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肌フローラにみる育菌スキンケア

肌フローラとは腸内フローラ同様、皮膚に棲む菌(=皮膚常在菌)の生態系のことです。
菌と聞くとつい、不潔でよくないイメージをしがちですが、 実は健やかな肌を保つ上で、とても重要な存在です。
その菌の数は腸内に比べるとぐっと減りますが、それでもわかっているだけで30種以上、1兆個以上の菌が棲んでいると言われ、肌への作用によって、大きく3種類に分類されます。

◆常在菌の種類
  1.善玉菌:お肌にとって有益な働きをする菌
  2.悪玉菌:お肌にとって有害な働きをする菌
  3.日和見(ひよりみ)菌:環境や条件によって有益にも有害にもなる菌


常在菌の種類 これらの菌は、菌そのものが直接肌に作用するのではなく、皮脂や汗などを食べて代謝をすることで新たな物質を作り出し、その産生物質が肌に影響を与えています。

例えば、善玉菌の代表である表皮ブドウ球菌。
この菌は、皮脂や汗から天然の保湿クリームを作り出します。健康な肌が弱酸性に保たれているということはご存知かと思いますが、これは、表皮ブドウ球菌などの善玉菌が常に、お肌を刺激から守るために弱酸性の脂肪酸を作り出しているためです。

かたや、悪玉菌でいえば代表的なのが黄色ブドウ球菌。
これは、エンテロトキシンという食中毒の原因ともなる毒素を作り出し、お肌の上では、かゆみや肌荒れ、アトピーの原因となります。アルカリ性の状況下を好むため、肌の弱酸性を保つ善玉菌が少ないと増加する傾向にあります。

そして、不思議な動きをする日和見菌。
代表的なのはアクネ菌で、通常は善玉菌同様、お肌を守る役割をしていますが、ストレスなど何らかの原因で皮脂が増えると、その皮脂から大量の脂肪酸を作り、毛穴を防ぎます。空気を嫌うアクネ菌は、詰まった毛穴の奥でどんどん増殖しさらに脂肪酸を作る悪循環となります。するとニキビ等の肌荒れを起こしてしまいます。状況によって日和見菌は作用が変わりやすく、善玉菌と悪玉菌の優勢な方に傾く性質があります。

このように、肌フローラはこれら3種の菌が互いに作用しながら、お肌を整えたり時には荒らす要因となっていて、理想の肌フローラをつくるためには、

  善玉菌を増やし、悪玉菌の活動を抑え、日和見菌を味方にする
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ことがとても重要なのです。

≪肌フローラの状態がいいと・・・≫
  ・空気中に存在する有害菌が侵入しないよう肌を守る
  ・肌をしっかり保湿することで乾燥から守る
  ・紫外線のダメージから肌を守る

といった私たちにとってありがたいバリア機能がきちんと働きます。
つまり、肌フローラが常に整っていれば、本来、細かなスキンケアなどは不要です。
しかし、それでも私たちのお肌が不調を起こすのは、日々生活を送る上で、肌フローラを乱す要素が身の回りにはたくさんあるためです。

≪肌フローラを乱す原因≫
 ・ストレス、ホルモンバランスの乱れ
 ・運動不足や睡眠不足、食生活の乱れ
 ・花粉やホコリ、強い紫外線

など。様々な影響を受け、肌フローラのバランスが崩れると悪玉菌が増え、ニキビや乾燥、しわなどあらゆる肌の悩みが現れます。このような原因を知らないと、熱心に洗顔をしたり、高級クリームをたっぷり広げたりとスキンケアに頼ってしまいがちですが、常在菌の存在を無視していては、どんなにスキンケアをしてもよくなりません。最終的に薬に頼ってもよくならないなんてことも起きてしまいます。
実は、清潔にしすぎたり、常在菌が嫌う成分を含む化粧品でのスキンケアも肌フローラを乱す大きな要因の一つなのです。

そこで大事なのが、善玉菌を減らさず、増えるサポートをする<育菌スキンケア>
お肌に不必要なものはできるだけ避け、必要なものだけを取り入れること。
それができたら、お肌はとっても喜んでくれるはずですよね。


では、善玉菌を味方にする育菌スキンケアとは具体的にどのようなことでしょうか。

<第三回> 『美肌を育む育菌スキンケアとは』