
基本的にドライスーツは、ウェットスーツやセミドライスーツに比べゆったりした作りになっていますので、よほど大柄でない限り、横幅をあまり気にする必要はありません。サイズ表の身長を基準に商品を選ぶことをお勧めします。適合サイズチャートで、自身の身長がサイズとサイズの中間付近であれば、ワンサイズ小さな方を選ぶとよいと思います。(あくまでも当店の経験論として)
セミドライスーツなら、オーダーメイドも可能です!
もし、サイズに不安をお持ちの場合や自分にぴったりしたサイズを求めるのであれば、オーダーメイドを選ぶことをおすすめします。但し、当店のラインナップではシェルスーツは既成サイズしかありませんので、オーダーメイドをご希望の場合はネオプレンスーツとなります。
また、オーダーメイドのメリットは、自分の身体にあったサイズとなるので、窮屈な箇所もなく既成サイズに比べて動きやすくなります。デメリットとしては、自分の身体のサイズを測る手間や納期がかかる点です。
ブランド別・シリーズ別の対象スポーツ
当店で取り扱うドライスーツブランドは6種類あります。それぞれのドライスーツブランド(シリーズ)が、対象にするスポーツカテゴリーをイメージして作られています。
ジェットスキー ウェイクボード セーリング
J-FISH(ジェイフィッシュ)
MOBBY'S
(モビーズ)
アグレッサー
ウィンド
SLIPPERY(スリッパリー)
ONEILL(オニール)
SPYDERFREX(スパイダーフレックス)
HELLY HANSEN(ヘリーハンセン)
用途によって明確な機能面での違いはありませんが、一般的に次のような傾向がみられます。
ジェットスキー ・単独行動することがあるので、一人で着脱できるようフロントジッパータイプが多い。
・スモールジッパーの設定がある。
・レーシングスーツのようなモータースポーツ系のデザイン
ウェイクボード ・ビンディングを履くためアンクルシールタイプが多い。
・必ず複数で行動するため、単独での着脱はできないがコストの安いバックジッパーが多い。
・ボードファッションを取り入れたボードスポーツ系のデザイン
セーリング ・お尻と膝に補強があるタイプが多い。
・シンプルなマリン系のデザイン
ドライスーツのインナーウェア
寒い中で着用するのがドライスーツではありますが、運動するとかなり汗をかきますので、適切なインナーウェア選びが大切になります。
インナーとして適切な要素は、吸湿性、速乾性、保温性が挙げられます。ベースインナー(肌着)としては、ウールや化学繊維素材、ミドルインナー(中間着)としては、フリースやインナーダウンが有効だと思います。
多くの方は、吸湿性が良く、肌触りのよいコットン素材をインナーとして着用しているのではないでしょうか。
しかし、コットン素材は吸収した水分を放出することが苦手なので体温の低下を招いてしまいます。実はスポーツインナーとしてコットン素材は適切ではないんです。
タイプ別 ドライスーツの着用方法
ドライスーツはの構造は、大きく分けて3種類ございますが、それぞれ着方の手順が異なります。
初めてドライスーツを購入される方や、異なるタイプの物を購入され、着用手順がご不明な方は下記図解をご参照下さい。
   
ドライスーツのメンテナンス
一例として、当店で取り扱っておりますシェルスーツの中の防水透湿素材の説明をします。まず防水透湿素材は、雨や水をハジく撥水性と雨や水の基布への浸入を防ぐ防水性と汗の水蒸気を外部に放出する透湿機能を併せ持つ素材です。この3つの機能を発揮し性能を維持するためには取扱いの注意が必要です。
商品と一緒に取扱い説明書が付属しておりますので必ずご使用前にご確認下さい。
使用後のお手入れ
1. 使用後は、先に真水で海水や汚れを洗い流してから中性洗剤を使用し、40℃以下のきれいな真水で手洗いをして洗剤残しのないようによくすすいで下さい。
(海水で使用された場合は特に念入りに真水で手洗いをして下さい。)
2. ラテックスシールに化粧品や皮脂などが付着している場合は劣化を早めますので中性洗剤を使用して下さい。
3. 防水ファスナーは、中性洗剤を使い歯ブラシなどで汚れをよく落として下さい。
4. 十分なすすぎを行った後、直射日光を避け陰干しして下さい
5. 乾燥後、ファスナーは専用潤滑剤をつけ、2〜3回ほどゆっくり開閉して下さい。
6. 洗濯後、撥水機能が復元しない場合、市販のシリコンスプレーを使用してください。
塩素サラシ、ドライクリーニング(チャージソープ)、タンブラー乾燥は厳禁です。
ネオプレーンタイプの物は色移りの原因になりますので下記にご注意下さい。
・必ず真水ですすいで下さい。
・ぽたぽた水が垂れない程度に水を切ってから陰干しをして下さい。
・塗れたまま他の衣類と重ねさいで下さい。
保管上の注意事項
防水ファスナーは折れ曲がらないように保管して下さい。
ファスナーを半開き状態で保存されますとファスナーが破損する恐れがあります。必ずファスナーを締めた状態で保管して下さい。
重いものをファスナー、スーツ本体に乗せないで下さい。
直射日光を避け、できるだけ温度、湿度の高くなく通気性の良いところに保管して下さい。
ハンガーに吊るす場合は変形を防ぐため、できるだけ幅の広いものを使用してください。
長期間使用しない場合はラテックスシール部分にパウダーを塗布し折りたたまずハンガーに吊るして下さい。(各ラテックスと本体生地が長時間接触すると、生地にラテックスの色が移行する事があります。)
海水や汗などの塩分が付いたまま放置しますと、加水分解を起こす恐れがありますのでご注意下さい。
ドライスーツの修理
当店では、ドライスーツの修理方法として、2通り用意しています。
1.メーカー修理
J-FISH(ジェイフィッシュ)、MOBBY’S(モビーズ)、SLIPPERY(スリッパリー)、O’NEILL(オニール)、SPYDERFLEX(スパイダーフレックス)、HELLYHANSEN(ヘリーハンセン)、DZEI-EF(ジェイ・エフ)のドライスーツのメーカー修理受付を承っております。
修理内容としては、ラテックスシール・ネオプレンシール交換やピンホール修理やファスナー交換などです。
メーカー修理を希望される場合は、通常2〜3週間ほど修理期間を頂きますので、ドライスーツのシーズン前やシーズン後に修理を出すことをおすすめします。
また、当店でも修理の受付を承っておりますので、ご希望の方は下記よりお問い合せ下さい。。
2.リペアキットを使ってご自身で修理
ドライスーツの修理で一番多いのが、ラテックスシールの交換です。ラテックスシールの交換だけであれば、リペアキットを購入して自身で修理することができます。但し、自身での修理に不安をお持ちであれば、必ずメーカー修理に出すことをおすすめします。
メリットとしては、メーカー修理に比べて短時間で修理することができます。(※商品がすぐに納品可能な場合)