NMLいいね数ベンチマーク ― 人気度ランク4【いいね数2~10】
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ランク4(いいね数2~10)のタイトルからは、聴く人の心をうごかす魅力的な一枚が見つかるでしょう。
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Tambdde Roza [マリアレーナ・フェルナンデス(歌・ピアノ)/スティーヴン・スタイナー(歌・ニッケルハルパ)/ペーテル・ナテレール(サクソフォン)/アルビン・ポールズ(ヴォーカル)]
Vocal and Chamber Music - BARTÓK, B. / BARRETTO, L. / HAYDN, J. / SCARLATTI, D. (Tambdde Roza) (M. Fernandes, Hotel Palindrone)
発売日:2020年05月22日
NMLアルバム番号:Gramola99119
4)
CD価格:2,175円(税込)
マリアレーナ・フェルナンデスとアンサンブル「ホテル・パリンドローネ」による魅惑的な1枚。アンサンブルは、バグパイプ、リラ、ニッケルハルパ、ジューズハープ(口琴)、ブズーキなどの伝統的な楽器を用い雰囲気ある編曲による演奏を披露。伝承曲の中にバルトークやハイドン、スカルラッティなどがさりげなく置かれるなど、クラシック、ジャズ、フォーク、エスニック、ワールドミュージックを融合させたジャンルを超えた作品が並びます。 トラック5のハイドンのソナタはフェルナンデスがアレンジなしの原曲を闊達に弾きこなしている・・・と思えば、曲の最後でアンサンブルが乱入。終楽章では様々な楽器が歌い交わす楽しい編曲に仕上がっています。 ヴォーカルとピアノを担当するマリアレーナ・フェルナンデスはインドのムンバイ生まれのミュージシャン。ボンペイ大学で心理学と哲学を学び、ウィーンに留学、ウィーン音楽大学でピアノ演奏のディプロマを獲得、現在はこのようなユニークで実験的な作品を次々に発表、好評を博しています。
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ブルネッティ(1765頃-1834)とリドン(1746-1827)
スペイン王室の室内楽作品集 [エウヘニア・ボイシュ(ソプラノ)/カリム・ファルハン(テノール)/ギレルモ・トゥリーナ(チェロ)/シルビア・マルケス・チュリリャ(指揮)/ラ・テンペスタ(古楽器アンサンブル)]LIDÓN, J.: Triumph (The) / BRUNETTI, F.: Cello Concerto / BRUNETTI, G.: Lamentaciones (Brunetti and Lidón) (Boix, Farhan, La Tempestad, Chulilla)
発売日:2020年04月24日
NMLアルバム番号:IBS-202019
2)
CD価格:2,250円(税込)
スペインのカルロス4世とフェルナンド7世の治世下で活躍した作曲家たちによる宮廷音楽のアルバム。かつての宮殿の王の部屋には十分なスペースがあり、王たちは室内楽はもちろん、多数の声楽家や器楽奏者、聴衆を招いて日夜、演奏会を開いていました。なかでも、ヴァイオリン弾きでもあったカルロス4世は毎日のように音楽にのめり込み、音楽アカデミーやコンサートを開催したといいます。カルロス4世の息子であるフェルナンド7世も、幼い頃から音楽の催しに参加し、やがて自身の妻と子供たちともども音楽に親しむようになりました。 ここに収録された楽曲はいずれも当時の宮廷で演奏されていたもの。スペインらしい情熱的な旋律の中にも王室ならではの優雅さが感じられます。 ソプラノのボイシュは2007年にモンセラート・カバリエ=ベルナベ・マルティの奨学金を獲得し、ドミンゴが主宰するオペラリア・コンクールの2012年のセミ・ファイナリスト。チェロのトゥリーナはスズキメソッドで学び、18世紀スペインのチェロについて研究し本も出版しています。
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マシッティ(1664-1760):
ヴァイオリンと通奏低音のための
ソナタ集 Op.9(1738年パリ) より [ヴァンヴィテッリ四重奏団(古楽器使用)]MASCITTI, M.: Violin Sonatas, Op. 9, Nos. 1, 2, 3, 5, 6, 7, 9, 12 (Quartetto Vanvitelli)
発売日:2020年04月10日
NMLアルバム番号:A473
2)
CD
通常価格:2,475円→ 特価!:1,790円(税込)イタリア器楽音楽の波をフランスで牽引したマシッティの流麗なソナタ集18世紀初頭ナポリからパリへと移り住み、イタリアで全盛を迎えていた器楽音楽をフランスで広めることに貢献したヴァイオリンの名手、マシッティによる作品9のソナタ。2018年にリリースした作品8のソナタ(A111)が好評を博したヴァンヴィテッリ四重奏団が、今回も細かなフレーズまで丹念かつ軽やかに歌い、素晴らしい演奏を聴かせてくれます。
収録作曲家:
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ストラデッラ(1643-1682):
オラトリオ『洗礼者聖ヨハネ』 [ダミアン・ギヨン(チェンバロ、指揮) ル・バンケ・セレスト(古楽器使用)]STRADELLA, A.: San Giovanni Battista [Opera] (Le Banquet Céleste, Guillon)
発売日:2020年03月27日
NMLアルバム番号:ALPHA579
3)
CD価格:2,475円(税込)
歌劇と宗教劇が交差する記念碑的オラトリオ、フランスの新鋭による待望の新録音登場!実質上の合奏協奏曲の創始者であり、その革新的な作品で当時の人々を魅了しながら、放蕩生活がたたりジェノヴァで刺客の手に倒れたストラデッラ。彼の『洗礼者聖ヨハネ』は宗教劇の要素を劇的なオラトリオに仕上げた作品で、1675年の初演時には大きな成功を収めましたが、そのスコアは1949年に再発見されるまで図書館の奥深くで深い眠りについていました。ペルージャで行われた蘇演時にヘロディアの娘(一般にサロメと呼ばれますが、この作品に名前は出てきません)を歌ったのは、あのマリア・カラスであったと伝わります。 イエスに洗礼を授けたとされる聖ヨハネを演じるのは、現在パリで最も注目され来日経験もあるカウンターテナー、ポール=アントワーヌ・ベノス・ジアン。そのヨハネの首を取るようヘロデ王に求めるヘロディアの娘に、コルセッリの宗教カンタータ(iTinerant Earlyレーベル)が高い評価を得たアリシア・アモ。そのほかガイア・ペトローネやアルタヴァスト・サルキシャンなど、古楽を中心に活躍する旬の歌手たちが集結。宗教的声楽作品を生き生きと表現することに長けたギヨン率いるル・バンケ・セレストと共に、歴史に埋もれた天才の傑作に新たな命を吹き込みます。
収録作曲家:
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トゥール(1959-):
交響曲 第9番 「ミトス」
「テンペストの呪文」
「風を蒔いて…」 [パーヴォ・ヤルヴィ (指揮)、エストニア祝祭管弦楽団]TÜÜR, E.-S.: Symphony No. 9, "Mythos" / Incantation of Tempest / Sow the Wind … (Estonian Festival Orchestra, P. Järvi)
発売日:2020年03月13日
NMLアルバム番号:ALPHA595
4)
CD価格:2,475円(税込)
パーヴォ・ヤルヴィが描く、故国エストニアのトゥールによる爽快作品!エストニアのヒーウマー島に生まれたトゥールは、タリンでパーカッションとフルート、さらに作曲を学んだ後、プログレッシブ・ロック・グループ「IN SPE」で活躍し人気を博したという経歴の持ち主。現在は作曲に専念しています。ミニマル、スペクトル分析、十二音技法、音響作曲法などの影響を受けた前衛的な作風ではありますが、その多彩なリズムと刺激的な音響の面白さで、いずれもたいへん聴き応えのあるものです。パーヴォ・ヤルヴィは同世代にあたり、故国を代表する彼の作品を積極的に取り上げてきました。 パーヴォ・ヤルヴィに捧げられた単一楽章の交響曲第9番は、神話あるいは信仰などを意味する「ミトス(MYTHOS)」の副題が付けられており、30分以上に渡り大管弦楽が色彩豊かに響く大作。カオスを思わせる冒頭から上昇系のフレーズが執拗に繰り返されるクライマックス、ヴェールに包まれるようなラストまで、高い緊張が続き耳を離せません。 2019年の来日公演でお披露目され話題となった「テンペストの呪文」(嵐を呼び寄せる声、といった意味)は、リズムが特徴的な高揚感のある小品。「風を蒔いて…」は、ヘブライ語聖書(旧約聖書)のホセア書にある教訓「風を蒔いて、つむじ風を刈り取る」(因果応報、自業自得といった意味)からタイトルを取っており、リズムと音響の面白さに加え、特に打楽器の使い方にプログレッシブ・ロックの影響も感じさせる作品です。
収録作曲家:
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ルトスワフスキ(1913-1994):
交響曲 第2番&第3番 [ハンヌ・リントゥ(指揮) フィンランド放送交響楽団]LUTOSŁAWSKI, W.: Symphonies Nos. 2 and 3 (Finnish Radio Symphony, Lintu)
発売日:2020年02月21日
NMLアルバム番号:ODE1332-5
2)
SACD-Hybrid価格:2,250円(税込)
ハンヌ・リントゥによる「ルトスワフスキ:交響曲全集」の第2集。今回のアルバムに収録されているのは、新古典主義の作風から少しずつ脱却を図った時期に書かれた「交響曲第2番」と、完全に自身の作風を確立した1980年代の「交響曲第3番」の2曲。交響曲第2番は、コラージュ的な手法を採り入れることで多彩な音の動きが追求されており、冒頭のファンファーレ風の旋律は混沌の波に取り込まれ、第2楽章の後半で激しい動きへと変化します。 交響曲第3番はシカゴ響の委嘱曲。1972年から取り掛かったものの出来栄えに満足せず、結局11年かけて完成したというルトスワフスキの苦労がしのばれる作品です。交響曲第2番で萌芽した「管理された偶然性」(指揮者の手を離れ、アドリブをする箇所があることで、管理している部分が際立つ)が発揮されたユニークな作品です。 複雑な曲を得意とするリントゥの手腕が冴える目覚ましい演奏を素晴らしい録音で。
収録作曲家:
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Concertino da Camera
サクソフォンのための室内協奏曲集
(ヴィラ=ロボス、イベール、カプレ、グラズノフ) [ペドロ・パブロ・カマラ・トルドス(サクソフォン)/イ・ムジチ・ディ・バシレア(アンサンブル)]Saxophone Recital: Toldos, Pedro Pablo Cámara - VILLA-LOBOS, H. / IBERT, J. / CAPLET, A. / GLAZUNOV, A. (Concertino da Camera)
発売日:2020年02月07日
NMLアルバム番号:IBS-62016
2)
CD価格:2,250円(税込)
19世紀前半に考案された楽器サクソフォン。このアルバムでは20世紀前半に作曲された4つの作品を取り上げ、当時における楽器の先進性を探ります。 どれも楽器のためのオリジナル作品であり、名手マルセル・ミュールに献呈されたヴィラ=ロボスの「ファンタジア」では、ミュールが導入したばかりのヴィヴラート奏法が取り入れられているなど、作曲家たちはサクソフォンの可能性を追求しながら、新しい音楽を創り上げていったことがわかります。 グラズノフとイベールの作品はどちらもドイツ生まれのサクソフォン奏者シーグルト・ラッシャーのために作曲されたもの。また、ドビュッシーの親友として知られる作曲家カプレの「伝説」はアマチュア奏者エリス・ホールの委嘱作。神秘的な曲調を持つ魅力的な作品です。どの曲もサクソフォンの音色を存分に活かした美しい響きが楽しめます。
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ショスタコーヴィチ(1906-1975):
劇音楽『南京虫』
映画音楽『愛と憎しみ』 [マーク・フィッツ=ジェラルド(指揮)/ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団]SHOSTAKOVICH, D.: Bedbug (The) / Love and Hate (Mannheim Opera Choir, Rheinland-Pfalz State Philharmonic, Fitz-Gerald)
発売日:2019年11月29日
NMLアルバム番号:8.574100
4)
CD価格:1,600円(税込)
若きショスタコーヴィチは、数多くの映画音楽に手を染めました。この「南京虫」は1929年に劇作家メイエルホリドの依頼を受け作曲にとりかかった曲。 氷漬けとなった主人公プリスイプキンが50年後に蘇生されるものの、誰からも相手にされず、衿についていた南京虫と心を通わせるという、少々SF風でもあるマヤコフスキーの原作は、プチブルジョワ階級と官僚主義への痛烈な批判に溢れており、ショスタコーヴィチ自身はこの作品をあまり好まなかったとされます。しかし偉大な劇作家であるメイエルホリドの説得でこの仕事を引き受け、結局は1か月ほどで全曲を仕上げています。比較的知られる「間奏曲」で聴ける脱力系の響きが独創的。 もう1作の「愛と憎しみ」は社会的リアリズムの台頭によって排斥された映画作品。1937年にフランスで上映されたものの、さほど話題にならずそのまま忘れられてしまいました。 今回、どちらの作品もマーク・フィッツ=ジェラルドの補筆、復元により素晴らしいスコアとして蘇りました。
収録作曲家:
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シューベルト(1797-1828):
〈ヴァイオリン・ソナタ集 第1集〉
ヴァイオリン・ソナタ(ソナチネ) Op.137 [トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー(ヴァイオリン)/イェルク・デームス(ピアノ)]SCHUBERT, F.: Violin Sonatas, Vol. 1 (Irnberger)
発売日:2019年11月15日
NMLアルバム番号:Gramola98828
2)
CD価格:2,175円(税込)
ウィーンを代表するピアニスト、イェルク・デームス(1928-2019)と1985年生まれの俊才、イルンベルガーの共演によるシューベルトの初期作品、3つのヴァイオリン・ソナタ集。1816年頃に作曲されるも、生前には出版されず、死後の1836年にようやく実兄フェルディナントの手によりディアベリ社から出版された作品です。簡素なソナタ形式によって書かれていますが、そこかしこに歌心溢れるシューベルトらしいソナタです。 楽器収集家としても知られるデームスは、この演奏のために1823年製コンラート・グラーフを使用。19世紀初頭のウィーンの雰囲気を再現しています。
収録作曲家:
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ヴァインベルク(1919-1996):
無伴奏ヴィオラのためのソナタ 全曲
(無伴奏ヴィオラ・ソナタ 第1番-第4番) [ヴャチェスラフ・ディナーシュタイン(ヴィオラ)]WEINBERG, M.: Sonatas for Solo Viola (Complete) (Dinerchtein)
発売日:2019年10月25日
NMLアルバム番号:SM310
2)
CD 2枚組価格:3,000円(税込、送料無料)
ミェチェスワフ・ヴァインベルクの100周年記念スペシャル・エディションヴァインベルクの晩年に書かれた4曲の無伴奏ヴィオラ・ソナタは、あまりにも独特な世界を持つためか、これまでほとんど演奏されることがありませんでした。しかしいくつかの演奏がリリースされ、また指揮者トーマス・ザンデルリンクが「この作品こそがヴァインベルクの最高傑作」と評するなど、近年になってようやく人気を取り戻してきました。 このヴャチェスラフ・ディナーシュタインによる深い洞察と卓越した解釈による演奏は、かのギドン・クレーメルを感動させたほどの名演であり、ヴィオラの温かい音色に彩られたヴァインベルクの音楽を存分に楽しむことができます。 ブックレットにはヴァインベルクの権威であるデイヴィッド・ファニングによる解説と、今井信子ら識者によるエッセイ、貴重な歴史的写真(未発表もの含む)、演奏者自身の解説(英語、ドイツ語)が掲載されています。
収録作曲家:
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シューマン(1810-1856):
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 WoO 1
ブラームス(1833-1897):
ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 Op.102 [アンティエ・ヴァイトハース(ヴァイオリン)/マキシミリアン・ホルヌング(チェロ)/アンドルー・マンゼ(指揮)/北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団]SCHUMANN, R.: Violin Concerto / BRAHMS, J.: Double Concerto (Weithaas, Hornung, North German Radio Philharmonic, Manze)
発売日:2019年10月25日
NMLアルバム番号:555172-2
8)
CD価格:2,475円(税込)
ドイツの女性ヴァイオリニスト、アンティエ・ヴァイトハース。ベルリン、ハンス・アイスラー音楽大学で学び、ハノーファー国際コンクールで優勝、ドイツを中心にヨーロッパ各地のオーケストラと共演し、そのカリスマ性と知的な演奏が高く評価されています。このアルバムでは、シューマンの晩年の名作であるヴァイオリン協奏曲と、室内楽でも度々共演を行うマキシミリアン・ホルヌングとのブラームスの二重協奏曲を披露しています。 どちらの作品も、ヴァイオリンの名手ヨーゼフ・ヨアヒムのために書かれていますが、シューマン作品はヨアヒムに演奏されることはなく、譜面もしまい込まれてしまうなど現代では考えられないほどの扱いを受けました。しかし1937年に初演されてからは、数々の名演奏家たちがこの曲を取り上げ、多くの録音も発表されています。ブラームスの協奏曲も初演は失敗しましたが、現在では作品の真価が見直され、やはり数多くの名演が生まれています。 今回、伴奏を務めるのはベテラン、アンドルー・マンゼ。もともと優れたヴァイオリニストであるマンゼらしく、独奏楽器の響きを強調しながら、作品のポイントを心得た演奏を聴かせます。
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HOMMAGE DEBUSSY [西澤安澄(ピアノ)]
Piano Recital: Nishizawa, Azumi - FALLA, M. de / DEBUSSY, C. / GRANADOS, E. / ALBÉNIZ, I. / MOMPOU, F. (Hommage Debussy)
発売日:2019年09月27日
NMLアルバム番号:IBS-132018
2)
CD価格:2,250円(税込)
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ラフマニノフ(1873-1943):
交響的舞曲(2台ピアノ版)
ストラヴィンスキー(1882-1971):
春の祭典(4手ピアノ版) [マルコム・ウィルソン(ピアノ)/フィリップ・マーティン(ピアノ)]RACHMANINOV, S.: Symphonic Dances (version for 2 pianos) / STRAVINSKY, I.: The Rite of Spring (version for piano 4 hands) (M. Wilson, P. Martin)
発売日:2019年09月20日
NMLアルバム番号:SOMMCD098
2)
CD価格:2,160円(税込)
ラフマニノフ最後の作品となった「交響的舞曲」は、1940年に作曲された際、まず2台ピアノ版が書かれて、ホロヴィッツとラフマニノフの共演で初演されました。その後、オーケストラ版が作成され、これはその翌年にオーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団によって初演され大好評を博しています。 かたや、ストラヴィンスキーの「春の祭典」は1913年に初演され、当時大きな物議をかもした作品。その先鋭性は21世紀の今でも、全く衰えることがありません。この連弾版は1912年に完成され、ストラヴィンスキーとドビュッシーが演奏したというもの。オーケストラで演奏するよりも小回りが利くため、作曲者が指定した速度表示に近づけることができるという利点もあります。 どちらもオーケストラで演奏とは異なる緻密な響きをご堪能いただけます。
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スーク(1874-1935):
ピアノ作品集 [トマーシュ・ヴィーシェク(ピアノ)]SUK, J.: Piano Music (Visek)
発売日:2019年09月20日
NMLアルバム番号:UP0025-2
7)
CD価格:1,760円(税込)
作曲家ヨゼフ・スークはプラハ音楽院でドヴォルザークに師事、卒業後、師の娘であるオティーリエと結婚。作曲家としてだけでなく、演奏家としてはボヘミア四重奏団の第2ヴァイオリンを務め、教師としてはプラハ音楽院でマルティヌーらを指導するなど、広く活動しました。また、同名の孫は世界的なヴァイオリニストとなるなど、チェコ音楽の伝統を伝える重要な人物の一人です。 彼の作品は後期ロマン派の影響を受けながらも、民族的要素の強いものが多く、このアルバムに収録された曲の中にも「村のセレナード」など民謡由来の旋律が聞き取れることでしょう。またこのアルバムには、彼の妻となったオティーリエの作品と、同名の息子ヨゼフの作品も収録。伝統の継承を目の当たりにできます。
収録作曲家:
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ベートーヴェン(1770-1827):
ピアノ・ソナタ全集 [パウル・バドゥラ=スコダ(ピアノ)]BEETHOVEN, L. van: Piano Sonatas (The) (Badura-Skoda)
発売日:2019年09月13日
NMLアルバム番号:Gramola98743
4)
CD 10枚組価格:5,775円(税込、送料無料)
ベートーヴェンを得意とするバドゥラ=スコダは、何度もソナタ全集を録音していますが、こちらは1969年から1970年にかけてベーゼンドルファー・インペリアルで録音した壮年期を代表する全集。研究者、校訂者でもあるバドゥラ=スコダは、よく知られた作品でも、独特の解釈を披露。多くの示唆に富んだ演奏を聴かせます。CD1-9までのエグゼクティヴ・プロデューサーを務めたのは、バドゥラ=スコダと並ぶ「ウィーン三羽烏」フリードリヒ・グルダの息子でピアニストのリコ・グルダであることにも注目。 ボーナス・トラックとして添えられているのは、「ハンマークラヴィーア」ソナタの聴き比べ。ベーゼンドルファーとコンラート・グラーフ(ピリオド楽器)の音色の違いに耳を傾けてください。
収録作曲家:
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モーツァルト(1756-1791):
2台ピアノのための作品集 [パウル・バドゥラ=スコダ(ピアノ)/イェルク・デムス(ピアノ)]MOZART, W.A.: Piano Music (Badura-Skoda and Demus Play Mozart) (Badura-Skoda, Demus)
発売日:2019年09月13日
NMLアルバム番号:Gramola98900
9)
CD価格:2,320円(税込)
バドゥラ=スコダとイェルク・デムスの共演によるモーツァルトの「2台ピアノのための作品集」。2007年に録音したシューベルト(GRAM99175)でも素晴らしいデュオを披露していますが、こちらのモーツァルトでもアントン・ヴァルター製の歴史的楽器を2台揃えての見事な演奏を聴かせます。速めのテンポによるK448のソナタでは、時に気持ちが先走るのか、アンサンブルが先へ先へと行ってしまうのも微笑ましさ満点です。
収録作曲家:
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シリングス(1868-1933):管弦楽作品集
「オイディプス王」のための交響的序章 Op.11
対話 Op.8/花の踊り/魔女の歌 Op.15 [エリザベート・グラス(ヴァイオリン)/アルバン・ゲルハルト(チェロ)/マルタ・メードル(語り)/ヤン・ストゥーレン(指揮)/ケルン放送管弦楽団]SCHILLINGS, M. von: Hexenlied (Das) / Symphonic Prologue / Ein Zwiegesprach / Dance of the Flowers (Mödl, Cologne Radio Orchestra, Stulen)
発売日:2019年08月30日
NMLアルバム番号:999233-2
4)
CD価格:1,520円(税込)
ドイツ出身の作曲家マックス・フォン・シリングス。1919年から1925年までベルリン国立歌劇場の首席指揮者を務めた彼は、熱心なナチス政権支持者であったため、第二次世界大戦後は音楽界からほとんど排斥されてしまい、かろうじて、オペラ《モナリザ》の作曲家として現代に名前を残しています。 このアルバムは1991年と1992年に録音された作品集。後期ロマン派の作風による重厚な音楽が展開されています。とりわけ「魔女の歌」は1902年の初演されすぐに大人気を博したという作品で、ドラマティック・ソプラノとして一世を風靡したマルタ・メードルの迫力ある語りとともに劇的な物語が展開するという聴きごたえのある曲です。 お求めやすい価格設定での再発売です。
収録作曲家:
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シュトルツァー(1480-1526):
通年用ミサ・デュプレクス
詩篇モテット集 [マンフレート・コルデス(指揮)/ブレーメン・ヴェーザー=ルネサンス]STOLTZER, T.: Missa duplex per totum annum / Psalm Motets (Weser Renaissance, Cordes)
発売日:2019年06月28日
NMLアルバム番号:999295-2
9)
CD価格:1,520円(税込)
15世紀から16世紀にかけてドイツで活躍した作曲家、シュトルツァー。この時代のドイツで主流を占めていたのは「マイスタージンガー」の歌で、これらは伴奏が付いていたとはいえ、単旋律であり、複雑なポリフォニー音楽では他国に一歩遅れを取っていました。そこで16世紀初めのドイツの作曲家たちは「他国の音楽技術を吸収しよう」と努力を重ね、このアルバムに収録されているシュトルツァーをはじめ、何人かの人々がフランドルやブルゴーニュの音楽技法を取り入れた宗教曲を書き始めました。 このシュトルツァーのミサ曲は、研究者でもあるコルデスが編纂したもので、当時の礼拝時を彷彿させる見事な演奏です。
収録作曲家:
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ブラス(1949-):
弦楽四重奏曲集 第1集 [アウリトゥス弦楽四重奏団]BRASS: String Quartets, Vol. 1 - Nos. 2 and 3 / Music for String Quartet (Auritus Quartet)
発売日:2019年05月24日
NMLアルバム番号:WWE1CD20238
2)
CD価格:2,240円(税込)
音楽を学ぶと同時に医学も学び、当初は医師を目指していたというブラス。彼の弦楽四重奏曲は、まるで顕微鏡で組織を観察するかのごとく、冷徹な視点で音をとらえており、聴き手に深い印象を与えます。 とりわけ第2番の弦楽四重奏では「すべての存在の避けられない終わりと、その直前の瞬間」が描かれており、重苦しい音楽が展開します。
収録作曲家:
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シューマン、グリーグ、ブラームス、ベルク:
ピアノ作品集 [アラスデア・ビートソン(ピアノ)]SCHUMANN, R.: Abegg Variations / GRIEG, E.: 4 Piano Pieces / BRAHMS, J.: Piano Sonata No. 1 / BERG, A.: Piano Sonata (Beatson)
発売日:2019年05月24日
NMLアルバム番号:SOMMCD086
6)
CD価格:2,160円(税込)
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ペトロフ・ピアノ三重奏団
チェコ作品集
ドヴォルザーク/クッカル/ヤナーチェク [ペトロフ・ピアノ三重奏団]Piano Trios - DVOŘÁK, A. / JANÁČEK, L. / KUKAL, O. (Petrof Piano Trio)
発売日:2019年04月26日
NMLアルバム番号:UP0181
7)
CD価格:1,760円(税込)
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リムスキー=コルサコフ(1844-1908):
ロシアの復活祭序曲
フランク(1822-1890):
交響曲 ニ短調 [バイエルン放送響/コンドラシン]RIMSKY-KORSAKOV: Russian Easter Festival / FRANCK, C.: Symphony in D minor (Bavarian Radio Symphony, Kondraschin)
発売日:2019年02月22日
NMLアルバム番号:900704
2)
CD価格:1,500円(税込)
この盤を待ち望んでいた方も多いことでしょう。LP時代の名演とされながら、なかなか復刻されることもなく「幻の演奏」とされていたものです。曲の持つ渋さと格調高さを最大限に引き出した上で、なおかつアグレッシヴな表情を乗せるというコンドラシンならではの迫力たっぷりの凄演です。
収録作曲家:
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R.シュトラウス(1864-1949):
アルプス交響曲 Op.64 [グスタフ・クーン(指揮) チロル祝祭管弦楽団]STRAUSS, R.: Alpensinfonie (Eine) (Tyrolean Festival, Kuhn)
発売日:2019年02月22日
NMLアルバム番号:WWE1CD60022
2)
CD価格:2,100円(税込)
リヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」は耳で聴く映画のような作品であり、アルプスの一日が絶妙にオーケストラで描写されています。チロル祝祭管弦楽団は、まさに“アルプスのお膝元のオーケストラ”であり、彼らの情熱的、かつ純朴な演奏はリアルなアルプスの風景を伝えてるものです。 リヒャルト・シュトラウスを得意とするクーンは、作品のすみずみまでを丁寧に表現し、オーケストラの華麗な響きを紡ぎ出しています。
収録作曲家:
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バルトーク(1881-1945):
〈合唱曲集〉
27のハンガリー民謡 BB111
4つのスロヴァキア民謡 BB78
ハンガリー民謡集 [アウレル・ティライ(指揮)/ペーチュ室内合唱団/ユディト・モルヴァイ(ピアノ)]BARTÓK, A.: Choral Music (Pecs Chamber Choir, Morvay, Tillai)
発売日:2019年01月18日
NMLアルバム番号:SOMMCD216
4)
CD-R価格:2,160円(税込)
ハンガリーの有力な合唱団の一つ、ペーチュ大学合唱団が歌う活気あるバルトーク。「27のハンガリー民謡」は1937年に初演されて以来、ハンガリーを代表する合唱曲として親しまれており、いくつかの作品は金管アンサブルや吹奏楽曲に編曲され、幅広い人気を獲得した名曲です。めまぐるしく変化するリズム、エキゾチックな旋律を彼らは楽し気に歌いあげています。 ピアノを伴う「4つのスロヴァキア民謡 BB78」と「ハンガリー民謡集 BB99」も収録。
収録作曲家:
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シューベルトの
弦楽四重奏曲「死と乙女」 [パトリツィア・コパチンスカヤ、セントポール室内管弦楽団]SCHUBERT, F.: String Quartet No. 14, "Death and the Maiden" (arr. P. Kopatchinskaja for string orchestra) (Saint Paul Chamber Orchestra)
発売日:2018年12月19日
NMLアルバム番号:ALPHA265
2)
CD国内仕様 日本語解説付価格:2,970円(税込)
2017年、クラシック室内楽&小編成アルバム部門でみごとグラミー賞に輝いたコパチンスカヤ近年の痛快ヒット作。シューベルトの四重奏曲「死と乙女」という数々の団体が演奏しつくしてきた傑作をとりあげながら、まったく新鮮な感覚でこの有名曲の知られざる美に驚かされつづけるプログラムは、まさに世界的な受賞に輝いただけのことはある充実度というほかありません。 ビザンティン聖歌(コパチンスカヤは幼少の頃、故郷モルドヴァで正教教会の礼拝を聴いて育ったそうです)やダウランドの「涙」、ジェズアルドの不協和音ぶくみのマドリガーレなどルネサンス期の傑作なども弦楽編成で演奏、さらに現代作曲家クルターグの小品も交えて、作品の前と楽章のあいだにさまざまな音楽をはさみながら弦楽合奏で演奏されてゆく『死と乙女』は、コパチンスカヤが首席奏者&ソリストとして共演するセントポール室内管弦楽団の精妙かつスリリングな演奏とあいまって、まるで今そこで作曲されたばかりの音楽のように感じられることでしょう。 ブックレット解説(国内仕様は日本語訳付)では冒頭にシューベルトが歌曲版の歌詞に用いたマティアス・クラウディウスの詩が掲げられ、死神と若き乙女という中世にまで遡るモチーフを話題の発端に、コパチンスカヤ自身がプログラムを語った解題を寄稿。セントポール室内管のメンバーへのインタビューもあり、多角的に音楽を解き明かしてゆく内容になっています。21世紀型のクラシック演奏の魅力がここに凝縮されているといってよいでしょう。
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ヤナーチェク(1854-1928):作品集
弦楽四重奏曲第2番 「ないしょの手紙」
おとぎ話
コンチェルティーノ [ジョナス・ヴィトー/オメール・ブシェーズ/エリーゼ・リュウ/ユン=シン・ロウ・チャン/アモリ・ヴィドゥヴィエ/マキシム・トンバ/ラファエル・アングスター]JANÁČEK, L.: String Quartet No. 2 / Fairy-tale / Concertino (Bellom, Julien-Laferrière, Vitaud, Hermès Quartet)
発売日:2018年10月31日
NMLアルバム番号:LBM001
2)
CD価格:2,475円(税込)
1997年から開催されている「ドーヴィル・イースター音楽祭」はルノー・カピュソンやニコラ・アンゲリッシュら、若い才能を紹介することを目的に始められました。2002年からは8月の「夏の音楽祭」も始まり、バロック作品の研究結果を交えながら、数多くの世界初演が行われています。 2014年に開催されたコンサートを録音したこのアルバムで取り上げられているのはヤナーチェクの作品。2008年、リヨン国立音楽院の学生たちによって結成された「エルメス四重奏団」を中心に、若手管楽器奏者たちが集い、洗練された演奏を披露しています。
収録作曲家:
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ベートーヴェン(1770-1827):
弦楽四重奏曲 第15番・第16番 [ストラーダ四重奏団]BEETHOVEN, L. van: String Quartets Nos. 15 and 16 (Quatuor Strada)
発売日:2018年10月31日
NMLアルバム番号:LBM004
2)
CD価格:2,475円(税込)
2015年の「ドーヴィル・イースター音楽祭」で開催された演奏会の中で、最も注目されたアンサンブルの一つがこの“ストラーダ四重奏団”です。彼らが演奏したのは弦楽四重奏曲の中でも最高峰とされるベートーヴェンの最後の2曲の四重奏曲であり、その深遠で、時間を超越したかのような大胆な解釈は聴衆の喝采を浴びました。四重奏のメンバーは各々ソリストとしても活躍している名手たち。お互いの音色を聴きながら自らの主張も忘れない丁々発止のやりとりが聴きどころです。
収録作曲家:
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デュボワ(1837-1924):
ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン・ソナタ
バラード [インゴルフ・トゥルバン/ルーカス・マリア・クーン/ラオウル・グリュナイス/ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団]DUBOIS, T.: Violin Concerto / Violin Sonata / Ballade (Turban, Kuen, German Radio Saarbrücken-Kaiserslautern Philharmonic, Grüneis)
発売日:2018年10月05日
NMLアルバム番号:777932-2
4)
CD価格:2,475円(税込)
1837年、シャンパーニュ地方で生まれたデュボワの作品集。ランス大聖堂の教会楽長ファナールから教えを受け、その後はパリ音楽院でトマに師事、ローマ大賞を受賞します。以降、マドレーヌ寺院やサント=クロチルド教会の楽長を務めますが、トマの死に伴い、パリ音楽院院長に就任しました。しかし1905年のローマ賞でラヴェルが参加資格を失った一件から引責辞任、その後は作曲家として多くの作品を残しています。 一時期は歌劇作曲家を夢見ていたとも言われますが、このアルバムに収録されているヴァイオリン作品もなかなか聞きごたえがあり、これらは音楽理論家としても影響力があったデュボワならではの堅固たる作品と言えるでしょう。アンリ・マルトーに献呈されたヴァイオリン協奏曲、イザイに献呈されたソナタはどちらもロマンティックな味わいに満ちています。
収録作曲家:
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J.S.バッハ(1685-1750):
リュート作品全集 [今村泰典(リュート)]BACH, J.S.: Lute Works (Complete) (Yasunori Imamura)
発売日:2018年09月28日
NMLアルバム番号:8.573936-37
7)
CD 2枚組価格:2,500円(税込)
ヨハン・セバスティアン・バッハは1703年から1720年の間に、恐らく2人の有名なリュート奏者、ヴァイスとクロプフガンスに出会ったと考えられており、1739年にはこの2人がバッハの家に1か月間滞在し、演奏会を開くまでに親交を深めています。バッハ自身はリュート演奏にはあまり長けていなかったともいわれていますが、無伴奏チェロ組曲第5番をリュート用に編曲したり、ヴァイスの曲をヴァイオリンとチェンバロ用の組曲に編曲するなど、リュートについての関心は深かったようです。 この2枚組のアルバムでは、7曲のリュート作品全てだけでなく、マタイ受難曲とヨハネ受難曲でリュートが活躍する3曲も収録されています。今村泰典は世界に認められたリュート奏者。バッハが要求する高度な技巧を鮮やかに駆使し、見事な演奏を聴かせます。
収録作曲家:
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ウィーン世紀末、六人の作曲家
~アルマ・マーラーのまわりで~ [バーバラ・ハンニガン(ソプラノ)/レインベルト・デ・レーウ(ピアノ)]Vocal Recital (Soprano): Hannigan, Barbara - SCHOENBERG, A. / WEBERN, A. / BERG, A. / ZEMLINSKY, Z. / MAHLER, G. / WOLF, H. (Vienna: Fin de siècle)
発売日:2018年09月28日
NMLアルバム番号:ALPHA393
3)
CD価格:2,475円(税込)
ベルクの『ルル』とガーシュウィンの『ガール・クレイジー』をひとつのアルバムで出会わせるという痛快な成功例でAlphaレーベルに颯爽と登場、グラミー賞クラシック声楽部門のみならずカナダJuno賞でもクラシカル年間最優秀賞を獲得するなど、絶好調なすべりだしをみせたバーバラ・ハンニガン。ブリテン、ストラヴィンスキー、バルトーク、ベルク……と20世紀レパートリーの演奏史をあざやかに塗り替え続けてきたこの異才歌手はいま、オランダを中心に現代音楽シーンを賑わせてきた指揮者であり「ユニークなサティ弾き」でもあるレインベルト・デ・レーウと「ウィーン世紀末(世紀転換期)」をテーマに、妖艶・蠱惑的にして多彩な歌の数々をまたしてもユニークな音世界に結晶させてみせました。 音楽家だけでなく建築家や哲学者などさまざまな知の巨人たちとも交流をもち、時代に独特の存在感を残した(グスタフ・マーラー夫人として知られる)アルマ・マーラー=ヴェルフルを軸に、ツェムリンスキーやヴォルフ、新ウィーン楽派の異才たちがどんな空気感のなかに生きていたか、21世紀の気配と100年前とを軽やかに行き来するハンニガンの歌い口はどんな聴覚体験の刷新をもたらすのでしょう? 毎回かなりこだわりのあるアルバム制作理念をアピールしてくる彼女の注目の1枚です。
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CONFIDENCE - 信頼
ジュリアン・ベール(テノール)
アリア集 [ジュリアン・ベール(テノール)/ピエール・ブルーズ(指揮)/リヨン国立歌劇場管弦楽団]Opera Arias (Tenor): Behr, Julian - BIZET, G. / DELIBES, L. / GODARD, B. / GOUNOD, C.-F. / MESSAGER, A. (Confidence)
発売日:2018年09月28日
NMLアルバム番号:ALPHA401
2)
CD価格:2,475円(税込)
現代フランスで最も人気のあるテノール歌手の一人、ジュリアン・ベールのアリア集。モーツァルトを歌い、2009年に権威あるADAMI最優秀オペラ歌手賞を獲得するなど評価を高めてきたベール、このファースト・アルバムでは19世紀のフランス・オペラ・アリアを熱唱しています。耳にする機会の少ないアリアも含まれた、熟考の上に厳選された収録曲ですが、彼のカリスマ・ヴォイスはどんな曲でも見事に歌い上げ、苦悩から喜び、優しさ、ヒロイズム…多彩な感情を見せてくれます。 フランス語で歌われたレハールの2作の名喜歌劇《メリー・ウィドウ》と《微笑みの国》からのアリア、シャンソンのレジェンドとして知られるトレネの「去りゆく君」も聴きどころ。ベールのレパートリーの幅広さが伺えます。若手指揮者ブルーズが振るリヨン国立歌劇場管弦楽団のサポートも完璧です。
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ブラームス(1833-1897):
チェロ・ソナタ集
第1番・第2番 [ブライアン・ソーントン(チェロ)/スペンサー・マイヤー(ピアノ)]BRAHMS, J.: Cello Sonatas Nos. 1 and 2 (Thornton, S. Myer)
発売日:2018年09月21日
NMLアルバム番号:Steinway30081
2)
CD価格:2,400円(税込)
現在、クリーブランド管弦楽団のチェリストとして活躍する傍ら、指揮者としても活動を続けるブライアン・ソーントン。現代音楽に強い関心を持ち、ジョン・アダムスなどの作品を好んで演奏していますが、このアルバムではブラームスの2曲のチェロ・ソナタを取り上げ、深い感情を込めて聴かせています。伴奏は、ボルコムのラグ・アルバム(STNS30041)で高く評価されたスペンサー・マイヤーが担当。諧謔的なボルコムとは全く違う抒情的な演奏を繰り広げています。
収録作曲家:
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J.S.バッハ(1685-1750):
ゴルトベルク変奏曲 [リュプザム]BACH, J.S.: Goldberg Variations, BWV 988 (Rübsam)
発売日:2018年08月29日
NMLアルバム番号:8.573921
4)
CD価格:1,600円(税込)
ヘルムート・ヴァルヒャとマリー=クレール・アランに師事し、二度のバッハ全集を含む膨大な録音を成し遂げたオルガニスト、ヴォルフガング・リュプサム。2016年には来日し得意のバッハで聴衆を魅了しました。ゴルトベルク変奏曲は彼の得意曲ですが、このアルバムではリュート・チェンバロ(=ラウテンヴェルク)を用いての演奏を披露しています。 リュート・チェンバロは通常のチェンバロとは違い、金属弦ではなくガット弦が張られており(リュートの本体に鍵盤を付けたのが始まりとも)、美しい低音と深い響きが得られるバッハがとりわけ好んだことでも知られます。ただし、当時使われていた楽器は現存せず、この録音では製作者キース・ヒルが復元した楽器が用いられました。斬新な音色により、バッハの名作に新しい光を当てる演奏の登場です。
収録作曲家:
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クラリネット五重奏曲集
(モーツァルト/ライトナー/レーガー) [ライトマイアー/アウナー四重奏団]MOZART, W.A.: Clarinet Quintet, K. 581 / LEITNER, E.L.: Clarinet Quintet / REGER, M.: Clarinet Quintet, Op. 146 (Reitmaier, Auner Quartet)
発売日:2018年08月29日
NMLアルバム番号:Gramola99123
3)
CD価格:2,175円(税込)
異なる時代に作曲された3つのクラリネット五重奏曲。1789年、友人シュタードラーのために作曲されたモーツァルトの名曲は、このジャンルにおける最初の作品であり、当時まだ「新しい楽器」であったクラリネットの持つ可能性を探求し、模範を示すという後世に与えた影響の大きさでも知られています。1915年に作曲されたレーガーの五重奏曲は、彼の最後の完成作品。半音階的な旋律を用いながらも、柔らかく美しい雰囲気を湛えた清明な音楽です。 この2曲にインスパイアされたのが、ライトナーのクラリネット五重奏曲。冒頭は悲痛な曲調ですが、ところどころにモーツァルト、レーガーの旋律が顔を出し、幻想的な世界を作り上げています。第2楽章の幽玄な美しさも聴きどころの一つです。
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シューベルト(1797-1828):
交響曲 第8番 ハ長調 D944「グレート」 [バイエルン放送響/ヤンソンス]SCHUBERT, F.: Symphony No. 9, "Great" (Bavarian Radio Symphony, Jansons)
発売日:2018年08月24日
NMLアルバム番号:900169
2)
CD価格:2,100円(税込)
ヤンソンス、「グレート」を振る!もともとはシューベルトの‘大きな’という意味合いで「グレート」と呼ばれていましたが、最近では‘偉大な’という意味で使われることの多い第8番交響曲。その名の通り、演奏時間は50分を超え、内容も壮大。溢れるロマンティシズムと、厳格な古典主義がせめぎ合うシューベルト晩年の傑作です(以前は第9番と番号付けがなされていましたが、最近では第8番とされることも多く、ヤンソンスのこのアルバムも第8番とナンバリングされています)。 ヤンソンスの演奏は、いつもの通り躍動感に満ちています。第1楽章は、悠然たるホルンのユニゾンで始まる序奏部と、軽快なテンポで奏される主部からなりますが、ヤンソンスは、常にきびきびとしたテンポで全体をがっしりとまとめながら、いつものように楽器各パートの存在感も際立たせ、立体的な音楽を組み立てています。第2楽章では、まず主旋律を奏でるオーボエの巧さに耳を奪われることでしょう。そして歯切れのよいオーケストラの響き、シューベルトの持ち味である美しいメロディも聴きどころ。オーケストラのアンサンブル能力の高さをじっくり味わうことができます。力強い第3楽章。舞曲的な性格の強い旋律が執拗に繰り返される主部、美しい中間部、ヤンソンスは提示部と中間部の反復記号を忠実に順守し、力強い旋律を印象付けています。そして長大な第4楽章こそ、ヤンソンスの腕の見せどころ。目まぐるしい転調、劇的な展開をヤンソンスがどのように繋いでいくかをぜひ確かめてください。演奏の終わりは盛大な拍手と歓声で締めくくられます。
収録作曲家:
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民謡と伝承の歌
AND SO IT GOES - そして今は… [エローラ・シンガーズ/エディソン]Choral Music - WHITACRE, E. / NOVELLO, I. / JOEL, B. / VAUGHAN WILLIAMS, R. (And So It Goes - Songs of Folk and Lore) (The Elora Singers, Edison)
発売日:2018年07月27日
NMLアルバム番号:8.573861
7)
CD価格:1,600円(税込)
カナダ、アメリカ、英国の民謡を巡り、その国の文化を知る1枚。それぞれ違う文化を持つにもかかわらず、世代から世代へと物語を伝える衝動はどの国でも変わることがありません。2回の大戦による世界的な対立を経験したことで、一層その傾向が強まり、ホルストやヴォーン・ウィリアムズを始めとした20世紀後半から21世紀にかけての作曲家たちが「伝承曲」に新たなアレンジを加え、次世代に伝える試みを行っています。またオリジナルの民謡も次々と生まれており、これらのメロディも永遠に歌い継がれていくことでしょう。 演奏はカナダにおける最高の合唱団の一つ、エローラ・シンガーズ。澄んだハーモニーと豊かなサウンドが持ち味であり、世界中で活躍している団体です。
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ペルゴレージ(1710-1736):
ミサ曲 ニ長調
モテット「然るべき賛美を歌いましょう」 [ペーターゼン/フマガッリ/ギスリエーリ合唱団&コンソート/ギスリエーリ管/プランディ]PERGOLESI, G.B.: Mass in D Major / Dignas laudes resonemus (M. Petersen, Fumagalli, Ghislieri Choir and Consort, Ghislieri Orchestra, Prandi)
発売日:2018年07月27日
NMLアルバム番号:A444
8)
CD
通常価格:2,475円→ 特価!:1,790円(税込)2018年の春、新聞や音楽誌を騒がせたペルゴレージの新発見作品「ミサ曲 ニ長調」。およそ300年ぶりに発見されたと話題になりましたが、実際には2016年にすでにジュリオ・プランディの指揮で演奏、録音されていました。畢生の名作「スターバト・マーテル」を書き上げ、結核のため26歳でこの世を去ったペルゴレージは、その短い生涯の間に10曲ほどのオペラとカンタータ、器楽曲などを残しました。死後に人気が出たため、いくつもの偽作が出回りましたが、この作品は1733年から1734年頃に作曲された真作。ヨーロッパ全域の図書館に散らばっていた楽譜を音楽学者たちが継ぎ合わせて再現したものです。 アルバムにはもう1曲、ペルゴレージの知られざるモテット「Dignas laudes resonemus」を収録。ペーターゼン、フマガッリら実力派歌手をソリストに据え、2018年に創立15周年を迎えるギスリエーリ合唱団&コンソートが2つの傑作を演奏、ペルゴレージの知られざる側面を明らかにしています。
収録作曲家:
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ドビュッシー(1862-1918):
ピアノ作品集 [ラスリー]DEBUSSY, C.: Piano Music - Préludes, Books 1 and 2 / Pour le Piano / Estampes / L'isle joyeuse / Images, Books 1 and 2 / Children's Corner (Lasry)
発売日:2018年07月27日
NMLアルバム番号:A445
5)
CD 2枚組
通常価格:3,975円→ 特価!:3,290円(税込、送料無料)ドビュッシー没後100年にあたる2018年。ARCANAレーベルに眠っていた“ドビュッシーの名演”に光を当てるための過去の名演復活シリーズ。この2枚組は1995年と1996年にフランスのピアニスト(作曲家としても知られる)、スタニー・ダヴィッド・ラスリーが演奏したピアノ作品集。 演奏には1921年と1874年に作られたエラールのピアノが用いられており、ドビュッシー自身も耳にしていたであろう美しい響きが再現されています。とりわけCD2で使われた1874年製のエラールの音色が聴きもの。保存状態の良い楽器が紡ぎ出す、1世紀以上の年月を経て熟成された柔らかくまろやかな響きを堪能できます。
収録作曲家:
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Crazy Girl Crazy
バーバラ・ハニガン名唱集 [ハニガン/ルートヴィヒ管]BERIO, L.: Sequenza III / BERG, A.: Lulu Suite / GERSHWIN, G.: Girl Crazy Suite (Crazy Girl Crazy) (Hannigan, Ludwig Orchestra)
発売日:2018年07月27日
NMLアルバム番号:ALPHA293
2)
CD+DVD価格:2,475円(税込)
2017年グラミー賞《最優秀クラシック・ソロヴォーカリスト賞》受賞アルバム!カナダ出身の異才ソプラノ、バーバラ・ハニガン。レパートリーは幅広く、モーツァルトやグルック、パーセルなどのバロック作品も得意としていますが、何より彼女の名声を高めたのは一連の現代作品であり、映像でも公開されているリゲティの《グラン・マカーブル》の情景やB.A.ツィンマーマンの《兵士たち》での人知を超越したかの歌唱は聴き手に強い衝撃を与え続けています。 様々な手法と技法が凝らされた、声のコレクションとも言えるベリオの「セクエンツァIII」で始まるこのアルバムは、ハニガンの魅力が存分に生かされているだけではなく、「ルル」組曲では指揮者としての才能も知ることができる、ハニガン入門にうってつけの1枚です。
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リゲティ-シューベルト
an experimental recital [グラウ/シューマッヒャー]LIGETI, G.: 3 Pieces for 2 Pianos / SCHUBERT, F.: Fantasy in F Minor / Sonata for Piano 4 Hands in B-Flat Major (Grau, Schumacher)
発売日:2018年07月20日
NMLアルバム番号:WWE1CD20102
2)
CD価格:2,240円(税込)
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シメール
サンドリーヌ・ピオー 歌曲を歌う [ピオー]Vocal Recital (Soprano): Piau, Sandrine - LOEWE, C. / SCHUMANN, R. / DEBUSSY, C. / WOLF, H. / PREVIN, A. / POULENC, F. (Chimère)
発売日:2018年06月27日
NMLアルバム番号:ALPHA397
2)
CD価格:2,475円(税込)
名ソプラノ、サンドリーヌ・ピオーのALPHAレーベルへの初のリサイタル・アルバム。タイトルの「CHIMÉRE-シメール」とはギリシャ神話に登場する“ライオンの頭と山羊の胴体、毒蛇の尻尾を持つ怪物”(英語読みではキマイラ)のことですが、時には理解できない夢の象徴や、様々な要素を併せ持つ存在=女性そのものを示す、まさにこのアルバムにふさわしい言葉です。 彼女が変幻自在に歌い上げるレーヴェ、ヴォルフ、ドビュッシー、プーランク、あまり聴くことのないガーニー、バクサ、そしてバーバー、プレヴィンの歌曲は、ドイツ語、フランス語、英語の3つの言語を行き来しながら、聴き手を詩的で親密な夢の旅へといざないます。伴奏のマノフのピアノもピオーの歌にぴったりと寄り添い、ユニークな世界を描き出しています。
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グリンカ(1804-1857):
ピアノ作品全集 第2集 - 舞曲集 [フィオーリア]GLINKA, M.I.: Piano Works (Complete), Vol. 2 - Dances (Fiolia)
発売日:2018年06月27日
NMLアルバム番号:GP782
5)
CD価格:1,950円(税込)
19世紀、近代ロシア音楽の礎を作ったミハイル・グリンカのピアノ作品全集の第2集。サロン風の音楽から、やがてロシアの民族意識に根差した音楽へと作風を変えていったグリンカ、このアルバムでもフランス風のカドリーユやコントルダンスなどのおしゃれな小品から、ロシアの民謡に基づいた作品まで多彩な小品を聴くことができます。よく知られているのは初期の作品「モーツァルトの主題による変奏曲」でしょう。この曲は歌劇《魔笛》の中のメロディが使われた、ハープで演奏されることの多い優雅な曲ですが、ピアノでも演奏されます。 演奏しているのはグルジア系ドイツの女性ピアニスト、インガ・フォリア。いくつかの国際ピアノ・コンクールで優勝し、若い世代の中でも最もエキサイティングな存在と注目を集める一人です。
収録作曲家:
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EOS Guitar Quartet [EOSギター四重奏団]
Guitar Quartets - VIVALDI, A. / STRAVINSKY, I. / FARKAS, F. / BOCCHERINI, L. / ROSSINI, G. / EGE, M. (EOS Guitar Quartet)
発売日:2018年06月22日
NMLアルバム番号:EOS234200-4
2)
CD価格:2,080円(税込)
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プーランク(1899-1963):
バレエ音楽「牝鹿」組曲
バレエ音楽「模範的な動物たち」 組曲
シンフォニエッタ
[アイルランド国立響/タンゴー]POULENC, F.: Biches Suite (Les) / Les animaux modèles Suite / Sinfonietta (Ireland RTÉ National Symphony, Tingaud)
発売日:2018年05月25日
NMLアルバム番号:8.573739
4)
CD価格:1,600円(税込)
プーランクの3つの管弦楽作品を収録。バレエ音楽「牝鹿」は24歳の作品。バレエ・リュスを率いるディアギレフから作曲を依頼されたプーランクは、極めて優雅で軽やかな作品を書き上げました。初演時にはマリー・ローランサンが衣装と装置を担当。もともと彼女の絵からヒントを得たというこの作品は大成功を収め「牝鹿=かわいい娘たち」のタイトル通り、1920年代のパリのサロンでの気分が存分に表現されています。 「模範的な動物たち」は1941年に完成されたバレエ音楽で、ラ・フォンテーヌの寓話が元になっています。もちろん単に動物を描いたのではなく、そこには人間への鋭い観察眼が秘められています。 最後の「シンフォニエッタ」はバレエ音楽ではなく、弦楽四重奏曲の構想を膨らませたもので、魅力的な旋律が次々と現れるプーランク円熟期の作品です。フランスのエスプリが全編に溢れています。
収録作曲家:
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ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第7番 ホ長調 [1963]BRUCKNER, A.: Symphony No. 7 (Cologne Radio Symphony, Knappertsbusch) (1963)
発売日:2018年05月25日
NMLアルバム番号:C915181B
9)
CD価格:2,025円(税込)
クナッパーツブッシュ(1888-1965)最晩年の伝説の名演、ケルン放送交響楽団とのブルックナー第7番。1949年のザルツブルク音楽祭でのウィーン・フィルとの第7番が広く知られていますが、こちらは、第2楽章アダージョで繰り広げられる慈しみ深い表現、第3楽章のスケルツォでの重々しい足取りにより、数多いクナッパーツブッシュのブルックナー演奏の中でも「とびきりの名演」として語り継がれています。 この演奏は、これまでに幾度となくCD化され、その都度、音質の改善も図られてきましたが、どうしても今一歩の仕上がりであり、演奏の真の姿を伝えるまでには至っていませんでした。今回のアルバムはケルン放送局に保管されていたマスター・テープをリマスタリング、現状望むべく最上の音質でお届けいたします。
収録作曲家:
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コルンゴルト(1897-1957)
ニールセン(1865-1931):
ヴァイオリン協奏曲集 [イ・ジユン/オーデンセ響/ポスカ]KORNGOLD, E.W.: Violin Concerto, Op. 35 / NIELSEN, C.: Violin Concerto (Jiyoon Lee, Odense Symphony, Poska)
発売日:2018年05月25日
NMLアルバム番号:ORC100079
3)
CD価格:2,080円(税込)
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アルチョーモフ(1940-):
バレエ音楽《Sola Fide - 信仰義認》(1987) [カナウス国立合唱団/ムジカ・ヴィーヴァ室内管/キタエンコ/アナマメドフ]ARTYOMOV, V.P.: Sola Fide Suites Nos. 3 and 4 / Tempo costante (Kaunas State Choir, Musica Viva Chamber Orchestra, Kitayenko, Annamamedov)
発売日:2018年04月27日
NMLアルバム番号:DDA25164
3)
CD価格:2,400円(税込)
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フォーレ(1845-1924):
13の舟歌集 [エンドレス]FAURÉ, G.: Barcarolles Nos. 1-13 (Endres)
発売日:2018年04月27日
NMLアルバム番号:OC466
4)
CD価格:1,840円(税込)
ヴェネツィアのゴンドラ漕ぎの歌に由来するという「舟歌」。波を表現する「ゆったりとしたリズム」の上で哀愁漂う旋律が歌われます。ロマン派の作曲家の中でも、とりわけフォーレはこの形式を愛し、ピアノ曲だけでも13曲の「舟歌」を残しています。第1番から第13番はほぼフォーレの全生涯に渡って書かれており、初期の清明な曲から晩年の神秘的な曲までシューベルトやラヴェルを得意とするドイツのピアニスト、ミヒャエル・エンドレスによる演奏です。
収録作曲家:
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オルフェウス -
17世紀の歌、アリアとマドリガル集 [プレガルディエン/テアトロ・デル・モンド/キュッペルス]Vocal Music (Tenor) (Orpheus - Songs, Arias and Madrigals from the 17th Century) (J. Prégardien, Teatro del mondo, Küppers)
発売日:2018年03月23日
NMLアルバム番号:555168-2
8)
CD
通常価格:1,800円→ 特価!:690円(税込)17世紀初頭、楽器伴奏による初期のバロック独唱曲は、それまで主流であったルネサンス期の多声合唱作品との共存を始めました。これは、もちろん音楽の形態は違えども、表現の多様性を求めてのことであったとされています。タイトルに付された「オルフェウス」とはギリシャ神話に登場する詩人、音楽家であり、彼が弾くリラの音色に全ての動物、草花が魅了されたと言われ、17世紀終わりのイギリスでは「オルフェウス・ブリタニクス」という歌曲集が出版されるほど、その名前は音楽と一体化していました。 このアルバムでは現代の名歌手ユリアン・プレガルディエンがオルフェウスを讃え、イギリス、ドイツ、イタリアの歌曲を歌い、キュッペルスが指揮するテアトロ・デル・モンドが、様々な舞曲で曲間を繋いでいくという趣向です。
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ベートーヴェン(1770-1827):
〈フルートのための作品集 第1集〉
3つの二重奏曲(フルートとファゴット編)
二重奏曲/セレナード [瀬尾和紀/ガロワ/児玉光生/瀬﨑明日香/小峰航一]BEETHOVEN, L. van: Flute Works, Vol. 1 (Kazunori Seo, Patrick Gallois, Mitsuo Kodama, Asuka Sezaki, Koichi Komine)
発売日:2018年03月23日
NMLアルバム番号:8.573569
4)
CD価格:1,600円(税込)
ベートーヴェン初期の作品の中でも取分けシンプルに書かれた器楽作品。瑞々しく明るく快活なベートーヴェンも悪くありませんか?(瀬尾和紀) ベートーヴェンの二重奏曲は、おそらく創作活動の最初期に作曲されたと考えられています。もともとはクラリネットとファゴットのために書かれていますが、様々な楽器に置き換えられることも多く、このアルバムではフルートとファゴットが実にのどかな世界を描き出しています。WoO26の二重奏曲は1792年の作品。流麗な旋律が特徴的なアレグロ、軽やかなメヌエットと短いながらも充実した内容を持つ小品です。1796年に作曲された「セレナード」はフルートとヴァイオリン、ヴィオラという珍しい編成による7楽章からなる作品。各楽器の対話が楽しい明朗な美しさを持っています。日本を代表するフルーティスト瀬尾は演奏だけでなく、編曲も行い、作品の魅力を丁寧に伝えています。
収録作曲家:
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アルヴェーン(1872-1960):
〈交響的作品集 第1集〉
交響曲 第1番
ドラーパ「オスカル2世王の追憶に」
スウェーデン狂詩曲 第1番「夏至の徹夜祭」 [ベルリン・ドイツ放送響/ボロヴィチ]ALFVÉN, H.: Symphony No. 1 / Drapa / Midsommarvaka (Deutsches Symphonie-Orchester Berlin, Ł. Borowicz)
発売日:2018年02月23日
NMLアルバム番号:555043-2
6)
CD価格:2,475円(税込)
cpoレーベル:アルヴェーン・エディション第1弾!スウェーデンを代表する作曲家の一人アルヴェーン。1960年まで存命だったにもかかわらず、生涯後期ロマン派の重厚な作風を捨てることなく、美しい旋律と豊かな響きを駆使した作品を書き上げました。 このアルバムには初期の作品を3曲収録。伝統的な形式による明解な旋律を持つ「交響曲第1番」、1908年10月の“スウェーデン王立音楽アカデミーのガラ・イヴェント”のために書かれたドラーパ。そして、3曲の中で最も有名なのは何といっても「夏至の徹夜祭」でしょう。どこかで聞いたような軽快なメロディは日本人にとってもなじみやすく、しばしば演奏されることも多い名曲です。アントニ・ヴィトに師事したポーランドの指揮者ボロヴィチの演奏です。
収録作曲家:
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シュテール(1874-1967):
〈室内楽作品集 第2集〉
ピアノ三重奏曲 ホ長調 Op.16
低声、ピアノとチェロの伴奏による3つの歌曲 Op.21 [キートン/レロフス/コッホ/シチリアーノ]STÖHR, R.: Chamber Music, Vol. 2 - Piano Trio / 3 Songs (Keeton, L. Roelofs, S. Koch, M. Siciliano)
発売日:2018年02月23日
NMLアルバム番号:TOCC0446
2)
CD価格:2,080円(税込)
コルンゴルト、シェーンベルク、ツェムリンスキーと同じく、ウィーン世紀末に活躍し、アメリカに亡命した作曲家、音楽理論家リヒャルト・シュテールの室内楽作品集第2集。第1集(TOCC-210)ではチェロとピアノのデュオを聴くことができましたが、第2集では、もう少し編成の大きい「ピアノ三重奏曲」と歌曲を聴くことができます。 美しく雄大な楽想を持つ「ピアノ三重奏曲」は、ベートーヴェン、シューベルトといったウィーンのロマン派の伝統の中に位置する曲です。第2楽章の憂鬱な雰囲気はブラームスを思わせます。4年後に書かれた「3つの歌曲」はコルンゴルトを思わせる甘美で抒情的な歌。チェロのゆったりとした響きが歌声を引き立てています。
収録作曲家:
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NOSTOS Tes Mousikes [カリフォルニア州立大学フラートン・シンガーズ/イスタッド]
Choral Music - PÄRT, A. / NYSTEDT, K. / HOWELLS, H. / MCGLYNN, M. / CHESNOKOV, P. (Nostos) (California State University Fullerton Singers, Istad)
発売日:2018年02月23日
NMLアルバム番号:YAR80173
2)
CD価格:2,720円(税込)
ハウエルズの「レクイエム」とブラームスの「モテット」を中心に、ヨーロッパ、ロシア、アメリカの様々な宗教曲を選び、スウェーデン、タリン、ヘルシンキ、サンクトベテルブルクの4か所で演奏会を行ったアメリカの合唱団カリフォルニア州立フラトン大学シンガーズの美しい歌声を収録した1枚。平和への祈りが込められた感動的な演奏です。指揮者ロバート・イスタッドは、現代のアメリカ合唱指揮者の中でも、最もエキサイティングな一人。彼は2017/18のシーズンからカリフォルニア屈指の合唱団「パシフィック・コラール」の芸術監督に就任し、更なる活躍を続けています。
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メンデルスゾーン(1809-1847):
詩篇集 [ヴィンケル/プレガルディエン/ストラジャナツ/バイエルン放送合唱団/ミュンヘン放送管/アルマン]MENDELSSOHN, Felix: Sacred Choral Music (Psalmen) (Winkel, J. Prégardien, Stražanac, Bavarian Radio Chorus, Munich Radio Orchestra, Arman)
発売日:2018年01月12日
NMLアルバム番号:900519
2)
CD
通常価格:2,100円→ 特価!:990円(税込)幼い頃から音楽の才能を発揮していたメンデルスゾーン(1809-1847)、両親の薦めで大作曲家カール・フリードリッヒ・ツェルターから作曲を学び始めたのは12歳の時でした。J.S.バッハを深く敬愛していたツェルターから作品の魅力を伝授された少年は、やがて「マタイ受難曲」の蘇演を行うなどバッハ作品の復興に力を入れるとともに、自身も優れた宗教曲を作曲しました。1830年頃に書かれた「詩篇115番」などの初期の宗教音楽はドイツだけでなくイギリスでも評判を呼び、メンデルスゾーンが長期間イングランドに滞在した際は、彼の友人ウィリアム・バーソロミューが宗教作品の作曲を依頼し、よく知られる「わが祈りを聞きたまえ」等の名作が次々と生まれました。このアルバムでは優れた独唱者と、バイエルン放送合唱団が美しく荘厳な響きを紡ぎ出しています。
収録作曲家:
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フランク(1822-1890):
弦楽四重奏曲
ピアノ五重奏曲 [ユンパネン/ダネル四重奏団]FRANCK, C.: String Quartet / Piano Quintet (Jumppanen, Quatuor Danel)
発売日:2017年11月29日
NMLアルバム番号:555088-2
3)
CD価格:1,800円(税込)
ヴァインベルクの弦楽四重奏曲全集が高く評価されたベルギーの“ダネル弦楽四重奏団”が演奏するフランクの2曲の室内楽作品。どちらも晩年に書かれたもので「弦楽四重奏曲 ニ長調」は亡くなる前年に着手された最後の室内楽作品。ベートーヴェンやシューベルトの弦楽四重奏曲を念入りに研究し、自らの理想とする理念を追求した精緻な曲ですが、初演の際に初めて聴衆から喝采を浴びた成功作としても知られています。綿密に構成され、一つの主題を徹底的に展開していくやり方は、確かにベートーヴェンの後期作品にも通じています。 その少し前に作曲された「ピアノ五重奏曲」も循環形式が用いられた大作。あまりの晦渋さに、サン=サーンスが献呈を辞退した(無視した)というエピソードもありますが、曲全体はとても魅力的で、フランクの全作品の中でも演奏頻度の多い作品です。
収録作曲家:
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ノアゴー (1932-):
オルガン作品集 [クリスティアンセン]NØRGÅRD, P.: Orgelbogen (The Organ Book) / Canon (J.E. Christensen)
発売日:2017年11月29日
NMLアルバム番号:6.220656
3)
SACD-Hybrid価格:2,325円(税込)
管弦楽から声楽まで、主要なジャンル全てに作曲を行っているノアゴー。もちろんオルガンのためにもユニークな作品を書いています。もちろん、年代を追うごとに作風が変化するノアゴーのこと。このアルバムでも変幻自在な作品を聴くことができ、冒頭に置かれた比較的初期の作品である「祝典前奏曲」の輝かしい響き、神秘的な曲集「年の讃歌」を経て、1990年代に書かれた一連の複雑な作品へと移行していく作風を楽しめます。 また、最後に置かれた「カノン」は、ノアゴーが開発した“無限セリー”という方式が用いられており、オルガンで奏でるシンプルな音型が、複雑に組み合わされて発展、星の輝きのような壮麗な世界が形造られるというノアゴー独自の作品です。
収録作曲家:
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ハミルトン(1973-):
レクイエム [ドムニチ/ジョンストン/スペンス/スタウト/ティンダル/カントリブス/ローズノウ・シンフォニエッタ/ハミルトン]HAMILTON, T.: Requiem (Domnich, J. Johnston, N. Spence, Stout, Tindale, Cantoribus, Rosenau Sinfonia, T. Hamilton)
発売日:2017年11月29日
NMLアルバム番号:8.573849
3)
CD価格:1,600円(税込)
イギリスの作曲家、アレンジャー、指揮者ティモシー・ハミルトン。彼の合唱作品はイギリスをはじめ、アメリカ、カナダを中心とした大聖堂や教会で歌われています。この「レクイエム」は第一次世界大戦勃発100年目の2014年に演奏するために、2012年に委嘱された作品。ラテン語のテキストによる12の部分から成り、随所に戦争の恐怖と平穏への祈りが描かれています。 第4曲目には詩篇第91番「戦士の詩篇」が置かれていますが、これはアメリカの「第91歩兵師団」の部隊で毎夜読まれていたというテキストです。第9曲はオーケストラの間奏曲。最終的なクライマックスへの前兆であり、聴き手の心を鎮める役割を果たしています。最後の「楽園へ」は死者が天国で聴く天使の合唱。作品は静かな終わりを迎えます。21世紀の新しいレクイエムです。
収録作曲家:
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IMAGINE CHRISTMAS
IMAGINE CHRISTMAS (McFarlane, C. Bates, Goodyear, Levingston, Skylark Vocal Ensemble, Ensemble Galilei, American Contemporary Music Ensemble)
発売日:2017年11月24日
NMLアルバム番号:DSL-92216
2)
CD価格:2,240円(税込)
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J.S.バッハ(1685-1750):
無伴奏チェロ組曲 第1番-第6番 [ナロウェイ]BACH, J.S.: Cello Suites Nos. 1-6, BWV 1007-1012 (Narroway)
発売日:2017年11月24日
NMLアルバム番号:SLE-70010
3)
CD 2枚組価格:2,700円(税込)
1台のチェロのみで奏でるバッハの深淵なる世界。全てのチェリストが一度は演奏したいと憧れる究極の名曲が「無伴奏チェロ組曲」です。シンプルな音で構成されているにもかかわらず、演奏は大変に困難であるとともに、最初の音を弾いただけで、チェリストの力量が判断されてしまうこともあるという試練の曲でもあります。 ここでその難曲に取り組んでいるのは1991年生まれ、オーストラリア出身の若手ナロウェイ。幼いころからチェロを学び、数多くのコンクールで入賞、最近ではクラシック音楽を幅広い聴衆に聴いてもらうためのプロジェクトにもり組んでいます。
収録作曲家:
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カバレフスキー(1904-1987):
弦楽四重奏曲 第1番・第2番 [ステンハンマル四重奏団]KABALEVSKY, D.B.: String Quartets Nos. 1 and 2 (Stenhammar Quartet)
発売日:2017年09月29日
NMLアルバム番号:555006-2
3)
CD価格:1,800円(税込)
20世紀初頭のソ連における「最も成功した作曲家の一人」がカバレフスキーです。モスクワ音楽院でミャスコフスキーに作曲を師事、学生作曲家創造集団に入会し、第二次世界大戦中は数多くの愛国的な歌曲を作曲、1940年にソ連共産党に入党。何度もジダーノフ批判にさらされそうになるも、うまく切り抜け「ソ連公認」の作曲家として政府のために寄与しました。そのため、彼の作品はあまり前衛的ではないとされています。 この弦楽四重奏曲も洗練された趣きを持つ聴きやすいメロディが特徴ですが、ところどころに斬新な部分や民謡風なメロディがあり、特に大戦後に書かれた第2番では、ショスタコーヴィチを思わせる悲痛な部分も感じられます。
収録作曲家:
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All Good Things - 全ての良きもの
チルコット(1955-):合唱作品集 [コモーショ/ホーキンス/ベリー/チルコット]CHILCOTT, B.: Choral Music (All Good Things) (Commotio, Hawkins, M. Berry, Chilcott)
発売日:2017年09月29日
NMLアルバム番号:8.573383
3)
CD価格:1,600円(税込)
合唱王国イギリスで、現在最も人気があり、また尊敬される作曲家の一人であるボブ・チルコット。彼の合唱音楽はプロ、アマチュアを問わず世界中で演奏されています。 ジャズから聖歌まで幅広い作風を持つチルコットですが、このアルバムでは最新作の「オフェーリア、カリバン、ミランダ」を始め、世界初録音の「無垢のジャズ・ソング」「ジャズ・ミサ」などノリの良いリズムがはじける作品を中心に収録。誰もが知っている「スカボローフェア」や「朝日が当たる家」も、全く違う雰囲気にアレンジされています。合唱に携わる人ならすぐにでもレパートリーに取り入れたくなるようなオシャレな曲集です。
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シルヴェストロフ(1937-):作品集
記憶の瞬間(とき)II
セレナード/使者 - 1996
別れのセレナード/沈黙の音楽 [スタロドウブ/キエフ・ヴィルトゥオーゾ室内管/ヤブロンスキー]SILVESTROV, V.: Moments of Memory II / Serenades / The Messenger - 1996 (Starodub, Kiev Virtuosi Chamber Orchestra, Yablonsky)
発売日:2017年09月29日
NMLアルバム番号:8.573598
2)
CD価格:1,600円(税込)
2017年に生誕80年を迎えるウクライナの作曲家シルヴェストロフ。アルヴォ・ペルトのようなロシア・アバンギャルドの作曲家の例に漏れず、1960年~70年代までは前衛的な作品を書いていましたが、ある時から現代的な作風を放棄し、瞑想的な作品を書き始めます。そして1996年、愛する妻ラリッサ・ボンダレンコを失ったことをきっかけに書かれた「使者」と「ラリッサのためのレクイエム」が一部のファンの人気を獲得(ECMレコードの主宰者マンフレート・アイヒャーが彼の音楽を愛していたことも一つの要因)し、現在では静かなブームが起き始めています。 このアルバムには、シルヴェストロフの代表作「使者」をはじめ、郷愁を誘う数々の曲が収録されており、シルヴェストロフを初めて聴く人にとっても良い道標となることでしょう。
収録作曲家:
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PORTRAITS
クラリネット、フルート、ピアノ三重奏 [マクギル/マクヘイル・トリオ]Chamber Music (Trios for Flute, Clarinet and Piano) - ROGERSON, C. / COLEMAN, V. / CONNESSON, G. / SCHOENFIELD, P. (Portraits) (McGill / McHale Trio)
発売日:2017年09月29日
NMLアルバム番号:CDR90000-172
2)
CD価格:2,025円(税込)
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マーラー(1860-1911):
交響曲 第5番 嬰ハ短調 [バイエルン放送響/ヤンソンス]MAHLER, G.: Symphony No. 5 (Bavarian Radio Symphony, Jansons)
発売日:2017年08月30日
NMLアルバム番号:900150
10)
CD価格:2,100円(税込)
マーラーの全交響曲の中でも「創造の新たな段階に踏み出した作品」とされる交響曲第5番。これまでの「子供の不思議な角笛」からの影響から脱却した“器楽のみ”のこの作品には彼も自信を抱いていました。だからこそ、1904年10月の初演の際、この曲がオーケストラや聴衆に快く受け入れられなかったことが不本意であったマーラーは、後に妻アルマの助言も入れながら何度か改訂を施しています。 2016年のヤンソンスが指揮したこの「交響曲第5番」。一聴すればヤンソンスがどれほどこの曲に対して真摯に向き合っているかがおわかりいただけます。名曲中の名曲だけに多くの指揮者、オーケストラがこの曲を演奏、録音し、聴き手もこれらの演奏に触れる機会がありますが、ここでのヤンソンスの演奏は、どんなに耳が肥えた聴き手にも、新たな発見をもたらすことでしょう。各々の楽器によるフレーズの歌わせ方、テンポ、デュナーミクに至るまで、もう一度スコアを見たくなるような驚きに満ちています。スコアを深く丁寧に読み込み、一つ一つの音を大切に奏でることで生まれた完成度の高い演奏です。
収録作曲家:
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ワーグナー(1813-1883):
言葉のない指環 [ワイマール・シュターツカペレ/アルブレヒト]WAGNER, R.: Ring des Nibelungen (Der) (highlights) (arr. L. Maazel as The Ring Without Words) (Weimar Staatskapelle, H. Albrecht)
発売日:2017年08月30日
NMLアルバム番号:OC1872
3)
CD 2枚組価格:1,950円(税込)
オルガニストとして、またカール・リヒターの理念を継承したミュンヘン・バッハ管弦楽団の芸術監督として多彩な活動を続けるハンスイェルク・アルブレヒト。ヴァイマール・シュターツカペレとは前作のブラウンフェルス歌曲集でも、オーケストラをたっぷり歌わせた重厚な音楽を聴かせましたが、今回のワーグナーはまさにオーケストラにとっても得意中の得意の作品。マゼールの編曲による「歌のない指環」を指揮者、オーケストラが一体となり思う存分に歌い上げています。 ハンス=イェルク・アルブレヒト:2017年9月 ミュンヘン・バッハ管弦楽団を率いて来日予定です。
収録作曲家:
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ハウゼッガー:
〈管弦楽作品集 第2集〉
交響詩「ディオニス幻想曲」
童謡「Aufklange」による交響的変奏曲
交響詩「鍛冶屋のヴィーラント」 [バンベルク響/ヘルムス]HAUSEGGER, S. von: Aufklänge / Dionysische Fantasie / Wieland der Schmied (Bamberg Symphony, Hermus)
発売日:2017年06月23日
NMLアルバム番号:777810-2
7)
CD価格:2,475円(税込)
マーラー、リヒャルト・シュトラウスの次世代の作曲家として賞賛されながらも、時流に乗った作品を書かなかったため「時代遅れ」と見做され、次第に忘れ去られてしまった作曲家の一人、ハウゼッガー。しかし2008年にリリースされた声楽を伴う大規模な「自然交響曲」は、彼の真価を問う壮大な作品として話題となりました。 第2集には2曲の交響詩と、子供のための歌を主題にした変奏曲を収録。青年時代のハウゼッガーの理想が結実した「ディオニス幻想曲」、ワーグナーの楽劇の草案にもなった「鍛冶屋のヴィーラント」は、後期ロマン派特有の重厚な響きに満ちた感動的な作品です。
収録作曲家:
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チェロとギターのための音楽集
南アメリカと東ヨーロッパより [デュオ・ヴィラ=ロボス]Cello and Guitar Recital: Dúo Villa-Lobos (Music for Cello and Guitar from South America and Eastern Europe)
発売日:2017年06月23日
NMLアルバム番号:8.573761
5)
CD価格:1,600円(税込)
近年、多くの作曲家が新しい響きを得るため様々な探求を行っています。ここで聴けるのは南米と東ヨーロッパの作曲家たちによるギターとチェロのアンサンブル。この珍しい組み合わせからは、技術的な困難はあるものの、極めて野心的な響きが生まれます。ユーゴスラビアの作曲家ボグダノヴィチの印象的な「4つの内なる小品」を始め、セルジオ・アサドやエドウィン・グェバラの躍動するリズムが魅力的な曲、ブルガリアの作曲家ウルクズノフの民族舞曲を取り入れた「タンゾロジア」、ラパス生まれのゼナモンによるギターのアルペジョが美しい「Reflexoes」。2つの楽器が生み出す親密な調べをお楽しみください。
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ペルト(1935-):作品集
B-A-C-Hの主題のコラージュ
7つのマニフィカト・アンティフォナ
チェチーリア、ローマの乙女他 [バイエルン放送合唱団/ヒリヤード・アンサンブル/ミュンヘン放送管]PÄRT, A.: Collage über B-A-C-H / 7 Magnificat Antiphons / Cecilia, vergine romana (Bavarian Radio Chorus, Hilliard Ensemble, Munich Radio Orchestra)
発売日:2017年05月19日
NMLアルバム番号:900319
2)
CD価格:2,100円(税込)
世界中で人気が高いエストニアの作曲家ペルトの作品集。創作の初期は「B-A-C-Hの主題のコラージュ」のような新古典主義の様式に則って作品を書いていたペルトですが、「ブリテンへの追悼歌」が作曲された1970年代後半から次第に様式を変化させ、宗教的モティーフを多く用い、また使う音もシンプルになり、自身で「ティンティナブリ(鈴声)の様式」と呼ぶ独自のスタイルを創り上げました。 このアルバムには、管弦楽のための作品とあまり耳にする機会のない曲も含む一連の合唱作品を収録。ダイクストラ、シルマーは、どの作品も密度の高い演奏を聴かせています。また、声楽作品を得意とするヴィオッティが慈しむかのように指揮する「リタニ」も聴きものです。
収録作曲家:
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ウルマン(1898-1944):
〈作品集〉
ピアノ協奏曲
ピアノ・ソナタ 第7番
変奏曲と二重フーガ Op.3a [エルンスト/ドルトムンド・フィル/フェルツ]ULLMANN, V.: Piano Concerto / Piano Sonata No. 7 / Variations and Double Fugue (Ernst, Dortmund Philharmonic, Feltz)
発売日:2017年05月19日
NMLアルバム番号:C5294
8)
CD価格:2,250円(税込)
チェコで生まれ、ウィーン大学でシェーンベルクに師事し、十二音、無調音楽の作曲技法を身に付け、指揮者、作曲家として20世紀初頭のチェコで目覚しい活躍をしたヴィクトル・ウルマンの作品集。トラック10の「変奏曲と二重フーガ」はシェーンベルクの主題をもとに、多彩な変奏が繰り広げられる曲。また1939年に作曲された「ピアノ協奏曲」はプロコフィエフのような新古典派の雰囲気と、尊敬していたベートーヴェンヘのオマージュも感じられる激しい表情を見せる作品です。 しかし1940年にナチスがプラハに侵攻してからは、ユダヤの血を引くウルマンの作品は「退廃音楽」とみなされ演奏が禁止されてしまい、ウルマン自身も1942年にテレジンの強制収容所送りとなり、最終的には1944年にアウシュヴィッツで命を落とし、晩年の作品も散逸。しかし、テレジン収容所にいた時期に書いた作品はかろうじて残存しており、1990年代から始まった「退廃音楽の復興」にあわせ、演奏される機会も多くなってきました。ピアノ・ソナタ第7番はテレジンで書かれた作品ですが、その力強い音楽には運命に屈しない強い精神力が漲っています。
収録作曲家:
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ブラームス(1833-1897):
弦楽四重奏曲 第3番
クラリネット五重奏曲 [ニュージーランド弦楽四重奏団/キャンベル]BRAHMS, J.: String Quartet No. 3 / Clarinet Quintet (New Zealand String Quartet, J. Campbell)
発売日:2017年04月21日
NMLアルバム番号:8.573454
7)
CD価格:1,600円(税込)
1875年に作曲、翌年に出版されたブラームスの弦楽四重奏曲第3番は、曲想の明るさと入念な楽曲構成が特徴です。この時期のブラームスは、創作にほぼ20年を要した“交響曲第1番”の最後の追い込みに掛かっていましたが、並行していくつかの室内楽曲にも着手、まずピアノ四重奏曲第3番の手直しを完成させ、この弦楽四重奏曲第3番にとりかかりました。曲全体が密接な関連性を持ち、変奏曲形式の終楽章では、第1楽章の素材が使われるなど、ブラームスならではの緻密な作品です。「クラリネット五重奏曲」は、一度は創作意欲を失ったブラームスがクラリネットの名手ミュールフェルトに出会ったことで、意欲を取り戻し、一気に書き上げたことで知られる晩年の名作です。 演奏しているニュージーランド弦楽四重奏団は、2015年に創立28周年を迎えた老舗のアンサンブル。メンデルスゾーンなどの古典派から譚盾(タン・ドゥン)などの現代曲まで、幅広いレパートリーを持ち、ニュージーランド国内で各々が後進の指導にあたりながら、世界中で演奏会を開催し、聴衆を魅了し続けています。 ニュージーランド弦楽四重奏団によるブラームス:弦楽四重奏曲 第1番&第2番・・・8.573433
収録作曲家:
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D.スカルラッティ(1685-1757):
鍵盤のためのソナタ全集 第18集 [モンテイロ]SCARLATTI, D.: Keyboard Sonatas (Complete), Vol. 18 (Monteiro)
発売日:2017年04月21日
NMLアルバム番号:8.573611
3)
CD価格:1,600円(税込)
バロック期の作曲家ドメニコ・スカルラッティは555曲の「鍵盤のためのソナタ」を残しています。ソナタと言っても、これらは彼が仕えたマリア・マグダレーナ・バルバラ王女の技術向上のための“練習曲”であり、ほとんどの曲は単一楽章のシンプルな構成で書かれた技巧的な作品です。どの曲にも当時最先端の技巧が凝らされていますが、それらはみなチェンバロのためのもの。ピアノで演奏する際にはまた違った表現が必要とされています。 この第18集で演奏しているモンテイロは1974年ブラジル生まれ。バロックから現代まで幅広いレパートリーを持ち、NAXOSでのリスト(8.573485)やGRAND PIANOレーベルへの一連の録音が高く評価されています。
収録作曲家:
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ヴィオールとブーラスク
マレ(1656-1728)
サント=コロンブ(1645-1701):
ヴィオール作品集 [ビオルディ]Viola da Gamba Recital: Biordi, Paolo - MARAIS, M. / SAINTE-COLOMBE, J. de (Viole en bourrasque - Pieces pour Basse de Viole seule)
発売日:2017年04月21日
NMLアルバム番号:CDS7783
2)
CD価格:2,080円(税込)
1991年の映画「めぐり逢う朝」で描かれた、ヴィオールの名手サント=コロンブと彼の弟子マラン・マレ。一人演奏に没頭するサント・コロンブとは違い栄華を求めるマラン・マレとの諍い。結局マレは方向性の違いから破門されるも、サント=コロンブの娘を通じて師の技術を盗もうとする・・・そんなあらすじでした。実際のサント=コロンブの経歴はほとんどわかっていませんが、彼は17世紀における最も偉大なガンバ奏者であり、残された67曲に及ぶ合奏曲と、170曲を超える独奏曲の筆写譜からは、その素晴らしい才能が見えてきます。 このアルバムはサント=コロンブとマレの作品を並べて演奏することで、2人の類似点と違いが際立つという趣向です。またブルゴーニュのトゥールニュで発見された写本からの世界初録音も含まれています。
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ラッセル:
動物の謝肉祭(原曲 : サン=サーンス) [シンシナティ・ポップス・オーケストラ/ラッセル]RUSSELL, J.M.: Carnival of the Animals (after C. Saint-Saëns) (Cincinnati Pops Orchestra, Russell)
発売日:2017年04月21日
NMLアルバム番号:FC-004
3)
CD価格:2,240円(税込)
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チャイコフスキー(1840-1893):
〈ピアノ作品集〉
中級程度の12の小品
ハープサルの思い出
ワルツ・スケルツォ 第1番・第2番
カプリッチョ/ワルツ・カプリス
[式守満美]TCHAIKOVSKY, P.I.: Piano Music - 12 Morceaux / Souvenir de Hapsal / Valse-Scherzos / Capriccio / Valse-caprice (Mami Shikimori)
発売日:2017年03月24日
NMLアルバム番号:8.573543
5)
CD価格:1,600円(税込)
交響曲、バレエ曲などで知られるロシアの作曲家チャイコフスキー。彼は生涯を通じて数多くのピアノ曲も書いていました。これらの多くは彼の家族や親しい友人、音楽家たちに捧げられており、どれも詩的で温かい感情に満ちた音楽です。またピアノ学習者たちのための作品も多く、これらは当時の音楽市場で高い需要があったもので、ここに収録された「中級程度の12の小品」も、少し腕があがった学習者たちにとって、格好の練習曲になると喜ばれた曲集です。華やかなト長調の練習曲で始まり、特徴的なリズムを持つ「マズルカ」や、叙情的な「悲しい歌」など、多彩で表情豊かな作品が並びます。 「ハープサルの思い出」は現在エストニア領である美しい町に滞在したときの印象が描かれた小品。穏やかな気候に恵まれた保養地で、ここでの印象を3つの小品として作曲。情緒に溢れた美しい作品です。ロンドンで学び世界で活躍するピアニスト、式守満美の演奏で。
収録作曲家:
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R.シュトラウス(1864-1949):
《ナクソス島のアリアドネ》組曲
(交響的組曲 ~ D.ウィルソン・オチョアによる管弦楽版)
《町人貴族》組曲 [バッファロー・フィル/ファレッタ]STRAUSS, R.: Bourgeois Gentilhomme Suite (Le) / Ariadne auf Naxos Symphony-Suite (Buffalo Philharmonic, Falletta)
発売日:2017年02月24日
NMLアルバム番号:8.573460
3)
CD価格:1,600円(税込)
1900年代初頭からコンビを組んだリヒャルト・シュトラウスとホフマンスタールの2人は《エレクトラ》《ばらの騎士》と次々と成功作を世に送り出しました。彼らが次に手掛けたのは、17世紀の劇作家モリエールの《町人貴族》でした。ホフマンスタールは最初《町人貴族》の物語の劇中劇として《ナクソス島のアリアドネ》を組み込み、1912年に上演したのですが、長すぎたせいか大失敗。そこで、彼らはこの《アリアドネ》を独立させ、別の作品として発表。《町人貴族》はオペラではなく劇として再編し、シュトラウスの書いた付随音楽はそのまま残し、新たな曲を加えて1917年に完成をみています。そのためシュトラウスの作品番号にはOp.60が2つ存在しています。 このアルバムでは《町人貴族》は組曲版、《アリアドネ》は2010年にオチョアによって編纂された「交響的組曲」が演奏されています。ユーモアの風味はそのままに、贅沢な味付けで生まれ変わった名作をファレッタの指揮でお楽しみください。
収録作曲家:
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マルティナ・フィリャク
ピアノ・リサイタル
(バッハ=リスト/シューマン/スクリャビン) [フィリャク]Piano Recital: Filjak, Martina - LISZT, F. / SCHUMANN, R. / SCRIABIN, A.
発売日:2017年02月24日
NMLアルバム番号:SM249
10)
CD価格:2,080円(税込)
2009年、クリーヴランド国際コンクールで第1位とベートーヴェン賞を獲得、また同年にはバルセロナで開催された第54回マリア・カナルス国際コンクールでも第1位を獲得。国際的な注目を浴びた女性ピアニスト、マルティナ・フィリャクのリサイタル・アルバムです。マリア・カナルス受賞記念としてNAXOSからリリースされたソレールのソナタ集は、完璧なテクニックで典雅な曲調のソナタを演奏していましたが、近作はロマン派の作品が中心の選曲であり、更に多彩な表現力が発揮されています。バッハ作品を忠実にピアノへ移し変えたリストの作品はもちろんのこと、情念が渦巻くようなスクリャービンの作品でのニュアンス溢れるタッチも聴き所のひとつです。
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Signs of Occupation - 仕事の兆候
ウィークス(1978-):
作品集 [バーチャム=スティーヴンス/スパーリング/プット/ピオーロ]WEEKS, J.: Signs of Occupation / Looping Busker Music / 3 Trios / Digger / Common Ground (Barcham-Stevens, Sparling, Putt, Pioro)
発売日:2017年02月17日
NMLアルバム番号:MSV28559
2)
CD価格:2,400円(税込)
1978年、イギリスのブラックバーンで生まれ、マイケル・フィニッシーとともにケンブリッジで音楽を学び、サウスハンプトン大学で作曲の博士号を取得したウィークの作品集。2005年以来、彼は高い密度のポリフォニックを追求するため、小さな編成の作品を書くことに注力しています。それらは声楽アンサンブルであったり、このアルバムに収録されている器楽のためのアンサンブルであったりと様々ですが、どれも音楽の構造のプロセスを見つめ、時にはミニマル風に徹底的に素材を反復するなど、かなり実験的な作品であり、ひらめきと進化に満ちた音楽が展開されています。
収録作曲家:
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バーンスタイン(1918-1990):
交響曲 第1番「エレミア」
交響曲 第2番「不安の時代」 [ティボーデ/ボルティモア響/オールソップ]BERNSTEIN, L.: Symphonies 1 and 2 (Thibaudet, Baltimore Symphony, Alsop)
発売日:2017年01月25日
NMLアルバム番号:8.559790
6)
CD価格:1,600円(税込)
指揮者としてハイドンからマーラーまでを自在に演奏し、優れた解釈を聴かせた“作曲家”バーンスタインは、他の20世紀の作曲家たちに比べ、交響曲の仕組みを深く理解していたと想像できます。しかし、そのバーンスタイン本人の交響曲は、どれも伝統の枠組みにはまることはありませんでした。 「私はこれまでずっと“時代の危機”と“信仰の危機”から生まれる苦難について作品を書いてきた」と1977年に彼自身が語ったように、交響曲第1番「エレミア」はエルサレムの破壊に苦しむ民の嘆きを描くために「エレミアの哀歌」からテキストを採った意欲的な作品で、1939年から1942年に作曲され、1944年に初演され大評判となりました。 W.H.オーデンの同名の詩に触発された第2番「不安の時代」は1947年から1948年の作品で、作品自体は声楽を使わず、ピアノ独奏を伴うという変則的な曲。ニューヨークに住む4人の孤独な心が描かれた大胆な構成と、時にはジャズのイディオムも感じられる独創的な交響曲です。
収録作曲家:
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マーラー(1860-1911):
交響曲 第3番 ニ短調 [ロンベルガー/アウグスブルク大聖堂聖歌隊/バイエルン放送響/ハイティンク]MAHLER, G.: Symphony No. 3 (Romberger, Augsburger Domsingknaben, Bavarian Radio Symphony and Female Chorus, Haitink)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2017年01月13日
NMLアルバム番号:900149
3)
CD 2枚組価格:2,400円(税込)
ロマン派時代に書かれたあらゆる交響曲の中で「最長」の作品であるマーラーの交響曲第3番。当初の予定では全7楽章で構成され、各楽章には標題が付けられるという力の入った作品でしたが、出版時にその標題は削除され、最後の楽章に置かれていた「天上の生活」は交響曲第4番の終楽章へと移されました。しかし、標題はなくとも、当時のマーラーが心惹かれていた「子供の不思議な角笛」からの引用や、ニーチェの「ツァラトゥストラ」の一節までと、たくさんの要素が含まれたこの第3番にはマーラーの自然観、人生観などがくまなく反映されているとされています。演奏にあたっては、第2番《復活》のようにオルガンは使用されていないものの、大編成のオーケストラと多彩な打楽器群、第4楽章にはアルト独唱、第5楽章にはアルト独唱、児童合唱、女声合唱が必要とされ、演奏時間もおよそ100分掛かるという大規模な作品です。 このハイティンクが指揮した演奏は、2016年の6月にミュンヘンのガスタイクにおいて開催された演奏会をライヴ収録したものです。87歳という高齢にもかかわらず、ハイティンクの演奏はとても瑞々しく、全てに力が漲っています。第4楽章、第5楽章でソロを務めるロンベルガーはドイツ出身のメゾ・ソプラノ歌手。バッハのカンタータなど宗教音楽を得意としており、BR Klassikレーベルからはバッハの「マタイ受難曲」やヘンデルの「エジプトのイスラエル人」などの録音をリリース。その真摯な表現と深みのある声が好評を博しています。
収録作曲家:
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シュポア(1784-1859):
交響曲 第4番他 [ブダペスト響/ヴァルター]SPOHR, L.: Symphony No. 4 / Overtures (Budapest Symphony, A. Walter)
発売日:2016年12月21日
NMLアルバム番号:8.555398
6)
CD価格:1,600円(税込)
ベートーヴェンの親友でもあった作曲家ルイ・シュポア(1784-1859)。最近までは「学習者用のヴァイオリン協奏曲」の作曲家として重んじられることが多かったのですが、彼の交響曲は実はベートーヴェンの作品にも匹敵するほどの大作、力作です。古典的な形式を打破し、作品にタイトルを与えストーリー性を持たせるという試みは、ウェーバーを始めとした作曲家たちに受け継がれていきました。 この交響曲第4番は、後に彼の妻となるマリアンネ・プファイファーの兄で詩人カールの詩に基づいて書かれた作品です。「音の奉献(浄化とも訳される)」と題された作品は、もともとはカンタータとして想定されましたが、最終的にはテキストに密接に沿った4つの楽章に仕立て、それを交響曲として完成させました。第1楽章では「音の創造」が描かれ、第2楽章はセレナード、第3楽章は“勇気へのインスピレーション”としての行進曲、終楽章では死者の埋葬、安息が祈られます。2つの序曲はシュポアの歌劇作曲家としての才能がはっきりと示されています。
収録作曲家:
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フランスのサクソフォン四重奏曲集 [ケナリ四重奏団]
Saxophone Quartets (French) - DUBOIS, P.M. / PIERNÉ, G. / FRANÇAIX, J. / DESENCLOS, A. / BOZZA, E. / SCHMITT, F. (Kenari Quartet)
発売日:2016年12月21日
NMLアルバム番号:8.573549
2)
CD価格:1,600円(税込)
ベルギーの作曲家アドルフ・サックスによって1840年代に考案されたサクソフォンは、この新しい楽器に興味を抱いたフランスの作曲家を中心に擁護され、ジャンルを超えて広く伝播していきます。このアルバムでは若手奏者たちのアンサンブル「ケナリ四重奏団」が、ユニークで多彩な音色を持つ楽器が醸し出すエスプリを探っていきます。 マックス・デュボアはトゥール高等音楽院で学び1955年にローマ賞を獲得した作曲家。この「四重奏曲」は1962年に初演されて以来、このジャンルの定番レパートリーとなっています。ピエルネは1882年のローマ賞受賞者。数多くの遊び心溢れる作品で知られます。ナディア・ブーランジェに学んだフランセは1930年代半ばから1960年代初頭にかけて一連のサクソフォン作品を作曲。この小四重奏曲も気楽な雰囲気を持っています。デザンクロは1942年のローマ賞受賞者。叙情的で表現力豊かなこの作品はマルセル・ミュール四重奏団の委嘱作です。イタリアの血をひき、ヴァイオリニストとしても才能豊かであったボザの作品は、やはりメロディアスで美しいもの。パリ四重奏団に捧げられています。1900年ローマ賞の受賞者フローラン・シュミットは数々の管弦楽作品やピアノ曲が有名。この四重奏曲はテナー・サックスが導くフーガで始まる見事な曲。極めて独創的な世界を作り上げています。
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R.シュトラウス(1864-1949):
アルプス交響曲 Op.64
死と変容 Op.24 [バイエルン放送響/ヤンソンス]STRAUSS, R.: Alpensinfonie (Eine) / Tod und Verklärung (Bavarian Radio Symphony, Jansons)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2016年12月02日
NMLアルバム番号:900148
10)
CD
通常価格:2,100円→ 特価!:790円(税込)まるで映画音楽のように壮大で劇的な《アルプス交響曲》は、リヒャルト・シュトラウスの実体験に基づいて書かれた作品です。14歳、もしくは15歳のリヒャルト・シュトラウスが挑んだのはバイエルン州とチロル州の国境にあるドイツの最高峰ツークシュピッツェ(高さ2962m)。夏山の美しい自然と、荒々しい雷雨を体験した彼は登山の翌日にピアノでこの経験を再現したといいます。そして20年後の1902年に「アンチクリスト、アルプス交響曲」というタイトルでスケッチされ、一旦は4楽章の交響曲として構想されますが、結局は1911年、ガルミッシュの山荘で現在の形としての完成をみることになりました。 登山の道行きは夜明けから始まり、崇高な日の出を見つつ山道を辿り、多くの自然と触れ合いながら道に迷いつつも、頂上を目指します。下山中に雷雨に遭遇、自然の脅威に畏怖するも、無事下山。登山者は無事に帰途に着くのです。ヤンソンスは冒頭からゆったりとした歩みで、各々の場面を情感豊かに描いていきます。もちろん後半のクライマックスも万全の仕上がり。ヤンソンスの細部へのこだわりと、迫力ある造形により、聴き手はまるで自分自身が登山を終えたかのような満足感を抱くでしょう。 同時収録の《死と変容》は、20代の多感なシュトラウスの心情が反映された作品。ヤンソンスはオーケストラの持ち味を存分に生かし、うねる感情を丁寧に描き出しています。 艶やかな弦楽器、パワフルな金管楽器、滑らかな木管楽器など各々のパートが渾然一体となった輝かしい響きは、バイエルン放送交響楽団の特徴とも言える独特な音色です。
収録作曲家:
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モレル(1931-):
〈ギター作品集〉
ソナチネ/ブラジル風舞曲
舞曲/ギガ・クリオラ他 [レフィク=カヤ]MOREL, J.: Guitar Music - Sonatina / Danza Brasilera / Pampero / Danza in E Minor / Giga Criolla (Refik-Kaya)
発売日:2016年11月23日
NMLアルバム番号:8.573514
7)
CD価格:1,600円(税込)
ブエノスアイレスに生まれたギタリスト、作曲家ホルヘ・モレル(1931-)の作品集。彼はずっとファミリーネームである「Scibona」を名前に入れていましたが、イタリアの若手女優ロザリンダ・リカッチ(若くして亡くなった)のアドヴァイス“皆に知ってもらうためにはもっと簡単な名前にしたほうがよい”に従い、彼女の思い出のためにも、現在は短い名前“ホルヘ・モレル”を使っています。 7歳からギターを学び始めたモレルは16歳でプロデビューを飾り、カーネギー・ホール、ウィグモア・ホールといった名だたるホールでリサイタルを開催、また米国とラテン・アメリカで大規模なツアーを行うほどに、優れたギタリストとして活躍しています。このアルバムにはモレルの「作曲家」としての作品を紹介、その洗練された作風と名人芸、即興性を楽しめます。タンゴ風の躍動的な曲はもちろん、しっとりとした抒情的な作品も素晴らしい味わいを持っています。 演奏しているセリル・レフィク・カヤはトルコ出身の若手で、2012年のジョアン・ファレッタ国際ギターコンクールで最優秀賞を獲得しています。モレルは彼のために曲を作曲、それはこのアルバムのトラック5と6に収録されています。
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ラヴェル(1875-1937):
バレエ音楽《マ・メール・ロワ》
ラヴェル 他:
バレエ音楽《ジャンヌの扇》 [ロワール国立管/アクセルロッド]RAVEL, M. / FERROUD, P.-O. / IBERT, J. / etc.: Éventail de Jeanne (L') / RAVEL, M.: Ma Mère l'Oye (Orchestre National des Pays de la Loire, Axelrod)
発売日:2016年10月28日
NMLアルバム番号:8.573354
4)
CD価格:1,600円(税込)
ラヴェル(1875-1937)のバレエ音楽《マ・メール・ロワ》。このタイトルはイギリスを中心に発祥した伝承童話「マザー・グース」のフランス語読みで、ラヴェルの友人の子供たちのために最初はピアノ連弾曲として作曲されました。ラヴェルは後に芸術劇場の支配人であったジャック・ルーシェの依頼により、この組曲をバレエ版に編曲。その際は曲順を入れ替え、また、前奏曲、間奏曲などいくつかの曲を付け加え、ラヴェルらしい色彩豊かなオーケストレーションを施し、実に見事な作品として生まれ変わらせました。 とは言え、このアルバムで注目したいのは「ジャンヌの扇」。こちらは当時のサロン主宰者、マダム・ジャンヌ・デュボストの依頼作品で、当時フランスで活躍していた10人の作曲家たちが、彼女の扇の片面に収まるほどの短い曲を書き、これをつなぎ合わせた作品です。 この組曲は1928年にロジェ・デゾルミエールの指揮によって私的に初演、その際にはジャンヌが運営するバレエ学校の子供たちが、マリー・ローランサンの衣装を着けて踊ったのだそうです。その翌年にはオペラ座で一般公開されました。その時の主役は10歳のタマラ・トゥマノワで、彼女は以降、パリのバレエ界のみならず、映画界でも活躍、世界的な知名度を得たことでも知られています。10人の作曲家の作品はとても個性豊かで、時にはストラヴィンスキーの影響も感じさせる楽しい曲が揃っています。
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マーラー=シェーンベルク編曲:
室内楽版《大地の歌》《さすらう若人の歌》 [プラッツ/レイド/ウィリアムズ/ファレッタ]MAHLER, G.: Lied von der Erde (Das) / Lieder eines fahrenden Gesellen (arr. A. Schoenberg) (Platts, Reid, Williams, Falletta)
発売日:2016年10月28日
NMLアルバム番号:8.573536
2)
CD価格:1,600円(税込)
1918年の秋、シェーンベルクはウィーンで「私的演奏協会」を立ち上げました。それは当時の“現代音楽”を人々にきちんと広めることを目的とし、入念なリハーサルを行い、工夫を凝らしたプログラムを週1回演奏するというもの。ここでは立ち上げの翌年から1921年、インフレのために活動停止を余儀なくされるまでの3年間に、117回のコンサー卜が行われ、154もの作品が演奏されたのです。ただし、交響曲や管弦楽などの大規模な編成を必要とする曲は、資金面などの様々な理由でそのままの形ではなく、シェーンベルクと彼の弟子たちによって、小さな編成に編曲が施されて演奏されました。 このアルバムに収録された2つの作品はどちらもシェーンベルク自身の編曲によるもの。若きシェーンベルクが敬愛していたマーラーの作品が瑞々しく、また透明感溢れるアンサンブルに生まれ変っています。
収録作曲家:
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DA PACEM DOMINE - 主よ、平和を与えたまえ
ペルト(1935-):
〈宗教曲集〉 [ラトビア放送合唱団/クラーヴァ]PÄRT, A.: Choral Music (Da pacem Domine) (Latvian Radio Choir, Klava)
発売日:2016年09月28日
NMLアルバム番号:ODE1286-2
6)
CD価格:2,250円(税込)
合唱王国ラトビアは、多くの人が幼い頃から合唱団に属し、歌いながら音楽の訓練を積んでいます。大人になってからも、人々が集うとそこにはハーモニーが生まれ、5年に一度の「大合唱祭」では全国の合唱団が集結し、輝くハーモニーを聞かせることで知られています。 「ラトビア放送合唱団」はその中でも最高の実力を有するプロの合唱団です。既にリリースされている「シルヴェストロフ:合唱作品集」が2016年のグラモフォン賞にノミネートされているクリャーヴァとラトビア放送合唱団のシリーズの最新作は、日本でも人気の高いアルヴォ・ペルト(1935-)の宗教作品集。1988年から2012年まで、ほぼ25年間に渡る作品からは、ペルトが模索、追求した彼にとっての「理想の音楽像」が見えてきます。もちろん1980年代後半にはティンティナブリ(鈴声)の様式が確立しており、音楽が簡素化される傾向にありましたが、年月を重ねるに従ってその様式は更に磨き上げられ、余分なものを削ぎ落としながら調性にも回帰。本当に美しい無伴奏の合唱は聴き手の精神に直接届く「癒しの音楽」としても愛されるようになったのです。
収録作曲家:
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ミヒャエル・ギーレン・エディション
第2集(1968-2013)
ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第1番‐第9番 [1968-2013]BRUCKNER, A.: Symphonies Nos. 1-9 (Michael Gielen Edition, Vol. 2 (1968-2013))
発売日:2016年07月13日
NMLアルバム番号:SWR19014CD
3)
CD 10枚組価格:4,890円(税込、送料無料)
2017年に生誕90年を迎えるドレスデン生まれの指揮者ミヒャエル・ギーレン(1927-)。これを記念して制作された集大成BOXの第2弾は、彼が最も得意とするブルックナーの交響曲全集です。第1集(SWR90017CD)では、バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトの5人の作品が収録されていて、こちらも「切れ味鋭い」とされる彼の持ち味が存分に堪能できるものでしたが、このブルックナーはまた別格です。彼にとってはブルックナーは大切なレパートリーであり、1960年台から始めた放送録音でも、最初からその交響曲の何曲かが取り上げられています。ギーレンは長い期間をかけてその解釈に磨きをかけ、使用するスコアも標準的なヴァージョンではなく、その時点で最も「音楽的に面白い」ものを選択、もちろん曲に対するアプローチも彼の特徴(怜悧さ、精緻な響きの探求など)を備えたものです。 このBOXには1968年の第2番から2013年の第9番までと、およそ45年に渡るギーレンの演奏の変遷が刻まれています。交響曲 第1番、第2番、弟8番、第9番はこのBOXが初リリースとなります。
収録作曲家:
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ゴルトマルク(1830-1915):
歌劇「シバの女王」 [ヘベルコヴァー/ミヘリッチ/セメレーディ/フライブルク・フィル/ボロン]GOLDMARK, K.: Königin von Saba (Die) [Opera] (Hebelková, Thammathi, Mihelič, Szemerédy, Freiburg Philharmonic, Bollon)
発売日:2016年06月29日
NMLアルバム番号:555013-2
4)
CD 3枚組価格:7,335円(税込、送料無料)
フライブルク・フィルハーモニーと指揮者ファブリース・ボロンのコラボレーションによるオペラ・シリーズの第3弾は、ハンガリーのロマン派作曲家ゴルトマルク(1830-1915)の代表作「シバ(サバ)の女王」。当時流行の東洋趣味を取り入れたこの作品は、1875年にウィーンで初演されると同時に好評を博し、1938年までウィーン国立歌劇場のレパートリーに残り続けたという記録がありますが、現在では上演の機会はほとんどありません。ワーグナー風の重厚な響きを持つ前奏曲やバレエ曲の一部のみが稀に演奏されるこの歌劇、全曲の登場は喜ばしいものです。
収録作曲家:
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ノアゴー(1932-):
交響曲 第6番&第2番 [オスロ・フィル/ストゥールゴールズ]NØRGÅRD, P.: Symphonies Nos. 2 and 6 (Oslo Philharmonic, Storgårds)
発売日:2016年06月29日
NMLアルバム番号:6.220645
2)
SACD-Hybrid価格:2,325円(税込)
デンマークの現代作曲家ペア・ノアゴー(1932-)の交響曲集。こちらは第6番と第2番を収録。デンマーク音楽アカデミーでホルンボーに師事し、当初はシベリウスやニールセンの影響を受けていたものの、1960年代には独自の作曲手法「無限性セリー」を開発。この手法が用いられた代表的な作品が1970年に作曲された第2番の交響曲です。これは20分を越える単一楽章で書かれたもので、いくつかの音の進行が同時に発展しながらポリフォニーを生んでいくという技法。音がひたすらうねり、拡大縮小を繰り返しながら進んでいく面白い音楽です。交響曲第6番では、また違う技法が用いられているということで、こちらも独創的な作品です。
収録作曲家:
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グァン・シァ(1957-):
交響曲 第2番「希望」
星をみつめて
交響的バラード「悲しき夜明け」 [ニュルンベルク響/邵恩]GUAN, Xia: Symphony No. 2, "Hope" / Gazing at the Stars / Sorrowful Dawn (Nuremberg Symphony, En Shao)
発売日:2016年06月29日
NMLアルバム番号:8.570618
6)
CD価格:1,600円(税込)
このアルバムに収録されている「交響曲第2番“希望”」は、中国の著名な作曲家、グアン・シァ(1957-)の代表作。彼は1985年に中国中央音楽院を卒業し、数多くのテレビシリーズのサウンドトラックを手掛け、最近では中国国立交響楽団のエグゼクティブ・ディレクターを務めています。彼の交響曲第1番は1980年代半ばに書かれましたが、そちらはあまり話題になることはありませんでした。しかし「希望」と題された第2番は、善と悪、闘争と持続性など人類の本質に光が当てられており、各々の楽章に付されたタイトルも明るい未来を感じさせるなど、聴き手に明るい希望をもたらす音楽として愛されています。 「アース・レクイエム」は交響曲第2番と同じく1999年に書かれましたが、2008年5月に四川を襲った大地震の犠牲者を悼むために、大幅な改作を行っています。この「瞑想」はもともと第4楽章に置かれていましたが、ここでは一つの楽章として独立させ、原曲の合唱などを全て省き、管弦楽のみで演奏する形に変えています。 「悲しき夜明け」は第二次世界大戦終了後の中国の物語。ワーグナーを思わせる壮麗なファンファーレが印象的な作品です。
収録作曲家:
-
エルキン(1906-1972):
交響曲 第2番
ヴァイオリン協奏曲
舞踏狂詩曲「Kocekce - キョチェケ」 [バスウェル/イスタンブール国立響/クチャル]ERKİN, U.C.: Köçekçe / Violin Concerto / Symphony No. 2 (Buswell, Istanbul State Symphony, Kuchar)
発売日:2016年06月29日
NMLアルバム番号:8.572831
4)
CD価格:1,600円(税込)
エルキン(1906-1972)は、サイグンらとともに「トルコ5人組」と呼ばれるトルコのクラシック音楽を発展させたグループの一人の作曲家。その「5人組」のメンバーは、みな20世紀の初頭に生まれ、当時の大統領と連動し、トルコの西洋化を進めるために力を尽くしたことで知られています。 1906年に生まれたエルキンは、パリに留学しナディア・ブーランジェに師事、最先端のフランス音楽を学び帰国、トルコにできたばかりのアンカラ音楽院の教授となります。その後、1949年から1951年までは音楽院の院長を務め、後進の指導にあたりながら、自身も2つの交響曲をはじめ、ヴァイオリンやピアノ協奏曲、数多くのピアノ曲、歌曲を作曲します。以前のトルコの音楽は西洋のものとは全く異なっており、複雑なリズム(西洋人には理解が難しかった)とメロディを持っていましたが、エルキンはこれらの伝統的な要素を西洋音楽に取り入れ融合させたのです。とりわけ「キョチェケ」と呼ばれる固有の舞曲を用いた狂詩曲が聴きものです。
収録作曲家:
-
ラター(1945-):
祝祭詩篇他 [セント・オールバンズ大聖堂合唱団/ロイヤル・フィル/ルーカス]RUTTER, J.: Psalmfest / This is the Day / Lord, Thou hast been our refuge / Psalm 150 (St Albans Cathedral Choirs, Royal Philharmonic, A. Lucas)
発売日:2016年06月29日
NMLアルバム番号:8.573394
6)
CD価格:1,600円(税込)
旧約聖書に収められた150篇の詩篇のほとんどは、神への感謝の詩と、典礼用の詩に分けることができます。どれもヘブライ語の詩句自体が美しく、また希望や信頼、怒り、喜びなどの感情が豊かにあるため、歌のテキストに用いやすく(元々メロディがついているものもある)、何世紀にも渡って多くの作曲家たちにインスピレーションを与え、多彩な作品が生まれています。 イギリスの作曲家ジョン・ラター(1945-)も詩篇に魅せられた一人であり、彼は9つの詩篇をまとめた「祝祭詩篇」の他に、2011年の「ウィリアム王子とキャサリン・ミドルトンの婚礼」など特別の行事の際にも詩篇を用いた作品を書き上げています。彼の作品はどの曲も荘厳な雰囲気を持ちながらも、独特のノリのよいリズムや、ジャズ風のイディオムが至るところに見え隠れしています。日本でもアマチュア合唱団を中心に多くのファンを獲得しており、この祝祭詩篇も、しばしばコンサートで演奏される人気曲となっています。
収録作曲家:
-
ツェルニー(1791-1857):
大協奏曲
華麗な大夜想曲
演奏会用変奏曲 [タック/イギリス室内管/ボニング]CZERNY, C.: Grand Piano Concerto / Grand Nocturne Brillant / Variations de Concert sur la Marche des Grecs (Tuck, English Chamber Orchestra, Bonynge)
発売日:2016年06月29日
NMLアルバム番号:8.573417
9)
CD価格:1,600円(税込)
以前から「ツェルニーの偉大さ」について力説してきたNAXOSレーベルですが、今回登場の「大協奏曲」を含む3つの協奏的作品も、ピアノ演奏技術の粋を集めた完成度の高いものであり、ベートーヴェンの協奏曲に並ぶ巨匠然とした雰囲気をたたえています(確かにこの華やかなパッセージを楽々と弾きこなすためには、あの無味乾燥な練習曲を仕上げるしかないのかもしれません)。 「ベートーヴェンの才能ある弟子」として各方面で名が知られていたツェルニー(1791-1857)。ベートーヴェンは自作の協奏曲のソリストに彼を指名し、ブラームスも「ツェルニーのピアノ奏法についての著作は一度は読む価値がある」と絶賛、リストは、彼が提案した合作「ヘクサメロン」でツェルニーに曲を依頼したりと、その幅広い才能は誰もが絶賛していました。とは言え、ツェルニー自身は、自らが目立つよりも、後進の指導と、ベートーヴェン作品を広めることのみに喜びを感じていたようで、たくさんの練習曲を書いたのも「ピアノ演奏法について書きたいのに時間がない」というベートーヴェンの意思を継いだからでした。 そんな控えめな性格だったが故に膨大な作品はごく一部が出版されたのみ。そのほとんどは机の引き出しにしまい込まれていたため、このような素晴らしい作品もそのまま忘れられてしまったのです。21世紀になって次々と新曲を聴くことができるようになり、このアルバムにも世界初録音の作品が含まれています。今後もツェルニーからは目が離せません。
収録作曲家:
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ストラヴィンスキー(1882-1971):
バレエ音楽「火の鳥」
オリジナル管弦楽版&2台ピアノ版 [バーゼル響/ラッセル・デイヴィス/滑川真希]STRAVINSKY, I: Firebird (original orchestral version and arr. for 2 pianos) (Basel Symphony, D.R. Davies, Maki Namekawa)
発売日:2016年06月29日
NMLアルバム番号:SOB10
2)
CD 2枚組価格:2,985円(税込)
2014年にリリースされた“春の祭典”(SOB06)に続き、ストラヴィンスキーの“火の鳥”を管弦楽版と2台ピアノ版との比較を楽しめる企画盤。今回も管弦楽版をD.R.デイヴィスが指揮するバーゼル交響楽団、「2台ピアノ版」をD.R.デイヴィスと彼の妻、滑川真希が演奏しています。 ストラヴィンスキーの3つのバレエ作品の中で、“火の鳥”は、他の2曲(“春の祭典”、“ペトルーシュカ”)と違い、作曲家による4手版が残されていません。そのため、D.R.デイヴィスは自分で4手版をアレンジするために、バーゼルのパウル・ザッハー財団に保管されているピアノ・ソロの譜面を参照、新たなヴァージョンを作り上げました。D.R.デイヴィスの斬新な解釈に基づく演奏はもちろんのこと、2つの版の聴き比べも非常に興味深いものとなっています。
収録作曲家:
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マイヤベーア(1791-1864):
歌劇「ディノーラ … プレールメルの巡礼」 [チョーフィ/デュピュイ/タルボ/ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団&交響楽団/マッツォーラ]MEYERBEER, G.: Dinorah, "Le pardon de Ploërmel" [Opera] (Ciofi, Dupuis, Talbot, Berlin Deutsche Opera Chorus and Orchestra, Mazzola)
発売日:2016年05月25日
NMLアルバム番号:555014-2
5)
CD 2枚組価格:4,890円(税込、送料無料)
2014年にcpoレーベルからリリースされた歌劇「バスコ・ダ・ガマ」(777828)は2015年のエコー賞を受賞するなど、高い評価を受けました。今回のマイヤベーア(1791-1864)作品は、彼の歌劇中、最も知られる「ディノーラ」です。とは言え、これまでこの歌劇は、ディノーラの狂気の部分が強調された名歌手マリア・カラスの歌唱ばかりで知られているため、他の歌手たちは取り上げにくい作品だったのではないでしょうか。 今回、この難役に挑戦したのはイタリア出身のチョーフィ。演技力には定評のある彼女が創り上げる新しいディノーラ像は、狂気だけでなく、コミカルな面も含めた、これまでの固定観念を完全に打ち破るものです。彼女を取り巻く男声たちも絶妙な歌いぶり。またマッツォーラが指揮するベルリン・ドイツ・オペラ管も充実した響きで歌唱に応えています。
収録作曲家:
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シューマン(1810-1856):
さまざまな習作、遺稿集 [ショーズ]SCHUMANN, R.: Variations on a Theme by Beethoven / Geistervariationen / Variations on a Theme by Schubert (Chauzu)
発売日:2016年05月25日
NMLアルバム番号:8.573540
4)
CD価格:1,600円(税込)
シューマン(1810-1856)の珍しい小品を集めた1枚です。これらの作品は普段ほとんど耳にすることのない断片のようなものばかりで、書かれた年代も若い頃から晩年までと多岐に渡っていますが、どの曲からもシューマンならではの内省的な旋律と、懊悩が感じ取れます。 7歳の時にウェーバーが指揮するベートーヴェンの交響曲を聞き感激したシューマンは、いくつかの作品を彼なりに研究し、3つのベートーヴェンにまつわる作品を書き上げます。ディアベリがピアノ用に編曲した第7番の第2楽章の主題による変奏曲は、結局3回書き直されるも、完成されることも、生前出版されることもなく、彼の死後クララによって部分的に出版されました。全曲が揃ったのは1976年ということで、少し前のシューマン作品集には含まれていないという本当に珍しい曲です。 他にも自らの主題による変奏曲、ショパンやシューベルトの作品による変奏曲、そして破棄されてしまったソナタの楽章など、研究者にとっても貴重な作品が並びます。※日本語帯なし
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ブローウェル/ロドリーゴ/マルタン:
ギター協奏曲集 [トラパーガ/ガリシア王立フィル/ディアス]BROUWER, L.: Concierto de Benicàssim / RODRIGO, J.: Concierto de Aranjuez / MARTIN, F.: Guitare (Trápaga, Real Filharmonía de Galicia, Díaz)
発売日:2016年05月25日
NMLアルバム番号:8.573542
7)
CD価格:1,600円(税込)
1967年カンタブリア生まれのギタリスト、ミゲル・トラパガが演奏する3つの協奏的作品です。彼は「GFA国際ギターコンクール」などをはじめとした多くのコンクールで優勝し、世界的な演奏活動を行っている人です。現在はマドリード王立音楽院で後進の指導に当たるなど、教育者としても活躍しています。 このアルバムには、彼の演奏による、誰もが知っている「アランフェス協奏曲」と、2曲の世界初録音となる作品が収録されています。マルタンの組曲「ギター」はもともと独奏曲ですが、ここでは作曲家自身による管弦楽伴奏付きのヴァージョンを収録しています。またブローウェルの協奏曲は、タルレガの生誕150年を記念して作曲されたもので、ブロウウェル自身も「この曲は私自身のアイデアのパノラマである」と語ったほどに多彩な楽想と豊かな幻想性を持った曲です。この曲でもトラパガの卓越した技術が余すことなく披露されています。※日本語帯つき
2016年秋来日予定 -
シュールホフ(1894-1942):
ピアノ作品集 第3集 [ヴァイヒェルト]SCHULHOFF, E.: Piano Works, Vol. 3 - Suite dansante en jazz / 9 kleine Reigen / 5 études de jazz / Ostinato (Weichert)
発売日:2016年05月25日
NMLアルバム番号:GP723
2)
CD価格:1,710円(税込)
チェコの作曲家、ピアニスト、指揮者エルヴィン・シュルホフ(1894-1942)のピアノ作品集もこのアルバムで第3集となります。ダダイズムの先鋒として活躍し、また自作にジャズや実験音楽の要素も取り入れるなど、様々な作風を見せたシュルホフの作品がナチス・ドイツによって「退廃音楽」のカテゴリーに入れられてしまったのはなんとも残念なことでした。 この第3集に収録されているのは1910年代から1930年代までの、およそ20年間にわたる時代の作品で、ほとんど耳にする機会のないOp.13の「小さな輪舞」をはじめ、ジャズや軽音楽にも通じる楽しい雰囲気を持ったものばかりです。興味深いのはアメリカのジャズ・ピアニスト、ゼズ・コンフリーの「鍵盤上の子猫」にインスパイアされたトッカータで、こちらは原曲も収録されていて、聴き比べ(シュルホフがどのように変貌させたか)も楽しい趣向になっています。
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エセンヴァルズ(1977-):
〈宗教作品集〉
聖ルカ伝による受難曲
大海の一滴/最初の涙/天の連祷 [ラトビア放送合唱団/シンフォニエッタ・リーガ/クリャーヴァ]EŠENVALDS, Ē.: St. Luke Passion / Sacred Works (Latvian Radio Choir, Sinfonietta Riga, Klava)
発売日:2016年05月25日
NMLアルバム番号:ODE1247-2
3)
CD価格:2,250円(税込)
現代合唱曲の作曲家として、一部のファンの間では熱狂的な人気を誇るラトビア出身のエリクス・エセンヴァルズ(1977-)。このアルバムでは彼の新作「聖ルカ受難曲」を中心に、いくつかの特徴的な曲を聴くことができます。エセンヴァルズにとっては初の受難曲となるこの「聖ルカ」は、8つの部分から構成され、メゾ・ソプラノ、テノール、バリトン独唱と合唱、オーケストラによって奏される壮大な作品。作曲にあたり、指揮者クリャーヴァも助言をしたという大作です。 また「大海の一滴」と「最初の涙」はマザー・テレサに献呈された透明感を持つ作品で、「天の連祷」はラトビアの詩人フリシス・バールダの神秘的な詩を用いた作品です。複雑な旋律の絡み合いと、そこから生まれる美しい響きに耳を奪われます。
収録作曲家:
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pictures [グニン]
Piano Recital: Gugnin, Andrea - JACQUES, I. / MUSSORGSKY, M.P. / BABADJANIAN, A.H. (Pictures)
発売日:2016年05月25日
NMLアルバム番号:Steinway30042
10)
CD価格:1,710円(税込)
ロシアのピアニスト、アンドレイ・ググニンのSteinwayレーベルへのデビューアルバム。7歳から音楽を学び、モスクワのチャイコフスキー音楽院でヴェラ・ゴルノステーヴァ教授に師事し、2010年に卒業。2013年にはウィーンで開催されたベートーヴェン国際ピアノ・コンクールで第2位を獲得したのを皮切りに、数多くのコンクールに参加、2014年にはジーナ・バッカウアー国際コンクールで金賞及び聴衆賞を獲得しています。 2016年10月には来日も予定されているググニン、このアルバムでは「展覧会の絵」を中心に、高い表現力を要求される作品が選択されており、類い稀なるテクニックと音楽性を存分に見せています。
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ドヴォルザーク(1841-1904):
交響曲 第8番
スーク(1874-1935):
弦楽オーケストラのためのセレナード 変ホ長調他 [バイエルン放送響/ヤンソンス]DVOŘÁK, A.: Symphony No. 8 / SUK, J.: Serenade (Bavarian Radio Symphony, Jansons)
発売日:2016年04月27日
NMLアルバム番号:900145
2)
CD
通常価格:2,085円→ 特価!:1,390円(税込)ヤンソンスの「ドヴォルザーク8番」といえば、2007年にロイヤル・コンセルトへボウ管との録音を頭に浮かべる人も多いでしょう。一切のムダを配した筋肉質な響きの中にそこはかとなく漂う叙情性は、まさにヤンソンスならではの世界を表現したものとして、現在も評価の高い演奏です。 そのヤンソンスによるバイエルン放送交響楽団とのドヴォルザークは、昨年録音された「スターバト・マーテル」(900142)も素晴らしいものでした。全編を覆う深い悲しみと、最後にもたらされる暖かい希望。このコントラストが鮮やかに表現された演奏は、ヤンソンスとドヴォルザークの親和性をも感じさせる見事なものでした。 そして2016年に収録された「第8番」では、一層密度の濃いドヴォルザークを聞くことができます。彼の全交響曲の中で、もっともボヘミア要素が高いと評されるこの作品は、ト長調という明るい調性と、メリハリのある曲想が広く愛されており、とりわけ第3楽章の哀愁漂う旋律は一度聞いたら忘れられないほどのインパクトがあるものです。もちろんオーケストレーションも精緻を極めており、至るところに現れる対旋律の面白さや、終楽章のフルート・ソロのような、各々の楽器を際立たせるやり方も円熟期のドヴォルザークを示すものです。もちろんヤンソンスは全ての難関を易々とクリア。満足のいく演奏を展開していきます。 「謝肉祭」は序曲「自然と生命と愛」の中の1曲。全編華々しく賑やかな明るさ全開の作品です。珍しいスタジオ・レコーディングであるスークの「弦楽セレナード」は、やはりドヴォルザークに深い関連を持つ作品で、もともと「短調が支配する暗い曲」ばかりを書く傾向があったスクに「もっと明るい曲を書くように」と示唆したのが、後に義父となるドヴォルザークだったというエピソードがあります。こちらは落ち着いた美しさと、ほっとする明るさを楽しめます。日本語帯付き
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作者不詳の6つの協奏曲集
ドレスデン・ザクセン州立図書館の
“第2書庫”の音楽コレクションから(Mus.2-Q21)DRESDEN TREASURES - 6 Concertos (Haugsand, Les Amis de Philippe, L. Rémy)
発売日:2016年03月30日
NMLアルバム番号:777780-2
7)
CD価格:1,824円(税込)
18世紀のドレスデンには当時最高とされていたドレスデン宮廷楽団がありました。ドレスデン・ザクセン州立図書館に保存されている膨大な資料の中には、恐らくこの楽団のために書かれたであろう1800を越える写本のスコアがありますが、ほとんどは作曲家の名前が記されておらず、現在でもわからないままです。 このアルバムに収録された6つの協奏曲も、いくつかの作品はテレマンのものだろうと推測されますが、証拠は全くありません。しかしながら、本当に良い作品であれば作曲者の名前などないのかもしれません。演奏しているのは、バロックの名手ルドガー・レミー率いるレザミ・ド・フィリッペ。知られざる作品を発見する喜びをお届けいたします。
収録作曲家:
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モラヴェック(1957-):
ヴァイオリン協奏曲
尺八五重奏曲他 [バックマン/シュレファー/ゴスリング/ヴォザール弦楽四重奏団/シンフォニー・イン・C/ミラノフ]MORAVEC, P.: Violin Concerto / Shakuhachi Quintet / Equilibrium (M. Bachmann, Schlefer, Gosling, Voxare String Quartet, Symphony in C, Milanov)
発売日:2016年03月30日
NMLアルバム番号:8.559797
2)
CD価格:1,600円(税込)
1957年、ニューヨークに生まれた作曲家モラヴェック(1957-)は、幼い頃に少年合唱団に所属し、バッハ作品の素晴らしさに目覚めたといいます。ハーバード大学を経て、コロンビア大学で大学院の研究に携わり、その後ダートマス大学、ハンター大学を経て1987年に博士号を取得しています。彼はとても多作であり、最近はオペラも手掛けるなど多方面にわたって活躍しています。 このアルバムには、彼の最も優れた作品の一つである「ヴァイオリン協奏曲」と、一風変わった「尺八協奏曲」、そして2つの小品が収録されています。ヴァイオリン協奏曲を演奏しているバックマンはこの曲の初演者であり、困難な技巧を伴うパッセージをいとも易々と弾きこなしています。 また日本の伝統音楽に興味を抱いているモラヴェックは和楽器と西洋音楽の融合を目指し、「Kyo-Shin-An Arts」のために「尺八五重奏曲」を書きました。最初は弦のみのロマンティックな音楽ですが、そこに尺八の音色が加わると不思議な風景が目の前に広がります。 「エクリブリウム」はこのアルバムのために書かれた作品で、彼が尊敬するバッハのシャコンヌを思わせる部分もあります。最後の曲は、マリア・バックマンが2004年に結婚した際のお祝いとして書かれたもので、まるでクライスラーの作品のような親密で優しい音楽です。これは彼の中でも特別な作品なので、普段の作風とは全く違うものであることをご承知置きくださいね。
収録作曲家:
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J.S.バッハ(1685-1750):
ヨハネ受難曲 BWV245(1749年稿) [プレガルディエン/ナツミ/ランツハーマー/マロッタ/バイエルン放送合唱団/コンチェルト・ケルン/ダイクストラ]BACH, J.S.: St. John Passion, BWV 245 (with introduction) (J. Pregardien, Nazmi, Landshamer, Malotta, Bavarian Radio Chorus, Concerto Köln, Dijkstra)
発売日:2016年03月30日
NMLアルバム番号:900909
3)
CD 3枚組価格:2,985円(税込)
BR KLASSIKレーベルにおけるペーター・ダイクストラとコンチェルト・ケルンによる演奏は、このバッハ(1685-1750)の「ヨハネ受難曲」が第3作目となります。以前の「マタイ受難曲」(900508)と、ヘンデルの「エジプトのイスラエル人」(900501)、同じくヘンデルの「ディキシット・ドミヌス」他(900504)は、どれも古楽器オーケストラの渋い音色と、完璧な合唱、そしてなにより隙のない堅固な音楽の流れと驚異的な完成度が高く評価されていますが、この「ヨハネ受難曲」はそれを上回る素晴らしさを感じることができるでしょう。 何より若い歌手たちのまろやかで伸びのある声と表現力も、この完成度を押し上げているのは間違いありません。会場を包む興奮も含めた受難の風景をお届けいたします。最も演奏頻度の高いといわれる1749年稿を採用した演奏です。ボーナスCDには、ドイツ語による「ヨハネ受難曲」のレクチャーが収録されています。
収録作曲家:
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マーラー(1860-1911):
交響曲 第2番「復活」(B.ワルターによるピアノ4手版) [中澤真麻/アタヴァーレ]MAHLER, G.: Symphony No. 2 (arr. B. Walter for 2 pianos) (Maasa Nakazawa, Athavale)
発売日:2016年02月24日
NMLアルバム番号:8.573350
7)
CD価格:1,600円(税込)
マーラーが交響曲第2番「復活」を完成させたのは1894年、彼が34歳の時でした。1888年に「葬礼」として最初に作品の構想を練った時は単一楽章の交響詩となるはずでしたが、その後様々な紆余曲折を経て、最終的には5楽章からなる、ソプラノ、アルト独唱と合唱、オルガンを伴う巨大な交響曲へと発展したこの交響曲には、彼の様々な思い入れが込められています。 そんな壮大な作品を、彼の弟子であるブルーノ・ワルターが連弾用に編曲。もちろんマーラーの複雑なスコアはそのまま、また独唱や合唱のパート全てが、ピアノの響きに集約されたこの「ミニアチュア」は驚くほどの精緻な佇まいを持っています。 この録音では、連弾で演奏できるスコアをあえて2台のピアノで演奏することで、一層の音の広がりを追求しています。昂ぶる感情がそのまま爆発する第1楽章、穏やかで細やかな第2楽章、ユーモラスな第3楽章、素朴な信仰が歌われた第4楽章「原光」、そして圧巻の終楽章。ピアノの響きの向こう側に光り輝く世界が開けているかのようです。
収録作曲家:
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マンハッタン・インテルメッツォ [ビーゲル/ブラウン大学管/フィリップス]
Piano and Orchestral Works - SEDAKA, N. / EMERSON, K. / ELLINGTON, D. (Manhattan Intermezzo) (Biegel, Brown University Orchestra, P. Phillips)
発売日:2016年02月24日
NMLアルバム番号:8.573490
8)
CD価格:1,600円(税込)
NAXOSから、時折リリースされる一連のクロスオーヴァー(?)アルバムは「この手のもの」が好きな人から大絶賛されています。たとえばオールソップの一連のアルバムや、伝説のベーシスト、マグヌス・ローゼンをフィーチャーしたアルバム(8.572650)とか。 さて、このアルバムの4つの作品もなかなか個性的なものです。シンガーソングライターとしてお馴染みニール・セダカ(10代の頃はクラシックを学んでいた)の麗しい「マンハッタン・インテルメッツォ」。イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド「エマーソン・レイク・アンド・パーマー」のメンバー、キース・エマーソンの熱狂的な「ピアノ協奏曲」、デューク・エリントンの名作「ニュー・ワールド・ア・カミン」(カデンツァが聴き所)、そしてお馴染みガーシュウインの「ラプソディ・イン・ブルー」。どれもジャンルを越えた華やかな音楽として楽しめます。 今回ピアノを演奏しているのは、驚くほど幅広いレパートリーを持つことで知られるジェフリー・ビーゲル。これらの作品に全く新しい命を吹き込んでいるところはさすがです。
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パーカッションの世界 [ミローリオ]
Percussion Recital: Miroglio, Thierry - MANTOVANI, B. / STROPPA, M. / EÖTVÖS, P. / LEIBOWITZ, R. / HERSANT, P. (The World of Percussion)
発売日:2016年02月24日
NMLアルバム番号:8.573520
3)
CD価格:1,600円(税込)
このアルバムに収録された6つの作品はどれも世界初演であり、当然、これまで誰も聴いたことのない音を聴くことができるというものです。本来はリズムが主体となるパーカッションではありますが、例えばヴァイブラフォンのように音の高低を表現できるものや、エレクトロニクスと組み合わせることで夢幻的な響きを齎すものもあり、想像以上に多彩な音を聴くことができるのです。 ブルーノ・マントヴァーニの劇的にファンキーな作品、金属的な響きがミステリアスなストロッパの作品、パーカッションの可能性を追求したエトヴェシュの「サンダー」、指揮者としても知られるレイボヴィッツのカプリース、古典の3つの作品からインスパイアされたエルサンの練習曲、自然音への憧れともいえる「コンピューターで生成された音とパーカッションの対話」から生まれたリセの練習曲、など無限の可能性が感じられる興味深い1枚です。
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チャイコフスキー(1840-1893):
バレエ音楽「くるみわり人形」全曲(ピアノ独奏版) [グッドイヤー]TCHAIKOVSKY, P.I.: Nutcracker (The) (arr. S. Goodyear for piano) (Goodyear)
発売日:2016年02月24日
NMLアルバム番号:Steinway30040
4)
SACD-Hybrid価格:1,710円(税込)
ラフマニノフのピアノ協奏曲(STNS-30047)とチャイコフスキー&グリーグのピアノ協奏曲(STNS-30035)で安定した技巧と確かな音楽性を披露している若手ピアニスト、スチュワート・グッドイヤーの新譜は、彼自身が編曲したチャイコフスキー(1840-1893)の「くるみわり人形」の全曲、ピアノ独奏版です。組曲としてのピアノ版は良く耳にしますが、ここまで弾ききったものはこれまでにも存在していません。もちろん世界初録音です。明快なタッチと豊かな表現力はここでも抜群の効果を演出、全く新しいチャイコフスキーを聴くことができます。これは本当に楽しい1枚です。
収録作曲家:
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クララ・ミン ~ スクリャービンを弾く [クララ・ミン]
SCRIABIN. A: Piano Music (Klara Min)
発売日:2016年02月24日
NMLアルバム番号:Steinway30045
8)
CD価格:1,824円(税込)
NAXOSの「韓国のピアノ曲集」(8.572406)で鮮やかな技巧を披露したピアニスト、クララ・ミン。韓国に生まれ、数々のコンクールで優勝、現在は世界中で演奏活動を行っています。 そんな彼女、今作ではスクリャービン(1872-1915)の神秘的な作品を演奏、また違った雰囲気で迫ります。彼女の演奏には、スクリャービンの特徴とも言える官能的な成分はもちろん、初期の作品にみられる「ショパン風の」煌きも絶妙に含まれていて、その夢幻的な美しさには思わず陶然となってしまいます。硬質なタッチから生み出される美しい音色も魅力的です。
収録作曲家:
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ミヒャエル・ギーレン・エディション 第1集(1967-2010)[6枚組] [1967-2010]
Orchestral Music - BACH, J.S. / MOZART, W.A. / HAYDN, J. / BEETHOVEN, L. van / SCHUBERT, F. (Michael Gielen Edition, Vol. 1 (1967-2010))
発売日:2016年02月24日
NMLアルバム番号:SWR19007CD
7)
CD価格:4,080円(税込、送料無料)
現在、最も重要な指揮者の一人と称されるミヒャエル・ギーレン(1927-)。舞台演出家の父のもと、ドレスデンに生まれ、1940年にアルゼンチンに移住し、ブエノスアイレスで音楽を学びます。カルロス・クライバーと知り合い、共に研鑽を積んだエピソードでも知られています。レパートリーは古典派から現代までと幅広く、とりわけ一連のバーデン・バーデン南西ドイツ放送交響楽団とのマーラーの交響曲や、シェーンベルク作品での精妙な演奏は、比類なきものとして評価されています。 この「ギーレン・エディション」は2017年の彼の生誕90年を記念し製作されたもので、SWRレーベルから今後3年間に渡って、全10集のリリースが予定されています。この第1集は1960年代の録音から最近の録音までを収録、そのほとんどは初出音源というもので、彼のファンのみならず、20世紀のクラシック音楽の演奏様式の一つのスタイルを俯瞰するためにもなくてはならないものとなることは間違いありません。
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チマローザ(1749-1801):
序曲集 第4集 [パルドゥビツェ・チェコ室内フィル/ハラーシュ]CIMAROSA, D.: Overtures, Vol. 4 (Czech Chamber Philharmonic, Pardubice, Halász)
発売日:2016年01月27日
NMLアルバム番号:8.573459
3)
CD価格:1,600円(税込)
第1集から第3集まで、それぞれ違うオーケストラ、指揮者によって演奏されているNAXOSの「チマローザ序曲」シリーズですが、今作はハラーシュとチェコ室内フィルというおなじみのコンビによる息のあった演奏をお届けいたします。序曲と言っても、チマローザ(1749-1801)の初期の作品は、そのほとんどを当時の慣習であるシンフォニア形式に則って書いているため、小さな三楽章の交響曲と言っても過言のない聴きごたえのあるものとなっています。こんなに機知に富んだステキな序曲ならば、それに続く物語も素晴らしいのだろうと想像してしまいますが、現在彼のオペラを全曲聴く機会がほとんどないのは残念なことです。 中でも「パリの画家」は彼の名前がナポリ中に広まることとなった最初の成功作であり、あのハイドンも1789年にエステルハージ家のためにこのオペラの特別ヴァージョンを作成し演奏したという記録があるほどですので、ぜひ全曲を聴いてみたいものです。
収録作曲家:
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J.S.バッハ(1685-1750):
ミサ曲 ロ短調 BWV 232 [ケオハネ/ラン/ポッター/コボウ/ハーヴェイ/コンチェルト・コペンハーゲン/モルテンセン]BACH, J.S.: Mass in B minor, BWV 232 (Keohane, Lunn, A. Potter, Kobow, P. Harvey, Concerto Copenhagen, L.U. Mortensen)
発売日:2015年12月23日
NMLアルバム番号:777851-2
6)
SACD Hybrid 2枚組価格:5,700円(税込、送料無料)
北欧のオーケストラの特徴とも言える透明なハーモニーを最大に生かした「ロ短調」ミサの登場です。デンマーク出身の名手モーテンセンは、鍵盤奏者、指揮者として優れた活動をしていますが、今回の「ロ短調ミサ」曲では、合唱、オーケストラ全てを統括し、生き生きとした素晴らしい音楽を導き出しています。 1981年にアメリカの指揮者ジョシュア・リフキンが確立した「バッハ作品の合唱部分のほとんどはソロの声のために書かれたであろう」の理論を継承しながらも、モーテンセンはその理論に更に考察を加え、オーケストラのサイズもバッハ(1685-1750)の時代に合わせた小さなアンサンブルにすること(26人)で、各々のパートに顕かなコントラストを付けています。そしてSACDのフォーマットで録音することで、曲のすみずみまでを見通すことが可能になり、この偉大なる作品を改めて味わうことが可能になったのです。
収録作曲家:
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ヴュータン(1820-1881):
〈ヴァイオリン作品集〉
コレッリ変奏曲/6つの小品
狩り/演奏会用練習曲 [クッペル]VIEUXTEMPS, H.: Violin Solo Works - 6 Morceaux / La Chasse (version for violin solo) / Etudes, Opp. 16 and 48 (Kuppel)
発売日:2015年12月23日
NMLアルバム番号:8.573339
3)
CD価格:1,600円(税込)
ベルギーのヴァイオリニスト、作曲家アンリ・ヴュータン(1820-1881)は、ピエール・ローデ、シャルル・ド・ベリオといったフランスのヴァイオリン音楽の潮流を受け継ぐ名手として知られています。彼の師のベリオと同じく、主としてヴァイオリンのための作品を残し(弦楽四重奏曲なども存在する)中でも7曲のヴァイオリン協奏曲は、独創的な作風が現在でも愛されています。 このアルバムに収録されているのは、技術を磨くための練習曲が中心ではありますが、これらは単なるテクニックの上達を目指すのではなく、高い音楽性と表現力を養うためのものでもあることは間違いありません。Op.48の練習曲はパリ音楽院に献呈されていて、彼自身の手引きの言葉が添えられています。1845年に書かれたOp.16の練習曲は若書きの作品であり、作曲技法を磨こうとするヴュータンの努力のあとも垣間見える力作と言えるでしょう。それに比べ、死後に出版されたOp.55の6つの小品は彼のキャリアの最終段階の円熟を示すもので、まさに「バッハへのオマージュ」とも呼べる高い完成度を誇っています。緊張感漲るヴァイオリンを演奏するのは、1997年から2013年までバイエルン放送交響楽団のコンサートマスターを務めたドイツの名手クッペルです。
収録作曲家:
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フローラン・シュミット(1870-1958):
アントニーとクレオパトラ
交響的練習曲「幽霊屋敷」 [バッファロー・フィル/ファレッタ]SCHMITT, F.: Antoine et Cléopâtre Suites Nos. 1 and 2 / Le Palais Hanté (Buffalo Philharmonic, Falletta)
発売日:2015年12月23日
NMLアルバム番号:8.573521
6)
CD価格:1,600円(税込)
パリ音楽院でマスネとフォーレに師事し、1900年にはローマ大賞を受賞。ピアニストとしても優れた才能を持ち、ワーグナー愛好家でもあったというフローラン・シュミット(1870-1958)。彼の作品には独自のスタイルがあり、精緻な筆致による管弦楽は、後の作曲家たちに強い影響を与えています。 この「アントニーとクレオパトラ」は幕間にバレエの情景を持つ劇音楽で、1920年にパリ・オペラ座で上演された際にクレオパトラ役を踊ったイダ・ルビンシュタイン(後にラヴェルに「ボレロ」を依頼したダンサー)は神秘的な姿で観客を魅了したと言われています。この組曲は、初演後にシュミット自身が名場面を選び出し、刺激的な音楽を付けたものです。印象派風の響きと、リヒャルト・シュトラウスを想起させる激情的な音が融合した、豊かな色彩を持つ音楽です。「幽霊屋敷」はマラルメがフランス語に翻訳したエドガー・アラン・ポーの詩からインスピレーションを得たもので、詩の持つ不可解なニュアンスが的確に描き出された、いかにもシュミットらしい神秘的な作品です。 バッファロー・フィルの厚みのある音色は理想的なシュミットの音楽を創り上げています。
収録作曲家:
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ルドルフ・バルシャイを讃えて[20枚組BOX]
Barshai, Rudolf: Tribute (A) (20-CD Box Set)
発売日:2015年12月23日
NMLアルバム番号:ICAB5136
4)
CD 20枚組価格:9,780円(税込、送料無料)
ロシアのラビンスクで生まれたルドルフ・バルシャイ(1924-2010)の軌跡を辿る20枚組のBOXです。彼はモスクワ音楽院でヴァイオリンとヴィオラを学び(ショスタコーヴィチにも師事したことがある)、最初はヴィオラ奏者として活動を開始しました。1948年からモスクワ音楽院弦楽四重奏団(現ボロディン弦楽四重奏団)、チャイコフスキー弦楽四重奏団でヴィオラ奏者を務め、翌1949年にはブダペストで開催された世界青年学生フェスティバルで最高名誉賞を受賞するなど、その活動は極めて華々しいものでした。1955年には指揮者として活動を開始。自身が創設したモスクワ室内管弦楽団を率い、ソ連の作曲家たちの作品を多く初演し、とりわけショスタコーヴィチやプロコフィエフに関しては、積極的なアレンジを施して演奏機会を増やしたり、ロシア国内では隠匿された作曲家アレクサンドル・ロクシーンの友人として、彼の作品を初演、録音、この不遇な作曲家を助けるのにも一役買ったことで知られています。 1976年にイスラエルに亡命し、その後は世界中のオーケストラを指揮し、数々の名演を残しています。日本には1966年に初来日、以降たびたび来日しては、名演を披露していたことでも知られています。 このBOXには、彼の卓越したヴィオラ奏者としての演奏と、指揮者としての先進的な姿を伺える演奏がバランスよく収録されています。【CD1】から【CD7】までは室内楽で、豪華な共演者にも注目したいところです。【CD8】から【CD19まではモスクワ室内管弦楽団との共演を中心に、他のオーケストラとの共演も収録されています。【CD15】のロクシーンの一連の作品も、前述の通り録音の少ない作曲家だけに貴重なものです。 また晩年になって彼が取り組んでいたマーラーの交響曲第10番の補筆完成版が、東京で行われた「日本初演」の演奏で【CD19】に収録されているのも嬉しい限りです。打楽器を多用したきらびやかなバルシャイ版は、マーラー好きなら一度は聴いておきたいものです。【CD20】には、名アレンジャー、バルシャイに敬意を表した1枚。彼が編曲した3つの作品が演奏されています。
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モーツァルト(1756-1791):
交響曲 第35番「ハフナー」・第36番「リンツ」・第41番「ジュピター」
(ヨハン・ネポムク・フンメルによる室内楽版) [グロット/アイヒホルン/ルンメル/クリューガー]MOZART, W.A.: Symphonies Nos. 35, 36, 41 (arr. J.N. Hummel for flute, violin, cello and piano) (Grodd, Eichhorn, Rummel, Krüger)
発売日:2015年11月25日
NMLアルバム番号:8.572842
5)
CD価格:1,600円(税込)
おなじみ、フンメル(1778-1837)の室内楽版編曲によるモーツァルト(1756-1791)の交響曲です。第1集(第38番-第40番…8.572841)でもその機動力の高さと緊密なアンサンブルが好評であった4人の名手たちですが、今作では一層充実した音楽を聴くことができます。一度味わうと病みつきになってしまうのがこのシリーズで、編成を小さくすることでとにかく曲の構造や、モーツァルトの信念のようなものがくっきりとわかるのが楽しいのです。 これらの編曲はフンメルがヴァイマールの宮廷楽長として働いていた1823年から1824年頃に作られたもので、彼が幼い頃に師事していたモーツァルトに対する深い賛辞でもあるのです。フンメルはピアノ、フルート、ヴァイオリンとチェロのための作品を50曲以上残しましたが、モーツァルトの交響曲編曲は、全部で6曲のみなのが残念なところです。彼は時代の変遷も考慮し、モーツァルトのスコアにないクレシェンドやピアニシモを付け加え、また装飾なども変更しています。交響曲第40番における小節の追加など、現在の楽譜とは異なる箇所もあり、混乱を招くかもしれませんが、このあたりは研究家たちによっていずれは精査されることでしょう。
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ドヴォルザーク(1841-1904):
交響曲 第9番《新世界より》
スラヴ舞曲 第10番
スメタナ(1824-1884):
交響詩《モルダウ》 [読売日本交響楽団/近衛秀麿]DVOŘÁK, A.: Symphony No. 9, "From the New World" / SMETANA, B.: Moldau (Yomiuri Nippon Symphony, Hidemaro Konoye)
発売日:2015年10月28日
NMLアルバム番号:NYCC-27294
2)
CD価格:1,650円(税込)
ベートーヴェンへの情熱、そして深い共感を魅せた近衞秀麿。彼はまた、民族色溢れるドヴォルザーク、スメタナの音楽に対しても、見事な解釈を聞かせます。 ドヴォルザークの「新世界より」は、言うまでもなく彼の代表作であり、全ての音楽好きに愛される名曲です。曲の成立については、以前は「新大陸で生活するドヴォルザークの望郷の念が込められている」という説がありましたが、最近の研究では、ドヴォルザークがアメリカでオペラを構想するも、それは実現しなかったため、その素材を散りばめて交響曲にしたという説も出ています。 かなりドラマティックな様相を持つこの作品、もちろん近衞はその説は知る由もなかったはずなのですが、彼の指揮は間違いなく曲の本質を的確に捉えているものです。ボヘミアの大地を吹き抜ける風を思わせる「スラヴ舞曲」、その風とともに肥沃な大地を流れていく「モルダウ」、どの曲にも万感の思いが詰まっている名演です。
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デンマークとフェロー諸島の
リコーダー協奏曲集 [ペトリ/クリステンセン]Recorder Concertos - KOPPEL, T. / GUDMUNDSEN-HOLMGREEN, P. / RASMUSSEN, S. (Danish and Faroese Recorder Concertos) (Petri, Christensen)
発売日:2015年10月28日
NMLアルバム番号:6.220609
2)
SACD-Hybrid価格:1,988円(税込)
ミカラ・ペトリのリコーダーを探求する旅のアルバムは、今回デンマークとフェロー諸島の音楽の紹介です。フェロー諸島とは、スコットランド諸島、ノルウェー西海岸とアイスランドの間にある北大西洋の諸島のことで、デンマークの自治領でありながらも、独立を主張している地域であり、また古くから音楽や伝承の宝庫として知られている場所です。 デンマーク音楽の伝統は、古くはブクステフーデやシャイベを輩出し、ニルス・ゲーゼやアウゴスト・エナ、そしてカール・ニルセンを経て、最近ではこのアルバムに収録されているコッペルやホルムグレーン、ラスムセンなどが活躍しています。コッペルは、父親もニルセンに師事した作曲家で、多彩な曲を書いていますが、この「月の子どもの夢」はコペンハーゲンに住む極貧の少女の希望と不安に焦点を当てて書かれた憂愁溢れる美しいものです。ホルムグレーンの曲は、もっと抽象的で前衛的な作品。音響の楽しさを味わうための曲です。フェロー諸島生まれのラスムセンの作品は独自の地域に根ざしたもので、鳥の声を模するリコーダーの響きで始まる印象的な曲です。ペトリの冴え渡るテクニックには、いつものように驚くばかりです。
収録作曲家:
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ヴァインベルク(1919-1996):作品集
ヴァイオリン・コンチェルティーノ Op.42
交響曲 第10番
モルダヴィアの主題による狂詩曲 [ノヴィツカ/ポーランド放送アマデウス室内管/ドゥチマル/ドゥチマル・ムロツ]WEINBERG, M.: Violin Concertino, Op. 42 / Symphony No. 10 (Nowicka, Amadeus Chamber Orchestra of Polish Radio, Duczmal, Duczmal-Mroz)
発売日:2015年10月28日
NMLアルバム番号:777887-2
3)
CD価格:2,608円(税込)
cpoレーベルが進めているシリーズの一つに、ポーランド、ロシアの作曲家ヴァインベルク(1919-1996)の重要な作品集があります。ショスタコーヴィチとの関連性で知られる人ですが、その作風には確かに似通ったところがあるものの、かなり抒情的で、また標題性があることでも知られています。 このアルバムには初期の作品であるヴァイオリンの協奏的作品と、やはり協奏的でありながら「交響曲」と名づけられた実験的な作品、そして「モルダヴィアの主題による狂詩曲」は失われてしまったと言われるヴァージョンをポーランドのヴァイオリニスト、作曲家ノヴィッカが復元したものを収録。ノヴィッカはヴァインベルクの諸作品を初演したことでも知られる名手であり、ここでも説得力ある演奏を繰り広げています。
収録作曲家:
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ワーグナー(1813-1883):
楽劇「ニーベルングの指環」序夜「ラインの黄金」 [フォッレ/クルマン/コニエツニ/ウルリヒ/バイエルン放送響/ラトル]WAGNER, R.: Rheingold (Das) [Opera] (Volle, E. Kulman, Konieczny, B. Ulrich, Bavarian Radio Symphony, Rattle)
発売日:2015年10月28日
NMLアルバム番号:900133
3)
CD 2枚組
通常価格:3,225円→ 特価!:2,690円(税込)全ヨーロッパが注目した、バイエルン放送とサイモン・ラトルによる「ラインの黄金」(コンサート形式)の登場です。リハーサル風景も映像で公開されていたり、またベルリン・フィルとの演奏が素晴らしかっただけに期待値が高かったりと、何かと話題になったこの演奏です。現在考えられる最上のキャストを揃え、万全の体制で行われたこの「ラインの黄金」は、ラトルの的確な指揮とバイエルン放送交響楽団のいぶし銀のようなまろやかな音色…序曲の豊かな響きを聴くだけでもこの演奏が極上であることを確信するでしょう…を得て、これ以上望むべくもないワーグナー(1813-1883)が表出されています。
収録作曲家:
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R.シュトラウス(1864-1949):交響詩集 第4集
アルプス交響曲
交響詩「ドン・ファン」 [南ドイツ放送響/バーデン・バーデン&フライブルク南西ドイツ放送響/ロート]STRAUSS, R.: Tone Poems, Vol. 4 - Eine Alpensinfonie / Don Juan (SWR Symphony, Baden-Baden and Freiburg, F.-X. Roth)
発売日:2015年10月28日
NMLアルバム番号:CD93.335
6)
CD価格:2,085円(税込)
グザヴィエ・ロトとバーデン=バーデン&フライブルクSWR響によるリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)のシリーズも今作で第4集となります。最近は自らのオーケストラ「レ・シェクル」とも斬新かつ刺激的なアプローチによる演奏を披露、その名声がますます高まっているロトですが、この「アルプス交響曲」は、まさに彼の本領発揮とも言える演奏であると断言できるでしょう。リヒャルト・シュトラウスが完成までに10年以上をかけたこの大作は、華美さばかりを追求すると単なる「サウンド・トラック」になってしまう危険性を孕んでいますが、そこはロト。シュトラウスが求める響きと物語性を完全に再現した上で、推進力ある音楽を作り出しているのはさすがです。 「ドン・ファン」はシュトラウス24歳の意欲作ですが、ロトはこちらの曲でも、若さ漲る爆発的なエネルギーを掬い上げ、シュトラウスが望んだであろう理想的な響きを創り上げることに成功しています。
収録作曲家:
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Great Britain イギリス現代合唱曲集
Choral Concert: South West German Radio Vocal Ensemble - HARVEY, J. / MACMILLAN, J. / TAVENER, J. / MAXWELL DAVIES, P. (Great Britain)
発売日:2015年10月28日
NMLアルバム番号:CD93.342
8)
CD価格:2,085円(税込)
イギリスの音楽文化は教会音楽と密接に結びついています。現代においても、典礼のための宗教合唱曲が多数書かれ、これらの新作は常に合唱団に拠って演奏され、市民たちもこれらを享受しています。 このアルバムでは5人の作曲家の多彩な作品を聴くことができますが、最初のマクスウェル・デイヴィスの長大な作品からして、様々な言語を駆使した言葉遊びが炸裂する、何とも人を食ったものであり「聖と俗」が表裏一体であることを強く感じさせてくれるはずです。現代最高の合唱指揮者の一人であるマルクス・クリードは、これらの難曲をやすやすと聞かせます。
収録作曲家:
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ゴードン・シーウェン・チン(金希文)(1957-):
交響曲 第3番「台湾」
チェロ協奏曲 第1番 [ヤン・ウェン=シン/台湾フィル/呂紹嘉]CHIN, Gordon Shi-Wen: Cello Concerto No. 1 / Symphony No. 3, "Taiwan" (Wen-Sinn Yang, Taiwan Philharmonic, Shao-Chia Lü)
発売日:2015年09月23日
NMLアルバム番号:8.570615
10)
CD価格:1,600円(税込)
台湾を代表する現代作曲家の一人、ゴードン・チン(1957-)の作品集です。以前リリースされた「二重協奏曲」と「ファルモサの四季」(8.570221)でも、響きこそ前衛的でありながら、独特の叙情性を持つ音楽が展開されていましたが、このアルバムに収録された2つの作品も傾向は同じものであり、時として驚くほど美しい部分があったりと、興味の尽きない人であるといえるでしょう。 古典的な3楽章形式を持つと見せかけて、実はそれぞれの楽章が結びついているという「チェロ協奏曲」は、各々の楽章にシェイクスピア、パスカル、サミュエル・ジョンソンの文章から取られた言葉が引用され、これらが曲の雰囲気を説明しています。「交響曲第3番」はバンクーバー交響楽団の委嘱作で、台湾の長い歴史を踏まえた史実に基づくタイトルが付けられた楽章からは独創的な香りが漂います。打楽器が躍動する第1楽章、台湾のポピュラー・ソングが効果的に用いられた第2楽章、そしていかなる外界の力にも臆することのない民族性を表現した第3楽章。これらは強い意志を持ち、最後は英雄的な盛り上がりで曲を閉じるのです。
収録作曲家:
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吹奏楽のためのイタリア・オペラ編曲集 [ヨーロピアン・ウィンド・ソロイスツ/リティス]
Wind Ensemble Transcriptions - ROSSINI, G. / VERDI, G. (Italian Opera Transcribed for Wind Ensemble) (European Wind Soloists, de Ritis)
発売日:2015年09月23日
NMLアルバム番号:8.573259
4)
CD価格:1,600円(税込)
「トランスクリプション」=現在では記譜法とされますが、以前はある作品を異なる楽器で演奏できるように編曲する行為そのものを指すことが多かったのです。14世紀頃から頻繁に行われてきたトランスクリプションは、家庭でも音楽を楽しむようになった19世紀に更に盛んに行われるようになります。フランツ・リストが行った「オーケストラ曲=ピアノ曲」は良く知られていますが、同じ時期にはオペラの名旋律を楽器で演奏することも盛んであり、素晴らしい歌を聴いた感動をいち早く自分のものにしたいというアマチュア奏者たちの要望に応え、多くの「オペラの主題」を用いた変奏曲や幻想曲が作曲されたことも忘れてはなりません。 このアルバムには、そんな19世紀の良き時代を彷彿させる楽しい作品が収録されています。編曲を施したのは、1966年生まれのミケーレ・マンガーニ。どの曲も、最初からこの形態で書かれていたかのように、ぴったりとはまっています。またトラック6は彼のオリジナル。次々と繰り出される名旋律に存分に浸ってください。
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マーラー(1860-1911):
交響曲 第6番 [バイエルン放送響/ハーディング]MAHLER, G.: Symphony No. 6 (Bavarian Radio Symphony, Harding)
発売日:2015年09月23日
NMLアルバム番号:900132
6)
CD価格:2,085円(税込)
ハーディングによるマーラー(1860-1911)演奏については、以前ドイツ・グラモフォンからリリースされた「交響曲第10番」の信じられないほどの美しさなどで、既に定評のあるところです。このバイエルン放送交響楽団との第6番の演奏も、第1楽章の第2主題「アルマの主題」やアンダンテ楽章での流麗さや、全体の見通しのよさは高く評価されるものであり、もちろんバイエルン放送響の定評のあるアンサンブルと熱気も楽しめる、究極の1枚であることは間違いありません。 最近ではこの交響曲に「悲劇的」というタイトルを付けて呼ぶことはめったにありませんが、このハーディングによる演奏は、メリハリの強さと溢れ出るような豊かな情感のためか、ことさら悲劇的な要素を強く感じさせるものとなっています。楽章の順序は最近の傾向に倣い、第2楽章にアンダンテ、第3楽章にスケルツォを置くもので、こちらも曲の構成のメリハリを与えるのに一役買っています。
収録作曲家:
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クルークハルト(1847-1902):
交響曲 第4番 ハ短調 Op.57
3つの小品 Op.87 [デッサウ・アンハルト・フィル/ヘルムス]KLUGHARDT, A.F.M.: Symphony No. 4 / 3 Stücke, Op. 87 (Dessau Anhalt Philharmonic Orchestra, Hermus)
発売日:2015年08月26日
NMLアルバム番号:777740-2
2)
CD価格:2,608円(税込)
ケーテンで生まれ、10歳でピアノを作曲を学び始めたというクルークハルト(1847-1902)。相当才能に恵まれていたようで、1年後には作品を発表し、16歳でデッサウに移住した翌年にはピアニストとしてデビュー。その後は着々と才能を開花させ、ヴァイマールの宮廷劇場を皮切りに、ノイシュトレリッツ、デッサウの宮廷劇場で指揮者として目覚ましい活躍を遂げます。その間ヴァイマールではフランツ・リストに会い、また1876年にバイロイト音楽祭に出かけ「指環」の上演に感銘を受け、1882年にはデッサウの劇場で指揮者として「指環」を演奏しているのですから、こちらもすごい実績と言えるでしょう。 彼は交響曲を6曲書いて(最初の1曲は番号なし)いて、この第4番は、まさにワーグナーやリストの後継者の音楽。重厚な響きとライトモティーフが用いられた優れた音楽です。かたやタイトルのない「3つの小品」は、ロッシーニやヴェルディを思わせる気楽な曲。こちらも興味深いものです。
収録作曲家:
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ゴットシャルク(1829-1869):
熱帯の夜 ~ ピアノ作品集 [S. メイヤー]GOTTSCHALK, L.M.: Piano Music - A Night in the Tropics (S. Mayer)
発売日:2015年08月26日
NMLアルバム番号:8.559693
2)
CD価格:1,600円(税込)
アメリカ合衆国の「ロマン派時代」に属する作曲家ゴットシャルク(1829-1869)。商人の父を持つ彼は、クレオール人(もともとフランス領ルイジアナへの移住者を先祖に持つ人種で独自の文化を持つ)の街に住み、幼い頃から雑多な文化に触れて育ちました。幼い頃にピアノをはじめ、11歳のときに非公式デビューを果たし、その2年後にヨーロッパへ渡り、パリ音楽院への入学を希望しますが、残念ながら拒否されてしまいます。しかし、その時にベルリオーズやショパンと会い、賛辞を得ています。1853年に帰国し、その後は中南米で活躍、その地の音楽やカリブ海沿岸の民俗音楽をベースにしたリズミカルなピアノ曲を150曲近く作曲しました。 情熱的なリズムと、ショパン的とも言える抒情的な旋律の融合が、単なるサロン音楽の粋を越えた上質な作品として、現代の聴き手の耳を捉えて離しません。特にトラック4の子守歌は、これまでゴッドシャルクの音楽におけるイメージ…明るい開放感…を覆すほどのしっとりとしたものです。もちろん、ピアニスト、メイヤーによる「熱帯の夜」のピアノ版は、その開放感と情熱において、全ての人々の期待にしっかり応えています。
収録作曲家:
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ツェルニー(1791-1857):
フルートとピアノのための作品集 [瀬尾和紀/上野真]CZERNY, C.: Flute and Piano Music - 3 Rondeaux Faciles et Brillans / Introduction, Variations and Finale / Duo Concertant (Kazunori Seo, Makoto Ueno)
■室内楽
発売日:2015年08月26日
NMLアルバム番号:8.573335
10)
CD価格:1,600円(税込)
ヴィルトゥオーゾ・ピアニストとして、またベートーヴェンの弟子として輝かしい足跡を残したカール・ツェルニー。しかし現在では「練習曲を書いた人」としてのみ認識されているのは、なんと悲しいことでしょう。このアルバムは、日本が誇る2人の名手、瀬尾氏と上野氏が、「ツェルニー復権」のためにタッグを組みました。彼らはモシェレス作品集(8.573175)でも息のあったアンサンブルを披露していましたが、今回のツェルニーでは一層の親密さと緊張感を伴った極上の演奏を聴かせます。1836年に出版された「ベッリーニとロッシーニのメロディをとことんまで使い尽くし、華麗な作品として創り上げた協奏風ロンド」での独奏フルートの息を飲むようなパッセージと、これを支えるピアノの安定感には驚くばかりです。 「序奏、変奏と終曲」は1825年ごろの作品で、シューベルトの「しぼめる花」のメロディを主題としたもので、当時流行していたスタイルである、ゆったりとした序奏と、華麗な変奏曲、そして華やかな終曲がセットになっており、7つの変奏曲にも精緻な技法が施されています。この曲は当時活躍していたフルート奏者フェルディナント・ボーグナーのために書かれています。1827年に出版された「協奏風小ロンド」での技巧提示、「協奏的」と銘打たれた各楽器の密接なやり取りは、そのまま同じ年に出版された「協奏的二重奏曲」に引き継がれ、一層の発展を遂げているのです。
収録作曲家:
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イッポリトフ=イヴァノフ(1859-1935):
交響曲 第1番
トルコの断章/トルコ行進曲
[シンガポール響/ヘイ・チョー]IPPOLITOV-IVANOV, M.M.: Symphony No. 1 / Turkish Fragments / Turkish March (Singapore Symphony, Choo Hoey)
発売日:2015年08月26日
NMLアルバム番号:8.573508
2)
CD価格:1,600円(税込)
イッポリトフ=イヴァノフの名前を聞くと、ほとんどの人があの野趣溢れる「酋長の行進」を思い起こすことでしょう。あちらは「コーカサスの風景」の第4曲で、サルダール(オスマン帝国の最高司令官)が行進している様子を描いたもので、一度聴いたら、あのエキゾチックなメロディが頭から離れなくなるという代物です。 このアルバムには、彼の交響曲第1番と、特徴的な「トルコ風の」音楽の両方が収録されています。ある種のチャイコフスキー的な雰囲気を持つ「交響曲第1番」を聞いてわかる通り、リムスキー=コルサコフに師事した彼の作品は、もともと重厚でロシア的な響きから出発しているのですが、人生の後半期に研究したトルコの民俗音楽に強い関心を持つことで、あの「酋長の行進」や、このアルバムに収録された「トルコの断章」や「トルコ行進曲」のよう独特の音楽が生まれたのでしょう。ここら辺は文句なく楽しめる作品であることは間違いありません。これでまた、クラシック音楽好きの「ヘヴィーローテーション曲」が増えるのではないでしょうか。
収録作曲家:
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川村祥子
ゴルトベルクを弾く [川村祥子]BACH, J.S.: Goldberg Variations, BWV 988 (Sachiko Kawamura)
発売日:2015年08月26日
NMLアルバム番号:ClaudioCR6018-2
2)
CD価格:2,224円(税込)
東京藝術大学を経て、モスクワ音楽院・大学院&研究科を卒業、スイスでアレクシス・ワイセンベルク、ロンドンでアドルフォ・バラビーノ、など世界的ピアニストに師事し、研鑽を続けてきたピアニスト川村祥子(さちこ)さんの演奏するバッハ「ゴルトベルク変奏曲」です。国内外で盛んな演奏活動を行い、すでに高い評価を受けている彼女のバッハには、確かな技巧と音楽性の中に、彼女の師であるバラビーノ氏のショパンを思わせる、柔和な表情と独特の暖かさが感じられます。 カップリングのバッハ=ブゾーニのシャコンヌでの、解像度の高い響きもさることながら、白眉は最後の「ラ・カンパネラ」であり、ゆったりめのテンポで、音を一つ一つ慈しむかのようなこの演奏からは、彼女がこのアルバムの最後をこの曲で締めくくりたかった気持ちが強く伝わってくるようです。
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ヤナーチェク(1854-1928):
歌劇「イェヌーファ」 [ジェイムズ/ヴェイソヴィチ/ヴェルミリオン/グラーツ歌劇場合唱団/グラーツ・フィル/カフタン]JANÁČEK, L.: Jenůfa [Opera] (G. James, Vejzović, Vermillion, Graz Opera Chorus, Graz Philharmonic, Kaftan)
発売日:2015年08月26日
NMLアルバム番号:OC962
2)
CD 2枚組価格:2,985円(税込)
OEHMSレーベルと、オーストリア第二の規模の都市グラーツにある「グラーツ歌劇場」との初の共同制作となったのが、このヤナーチェク(1854-1928)の「イェヌーファ」です。彼の3作目となるこの「イェヌーファ」は、チェコの小さな村で起こる物語で、複雑な人間関係が引き起こす悲劇です。いとこ同士で愛し合い、子どもを身篭ったイェヌーファ。その身を案じる継母コステルニチカは、イェヌーファのためを思い、彼女が産んだ子どもを川に捨ててしまいます。 この物語にヤナーチェクがつけた音楽は、民謡調の親しみ易いメロディであり、また時として登場人物の心理を的確に表すものであり、と聞き応えたっぷりのものです。ここではタイトルロールにイスラエル出身の期待の若手、ガル・ジェイムズ、またキーパーソンとなるコステルニチカにはヴェテラン、イリス・フェルミリオンを起用し、迫真の物語を創り上げています。 また第2幕でのイェヌーファのモノローグの場面で、素晴らしいヴァイオリン・ソロを聞かせるのは日本のヴァイオリニスト、岩城風佑(ふゆ)。彼女は現在グラーツ・フィルハーモニーのコンミスを務めており、この上演の際は舞台上でイェヌーファと直接絡んでいたりと大活躍を果たしています。
収録作曲家:
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チャイコフスキー(1840-1893):
歌劇「イオランテ」 [ゴロヴネヴァ/ヴィノグラードフ/ケルン歌劇場合唱団/ギュルツェニヒ管/キタエンコ]TCHAIKOVSKY, P.I.: Iolanta [Opera] (Golovneva, Vinogradov, Bondarenko, Cologne Opera Chorus, Gürzenich Orchestra, Kitayenko)
発売日:2015年08月26日
NMLアルバム番号:OC963
9)
CD 2枚組価格:2,985円(税込)
チャイコフスキー(1840-1893)の交響曲全集ツィクルスを完成させたキタエンコですが、まだまだこの作曲家へと燃やす愛の炎は消えていなかったのです。この「イオランタ」は1892年のクリスマス・シーズンである12月18日に、あの「くるみ割り人形」と同日初演された1幕の短いメルヘン・オペラです。さすがに2演目の同時公演は壮大すぎたのか、翌日チャイコフスキーは弟に「2つの華麗な作品で目が疲れた」と手紙を書いたといいます。またグスタフ・マーラーがこの作品を1893年1月3日にハンブルク、1900年3月22日にウィーンで、それぞれ初演しているというのも興味深いところです。 そんな愛らしいこの作品、内容は盲目の姫と彼女を巡る人々の物語。全ての登場人物は優しく思いやりに溢れ、物語もほのぼのと進行し、もちろん最後はハッピーエンドで締めくくられます。
収録作曲家:
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ベートーヴェン(1770-1827):
交響曲 第5番「運命」
シューベルト(1797-1828):
交響曲 第7番「未完成」 [近衛秀麿 指揮/読売日本交響楽団]BEETHOVEN, L. van: Symphony No. 5 / SCHUBERT, F.: Symphony No. 8, "Unfinished" (Yomiuri Nippon Symphony, Hidemaro Konoye)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2015年08月12日
NMLアルバム番号:NYCC-27292
2)
HQCD価格:1,650円(税込)
8月8日午後8時から放送のNHK BS-1 スペシャル「戦火のマエストロ・近衛秀麿 ~ ユダヤ人演奏家の命を救った男」、さらに同番組の原作本「戦火のマエストロ・近衛秀麿」菅野冬樹著(NHK 出版)の8月12日発刊に合わせて緊急リリース!激動の昭和史の中で、音楽家として、時の首相・近衛文麿の弟として、ヨーロッパを舞台に活躍した近衛のヒューマンな実像が鮮烈に描かれます。音楽ファンのみならず、多くの視聴者が近衛秀麿に興味を抱くことと思います。 解説書本文20 ページ、「戦火のマエストロ」の著者、菅野冬樹氏の特別寄稿を掲載。ほかに宇野功芳、藤田由之、戸川幸夫の解説付きです。 番組全体のテーマとして流れる「未完成」に、「運命」をカップリング。オリジナル、アナログマスターテープから192kHz/24bit マスタリング、ダイナミック・レンジの幅が広く、楽器のテクスチャを細かく捉えた優秀録音(ステレオ)です。
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チャップリン(1889-1977):
映画音楽「モダン・タイムス」 [北ドイツ放送響/ブロック]CHAPLIN, C.: Modern Times (North German Radio Symphony, Brock)
発売日:2015年07月29日
NMLアルバム番号:777286-2
3)
CD価格:2,445円(税込)
世界中の誰もが、チャップリン(1889-1977)が「偉大なる喜劇王」であったことを知っています。また彼が素晴らしい作曲家であったことも知っています。そんなチャップリンの最高傑作のひとつ「モダン・タイムス」の音楽を改めて味わってみませんか? この映画はご存知のように、資本主義社会と機械文明を痛烈に風刺した作品で、音楽は別に演奏される「サイレント映画」です。彼自身がメロディを書きましたが、オーケストラ編曲版は友人であるデイヴィッド・ラクシンに委ねました(ラクシンも、この編曲の成功が足がかりとなり、以降多くの映画音楽を手がけ「映画音楽の祖父」として讃えられています)。いかなるときでも「チャップリンらしさ」を失わないこの音楽。じっくり耳を傾けてください。
収録作曲家:
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アルメニアのピアノ作品集 [ハイラペティアン]
Piano Music (Armenian) - KOMITAS / SPENDIARIAN, A. / BABADJANIAN, A.H. / ABRAMIAN, E. / BAGDASARIAN, E. / AMIRKHANIAN, R. (Ayrapetyan)
発売日:2015年07月29日
NMLアルバム番号:8.573467
6)
CD価格:1,600円(税込)
最近、何となく注目が高まっているアルメニアの音楽。もちろんハチャトゥリアンは言うまでもなく有名ですが、その後に続く作曲家たちの作品が放つ濃厚な香り(もちろんかなりスパイシー)も多くの聴き手を楽しませているようなのです。このアルバムに収録された6人の作曲家の作品はその筆頭であり、まるでゲームキャラクターのような彼らの特徴的な名前が、そのまま音楽に反映されているのでしょうか? 冒頭のコミタスの曲から、背中が何となくゾクゾクしてくること間違いありません。 とりわけ静かな人気を誇っているのが、ババジャニアンの一連の作品で、特にトラック16の「エレジー」が醸し出す濃厚な哀愁は、まさに日本の演歌。絡みつくような後を引くメロディはくせになります。これは考えるよりもまず「聴いてみてください!!!」
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ラフ(1822-1882):
ピアノ作品集 第6集 [チャ・グエン]RAFF, J.: Piano Works, Vol. 6 (Tra Nguyen)
発売日:2015年07月29日
NMLアルバム番号:GP655
4)
CD
通常価格:1,824円→ 特価!:690円(税込)このシリーズですっかりお馴染みとなったスイスの作曲家ヨアヒム・ラフ(1822-1882)のピアノ曲シリーズ第6集です。これが最終巻となります。彼の師であるフランツ・リストの作風を踏襲しながらも、そこに独特の味わいを加えた彼の作品は聴けば聴くほどに心にしみるものです。 今回は2つの曲集を中心に収録。「6つの詩曲」は1845年の初期の作品で、当時生活に困窮していた彼を救ってくれたリストに捧げられた曲集です。メンデルスゾーンやシューマンの影響も見える幾分微笑ましい作風の中に、独自性も仄かに感じられます。幻想曲はその22年後の1867年の作品。野心的で大規模な音楽です。それに比べ、同じ時期の舟歌はかなり保守的な仕上がりとなっています。対照的な性格をもつ「2つの小品」も充実した音楽です。1870年代に構想された「ヴェネツィアの思い出」は家族とともに休日を過ごしたヴェネツィアでの経験が元になっているもの。ラフの最も充実した時期を示す色彩豊かな曲集となっています。
収録作曲家:
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ホフマイスター(1754-1812):
ピアノ・ソナタ集 第2集 [ツィンリコヴァ]HOFFMEISTER, F.A.: Keyboard Sonatas, Vol. 2 (Tzinlikova)
発売日:2015年07月29日
NMLアルバム番号:GP667
5)
CD
通常価格:1,824円→ 特価!:690円(税込)現在のように、多くの録音が世に出る以前は、古典派の鍵盤作品の録音はモーツァルト、ハイドン、ベートーヴェンの曲が大部分を占めていて、他の古典派の作曲家の作品を耳にする機会はほとんどありませんでした。しかし、最近はこのホフマイスター(1754-1812)を筆頭に、数多くの作曲家たちがウィーンを中心に活動していたことを目の当たりにできるのは、本当に幸せなことです。 アントン・ホフマイスターは南西ドイツのロッテンブルク・アム・ネッカーで生まれ、最初は法律を学び始めるも、音楽の魅力に抗しがたく、結局は音楽の道に入り、数多くの作品を書き、また音楽出版者としても大成し、ハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンなどの作品を次々と世に送り出しました。彼のエピソードのほとんどは「モーツァルトの引き立て役」に終始していますが、実はとても高く評価された人物であり、中でも彼のフルート作品は当時のアマチュア音楽家たちの技術向上に貢献していました。鍵盤作品も多く遺されているのですが、まだまだ研究段階であり、今後、スケッチや下書きから、更に多くのものが読み取れると期待されています。
収録作曲家:
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シューマン(1810-1856):
交響曲集 [オーデンセ響/ガウデンツ]SCHUMANN, R.: Symphonies Nos. 1-4 (Odense Symphony, Gaudenz)
発売日:2015年06月24日
NMLアルバム番号:777925-2
3)
SACD-Hybrid 2枚組価格:4,890円(税込、送料無料)
デンマークから届いた眩しい輝きに満ちたシューマン(1810-1856)の交響曲集です。若きスイスの指揮者サイモン・ガウデンツによる斬新なアプローチによるこれらの交響曲は、これまでに演奏されたものとは一線を画した出来栄えであり、SACDのハイスペックを生かした高音質は、シューマンの繊細な世界をきっちり捉えています。 サイモン・ガウデンツ…彼の祖母から最初のピアノのレッスンを受け、ルツェルン音楽大学ではクラリネットを学びました。その後グラーツ、フライブルク、ザルツブルクで作曲と指揮を学び、レオン・フライシャー、クルト・マズア、デニス・ラッセル・デイヴィスらの薫陶を受けています。ロジェストヴェンスキー国際指揮者コンクールで一位を獲得したのを皮切りに、数多くの賞や奨学金を獲得、また多くのオーケストラに客演を行っています。現在はハンブルク室内管弦楽団と、オーデンセ交響楽団の首席客演指揮者を務める期待の俊英です。
収録作曲家:
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ペンデレツキ(1933-2020):
マニフィカト
カディッシュ [ワルシャワ少年合唱団/ワルシャワ・フィル/ヴィト]PENDERECKI, K.: Magnificat / Kadisz (Warsaw Boys Choir, Warsaw Philharmonic Choir and Orchestra, Wit)
発売日:2015年06月24日
NMLアルバム番号:8.572697
4)
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)これまでのNAXOSにおけるペンデレツキ(1933-)作品集のように、このアルバムも収録された2作品の作曲年代が35年を隔てた「スタイルの違い」を際立たせるものとなっています。1960年代におけるヨーロッパの前衛音楽を代表するトーン・クラスター(全ての音を同時に発する混沌とした響き)がふんだんに用いられた「マニフィカト」は、代表作である「ルカ受難曲」の流れを汲むものですが、この曲が書かれた70年代にはすでにトーン・クラスター自体が若干時代遅れになっていて、ペンデレツキも自身の作風を見直す傾向にあったようです。そして少しずつ「ロマン派」に戻っていったペンデレツキは以降驚くほどに聴きやすい音楽を書くようになって行くのです。 2009年に書かれた「カディッシュ」はタイトルが示す通りユダヤの祈りの歌であり、ユダヤ人ゲットー(第2次世界大戦時にユダヤ人が強制的に住まわされた居住区)の解放65周年を記念して書かれた作品で、ここではクラスターなどの刺激的な響きがすっかり影をひそめた緩やかで美しい音楽ばかりが存在しています。
収録作曲家:
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フローラン・シュミット(1870-1958):
ヴァイオリンとピアノのための作品集
ハベイッセー/4つの小品/夜の歌
スケルツォ・ヴィフ/自由なソナタ [ハルスカ/シャイクアン]SCHMITT, F.: Violin and Piano Works - Sonate libre / Habeysseé / 4 Pieces / Chant du soir / Scherzo vif (Halska, Chaiquin)
発売日:2015年06月24日
NMLアルバム番号:8.573169
2)
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:299円(税込)以前は、なかなか音を聴くことができない作曲家であったフローラン・シュミット(1870-1958 それだけマイナーだった)ですが、最近、NAXOSを含めたいくつかのレーベルが競って彼の作品をリリースしたこともあり、ようやく少しずつ、その全貌が明らかになって来たように思います。19世紀から20世紀にかけてピアニスト、作曲家として活躍した彼ですが、前述の通り、まだまだ知られていない作品も多く、今回のヴァイオリン作品集も「知られざる音楽」の部類に入りそうです。 彼の室内楽作品は、どれもとても個人的なきっかけにより書かれており、多くが友人に献呈されています。Op.25の「4つの小品」はフォーレの繊細な雰囲気を内包した抒情的な「歌」と「夜想曲」で始まり、色とりどりの世界を駆け巡ります。Op.9のスケルツォはパリ音楽院の教授であり、コロンヌ管弦楽団のコンサート・マスターであったフィルマン・トウシュに捧げられています。また最後に置かれた「自由なソナタ」は彼の最も賞賛された作品の一つであり、第1次世界大戦を体験したばかりの重苦しい気分が反映されたエネルギーと想像力に満たされたものです。どれもシュミットの個人的な独白と、それを彩る音楽が結びついた充実の作品群です。
収録作曲家:
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フロットーレ
イタリア・ルネッサンスの世俗歌曲集 [リング・アラウンド四重唱団&コンソート]FROTTOLE - Popular Songs of Renaissance Italy (Ring Around Quartet and Consort)
発売日:2015年06月24日
NMLアルバム番号:8.573320
8)
CD価格:1,500円(税込)
15世紀から16世紀にかけては「中世の終わりとルネッサンスの開花」の時期とされています。当時の社会情勢も流動的であり、コロンブスの「新世界の発見」や、宗教改革などさまざまな事象が起こりました。そんな大きな変動に比べると、音楽的な発展はとても小さなことに見えますが、これがなかなか大切なことであることは間違いありません。アルバムタイトルの「フロットーレ」は「些細なこと=あまり重要ではないもの」を意味する言葉で、単純な歌詞を伴う即興と弦による小さな歌曲の総称でもあります。見かけはとてもシンプルですが、即興的なパッセージと新しい歌の形が盛り込まれたこれらの作品は、確かにこの当時の音楽意義や文化を含めた、様々なことを伝えるものでもあります。 使われている言葉のほとんどはナポリの方言ですが、これらは、当時の他の地域の音楽家たちにも強い影響を与えたとされます。ま、難しいことは置いておいて、とにかくこの楽しい歌の数々に耳を傾けてください。当時の人々の生活が鮮やかに目の前に浮かぶこと間違いありません。
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ロッシーニ(1792-1868):
歌劇「泥棒かささぎ」 [モレーノ/ターヴァー/レガッツォ/プラティコ/ブルノ・クラシカ室内合唱団/ヴィルトゥオージ・ブルネンシス/ゼッダ]ROSSINI, G.: La gazza ladra [Opera] (Moreno, Tarver, Regazzo, Praticò, Brno Classica Chamber Choir, Virtuosi Brunensis, Zedda)
発売日:2015年06月24日
NMLアルバム番号:8.660369-71
6)
CD 3枚組
通常価格:3,225円→ 特価!:2,190円(税込)T.B.ドービニー&ルイ・シャルル・ケーニエ原作 ジョヴァンニ・ゲラルティーニ台本。1817年、25歳のロッシーニ(1792-1868)がたったの3か月で書き上げた歌劇「泥棒かささぎ」。当時、創設間もないミラノ・スカラ座のために書いたこの作品は、それまでのオペラ・ブッファ(滑稽で身近な素材を扱った歌劇)や、オペラ・セリア(王侯貴族のための壮大で贅沢な歌劇)とは違う素材が用いられています。それは19世紀初頭にフランスで流行していた「救出もの」であり、当時の社会情勢を反映した、庶民や農民と、彼らに不当な圧力をかける権力者との対決がモティーフであり、いわば日本における「水戸黄門」のドラマのような物語は多くの聴衆の心をとらえたのでした。この「泥棒かささぎ」もその王道を歩む物語で、無実の罪で投獄されるヒロイン、ニネッタを巡る救出ストーリーが克明に描かれています。ロッシーニの第一人者ゼッダによる、素晴らしいロッシーニをお楽しみください。
収録作曲家:
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ベートーヴェン(1770-1827):
交響曲集 第1集
交響曲 第1番-第4番 [コペンハーゲン・フィル/ラン・シュイ]BEETHOVEN, L. van: Symphonies (Complete), Vol. 1 (Copenhagen Philharmonic, Lan Shui) - Nos. 1-4
発売日:2015年06月24日
NMLアルバム番号:ORC100045
5)
CD 2枚組価格:2,438円(税込)
あの衝撃的なマーラーの「大地の歌」(中国語歌唱!)でおなじみ、名指揮者ラン・シュイがORCHID CLASSICSに登場です。今回彼が指揮するのは、透明で深遠な響きが自慢のコペンハーゲン・フィル。YOU TUBE上では、グリーグの「朝」のフラッシュ・モブが大人気。1000万回以上の視聴数を誇るというスゴイものです。
収録作曲家:
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メシアン(1908-1992):
合唱作品集 [デンマーク国立声楽アンサンブル/デンマーク国立コンサート合唱団&室内管弦楽団/クリード]MESSIAEN, O.: Choral Music (L'amour et la foi) (Danish National Vocal Ensemble, Concert Choir and Chamber Orchestra, Creed)
発売日:2015年05月27日
NMLアルバム番号:6.220612
6)
SACD-Hybrid価格:1,988円(税込)
メシアン(1908-1992)の音楽には、多くの暗示と啓示があります。彼が作り出した非凡な情景を味わった後に、人々はいろいろなことを考えることでしょう。このアルバムにはメシアンの3つの代表的な合唱作品が収録されています。オンド・マルトノやピアノ、弦楽、そして多くの色彩的な打楽器と18人のソプラノが織り成すきらびやかな「3つの小典礼」、ルネサンス時代のシャンソンの様式とインドのリズムの融合、そして言葉を巧みに使った「5つのルシャン=繰り返し」、荘厳で神々しい「おお、聖なる饗宴」と、様式は違いながらも、どれも陶酔的で、人知を超越した美しさを持つ作品と言えるでしょう。 もちろん演奏はとても困難ですが、名手マルクス・クリードは絶対的なアンサンブルと響きを大切にした上で、声を自由に飛翔させているところがさすがです。
収録作曲家:
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サン=サーンス(1835-1921):
交響曲集 第2集
交響曲 第3番「オルガン付き」/交響曲 イ長調
交響詩「オンファールの糸車」 [ランドストレム/マルメ響/スーストロ]SAINT-SAËNS, C.: Symphonies, Vol. 2 - Symphony No. 3 / Symphony in A Major / Le rouet d'Omphale (C.A. Landström, Malmö Symphony, Soustrot)
発売日:2015年05月27日
NMLアルバム番号:8.573139
2)
CD価格:1,600円(税込)
サン=サーンス(1835-1921)が「この曲には私が注ぎ込める全てを注ぎ込んだ」と語ったほどに気合の入った交響曲第3番。随所で活躍するオルガンばかりが目立ちますが、実に精緻な管弦楽法と、これまた活躍するピアノの使い方も見事なものです。4楽章形式に見えますが、実は2部に分かれた2つの楽章から出来ています。あの華麗なオルガンの導入で有名な箇所は第4楽章ではなく、第2部の後半なのです。この曲は、彼の友人であったフランツ・リストの影響も垣間見られ、また曲自体も初演直後に亡くなったリストに捧げられてもいます。人気曲たる貫禄に満ちた作品です。 それに比べ、「イ長調交響曲」はサン=サーーンス15歳頃の作品で、早熟の天才だった彼とはいえ、まだ独自の個性は開ききっておらず、モーツァルトやシューベルトの香りが漂う、初々しさ満開のチャーミングな曲です。「オンファールの糸車」も前述の通り、フランツ・リストとの交流から生まれた曲で、女王オンファールの下で奴隷として働くヘラクレスの目を通して、美しい女王の姿を音で描いた作品です。スーストロとマルメ交響楽団は見通しの良い響きと壮麗な音色を持ち味とした颯爽たるサン=サーンスを表出しています。
収録作曲家:
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ゴードン(1956-):
ディストピア
リライティング・ベートーヴェンズ・セブンス・シンフォニー(ベートーヴェン:交響曲第7番の再構築) [バンベルク響/ロサンゼルス・フィル/ノット/ロバートソン]GORDON, M.: Dystopia / Rewriting Beethoven's Symphony No. 7 (Bamberg Symphony, Los Angeles Philharmonic, Nott, Robertson)
発売日:2015年05月27日
NMLアルバム番号:CA-21105
2)
CD価格:1,600円(税込)
現代のユニークな作曲家、マイケル・ゴードン(1956-)の2曲の大規模なオーケストラ作品です。ロサンジェルス・フィルハーモニックの委嘱作である「ダイストピア」は“調和と不調和の間の灰色の領域を探索する”がテーマの熱狂的で混沌とした音楽。この都市の未来を音で描くというスゴイ(騒々しい)作品です。 「ベートーヴェン:交響曲第7番の再構築」は、常にベートーヴェンからインスピレーションを得るというゴードンが、9曲ある交響曲の中でも最も暴力的なリズムを持つ「第7番」を再構築したもの。いつまで経っても始まらない第1楽章(らしきもの)が始まると、この現実世界がどんどん奇妙な音に侵食されていきます。確かにベートーヴェンの残滓はあるのですが…。初演時、聴衆は呆れかえったという問題作です。
収録作曲家:
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コジェルフ(1747-1818):
ピアノ・ソナタ全集 第4集
第12番・第13番・第14番・第15番・第16番
[K. イングリッシュ]KOŽELUCH, L.: Keyboard Sonatas (Complete), Vol. 4 (K. English)
発売日:2015年05月27日
NMLアルバム番号:GP645
5)
CD価格:1,824円(税込)
ボヘミア出身の作曲家コジェルフ(1747-1818)のピアノ・ソナタ集の第4集です。聞けば聞くほどに彼の世界の奥深さを堪能していただけます。初期のフォルテピアノのために書かれたソナタの中で、50曲ほどある彼の作品は突出しており、ハイドンとベートーヴェン、シューベルトを繋ぐ橋渡しとしての機能も備えています。彼が1747年に誕生した時、最初の洗礼名はヤン・アントニンでしたが、同じ名前のいとこがいたため「レオポルド」に変更、その後そのいとこは彼の初期の先生の一人となったというエピソードが残っています。 そんなコジェルフの作品を当時の楽器の複製でお聞きください。演奏はこのシリーズでお馴染み、ニュージーランドのピアニスト、ケンプ・イングリッシュです。彼は既にコジェルフのソナタ50曲の録音を終えていて、全曲の発売が待たれるばかりです。
収録作曲家:
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ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第7番 ホ長調(1885年 ノーヴァク版) [ハンブルク・フィル/ヤング]BRUCKNER, A.: Symphony No. 7 (Hamburg Philharmonic, Young)
発売日:2015年05月27日
NMLアルバム番号:OC688
7)
SACD-Hybrid価格:2,085円(税込)
2014-2015年のシーズンで、ついにブルックナー(1824-1896)の交響曲全曲ツィクルスが完成となるシモーネ・ヤングとハンブルク・フィル。この第7番でも完璧な音楽を聴かせています。ブルックナーの交響曲の中でも屈指の旋律美を持つ第7番こそ彼女の資質にぴったりなのではないでしょうか。冒頭の伸びやかでたっぷりとしたチェロの歌を聴いただけで、この演奏が類い稀なる名演であることがおわかりになるでしょう。第2楽章の壮麗さも筆舌に尽くしがたいものであり(もちろん打楽器は豪快に鳴り渡ります)スケルツォ、終楽章も万全。ブルックナーってやっぱり良い!と思える演奏です。
収録作曲家:
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パーヴァリ・ユンパネン
ベートーヴェン(1770-1827):
ピアノ・ソナタ集 第2集
第5番・第6番・第7番
第21番・第22番・第23番 [ユンパネン]BEETHOVEN, L. van: Piano Sonatas Nos. 5, 6, 7, 21, 22, 23 (Jumppanen)
発売日:2015年05月27日
NMLアルバム番号:ODE1268-2D
2)
CD 2枚組価格:2,250円(税込)
第1集(ODE1248)のなかなか凝った演奏で、聴き手の耳に新鮮な風を届けたパーヴァリ・ユンパネンによるベートーヴェン(1770-1827)の第2集の登場です。彼はもともと現代音楽の演奏家としてブーレーズやディティユーらに信頼されている人ですが(ドイツ・グラモフォンからブーレーズのピアノ・ソナタをリリース)、最近はベートーヴェンやモーツァルトと言った古典的なレパートリーでも高く評価されています。 今回のアルバムでは何と言っても中期の「ワルトシュタイン」と「熱情」が聴きもの。ワルトシュタインの終楽章の疾走感は半端なく、また「熱情」も何とも言えない独特の雰囲気を醸し出しています。もちろん第5番から第7番の初期の作品も、斬新な感覚に満ちています。なんといっても音色の美しさが特徴的で、これこそが不思議な浮遊感の正体なのかもしれません。
収録作曲家:
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ツェルニー(1791-1857):
弦楽四重奏曲集 [シェリダン・アンサンブル]CZERNY, C.: String Quartets (Sheridan Ensemble)
発売日:2015年05月13日
NMLアルバム番号:C5234
6)
CD 2枚組価格:2,438円(税込)
最近、いくつかのレーベルから立て続けにアルバムがリリースされるウィーンの作曲家カール・ツェルニー(1791-1857)の弦楽四重奏曲集です。多くの人は悩み多き「練習曲の作曲家」として、また一部の人は「ベートーヴェンの愛すべき弟子」として認識されているこのツェルニー。生前に800曲を越える作品を残したにもかかわらず、現在ではほとんど演奏されることもなく、そのまま埋もれているのは何とも残念なことと言えるでしょう。 彼の弦楽四重奏曲は全部で20曲以上あるとされでいますが、どれもがウィーン楽友協会で保存されていて、現在7曲ほどが録音されているようです。まさにハイドンの伝統を、ベートーヴェンを経て、メンデルスゾーンへと受け継いでいくものであり、奥深い表現と音楽を奏でる喜びに溢れたものなのです。
収録作曲家:
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アンダーソン&ロエ(ピアノ・デュオ)
アート・オブ・バッハ [アンダーソン・アンド・ロエ]BACH, J.S.: Arrangements for 2 Pianos (The Art of Bach) (Anderson and Roe Piano Duo)
発売日:2015年04月22日
NMLアルバム番号:Steinway30033
8)
CD価格:1,824円(税込)
2014年に来日し、シークレットライヴを行ったというピアノ・デュオ「アンダーソン&ロエ」。しかしその目覚しい音楽性とテクニックは満場のファンを驚愕させたということです。様々な作品をピアノ・デュオ用に編曲し演奏する彼らのやり方は、ピアノの持つ可能性を限りなく拡大し、またジャンルの可能性も取り払い、ただ純粋に「音楽の楽しさ」を教えてくれるものです。今回はバッハの様々な作品を、彼らの言葉で語っています。
収録作曲家:
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そして、橋は愛である
イギリスの弦楽合奏作品集 [イギリス室内管/ロイド・ウェバー]String Music (English) - ELGAR, E. / LLOYD WEBBER, W. / GOODALL, H / DELIUS, F. (And the Bridge is Love) (English Chamber Orchestra, J. Lloyd Webber)
発売日:2015年04月22日
NMLアルバム番号:8.573250
4)
CD価格:1,600円(税込)
各々の作品は結構知られているのだけど、まとめて聴く機会はあまりないという「イギリスの弦楽合奏」の名曲集です。中心に置かれているのはエルガーの作品であり、優れたヴァイオリニストでもあった彼の面目躍如といった流麗で美しい曲を聴くことができます。彼の最も重要な作品の一つである「弦楽のためのセレナード」と「序奏とアレグロ」での力強い響きはまさにこの時代のイギリス音楽を象徴したものと言ってもよいのではないでしょうか? また、エルガーのこれらの作品を呼び水とする後の一連の作品も、まさにイギリス音楽の伝統を形作るものです。アルバムタイトルになっているグッドールの「And the Bridge is Love」は日本では「サン・ルイス・レイ橋」として知られているソーントン・ワイルダーの小説から取られたもの。ペルーで一番美しい橋が、ある日5人の通行人を巻き込み突然崩れてしまうという理不尽な物語ですが、「5人の思い出は忘れられることもなく、彼らが亡くなった土地である橋に残っている。だから橋は愛である。」と小説の結末で語られる言葉です。 グッドールはこの作品を2007年に亡くなった彼の友人の娘のチェリスト、ハンナ・リャンの思い出のために書き、2008年に初演しました。この時にチェロを担当したのがジュリアン・ロイド・ウェバーで、彼はこの作品に込められた意味に深く共感し、暖かく美しい演奏で聴き手の心を包み込むのです。
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モンポウ(1893-1987):
歌曲全集 第2集
ベッケル歌曲集/子守唄他 [マテウ/マソ]MOMPOU, F.: Songs (Complete), Vol. 2 - Becquerianas / Comptines (Mathéu, Masó)
発売日:2015年03月25日
NMLアルバム番号:8.573100
7)
CD価格:1,600円(税込)
ピアノ曲で知られるモンポウ(1893-1987)ですが、彼はいくつかの素晴らしい歌曲も書いていました。全てを合わせても、ようやくCD2枚に収まってしまう分量なのですが、ここに描かれている世界の何と美しく豊穣なこと。カタロニア語、スペイン語、フランス語と使われる言葉は様々ですが、どの歌も、まるで雪の結晶のような幾多の形を持ち、ひんやりとした肌触りの中に熱い心が感じられるはずです。また、言葉遊びを駆使した「子守唄」の愛らしさはモンポウの意外な一面を見ることができるでしょう。スペインの国民的詩人と称されるグスタボ・アドルフォ・ベッケルの詩に曲をつけた「ベッケル歌曲集」は、あまり演奏される機会のない歌ですが、スペイン語の美しさを存分に生かした上で、官能的な詩に沿った艶かしくも美しい旋律に満たされた曲です。なんとも味わい深く、郷愁に満ちたこれらの歌曲。第1集と同じ顔ぶれでお聴きください。マテウの澄んだ声と、マソの的確なピアノが極上の調べを織り上げます。
収録作曲家:
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リース(1784-1838):
ヴァイオリンとピアノのための3つのソナタ集 [グロスマン/カガン]RIES, F.: Violin Sonatas, Op. 8, Nos. 1-2 and Op. 19 (Grossman, S. Kagan)
発売日:2015年03月25日
NMLアルバム番号:8.573193
2)
CD価格:1,600円(税込)
NAXOSスタッフの丹念な布教活動(?)のおかげで、ようやくフェルディナント・リース(1784-1838)の名前がクラシック業界内に浸透してきた昨今ですが、まだまだ知られざる作品が山のようにあります。このヴァイオリン・ソナタもそんな曲。こんなにステキな作品がこれまで録音されなかったとは、なんという損失でしょう。 ご存知の通り、一時期ベートーヴェンに師事し、生涯を通じて親友であり、また伝記を執筆したリースですが、残した作品は膨大であり、またその作風はベートーヴェンと似ているようであり、実はかなり異質な雰囲気を備えたものなのです。彼は18曲のヴァイオリン・ソナタを描いていますが、これらのほとんどは1807年から1809年、パリに滞在した2年の間に書かれています。当時のフランス国民はオペラに取りつかれていて、これらの作品には全く関心を示すことがありませんでした。そこで彼はヨーロッパ・ツアーにソナタを携えていったのでした。モーツァルトを思わせるウィーン風の優雅なスタイルで書かれていますが、なかなかひっかけどころの多い興味深いソナタです。
収録作曲家:
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フンメル(1778-1837):
ピアノ三重奏曲集 第2集
第1番・第4番・第5番 [グールド・ピアノ・トリオ]HUMMEL, J.N.: Piano Trios, Vol. 2 - Nos. 1, 4 and 5 (Gould Piano Trio)
発売日:2015年03月25日
NMLアルバム番号:8.573261
10)
CD価格:1,600円(税込)
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、そしてシューベルト…この大きな流れに沿うように、多くの作曲家たちが活動していたこの時代、もちろん忘れられてしまった人たちも数多く存在します。そんな一人がこのフンメル(1778-1837)です。とは言え、彼が存命中の時代には高い名声を誇っていたことは間違いありません。今、改めてフンメルの作品を聴いてみませんか? 以前は、フンメルといえば、ピアノ曲の一部がかろうじて知られるのみでしたが、最近になってようやく室内楽など多くの作品が録音されるようになり、この時代の音楽を愛する人にとっては夢のような時代になってまいりました。 そんなフンメルのピアノ三重奏曲は7曲あり(8曲の説もあり)、どれも精巧な筆致で書かれています。第1番の冒頭から思いがけない展開があったりと、なかなかスリリング。第4番や第5番は、ちょうどロマン派への移行期の作品で、整った美しさの中に、時折型破りな部分が出現したりと、こちらもとても興味深いものです。シューベルトやメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲とはまた違った美しさを備えています。グールド・ピアノ三重奏団の納得の演奏が光ります。
収録作曲家:
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サマズイユ(1877-1967):
ピアノ作品全集 [ショーズ]SAMAZEUILH, G.: Piano Works (Complete) (Chauzu)
発売日:2015年03月25日
NMLアルバム番号:GP669
2)
CD価格:1,710円(税込)
ショーソン、デュカスの弟子であり、また生涯に渡ってラヴェルと親交を持ったというサマズイユ(1877-1967)。彼は作曲家としてよりも評論家、文筆家として名高く、当時のフランス内外で新聞や雑誌に数多く批評を寄稿していました。またワーグナー、シューマン、シューベルト、リストなどの作品をフランスに紹介し、若きメシアンを擁護したことでも知られています。そんなサマズイユですが、作曲家として残されている作品はあまり多くなく、ピアノ曲の全てはアルバム1枚に収まってしまいます。しかしここで聴ける作品は、なんとも色彩豊かであり、時代を追うに従ってドビュッシーとメシアンを足して2で割ったような豊穣な味わいを有していきます。メロディを楽しむよりも響きの美しさに身を委ねるのが良いかも知れません。
収録作曲家:
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イディル・ビレット ソロ・エディション 第8集
スクリャービン(1872-1915):
練習曲集 Op.2, 8&42
幻想曲 Op.28SCRIABIN, A.: Etudes, Opp. 2, 8 and 42 / Fantaisie, Op. 28 (Biret Solo Edition, Vol. 8)
発売日:2015年02月25日
NMLアルバム番号:8.571302
2)
CD価格:1,600円(税込)
トルコのアンカラで生まれ、3歳からピアノを学び始めたイディル・ビレット。数々の偉業をこなし、世界的な名声を獲得しています。彼女の演奏はいつも個性的で、狂おしいほどに好きになるか、もしくは激しく拒否反応を起こすか…のどちらかになるようです。そんな彼女にぴったりのレパートリーがこのスクリャービン。もともと、麻薬的な魅力を持つこれらの作品ですが、これをどのように料理しているかをぜひご自分の耳でお確かめください。
収録作曲家:
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ソラール(1927-):
ピアノ・ソロと2台ピアノのための作品集 [フェラン=エンカワ/ソラル]SOLAL, M.: Piano and 2-Piano Works (Ferrand-N'Kaoua, Solal)
発売日:2015年02月25日
NMLアルバム番号:GP697
2)
CD価格:1,710円(税込)
マーシャル・ソラール(1927-)はフランス・ジャズの大物。華麗な指さばきとアレンジが愛されているピアニストです。1950年代から活動をはじめ、ジャンゴ・ラインハルト、ドン・バイアスらと共演し、70年代にはリー・コニッツとデュオを結成、すばらしい足跡を残しています。かたや、フランスの名ピアニスト、エリック・フェラン=エンカワは幼い頃からピアノの才能を発揮し、国立音楽院を卒業後には、いくつかの日本のオーケストラとの共演経験もあるという人です。東欧、ロシアのミュージシャンと積極的にコラボレーションを行い、またヴァイオリニスト、ジル・アパップとのデュオはその型破りな演奏で注目を集めました。彼自身のレパートリーはとても幅広く、バッハから現代音楽までと何でもありですが、ジャズも得意であり、このアルバムはまさに彼にぴったりのレパートリーといえるのではないでしょうか? トラック21の2人の共演も聴き物です。
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モーツァルト&ブラームス:
クラリネット五重奏曲 [マクギル/パシフィカ四重奏団]MOZART. W.A.: Clarinet Quintet in A Major, K. 581 / BRAHMS, J.: Clarinet Quintet in B Minor, Op. 115 (McGill, Pacifica Quartet)
発売日:2015年01月28日
NMLアルバム番号:CDR90000-147
4)
CD価格:1,710円(税込)
グラミー賞を受賞したパシフィカ弦楽四重奏団と、メトロポリタン歌劇場管弦楽団の首席クラリネット奏者アンソニー・マギルによるクラリネット五重奏曲の2つの名作をカップリング。透明な明るさの中に秘められた一抹の郷愁を感じさせるモーツァルト、静かな悲しみと穏やかな慰めを包み込んだブラームス。 もともと素晴らしい作品であるため、名盤と呼ばれるアルバムは過去にも多数存在していますが、この演奏、とにかくクラリネットがよく歌う上、パシフィカ弦楽四重奏団のアンサンブルが極上。まったく乱れのない響きはさすがに現代音楽を得意とする彼らならでは。飄々としたモーツァルトは乾いた涙を誘い、重厚なブラームスはしっとりと枕を濡らすようなリアルな造形。この2曲が好きな人だったら絶対聴いて欲しい名盤登場!
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デュカス(1865-1935):
交響曲 ハ長調
交響詩「魔法使いの弟子」
舞踏劇「ラ・ペリ」 [アイルランド国立響/タンゴー]DUKAS, P.: Symphony in C Major / L'apprenti sorcier / La Peri (Ireland RTÉ National Symphony, Tingaud)
発売日:2014年12月24日
NMLアルバム番号:8.573296
2)
CD価格:1,600円(税込)
パリで銀行家の父の下に生まれた作曲家ポール・デュカス(1865-1935)。その作品は華麗なオーケストレーションと色彩的な表現で知られています。彼の最も有名な作品である「魔法使いの弟子」は、自己批判が厳しすぎた彼による破棄を免れた自信作。あの映画「ファンタジア」に使われて一躍有名になりました。この物語、あまり知られていませんが、原作はゲーテによるもので、ゲーテが、シリア人のルキアノスの詩「嘘を好む人たち」を基にして書き上げたバラード(物語詩)を使っています。映画では名指揮者ストコフスキーがオーケストレーションに手を加えていて、こちらの響きが広く知られていますが、ここでは指揮者タンゴーが探索した初稿版を用いることで、華美さを取り去った「作曲家のオリジナルの意図」を反映した演奏で楽しむことができます。 「ラ・ペリ」はロシア・バレエ団からの委嘱作品。当初は蓮の花の精ペリはナターリヤ・トゥルハノヴァ、イスカンデル王をニジンスキーが演じることになっていましたが、ディアギレフの介入でトゥルハノヴァが降板、しかしデュカスは彼女のために音楽を完成させたといわれています。この作品も危うく破棄されるところでしたが、何とか生き残ったのでした。デュカス30歳のときに書かれた交響曲は、彼が残した唯一の交響曲で、軽快さと優美さ、重厚さを兼ね備えた隠れた名作です。
収録作曲家:
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カルクブレンナー(1785-1849):
室内楽作品集 [リノス・アンサンブル]KALKBRENNER, F.: Sextet, Op. 58 / Piano Fantasy on the Scottish Air, We're a' Noddin' / Septet, Op. 132 (Linos Ensemble)
発売日:2014年11月26日
NMLアルバム番号:777850-2
8)
CD価格:1,824円(税込)
古典派からロマン派における様々な知られざる作曲家の作品を好んで演奏する「リノス・アンサンブルの最新作は、カルクブレンナー(1785-1849)の作品集です。彼はショパンやリストが出現する以前の、最も優れたピアニストであり、ただ一人のライバルはフンメルである。と目されていました。もちろん作品のほとんどはピアノ曲ですが、室内楽作品にも注目すべきものが数多くあるようです。 音楽家の父を持ち、幼いころから才能を発揮した彼は、アルブレヒツベルガーに作曲を学び、ベートーヴェン、ハイドンと親交を持つなど華々しい交友関係を結びつつ、実業家としても手腕を発揮するなど多くの才能を持っていましたが、その作品は現在ほとんど演奏されることがなく、このリノス・アンサンブルによる録音は、彼の人気の復興につながるものとして大きな期待が寄せられることは間違いありません。なんとも流麗で美しい音楽です。
収録作曲家:
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ヴェルディ(1813-1901):
レクイエム [ストヤノヴァ/プルデンスカヤ/ピルギュ/アナスタソフ/バイエルン放送響/ヤンソンス]VERDI, G.: Messa da Requiem (Stoyanova, Prudenskaya, Pirgu, Anastassov, Bavarian Radio Chorus and Symphony, M. Jansons)
■合唱曲
発売日:2014年11月26日
NMLアルバム番号:900126
3)
2CD価格:2,400円(税込)
ヴェルディ(1813-1901)のレクイエムは、もともと「マンゾーニの命日を記念するためのレクイエム」で、これは1873年に彼が青年時代から敬愛していた文豪アレッサンドロ・マンゾーニの死を悼んで構想したものです。しかし、この曲の萌芽といえるものは、1868年のジョアキーノ・ロッシーニの死去の際にヴェルディが「13人の作曲家たちによるレクイエム」の作曲を計画し(結局その発案は様々な事情で放棄されることになります)、その時に彼の担当であったリベラメであり、これは、このマンゾーニのためのレクイエムで見事リサイクルされ、若干の形を変えた上で、同じリベラメに採用されたのでした。 とはいうものの、この曲で一番人気の高いのは何といっても、雪崩落ちるような迫力を持つ「ディエス・イレ(怒りの日)」であり、このメロディのおかげで、モーツァルト、フォーレ作品とともに“三大レクイエム”と称され、現在でも上演の機会が多くあるのです。数あるレクイエムの中でも、極めて劇的でドラマティックな要素を持つこの作品、オーケストラ、合唱、ソリストの全てに高い能力と緊張感が求められる曲でもあります。 2013年10月「ヴェルデイのレクイエム」。同じソリストたちによるウィーン公演の映像も発売されていますが、こちらはガスタイクでの演奏となります。
収録作曲家:
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R.シュトラウス(1864-1949):
ドン・ファン
英雄の生涯 [バイエルン放送響/ヤンソンス]STRAUSS, R.: Don Juan / Ein Heldenleben (Bavarian Radio Symphony, Jansons)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2014年11月26日
NMLアルバム番号:900127
10)
CD価格:2,085円(税込)
シュトラウス・イヤーに贈る2つのシュトラウス。シュトラウス(1864-1949)24歳の作である「ドン・ファン」はニコラウス・レーナウの詩に基づいた表現的な音楽。全てがわかりやすく、彼の交響詩の中でも人気の高い作品です。 「英雄の生涯」に関しては、もう何の説明も必要ないものですが、一つだけブックレットに面白い記述がありました。確かにこの作品の最後は「隠遁と完成」であって「葬送行進曲」ではありません。シュトラウス自身の作品からの引用もたっぷりあり、自らを「英雄」に例えるとは何たる不遜な行為だ。と憤慨する向きもありますが、この壮大な自叙伝・・・それもまだまだ進化を続けるであろう英雄の姿は全ての聴き手を圧倒するものでもあります。 ヤンソンスの「英雄の生涯」といえば、コンセルトヘボウとの初来日の際にもこの曲がプログラムに組まれていたほどに、彼の得意曲であり愛着のある作品であることは間違いありません。逆に言えば、なぜこれまでバイエルン放送響との録音が発売されなかったのかが不思議なほど。この演奏、実際は2011年のものであり、これまでCD化されなかったのは、やはり2014年の「シュトラウス・イヤー」を待ってのことだったに違いありません。全てがきちんとコントロールされた音楽と、厚みのある響き、そして納得の解釈。漲るパワーは、曲が終わりに近づいても途切れることはなく、ますます輝かしさと力強さを得て終結へと向かいます。崇高かつ神秘的な最後の和音が消えていくときに、人々は何を思うのでしょうか?
収録作曲家:
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ツィマーマン(1918-1970):
作品集
アラゴアナ、カプリチョス・ブラジレイロス
前奏曲「フォトプトーシス」
1楽章の交響曲/静止と反転 [ラインランド=プファルツ州立フィル/シュテフェンス]ZIMMERMANN, B.A.: Alagoana / Sinfonie in einem Satz / Photoptosis / Stille und Umkehr (Rheinland-Pfalz State Philharmonic, Steffens)
発売日:2014年11月26日
NMLアルバム番号:C5213
2)
CD価格:2,438円(税込)
ドイツの現代作曲家ベルント・アロイス・ツィマーマン(1918-1970)。彼は様々な音楽を書き、多くの後進を指導しましたが「自身の作品が理解されないこと」を悲しみ、ピストル自殺を遂げてしまったのです。そんな彼の作品は、最近「兵士たち」などが注目を浴びたことでようやく聴かれる機会が増えてきました。もちろん作品の受容も深まり、CDなどのリリースも少しずつ増えてきています。 このバレエ音楽「アラゴアナ、カプリチョス・ブラジレイロス」は、彼の初期の作品。想像以上に楽しい曲で、ヴィラ=ロボスなどが好きな人にはたまらないものです。華やかなオーケストレーション、炸裂するリズムなど、全く難解ではありません。「1楽章の交響曲」も新古典派主義の音楽です。一転「フォトプトーシス」「静止と反転」は静かな音楽。「静止主義」といわれる作風で書かれています。
収録作曲家:
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ベリオ(1925-2003):
シンフォニア
カルモ
マドリードの夜警隊の行進 [ライサネン/フィンランド放送響/リントゥ]BERIO, I.: Sinfonia / Calmo / Ritirata notturna di Madrid (Räisänen, Finnish Radio Symphony, Lintu)
発売日:2014年11月26日
NMLアルバム番号:ODE1227-5
7)
SACD-Hybirid価格:2,250円(税込)
ONDINEレーベルで大活躍中の指揮者ハンヌ・リントゥ。彼は2013年までタンペレ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務め、現在はフィンランド放送交響楽団の首席指揮者を務めています。前作のメシアン「トゥーランガリラ交響曲」では、オーケストラの機能性と音響効果を存分に生かした素晴らしい演奏を繰り広げましたが、今回は、更に興味深いルチアーノ・ベリオの一連の作品の登場です。 ベリオ(1925-2003)については今更説明の必要もないイタリアの現代作曲家で、様々な技法を駆使した作品を書きましたが、1950年代からは当時の妻であった歌手キャシー・バーベリアンとともに、声楽の限界を追求したことでも知られています。ボッケリーニの曲を元にした「4つの変奏」はミラノ・スカラ座の委嘱作品で、この時の劇場のオープニングナンバーの作曲を依頼されたベリオが、そのオーケストレーションの妙技を駆使して書いた変奏曲です。和声的には全く現代的なところのない、極めて愉快な音楽です。「カルモ」は彼の友人の一人、ブルーノ・マデルナの死への追悼の音楽。マデルナが愛したテキストを用いた歌曲(?)です。 そして「シンフォニア」。こちらは既によく知られている作品であり、タイトルの「シンフォニア」とは交響曲の伝統ではなく、多様な声の合流という意味を持つ奇妙な作品です。一番わかりやすいのは、第3楽章におけるマーラーをはじめとした何人かの作曲家の作品の引用でしょう。様々な音楽が断片的に浮かび上がる様子は、マーラーの原曲における魚の鱗が光を反射する様にも似ています。複雑な曲ですが、聞いていてこれほど面白い作品もないかも知れません。
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ショスタコーヴィチ(1906-1975):
ヴァイオリン協奏曲集(第1番・第2番) [テツラフ/ヘルシンキ・フィル/ストゥールゴールズ]SHOSTAKOVICH, D.: Violin Concertos Nos. 1 and 2 (Tetzlaff, Helsinki Philharmonic, Storgårds)
発売日:2014年11月26日
NMLアルバム番号:ODE1239-2
2)
CD価格:2,250円(税込)
ハンブルク生まれの名ヴァイオリニスト、クリスティアン・テツラフによるONDINEレーベル5枚目の録音は、ショスタコーヴィチ(1906-1975)の2つの協奏曲集です。これまではモーツァルト、シューマン、メンデルスゾーンと、現代曲(ヴィトマン)の演奏で高く評価されていましたが、今回はまさに本領発揮ともいえる鬼気迫るショスタコーヴィチです。第1番の冒頭から異様な緊張感を湛えた説得力ある演奏は、これまでに存在した他の演奏を楽々と凌駕するほどのスケール感を有しています。ヘルシンキ・フィルハーモニーの醸し出す静謐な音にもゾクゾクさせられます。お約束の、第4楽章での喧騒も申し分なし。第2番がこれまた渋い雰囲気を持ち、テツラフは落ち着き払った演奏を聴かせています。
収録作曲家:
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J.S.バッハ(1685-1750):
ゴルトベルク変奏曲 BWV 988 [ヴォルチョク]BACH, J.S.: Goldberg Variations, BWV 988 (Voltchok)
発売日:2014年11月26日
NMLアルバム番号:SM209
2)
CD価格:2,085円(税込)
モスクワで生まれ、チャイコフスキー音楽院を経て、数々のコンクールで一等を受賞しているピアニスト、ヴォルチョコ。彼女はゲルギエフ、プレトニョフ、ヴェンツァーゴなど多くの指揮者たちからの信頼も厚く、ソロだけでなく協奏曲などでも素晴らしい演奏を披露しています。 このバッハ(1685-1750)の「ゴルトベルク」は隅々まで考え抜かれたものであり、厳しい練習を重ね、最後にコンサートホールでここで聴くことができる「見事な花」を咲かせたというものです。バッハの楽譜には既に詳細な装飾が付けられていると主張する彼女ですが、実際の演奏の際は、それを考慮した上で更なる装飾を、あたかも即興的に付け加えているところも素晴らしいものです。徹底した集中力に支えられた荘厳なバッハは、孤高の光を放つものです。
収録作曲家:
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J.S.バッハ(1685-1750):
カンタータ集 第1集 [バッハ財団合唱団&管弦楽団/ルッツ]BACH, J.S.: Cantatas, Vol. 1 - BWV 81, 129, 182 (J.S. Bach Foundation Choir and Orchestra, Lutz)
■声楽曲
発売日:2014年10月29日
NMLアルバム番号:BSSG-A909
3)
CD価格:3,525円(税込、送料無料)
第182番は「枝の主日」または「受胎告知」の祭日用のカンタータ。人々が棕櫚の枝を手に持ってイエスを歓迎したといわれる喜びの日を描いた力強い作品です。第81番は「公現後第4主日」用のカンタータ。船の上で眠るイエスの姿と、荒れ狂う波におののく弟子たちを描いた劇的な音楽です。第129番は「三位一体の祝日」用。「父なる神」「子なるキリスト」「聖霊」は3つでありながら一つであるという教義に基づいた荘厳で美しい音楽です。3つのアリアを合唱ではさむという独特の形式で書かれています。
収録作曲家:
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ルイ・グラス(1864-1936):
〈交響曲全集 第1集〉
交響曲 第3番 ニ短調 Op.30「森の交響曲」 [ライン州立フィル/ライスキン]Luis Glass: Symphony No.3, Summer Life
発売日:2014年10月22日
NMLアルバム番号:777525-2
2)
CD価格:2,608円(税込)
デンマークの作曲家、ルイ・グラス(1864-1936)はニルセンと同じくニルス・ゲーゼに師事しましたが、留学先のブリュッセル音楽院でブルックナーの音楽に夢中になったことで、他の北欧の作曲家とは一線を画した作風を確立しました。彼は素晴らしいコンサートピアニストでしたが、片腕の麻痺により引退を余儀なくされ、その後は作曲家として数多くの作品を残しています。ブルックナーの他にもシューマンやフランクからも強い影響を受けた彼の作品は、とても色彩的であり、全てに渡って重厚な響きが横溢しています。 確かに交響曲第3番の冒頭、ホルンの響きはまるでブルックナーそのものですが、曲が進むにつれ、なかなか面白い様相を呈してきますからご期待ください。後期ロマン派の音楽が好きな人だったら、必ずお気に入りに登録間違いなしの音楽です。
収録作曲家:
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R.シュトラウス/ヴェルディ/プッチーニ:
弦楽四重奏曲集 [エンソ四重奏団]STRAUSS, R.: String Quartet in A Major / PUCCINI, G.: Crisantemi / 3 Minuets in A Major / VERDI, G.: String Quartet (Ensō String Quartet)
発売日:2014年10月22日
NMLアルバム番号:8.573108
7)
CD価格:1,600円(税込)
リヒャルト・シュトラウスが16歳の時に作曲した弦楽四重奏曲は、彼の父の従兄弟であり、幼きシュトラウスにヴァイオリンを教えたベンノ・ワルター(ミュンヘン宮廷劇場のコンサート・マスター)によって初演された記念すべき作品です。父の影響でモーツァルトやベートーヴェンを手本とするように指導されたシュトラウスの、折り目正しい作品ですが、この後彼は少しずつ父親の縛りから離れ、自らの語法を確立していくことになります。 プッチーニの「菊」は短くも感傷的で美しいエレジーです。3つのメヌエットはハイドンらしさを感じさせる短い作品です。ヴェルディの弦楽四重奏曲は60歳の時の作品で、彼の唯一の室内楽作品です。なかなか演奏される機会に恵まれない作品群ですが、3人の作曲家の全く別の面を伺い知ることのできる名作といえるでしょう。 演奏しているエンソ弦楽四重奏団は1999年にイェール大学に設立され、2007年からニューヨークに拠点を置き活躍している団体。ルネサンスから現代までの幅広いレパートリーを持ち、中でもヒナステラの弦楽四重奏曲での名演は、他に並ぶものがありません。
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プーランク(1899-1963):
バレエ組曲集(ピアノ編曲版)
模範的な動物たち
牝鹿/オーバード [アルマンゴー]POULENC, F.: Ballet Suites for Piano - Les animaux modèles / Les Biches / Aubade (Armengaud)
発売日:2014年10月22日
NMLアルバム番号:8.573170
2)
CD価格:1,600円(税込)
軽妙洒脱、そして繊細でユーモラスなプーランク(1899-1963)の作品には汲めども尽きぬ魅力があります。そのメロディの歌わせ方、ハーモニー、リズムのどれもが、いかにもフランス風であり、決して革新的ではなかったにせよ、独自の世界を築き上げたことは間違いありません。 ここで聞く事のできるピアノ版のバレエ作品は、とても珍しいものですが、彼自身はバレエ作品を書くとき、他の作曲家のようにまず「ピアノ・スコア」を作成し、それを管弦楽版に仕立てることが多く(バレエのリハーサルのために)、これらもそんなスコアに基づいて演奏されています。パリ・オペラ座からの依頼で作曲された「模倣的な動物たち」。詩人ラ・フォンテーヌの「寓話」からテキストが取られたこの物語、ありがちなお話の中にピリリと教訓が込められた小気味のよいものなのですが、プーランクは音楽で更に創造的な世界を描きあげています。こちらのピアノ版は作曲家自身が同意した1951年のヨハンセンによるヴァージョンで演奏されています。 タイトルに「若い娘たち」の意味がある「牝鹿」も人気作品。バレエ曲でもあり、協奏曲でもある「オーバード」(夜明け)は、恋を禁じられた女神ディアーヌの失恋物語。彼の私生活の失意が反映されているとも言われています。
収録作曲家:
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ロシアの回想 [クリコヴァ]
Guitar Recital: Kulikova, Irina - VASSILIEV, K. / RUDNEV, S. / KOZLOV, V. (Reminiscences of Russia)
発売日:2014年10月22日
NMLアルバム番号:8.573308
2)
CD価格:1,600円(税込)
すでにNAXOSから2枚のアルバム(8.572717, 8.572390)をリリースし、2013年には来日公演も行い、その才能を存分に見せつけたロシアのギタリスト、イリーナ・クリコヴァ。見た目は実に愛らしい女性ですが、実は数多くのコンクール受賞歴はもちろんのこと、25年に渡る演奏活動を続けているという、相当な実績のある人なのです。 そんな彼女の今回のアルバムは、故郷であるロシアの現代音楽集。現代と言っても前衛的な作品ではなく、どれもが詩情溢れるステキな作品です。静けさと活気が絶妙にブレンドされたヴァシリエフの作品から、聴き手の耳をひきつけることは間違いなし。クリコヴァの深みのある音色は、郷愁と憧憬を呼び起こし、その技巧とともに深く深く心に染み込んでくることでしょう。NAXOSの数あるギターアルバムの中でも、とりわけ強くオススメしたい1枚です。
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おべっか使い
シャミナード(1857-1944):
ピアノ作品集 [ポーク]CHAMINADE, C.: Piano Music (The Flatterer) (J. Polk)
発売日:2014年10月22日
NMLアルバム番号:Steinway30037
4)
CD価格:1,710円(税込)
19世紀後半にフランスで活躍したセシル・シャミナード(1857-1944)。彼女は「初めて経済的に自立した女性作曲家」と呼ばれ、過去に存在した「作曲を手がける女性たち」とは一線を画した扱いを受けていることでも知られています。彼女の作品はベルリオーズ、マイアベーア、グノー、ビゼー、フランクなどから影響を受けており、初期の作品にはオペラやバレエ、ピアノ協奏曲など大規模なものも見受けられますが、長じてからは、このアルバムに収録されているようなサロン風の小品を中心に書き(女性らしさを強調した?)これらは当時大きな人気を博したのです。しかし、ここで聴ける練習曲などのいくつかの作品は、彼女の真の才能を感じさせる素晴らしい風格を持っています。 これらの作品を演奏しているジョアン・ポルクは、以前アメリカの女性作曲家エイミー・ビーチのピアノ作品全集や、歌曲集の伴奏を録音し、ビーチの真価を世に問うたピアニストです。彼女はこのような知られざる女性作曲家たちの作品を伝播することに力を注いでおり、このシャミナードの録音もその一つと言えるでしょう。これを機会にもっとシャミナードの音楽を楽しんでみませんか?
収録作曲家:
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ボーエン(1884-1961):
弦楽四重奏曲 第2番&第3番
幻想的五重奏曲 [ラインズ/アルカェウス弦楽四重奏団]BOWEN, Y.: String Quartets Nos. 2 and 3 / Phantasy-Quintet (Lines, Archaeus String Quartet)
発売日:2014年09月24日
NMLアルバム番号:8.571366
8)
CD価格:1,600円(税込)
ヨーク・ボーエン(ボウエン 1884-1961)はロンドン生まれの作曲家。若い頃はサン=サーンスに「イギリスの若き作曲家の中で最も注目すべき存在」と絶賛され、第1次世界大戦の前までは、ピアニスト、作曲家として素晴らしい活躍をしました。しかし、大戦後は彼のような「後期ロマン派」風の音楽を書く人は排除されてしまい、結局は忘れられてしまったのです。最近になって再評価が進み、とりわけ「24の前奏曲」などのピアノ曲や、ヴィオラ・ソナタ(8.572580)などは、その独特の香り高い雰囲気が静かに愛されています。 このアルバムに収録された2つの弦楽四重奏曲は、どちらも比較的初期の作品で(第1番の四重奏は恐らく破棄されてしまったようです)古典的な形式に則って書かれています。第2番は「カーネギー・トラスト賞」を受賞した作品で、あのユージン・グーセンスに献呈されています。第3番も作曲時期はそれほど変わらないのですが、更に深化した表情を聴くことができます。幻想的五重奏曲は、更に味わいのある音楽であり、バス・クラリネットを用いた点でも珍しく、輝かしいイギリス音楽の系譜に付け加えられるべき名曲と言えそうです。
収録作曲家:
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アルベニス(1860-1909):
ピアノ作品集 第5集 [ムダーラ・ガミス]ALBÉNIZ, I.: Piano Music, Vol. 5 (Mudarra Gámiz) - 7 Studies in the Natural Major Keys / Les saisons / Rapsodia Cubana
発売日:2014年09月24日
NMLアルバム番号:8.573293
3)
CD価格:1,600円(税込)
スペインの大作曲家、アルベニス(1860-1909)。彼の生涯はどうも謎が多く「数多くの冒険譚」などのエピソードはどうも存在しなかった模様で、最近新しい研究による伝記が出版されたとか…なかなか人騒がせな人物であったようです。しかし、驚くべき神童であったことは間違いなく、4歳で最初のコンサートを行い、9歳で作品を発表するなど熟練と経験を幅広く積んでいたのです。彼はスペインの民俗音楽を好んではいましたが、若干「時代遅れ」と感じていたようで、1889年にはロンドンに移住し、4年間生活することでこの地の文化を吸収しました。その後はフランスに移住。ここでもダンディやドビュッシーをはじめとした幅広い交友関係を築くことで、また新たな経験を積むことになります。 このアルバムには、そんな若い時代のアルベニスの作品を聞くことができます。この頃の彼の作品の多くは、サロン風であり、印象派への憧れを含んだものであり、民俗音楽との融合はまだあまり感じさせないものばかりです。まずは「キューバ風狂詩曲」あたりから聴いてみてください。とても活発で、気軽な音楽が、この時代のアルベニスを彷彿させます。
収録作曲家:
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スコリク(1938-):
カルパティア協奏曲
二連祭壇画
ヴァイオリン協奏曲 第7番/チェロ協奏曲他 [ピラトゥク/カザコフ/オデッサ・フィル/アール]SKORYK, M.: Carpathian Concerto / Diptych / Violin Concerto No. 7 / Cello Concerto (Pilatyuk, Kazakov, Odessa Philharmonic, Earle)
発売日:2014年09月24日
NMLアルバム番号:8.573333
8)
CD価格:1,600円(税込)
ウクライナの作曲家ミロスラフ・スコリク(1938-)は、リヴィウに生まれるも、第二次世界大戦後に家族がシベリアに追放され、1955年まで帰国を許されなかったためその地で多感な少年時代を送ります。この地で多くの「政治犯」とされる人から音楽を学び、教師として教えるまでになりますが、ウクライナに戻ってからは、モスクワ音楽院でカバレフスキーに学ぶなどその才能を順当に伸ばし、偉大な作曲家として現在もウクライナで生活しています。彼の音楽には聖書や哲学の精神、古典と前衛、民俗音楽とジャズのリズムなどが含まれていて、それはあまりにも多彩であるためジャンルを特定することは出来ません。 このアルバムに収録された音楽も多種多様な味わいを持つものばかりで、良く知られる「グツールの三連祭壇画」での悲しげな表情と、それに続く「二連祭壇画」のパワフルでエネルギッシュな音楽は、彼の特性を端的に表すものと言えるでしょう。また、管弦楽のための「カルパティア協奏曲」はとても魅力的な作品で、多種多様な楽器が存分に活躍する興味深いもの。まずはここから聴いてみてはいかがでしょうか?
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ワーグナー(1813-1883):
歌劇「ローエングリン」 [フランクフルト歌劇場管弦楽団&合唱団/ド・ビリー指揮]WAGNER, R.: Lohengrin [Opera] (Struckmann, König, Nylund, Frankfurt Opera Chorus, Frankfurt Opera and Museum Orchestra, de Billy)
■オペラ
発売日:2014年09月24日
NMLアルバム番号:OC946
2)
3CD価格:4,485円(税込、送料無料)
2010年までウィーン放送交響楽団の音楽監督を務め(後任はコーネリアス・マイスター)、この楽団の士気を飛躍的に高め、かつ意欲的な演奏を数多く聴かせた指揮者ベルトラン・ド・ビリー。現在は世界中のコンサートホールと歌劇場で優れた演奏を披露しています。そんな彼の最新作はフランクフルト歌劇場とのワーグナー「ローエングリン」です。 ワーグナー(1813-1883)の初期から中期における作品で、10世紀前半のアントウェルペンを舞台に英雄的なテノール“ローエングリン”と、純真なソプラノ“エルザ”、そして老獪なメゾ・ソプラノ“オルトルート”を中心に陰謀と愛が蠢くストーリー、いつの時代も聴く人の胸を打つものです。歌手たちの力量はもちろんのこと、オーケストラにも高い技術と表現力を要求するこの歌劇、ド・ビリーは透明感溢れる色彩で、見事にワーグナーが望んだであろう響きを表出しています。エルザ役のニュルンドやハインリヒ王役のシュトルックマンの安定した歌唱はもちろんのこと、タイトル役のケーニヒ(風貌は若干こわもて)の堂々たる歌唱にも注目です。
収録作曲家:
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ルーシェ(1934-):
ヴァイオリン協奏曲 第1番&第2番
パレデフスキー(1860-1941):
ヴァイオリン・ソナタ [コステツキ/イヴィツキ/ハウアー]LOUSSIER, J.: Violin Concertos Nos. 1 and 2 / PADEREWSKI, I.J.: Violin Sonata (Kostecki, Iwicki, Hauer, Polish Philharmonic Chamber Orchestra)
■協奏曲
発売日:2014年08月27日
NMLアルバム番号:8.573200
9)
CD価格:1,600円(税込)
あのJ.S.バッハ作品をジャズ風に演奏することで知られるフランスの作曲家ジャック・ルーシェ。彼の革新的な演奏と創造は多くの人に衝撃を与え、またたくさんの継承者を生み出しました。このアルバムは、そんなルーシェのオリジナルである“珍しい”2曲の「ヴァイオリン協奏曲」が収録されています。どちらも雄弁な表現力を持ち、驚くほどパワフルなパーカッションが大活躍します。 第1番の協奏曲は、楽章ごとにタイトルが付けられ、強く、時には物憂げなメロディが紡がれていきます。ジャズ風のメロディがあるかと思えば、タンゴもあり。終楽章の「東京」は、少し異国風な雰囲気もありますが、基本的にリズミカルで好戦的。パワフルな都市の姿が描かれています。第2番は2006年のメニューイン音楽祭の委嘱作品であり、インド音楽と即興性の融合が図られた音楽。途中には聴く者全てを唖然とさせるようなカデンツァが挿入され、喧騒のフィナーレを迎えます。アルバムの最後に「唐突に」置かれたパデレフスキーのソナタ。こちらはピアニストとして活躍しながらも政治の世界にも進出した作曲家パデレフスキの初期の作品で、ほとんどピアノのために作品を書いていたパデレフスキーの“珍しい”ヴァイオリンのためのソナタです。ポーランド生まれの名ヴァイオリニスト、コステツキのノリノリの演奏です。
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Genesis 1757
リヒター(1709-1789):
弦楽四重奏曲集 Op.5 [カサル四重奏団]RICHTER, F.X.: String Quartets, Op. 5 (Casal Quartet)
■室内楽
発売日:2014年08月27日
NMLアルバム番号:SM184
2)
SACD-Hybrid 2枚組価格:2,985円(税込)
この作品にまつわるエピソード…。これらは1757年、ヒルトブルクハウゼン公爵の宮殿近くで起きた悲劇的な物語です。ヴァイオリニストで作曲家、カール・ディッタース・フォン・ディッタースドルフの回顧録によると、「その日、ある予感があり、その時に招待されていた馬そりへは乗らずに、宮廷で彼の兄弟たちと弦楽四重奏曲を弾くことを選択、そのそりは御者の無謀運転のせいで隣に座っていた青年が死んでしまった」というのです。最高級のタバコとコーヒーを楽しみながら、宮廷でディッタースドルフが演奏していたのが、このフランツ・クサヴァー・リヒター(1709-1789)のこの弦楽四重奏団であり、結果、彼らはリヒターを選んだことで、致命的な結末を回避できたのです。 フランツ・クサヴァー・リヒターはマンハイムにおける対位法の大家であり、当時、最も優れた室内楽と交響曲の作曲家でありました。そんな奇跡すら起こすほどの魅力的な弦楽四重奏曲、これまで録音がなかったのが不思議なほどです。今回はSACDハイブリッドの高音質でお届けいたします。
収録作曲家:
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ルクレール(1697-1764):
2台のヴァイオリンのためのソナタ全集 Op.3&Op.12 [イーワー/ラモッテ]LECLAIR, J.-M.: Sonatas for 2 Violins (Complete) - Opp. 3 and 12 (Ewer, LaMotte)
■器楽曲(ヴァイオリン)
発売日:2014年07月23日
NMLアルバム番号:DSL-92176
3)
2CD+Blu-ray Audio価格:3,960円(税込、送料無料)
現在、このフランスバロック音楽の大家であるジャン=マリー・ルクレール(1697-1764)の音楽はどれ程の人々が愛しているのでしょうか? フランス=ベルギー・ヴァイオリン楽派の創始者であり、いくつもの素晴らしいヴァイオリン作品を残すも、私生活は謎が多く、その最期も悲惨なものであったとされる彼。そんな彼の作品は演奏される機会さえ増えれば、もっと広まって行くはずです。 このアルバムはそんなルクレールを認知させる手がかりとなるものです。アメリカの2人の若手ヴァイオリニストによる親密、かつ緊張感溢れるこれらのソナタ。ヴァイオリンの音のみが静かな火花を散らすものですが、ここでは最新の技術により、この微妙で繊細な音がくっきりと捉えれらており、特にBlu-rayディスクには、ホールの空気感も含めた全てが余すことなく収録されています。一度聞いたら忘れられない美音。そんな言葉がぴったりのアルバムです。
収録作曲家:
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デュティユー(1916-2013):
交響曲 第1番
チェロ協奏曲「遥かなる遠い世界」
時の影 [フィリップス/シアトル響/モルロ]DUTILLEUX, H.: Symphony No. 1 / Tout un monde lointain … / The Shadows of Time (X. Phillips, Seattle Symphony, Morlot)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2014年07月23日
NMLアルバム番号:SSM1001
2)
CD価格:2,085円(税込)
現在シアトル交響楽団の音楽監督を務めているのは、フランス生まれの指揮者リュドヴィク・モルローです。彼は常にこの交響楽団と革新的な演奏会を試み、地域社会との連携にも力を尽くしています(彼はまた、モネ劇場交響楽団で首席指揮者を務めていて、こちらのオーケストラとも斬新かつ素晴らしいコンサートを実施しています)。そんな彼によるこのシアトル交響楽団との一連の演奏は、現在の音楽市場にとても意味深いものとして投入されることでしょう。 最初のアルバムは、モルローとも個人的に関わりの深い作曲家、デュテュー(1916-2013)の交響曲第1番とチェロ協奏曲、そして「時の影」という意欲的で、かつ難易度の高い曲が選ばれています。古典的な形式を用いながらも、多くの試みがなされている「交響曲第1番」での色彩感溢れる躍動的な響き、冒頭のチェロの響きが悩ましさを誘う「チェロ協奏曲」、小澤征爾の委嘱によって書かれた神秘的な「時の影」。このオーケストラの力量と、モルローの好みを伺い知ることができる見事なアルバムとして仕上がっています。
収録作曲家:
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ラーション(1908-1986):
〈管弦楽作品集 第1集〉 [ヘルシンボリ響/マンゼ]LARSSON, L.-E.: Orchestral Works, Vol. 1 - Symphony No. 1 / The Winter's Tale / Music for Orchestra, Op. 40 (Helsingborg Symphony, Manze)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2014年06月25日
NMLアルバム番号:777671-2
5)
CD価格:2,850円(税込)
現代スウェーデンの代表的作曲家として知られるエリク=ラーション(1908-1986)。とは言え、彼の作品は決して前衛そのものではなく、時として十二音の様式を用いたものの、どちらかというと後期ロマン派色が強いものでした。特にここで聴ける初期の「交響曲第1番」はシベリウスを思わせる牧歌的で美しい音楽です。ニ長調という調性にもよるのか、大いなる自然を賛美しているかのような重厚かつ若々しい第1楽章から、その熱き心がひしひしと伝わってくるかのようです。彼は作品によって作風を使い分けていたようで、1966年に作曲された「抒情組曲」でも、描かれている風景は変わることなくひたすら悠然とした美しさを保っています。マンゼとヘルシンボリ交響楽団のチームワークの良さは、ブラームスで証明済。ここでも美しい弦の調べに重点を置いた見事なアンサンブルを聴くことができます。
収録作曲家:
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期待の新進演奏家シリーズ
アントン・バラノフ ギター・リサイタル [バラノフ]Guitar Recital: Baranov, Anton - PUJOL, M.D. / BRAVO, J.E. / ANGULO, E. / SANTÓRSOLA, G.
■器楽曲(ギター)
発売日:2014年06月25日
NMLアルバム番号:8.573306
6)
CD価格:1,600円(税込)
2013年GFA(Guitar Foundation of America=アメリカ・ギター財団)国際ギターコンクールの優勝者である、1984年ロシア生まれのギタリスト、アントン・バラノフ。彼は同時期にフランシスコ・タルレガ国際コンクールでも優勝するなど、その才能を嘱望されている人で、現在はサンクトペテルブルク音楽院で後進の指導にもあたっています。そんな彼のリサイタル・アルバムは中南米の4人の作曲家の作品集で、それぞれ世代の異なる作曲家たちの曲を見事に弾きわけています。アルゼンチン生まれのプホールのソナチネは、ギタリスト、ホルヘ・ラバンカに捧げられた作品。リズミカルな第1楽章と表情豊かな第2楽章、そしてエキサイティングな終楽章が魅力的。もう少し後の世代に属するブラーボのソナタはタンゴとクラシックが融合されたもの。アングロのソナタは短いながらも印象的な音楽。そしてサントルソラのソナタは、現代的なメロディと超絶技巧を駆使した華やかなパッセージ、そして美し過ぎる第2楽章が印象的な作品です。
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ピアソラ(1921-1992)&ヴィヴァルディ:
8 シーズンス [シン・ヤン/エーラー]VIVALDI, A.: 4 Seasons (The) / PIAZZOLLA, A.: Las 4 estaciones porteñas (arr. for violin and accordion) (Sinn Yang, Oeler)
■器楽曲
発売日:2014年06月25日
NMLアルバム番号:OC429
8)
CD価格:1,710円(税込)
ヴァイオリニストのシン・ヤンとアコーディオンのハラルド・エーラー。2009年のハイデルベルク・スプリング・フェスティバルの際に2人で結成した「デュオ・ヴィア…DUO ViA」によるピアソラ(1921-1992)&ヴィヴァルディ(1678-1741)です。この時の演奏会のチケットは早々に完売。聴衆の期待の高さがうかがわれるものでした。同じ「四季」と言っても、全く性格も時代も違う2つの作品、使われるテクニックも違えば、求められる音色も違います。しかし彼らはこれらを上手く手懐け、まるで最初からセッティングされていたかのような、親密な一つの組曲として聞かせてくれます。規律正しく流麗なヴィヴァルディ、美しさ、清明さだけでは表現できないピアソラ。この2つが融合したことで生まれた新しい世界をお楽しみください。
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グンスト(1877-1950):
世界の間の放浪者 [ラング]GUNST, E.: Piano Music (Wanderer zwischen den Welten, Vagabond entre les mondes) (S. Lang)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年06月25日
NMLアルバム番号:OC899
9)
CD価格:2,224円(税込)
2010年春、バーゼル大学の音楽学セミナー室の地下から、ロシアの作曲家エフゲニー・グンスト(1877-1950)の作品が発見されました。この作曲家、今ではほとんど忘れられてしまっていますが、彼が活躍していた時代はいくつかの点で高く評価されていた芸術家であり、革命前のロシア音楽界に大いなる影響を与えた人でもありました。スクリャービンの側近であり、革命が起きてからは、1920年にエストニアを経由してパリに亡命。そこで寂しく生涯を終えたのです。彼の自筆スコアは非常に几帳面に書かれていますが、そこから立ち上る音は、これまでに聞いた事のないような独自なものであり、先人であるメトネルやスクリャービンとも違う不思議な雰囲気を醸し出しています。
収録作曲家:
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ショーン・チェン
ラヴェルとスクリャービンを弾く [シェーン・チェン]Piano Recital: Chen, Saen - RAVEL, M. / SCRIABIN, A. (La valse)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年06月25日
NMLアルバム番号:Steinway30029
3)
CD価格:1,710円(税込)
「100万ボルトの笑顔にセットされた恐るべき指」とダラス・モーニングニュース紙で絶賛された若きピアニスト、ショーン・チェン。彼は1988年にアメリカ、フロリダ州で生まれ、幼い頃からピアノを始め、大学に入学する以前からすでに各地で高い評価を受けていました。ピアノの演奏能力だけでなく、並外れた知性を有している彼はジュリアード音楽院だけでなくMIT、ハーバード大学など並み居る名門校で勉強する機会を得たのですが、結局は音楽の道を選択、2012年、リーズ国際ピアノコンクールでセミファイナリストとなり、続く2013年の第14回ヴァン・クライバーン国際コンクールで入賞、他にも数多くのコンクールで素晴らしい成績を収めています。このアルバムは、彼のデビュー・アルバムであり、幅広いレパートリーを持つ彼のほんの一面を垣間見せてくれるものです。スクリャービンの神秘性とラヴェルの色彩感、これらをうまく引きだしつつ、現代的な味付けをしているところが何とも素晴らしいひとです。
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ドヴォルザーク(1841-1904):
ピアノ三重奏曲集 第1集
ピアノ三重奏曲 第3番 ヘ短調
ピアノ三重奏曲 第4番 ホ短調 「ドゥムキー」 [テンペスト三重奏団]DVOŘÁK, A.: Piano Trios, Vol. 1 (Tempest Trio) - Nos. 3 and 4, "Dumky"
■室内楽
発売日:2014年05月30日
NMLアルバム番号:8.573279
7)
CD価格:1,600円(税込)
ドヴォルザーク(1841-1904)の4つのピアノ三重奏曲は、どれも完成度が高く充実した書法を持っています。第3番は1883年の2月から3月にかけて作曲されたもので、彼の母の死後、悲しみに捉われたまま、その行き場のない感情が迸るかのような激しさを持ち、第1楽章での迸るようなエネルギーはそのまま第2楽章へ引き継がれ、心休まる時がありません。しかし第3楽章のアダージョでは一転、こらえきれなかった涙が溢れてくるような美しく落ち着いた世界へと変わります。この対比の鮮やかさはドヴォルザークならではのものでしょう。終楽章はどことなく民謡風の忙しない音楽に戻りますが、第4番は「ドゥムキ」という副題をもつもので、この言葉の語源はウクライナの民謡形式の名前、もしくはチェコ語の「回想」であるとの説があり、これは定かではありません。作曲されたのは1890年から1891年、彼がアメリカへと旅立つ時期の作品です。各楽章は統一された動機はなく、気まぐれな雰囲気を持ちますが、これがまた聴いていて楽しく、次から次へと現れる元気のよい音楽は、聞き手を力付けるかのようです。
収録作曲家:
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クラウディオ・アラウ
ベートーヴェン(1770-1827):
ピアノ・ソナタ集
第31番・第32番・第23番「熱情」 [録音:1960年]BEETHOVEN, L. van: Piano Sonatas Nos. 23, 31 and 32 (Arrau) (1960)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年05月30日
NMLアルバム番号:ICAC5122
3)
CD価格:1,650円(税込)
チリで生まれアメリカを中心に活躍したピアニスト、クラウディオ・アラウ(1903-1991)。彼は1921年に初の録音を行ってから、1980年代のデジタル時代までの長い経歴を、録音の進化とともに過ごして来たと言えるでしょう。彼が得意としたのはベートーヴェン、リスト、シューマンであり、またモーツァルトやブラームスでも独自の世界を切り開き、その演奏は非常に高く評価されています。1950年代には最初のベートーヴェンのピアノ協奏曲全集の録音を成し遂げ、1960年代には同じくベートーヴェン(1770-1827)のソナタ全集も録音を完成させています。この演奏は、そんな頃にストックホルムで収録されたもので、レコーディング・スタジオで録音された音楽とはまた違う即興性溢れたライブ録音です。ここには自由な精神が横溢した、明晰で揺るぎないベートーヴェン像があります。
収録作曲家:
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イングリッド・ヤコビ
モーツァルト(1756-1791):
ピアノ協奏曲集
ピアノ協奏曲 第14番・第27番
ロンド K.382 [ヤコビ/アカデミー室内管/マリナー]MOZART, W.A.: Piano Concertos Nos. 14 and 27 / Rondo, K. 382 (I. Jacoby, Academy of St. Martin in the Fields Orchestra, N. Marriner)
■協奏曲
発売日:2014年05月30日
NMLアルバム番号:ICAC5125
5)
CD価格:1,650円(税込)
「明確なアーティクレーション、フレージング、表現力…。彼女は完全に自己を確立させている。」このようにニューヨーク・タイムズから称賛された若手ピアニスト、イングリッド・ヤコビ。数多くのコンクール入賞歴と「スタインウェイ・ホール・アーティスト賞」を含む数多くの受賞歴を持つ彼女、イギリスでもその演奏は大絶賛されています。このアルバムは名指揮者ネヴィル・マリナーと共演したモーツァルトの協奏曲が収録されており、彼女の名声を確立したベートーヴェン演奏とはまた違う華やかさと流麗さに満ちたモーツァルトを楽しむことができます。秋には第2弾のリリースが予定されています。
収録作曲家:
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シャルパンティエ(1643-1704):
歌劇「オルフェウスの冥府下り」
田園劇「花の冠」 [ボストン古楽音楽祭合唱団&管弦楽団/オデット/スタッブス]CHARPENTIER, M.-A.: Couronne de fleurs (La) / La descente d'Orphée aux enfers (Boston Early Music Festival Chorus and Orchestra, O'Dette, Stubbs)
■オペラ
発売日:2014年04月23日
NMLアルバム番号:777876-2
10)
CD価格:2,608円(税込)
以前、リュリの歌劇「テゼ」「プシュケ」がグラミー賞にノミネートされるなど、リリースするアルバムのどれもが注目されているオデットとスタッブス。今作はシャルパンティエの2つの歌劇作品を取り上げました。シャルパンティエ(1643-1704)は現在、宗教曲の作曲家として論じられることが多いのですが、いくつかの歌劇、劇音楽も残しています。リュリと同時代でありながらも、その作風は違いがあり、時として野心的なアリアや象徴的なフレーズが現れるなど、なかなか面白いものとなっています。 演奏は若い歌手たちによって行われており、活気ある素晴らしい音楽を楽しむことができるでしょう。
収録作曲家:
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J.S.バッハ(1685-1750):
マタイ受難曲 BWV 244 [バイエルン放送合唱団/レーゲンスブルク大聖堂合唱団/コンチェルト・ケルン/ダイクストラ]BACH, J.S.: St. Matthew Passion (Bavarian Radio Chorus, Regensburg Cathedral Choir, Concerto Köln, P. Dijkstra)
■声楽曲
発売日:2014年04月23日
NMLアルバム番号:900508
10)
3CD価格:3,600円(税込、送料無料)
以前リリースされた「クリスマス・オラトリオ」に続くバイエルン放送合唱団とペーター・ダイクストラのJ.S.バッハ(1685-1750)作品は、名作「マタイ受難曲」。オーケストラはコンチェルト・ケルンで、福音史家は若きテノール、ジュリアン・プレガルディエンが務めています。ソリストたちの名唱もさることながら、コンチェルト・ケルンの素晴らしいアンサンブルは、「マタイ受難曲」に新たな光を当てるものであり、現代における祈りの形を全ての人に問いかけることになるでしょう。ただ聞き流すのではなく、何かを考えながら聞いてほしい名演です。
収録作曲家:
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モーツァルト(1756-1791):
交響曲 第38番・第39番・40番
(J.N.フンメルによる室内楽版) [グロット/アイヒホルン/ルンメル/クリューガー]MOZART, W.A.: Symphonies Nos. 38, 39, 40 (arr. J.N. Hummel for flute, violin, cello and piano) (Grodd, Eichhorn, Rummel, Krüger)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2014年03月26日
NMLアルバム番号:8.572841
2)
CD価格:1,600円(税込)
「モーツァルトの交響曲だったら、モダン楽器もピリオド楽器も含めて数えきれないほど聴いてきた!」そんな愛好家の方でも、このフンメル編曲の室内楽ヴァージョンをご存知の人は少ないのでは。チェコで生まれたフンメル(1778-1837)は、8歳の時に指揮者であった父に連れられ、モーツァルトを訪れます。そして彼はモーツァルトの家に住み込み、ピアノの教えを受けるという素晴らしい経験をするのです。 そんなフンメルは作曲家として多数の作品を残しましたが、その中には友人であったベートーヴェンやモーツァルトの交響曲、協奏曲の編曲がいくつか含まれています。7曲あるモーツァルトのピアノ協奏曲=室内楽版は最近になって録音が増えてきましたが、ベートーヴェンの交響曲の室内楽版(7番まである)や、今回のようなモーツァルトの交響曲の室内楽版(全部で6曲ある)は、まだまだ開拓の余地ありの分野です。このような小編成への編曲は、曲の構成が良くわかることと、少人数でも演奏できることなど、利点も多く、もちろん作曲家が技法を学ぶためにも良い練習となったことでしょう。
収録作曲家:
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カヴァッリーニ(1807-1874):
30のカプリース/二重奏曲 第1番 [ブルフォーネ/ジャーニ]CAVALLINI, E.: 30 Capriccios / Duets Nos. 1-3 (Bulfone, Giani)
■器楽曲(クラリネット)
発売日:2014年03月26日
NMLアルバム番号:8.573133-34
2)
2CD価格:2,500円(税込)
ミラノで生まれ、9歳の時にミラノ音楽院でカルッリに師事、瞬く間に才能を開花されたカヴァリーニ。彼は1824年に卒業後、スカラ座の第1クラリネット奏者に任命され、また各地で演奏旅行を行うなど、ヨーロッパ中にその名声を広めていきました。その後、演奏旅行で訪れたロシアで皇帝に気に入られ、マリインスキー劇場の第1クラリネット奏者に就任します。この時期に上演されたベルディの「運命の力」において、彼の演奏に感銘した作曲家が、第3幕のオープニングに美しいクラリネットのソロ・パートを付け加えたというエピソードもあるほどです。 このクラリネットのための「30のカプリース」は、彼の最も重要な作品であり、今も世界中の音楽学校で生徒たちがこの「練習曲」のお世話になっていることは間違いありません。30の曲の中にはクラリネットを演奏するために必要な全ての要素…カンタービレや超絶技巧まで…が含まれ、もちろん音楽性も高めることが可能という優れものです。もちろんただ聴いているだけでもOKです。
収録作曲家:
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細川俊夫(1955-):
管弦楽作品集 第1集
開花の時/月夜の蓮/チャント [ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管/メルクル]HOSOKAWA, Toshio: Orchestral Works, Vol. 1 - Horn Concerto / Lotus under the Moonlight / Chant (Royal Scottish National Orchestra, Märkl)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2014年03月26日
NMLアルバム番号:8.573239
9)
CD価格:1,600円(税込)
現代における「日本人作曲家」の中で、最も世界中から注目を浴びている細川俊夫(1955-)。彼の新作は発表されるやいなや、その総譜は日本ショット社から出版され世界中へと広まっていくことでも知られています。最近の作品はどれも「自然と人間」との関わりをモティーフとしており、とりわけ「花」の存在は忘れてはならないものでしょう。作曲家による解説(日本語)付きです。
収録作曲家:
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ババジャニアン(1921-1983):
ピアノ独奏のための作品全集 [メリキャン]BABADJANIAN, A.H.: Piano Solo Works (Complete) (Melikyan)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年03月26日
NMLアルバム番号:GP674
6)
CD価格:1,824円(税込)
アルメニア、エレバン出身の作曲家&ピアニスト、ババジャニアン(1921-1983)。両親は音楽家ではありませんでしたが、父はアルメニアの民族楽器を演奏するなど、とても音楽的な雰囲気を持った家庭で育ちました。1938年にモスクワに移住、グネーシン音楽大学でエレナ・グネーシナからピアノを学び、ヴィサリオン・シェバーリの作曲のクラスで学びます。彼はソ連の作曲家ユニオンのメンバーとなり、ハチャトゥリアンとショスタコーヴィチのサポートを受け、1948年にはモスクワ・チャイコフスキー音楽院を卒業。その後はアルメニアに戻り、祖国の音楽の発展のために力を尽くします。音楽家の友人も多く、なかでもチェリスト、ロストロポーヴィチは彼の音楽を心から賛美していたことでも知られています。 そんなババジャニアンの音楽は、強い民族性が感じられるもので、どれも劇的であり、鋭さと歌心に満ちています。「6つの絵」から匂い立つアルメニアの風に頬をくすぐられる感触は一度味わったら忘れられません。
収録作曲家:
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ツィモン・バルト
パガニーニによる変奏曲と狂詩曲 [バルト/エッシェンバッハ]LISZT, F. / BRAHMS, J. / LUTOSŁAWSKI, W.: Paganini Variations / RACHMANINOV, S.: Rhapsody on a Theme of Paganini (Barto, Eschenbach)
■協奏曲
発売日:2014年03月26日
NMLアルバム番号:ODE1230-2D
8)
2CD価格:2,250円(税込)
「個性派」を売りにしているピアニストは数多くいますが、なかなか真の個性派になるには、それはそれは長い道のりが必要です。テクニックはもちろんのこと曲の解釈、デュナーミクの処理、そして作品への傾倒、これらを存分に満たした上で、作品を撚り上げ世に出さなくてはいけません。もちろんアルバムの選曲のこだわりも必須です。 そんな条件を全て満たしたピアニストがこのツィモン・バルト。あのチャイコフスキーのピアノ協奏曲の冒頭部分を劇遅で弾いてみたり、ラヴェルの「夜のガスパール」を気持ち悪く弾いてみたりと、それはそれは個性的。もちろん今回の2枚組も「個性的」の大盤振る舞いです。パガニーニをテーマにした曲集ですが、まさに悪魔的な音楽が並びます。まずはお馴染みの「ラ・カンパネラ」からどうぞ。想像以上にカッコいいルトスワフスキ(意外!)そして、エッシェンバッハの指揮がそのデモーニッシュさに拍車をかけたラフマニノフ。全部聞いてしまった夜には、悪夢にうなされるかもしれません。
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ランゴー(1893-1952):
弦楽四重奏曲集 第2集
ばら園での遊び
弦楽四重奏曲 第4番「夏の日々」他 [ナイチンゲール弦楽四重奏団]LANGGAARD, R.: String Quartets, Vol. 2 (Nightingale String Quartet)
■室内楽
発売日:2014年02月19日
NMLアルバム番号:6.220576
7)
SACD-Hybrid価格:2,325円(税込)
ランゴー(1893-1952)の多彩な弦楽四重奏曲の全てを知るためのシリーズ第2集。世界初録音となる「ばら園での遊び」のばら園とは、彼が20歳の時の夏休みに、両親とともに保養に出かけたスウェーデンの温泉地、ブレーキンデの家の名前で、ここに2か月間ほど滞在したランゴーは、この時の良い体験を生涯忘れることがありませんでした。この作品全編に漂う甘い回想、そして「モーツァルト」と題された第2楽章は偉大なる作曲家を模倣するとともに、以降の作品に使われるモティーフの萌芽が認められる興味深いものとなっています。他の2曲も、若い作曲家のなみなみならぬ意志が感じられる力強くしなやかな仕上がりとなっています。
収録作曲家:
-
ボロプ=イェルゲンセン(1924-):
リコーダー作品集 [ペトリ/セリン]BORUP-JØRGENSEN, A.: Recorder Music (Petri, Selin)
■器楽曲
発売日:2014年02月19日
NMLアルバム番号:8.226910
4)
CD価格:1,815円(税込)
デンマークの現代作曲家の一人、イェルゲンセン(1924-)のリコーダー作品集です。彼の名前はデンマーク以外ではほとんど知られていませんが、その才能の閃きはこのアルバムを少し聴いただけでも明らかになることでしょう。 ここには彼の全リコーダー作品が収録されています。なぜペトリが彼の作品を取り上げたかというと、実は彼女の弟子であり、30年来の親友、共演者でもあるエリザベス・セリンがイェルゲンセンの娘であり、ペトリは彼女を通して、イェルゲンセンの作品を知り、その特異な世界に魅せられたのです。独学で作曲を学んだという彼の音楽。これは有機的な音の結びつきと、ある種の官能的な美しさを孕んだもの。独奏作品はもちろんのこと、パーカッションやハープシコードとの音色の絡みには、スリリングな面白さが溢れています。
収録作曲家:
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リスト(1811-1886):
〈ピアノ作品全集 第38集〉
ヘンデル、グノー、シュポア、ラフ作品の
トランスクリプションと編曲集LISZT, F.: Transcriptions and Arrangements of Handel, Gounod, Spohr and Raff (Soyeon Kate Lee) (Liszt Complete Piano Music, Vol. 38)
発売日:2014年02月19日
NMLアルバム番号:8.572589
6)
CD価格:1,600円(税込)
ピアノの魔術師フランツ・リスト(1811-1886)による、さまざまな作曲家たちの作品のトランスクリプション集です。ヘンデル以外はリストの活躍した時代の音楽であり、恐らくリスト自身が聴いて気に入ったものを即座にピアノへと移し替えたのでしょう。ヘンデルの「サラバンド」はリストの晩年近くの作品で、若い頃を思わせる華美な装飾が魅力的な作品です。ラフの歌劇は現在では全く忘れられていますが、この断片的なメロディだけでも聴く価値はあるものです。グノーの一連の作品は現在でも聴く機会に恵まれており、とりわけ「ファウスト」は原作のオペラも、リストの編曲も良く演奏されますが、このソヨンの演奏は通常の演奏に一味違うスパイスが仕込まれています。シュポア作品もなかなかの名曲です。リスト好きなら外せない1枚です。 2010年ナウムブルク国際ピアノ・コンクールで第1位を獲得したピアニスト、リ・ソヨン。彼女は韓国系のアメリカ人ピアニストで、その華やかな演奏はすでに高く評価されています。
収録作曲家:
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サラサーテ(1844-1908):
ヴァイオリンとピアノの為の音楽集第4集
トランスクリプションと編曲集 [楊天堝/ハドゥッラ]SARASATE, P. de: Violin and Piano Music, Vol. 4 - Transcriptions (Tianwa Yang, Hadulla)
■器楽曲(ヴァイオリン) ■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年02月19日
NMLアルバム番号:8.572709
2)
CD価格:1,600円(税込)
現在NAXOSレーベルで、その将来を最も嘱望しているヴァイオリニストがこの楊天堝(読みはティアンワ・ヤン)。もちろんクラウス・ハイマンも彼女の才能には一目置いています。音楽性、技巧、どれを取っても文句なしですが、何より彼女の演奏には華があり、また音色も涙が出るほどに美しいのです。 ここではサラサーテ(1844-1908)が他の作曲家の作品をヴァイオリン曲に編曲したものを集めています。いわば「リストのトランスプリクション集」のような曲集。しかし、彼女の手にかかると、まるではじめからヴァイオリンのために書かれたかのように美しく響きます。ショパンの夜想曲など、こちらが原曲?と思うほどの完成度の高さです。サラサーテの編曲の妙、そして彼女の美音。そしてピアノのハドッラ。これらが融合することで最強の調べが生まれました。
収録作曲家:
-
タンスマン(1897-1986):
ピアノ作品集 [レイエス]TANSMAN, A.: Piano Music - Ballades Nos. 1-3 / Arabesques / Suite dans le style ancien / 5 Impressions / 8 Cantilenes (Reyes)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年02月19日
NMLアルバム番号:8.573021
3)
CD価格:1,600円(税込)
ポーランド、ウッチ出身のアレクサンドル・タンスマン(1897-1986)。しかし彼の活動の場はもっぱらフランスであり、パリで知り合った芸術家たちに大いなる影響を受け、一時は「六人組」に誘われるほどにこの地に溶け込んだ人でした。ただ、ユダヤの血をひいていたため、1941年にはアメリカに亡命せざるを得なく、戦後にパリに戻った時にはすでに時流に乗り遅れてしまい、またポーランド音楽の研究を始めたという興味深い変遷を辿ることになるのです。 このアルバムにはそんな彼らしい、多くの影響や共鳴を感じさせる様々なスタイルを持つピアノ曲が並んでいます。ネオ・バロック様式で書かれた「組曲」は個人的な告白よりも当時の流行を追求したものでしょう。「アラベスク」は詩的な内容を持つ曲が並べられています。この夜想曲はショパンよりもスクリャービンよりの雰囲気を持っています。ロマン派よりも新古典派の作風に近い「5つの印象」、タンスマンの内なる声とも言える、悲劇的な様相を持つ「3つのバラード」。そしてルービンシュタインに捧げられた「8つの歌」はバッハヘのオマージュです。彼の心の祖国はどこだったのでしょうね。
収録作曲家:
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“Si suona, a Napoli!” - これこそナポリ!
18世紀ナポリのフルート協奏曲集 [カタルディ/マストロミニコ]Flute Concertos - LOGROSCINO, N.B. / PEREZ, D. / SANTANGELO, A. / SELLITTO, G. / PALELLA, A. (Si suona, a Napoli!) (Cataldi, Mastrominico)
■協奏曲
発売日:2014年02月19日
NMLアルバム番号:CDS7674
2)
CD価格:1,710円(税込)
13世紀後半、それまでローマ帝国にあった支配権が、フランスのアンジュー家に移ってから500年以上、ナポリ王国の首都として栄えた街ナポリ。社会的にも政治的にも、そして芸術的にも重要な都市として、周辺国を圧倒する力を持っていました。そんなナポリ、17世紀頃から目を見張るほどの素晴らしい音楽が生まれ始め、18世紀にはパリ、ロンドンに次いで3番目の大都市となり、数々の歌劇場が建設され、名実ともに音楽の中心地となりました。この頃、この地で数多く書かれたフルートのための協奏曲を集めたこの1枚。どれも技巧的であり開放的な気分と明るい曲調を持っています。活気に満ちた都市の雰囲気を映し出す楽しい曲集です。
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トッカータ
ハープシコードのための近代アメリカ音楽集 [ヴィニクール]Harpsichord Recital: Vinikour, Jory - POWELL, M. / COWELL, H. / ROREM, N. / ADLER, S. (Toccatas: Modern American Music for Harpsichord)
■器楽曲(ハープシコード)
発売日:2014年02月19日
NMLアルバム番号:DSL-92174
2)
CD+Blu-ray Audio価格:2,085円(税込)
Sono Luminusレーベルの名ハープシコード奏者、ヴィニクールをフィーチャーした興味深い1枚です。バッハやラモー、クープランなどのバロックの作曲家に愛されたハープシコードですが、古典派からロマン派の時代は、ピアノの勢いに押されて活躍の場を失っていました。しかし20世紀の初めになると、この楽器に魅せられたポーランドの奏者ワンダ・ランドフスカによって近代ハープシコードが生まれ、新たな楽器としての可能性が広がることになります。ファリャやプーランクを始めとした新しい作品も書かれ、人々はこの楽器の音色に着目しました。 このアルバムはヴィニクールが作曲家の友人たちに曲を委嘱した新作も含め、魅力的で斬新な作品が並んでいます。ミニマル的な音楽、驚くほどロマンティックな音楽など様々な表情をお楽しみいただけます。この先鋭的な音色を存分に捉えた高音質Blu-ray盤も同梱されています。ハープシコードの音色はこのメディアの特質を見事に具現化しています。
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ニーノ・グヴェタッゼ ドビュッシーを弾く
ドビュッシー(1862-1918):
作品集 [グヴェタッゼ]DEBUSSY, C.: Piano Music (Gvetadze)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年02月19日
NMLアルバム番号:ORC100041
2)
CD価格:1,710円(税込)
前作である「リスト作品集」(ORC100017)が大好評。また2012年の来日でもその音楽性が高く評価されたグヴェタッゼ。現在最も注目されるピアニストの一人です。最初のアルバムがリストであり、中でもソナタの白熱した演奏に心奪われた人が多く、どうしても「超絶技巧派」のピアニストと思われがちですが、本当のところ、彼女はもっと内省的で静かな表現を好むのではないでしょうか? 確かに前作のリストでも、技巧よりも、リストが散りばめた歌の方に主眼が置かれていたようでした。 そんな彼女のドビュッシー(1862-1918)。素晴らしくないはずがありません。中心は「前奏曲」ですが、そっと置かれたアラベスク、版画、そして「月の光」のひそやかな美しさ。まさに宝石箱のような1枚です。
収録作曲家:
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ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第9番 ニ短調 (3楽章:1894年版) [ベルン響/ヴェンツァーゴ]BRUCKNER, A.: Symphony No. 9 (Bern Symphony, Venzago)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2014年01月22日
NMLアルバム番号:777787-2
5)
CD価格:2,608円(税込)
おなじみベンツァーゴのブルックナー・シリーズ。この第9番では極めて正統派のアプローチを試みることで、彼におけるブルックナー像を描き出してみせています。他の曲のように挑発的な解釈を試みることもせず、ベルリン交響楽団から素直な音楽を引き出しています。ブルックナー(1824-1896)における神の意志、そして宇宙観。これらに激しく共感しているであろうベンツァーゴの喜びさえもが伝わる素晴らしい演奏です。ブルックナーの第9番の演奏には誇張も装飾もないのかもしれません。
収録作曲家:
-
ルビンシテイン(1829-1894):
交響曲 第6番 イ短調
フモレスケ「ドン・キホーテ」 [フィルハーモニア・フンガリカ/ヴァルガ/スロヴァキア・フィル/ハラーシュ]RUBINSTEIN, A.: Symphony No. 6 / Don Quixote (Philharmonia Hungarica, G. Varga, Slovak Philharmonic, Halász)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2014年01月22日
NMLアルバム番号:8.555394
4)
CD価格:1,600円(税込)
第1楽章の冒頭を聴いた瞬間は「この曲は難しい?」と思うかもしれませんが、序奏部が終わった途端炸裂するのは紛れもないロシアのリズム。これは1886年に作曲されたルビンシテイン(1829-1894)最後の交響曲です。溌剌とした第1主題の次に来るのは抒情的な第2主題。チャイコフスキーよりは、ブラームスやシューマンを思い起こさせる重厚なハーモニーに彩られた力強い楽章、次の第2楽章は控え目に咲く花を思わせる優美な音楽。快活な中間部も聴き映えのするものです。第3楽章は明るくさっぱりとした茶目っ気たっぷりの音楽。そしてどっしりとした最終楽章にもロシアの風味が満載です。 「ドン・キホーテ」は1870年の作品。数多くの作曲家たちがモティーフとした破天荒な騎士の物語を、ルビンシテインは丁寧に音で追って行きます。広く聴かれることを願いたい「隠れた名作」です。
収録作曲家:
-
ウィーン交響楽団のバロックアンサンブル
フィオーリ・ムジカーリ・トリベルク Vols.1-6FIORI MUSICALI TRIBERG, Vols. 1-6
■交響曲/管弦楽曲 ■協奏曲 ■声楽曲
発売日:2014年01月22日
NMLアルバム番号:SM190
6)
6CD価格:3,420円(税込、送料無料)
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フランシスコ・アライサ(テノール)
オペラ・アリア集 [アライサ]Opera Arias (Tenor): Araiza, Francisco - MOZART, W.A. / ROSSINI, G. / BIZET, G. / GOUNOD, C.-F. (Legendary Recordings: Arias from Mozart to Wagner)
■オペラ
発売日:2014年01月22日
NMLアルバム番号:SM194
3)
CD価格:2,085円(税込)
1950年、メキシコ生まれの名テノール、フランシスコ・アライサの名唱集です。彼は1977年にチューリッヒの歌劇場のレギュラーメンバーを皮切りに、1988年にはウィーン国立歌劇場の「宮廷歌手」になり、同時に世界の歌劇場で大活躍してきました。またモーツァルトとロッシーニの名解釈者として知られ、その明るく輝かしい声は多くのファンに愛されています。 ここでは違った年代の歌唱が収められており、脂の乗り切った80年代後半の歌から、ヘビーなレパートリーとして選んだという2007年の「ワルキューレ」まで声の変遷を聴くことができます。例えば同じワーグナーでも1990年の「ローエングリン」と2007年の「ワルキューレ」での声質の違いや表現力の細やかさの違いを聞き分けるのも一興でしょう。
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未来・ニシモト=ノイベルト
J.S.バッハ&ブラームスを弾く [未来・ニシモト=ノイベルト]Piano Recital: Nishimoto-Neubert, Miku - BACH, J.S. / BRAHMS, J.
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年01月22日
NMLアルバム番号:SM195
9)
CD価格:2,224円(税込)
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シューベルト(1797-1828):
交響曲 第8番 ハ長調「ザ・グレート」 [バーゼル響/ラッセル=デイヴィス]SCHUBERT, F.: Symphony No. 9, "Great" (Basel Symphony Orchestra, D.R. Davies)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2014年01月22日
NMLアルバム番号:SOB03
6)
CD価格:1,710円(税込)
現在、最も先鋭的な表現を持つ指揮者デニス・ラッセル・デイヴィス。彼は2009年以来バーゼル交響楽団の首席指揮者として、このオーケストラの更なる発展に寄与しています。今盤はシューベルト(1797-1828)の「ザ・グレート」で、この悠然たる作品をねっとりと歌い上げます。全曲は1時間超え。最近ではジョナサン・ノットもゆっくりとしたテンポ設定で演奏していましたが、こちらに匹敵する濃厚な演奏と言えるでしょうか。もちろん一瞬たりとも音楽は弛緩することなく、常に緊張感を孕んだ見事な造形美が光ります。
収録作曲家:
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マクティー(1953-):
交響曲 第1番 - 管弦楽のためのバレエ
アインシュタインの夢/ダブル・プレイ [デトロイト響/スラットキン]MCTEE, C.: Symphony No. 1 / Circuits / Einstein's Dream / Double Play (Detroit Symphony, Slatkin)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2013年12月25日
NMLアルバム番号:8.559765
2)
CD価格:1,600円(税込)
現代アメリカの多様多彩な風景、これを極限まで感じさせる音楽がここにあります。作曲家のマクティー(1953-)は6歳からピアノを始めましたが、彼女の師は「即興性」をとりわけ重視したため、彼女はクラシックだけでなくジャズのインプロヴィゼーション、電子音楽などにも興味を持ち、これらが作品に強い影響を与えているのは間違いありません。また彼女は3年間ポーランドの大家ペンデレツキに師事、この経験もとても大きなものであったと言えるのではないでしょうか。 このアルバムに収録された作品もどれもが個性的で、意欲的なものばかりです。冒頭の「回路」をまず聴いてみてください。忙しなく規則的に動き回る音、溢れるエネルギー、そしてそれを縫って聞こえてくるシンコペーションのリズム。これらの刺激的なリズムの応酬はまさに現代人が求めているものに他なりません。思わせぶりなタイトルと持つ「交響曲第1番」でもリズムは炸裂します。古いものを新しいものが交錯する「アインシュタインの夢」、不可思議な色彩を持つ「ダブル・プレイ」、機能的な美がここにあります。
収録作曲家:
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リスト(1811-1886):
オペラからの編曲集 [トロヴァート]LISZT, F.: Piano Music (All'Opera: Paraphrases and Transcriptions) (Trovato)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2013年12月25日
NMLアルバム番号:CDS7682
10)
CD価格:1,710円(税込)
2013年はヴェルディとワーグナーの生誕200年の記念の年で、これを記念するアルバムも数多く発売されましたが、これらと共に忘れてはならないのが、この2人の作品を「ピアノで演奏するために編曲した」リスト(1811-1866)の存在でしょう。ワーグナーやヴェルディがせっせとオペラを作曲し、上演しても、これらを観る(聴く)ためにはどうしても劇場に足を運ぶ必要があった当時、リストを始めとした数多くの作曲家が試みた「大規模な作品をピアノで演奏するための編曲」の需要が高かったことは間違いありません。 リストの凄いところは、オリジナルの雰囲気をそのまま丁寧にピアノに写すだけではなく(トランスクリプション)、更に発展させたもの(パラフレーズ)を確立させたことにあるのかもしれません。もちろんピアニストに要求するテクニックは想像を絶するものではありますが、トロヴァートのような優れたピアニストの手にかかると、まるで魔法のように絶大なる効果を発揮するのです。
収録作曲家:
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コルンゴルト(1897-1957):
弦楽のための六重奏曲 Op.10
2台のヴァイオリンとチェロ、左手のピアノのための組曲 Op.23 [アロン四重奏団]KORNGOLD, E.W.: String Sextet, Op. 10 / Suite, Op. 23 (Aron Quartet)
■室内楽
発売日:2013年12月18日
NMLアルバム番号:777600-2
4)
CD価格:1,824円(税込)
このアルバムに収録されたコルンゴルト(1897-1957)の作品は、どれも室内楽のジャンルに属する曲ですが、まるでオーケストラで奏でられているかのように色彩に富み、光に溢れたものであり、とりわけ「弦楽のための六重奏曲」での表現と濃厚な響きの美しさは例えようもありません。 まず、1916年に作曲された弦楽六重奏曲の完成度の高さに驚いてしまいます。19歳の時の作品ですが、彼はすでに天才としての名声を確立しており、その名前はヨーロッパ中に轟いていたのでした。「組曲」は1930年の作品で、あの戦争で右手を失ったピアニスト、パウル・ヴィトゲンシュタインのために書かれたものです。重苦しい「前奏曲とフーガ」で始まり、優雅さの中に不安げな表情が見え隠れする切ない「ワルツ」と続き、グロテスクと題された激しい曲、そして美しい「リート」が置かれ、最後は快活なロンドで締めくくられます。まだ彼が“幸せだった時期”の作品です。
収録作曲家:
-
カゼッラ(1883-1947)&トゥルキ(1916-2010):
弦楽四重奏曲集 [ヴェネツィア弦楽四重奏団]CASELLA, A.: Concerto, Op. 40 / 5 Pieces, Op. 34/ TURCHI, G.: Concerto breve (Quartetto d'Archi di Venezia)
■室内楽
発売日:2013年12月18日
NMLアルバム番号:8.573019
3)
CD価格:1,600円(税込)
20世紀のイタリアにおいて、「弦楽四重奏曲」というものを復興させるのは並大抵のことではなかったようです。何しろ当時の聴衆たちはひたすら歌劇に夢中であり、器楽作品…交響曲のような大掛かりな作品ですら…ほとんどの人は見向きもしなかったのですから。そのため、当時この国を旅行した音楽家や雑誌執筆者は「イタリアでは『ヨーロッパ的な音楽』を鑑賞することができない」と嘆き、とりわけその分野での最高峰とも言える弦楽四重奏は存在すらも許されないかのような状況だったのです。 そんな中でミラノとフィレンツェに「四重奏協会」が設立され、ヴェルディが会長になるべくオファーを受けたのですが、残念ながら彼は断ってしまいます。しかしカゼッラを始めとした器楽復興運動を擁護する人たちの手によって、少しずつ素晴らしい作品が生まれ、いつしか他の国に負けない作品が書かれるようになったのでした。
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ボブ・チルコットのクリスマス・キャロル集 - 真冬のバラ [コモーショ/M. ベリー]
CHILCOTT, B.: Carols (The Rose in the Middle of Winter) (Commotio, M. Berry)
■声楽曲 ■宗教曲
発売日:2013年12月18日
NMLアルバム番号:8.573159
5)
CD価格:1,600円(税込)
ケンブッリッジ・キングスカレッジ合唱団に少年合唱団として3年、また大学生や研究者として5年、計8年間参加していたというチルコット(1955-)。その中でも印象的でエイサイティングな経験はクリスマス・イブに「キャロル」を歌うことだったそうです。もちろん伝統的な曲も歌うのですが、しばしば「新しい」キャロルを歌うことは、クリスマスに宗教的な意味を求める聴衆や、時には歌手たちの間で論争を巻き起こし、その是非が問われたと言います。 そんなチルコット。このアルバムに収録された作品ももちろん「挑戦的」であり、革新的な表情を持つものばかりです。しかし、その根源にはクリスマスという厳粛な日を祝す心が宿っており、どれもが静かな美しさに満たされています。長き月日を経て磨き抜かれた「クリスマス・キャロル」に新しい輝きを加える1枚です。
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藤田真央
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第6番
ラフマニノフ:楽興の時 作品16
三善 晃:ピアノ・ソナタ [藤田真央]BEETHOVEN, L. van: Piano Sonata No. 6 / RACHMANINOV, S.: Moments Musicaux / MIYOSHI, Akira: Piano Sonata (Mao Fujita)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2013年12月05日
NMLアルバム番号:NYCC-10001
3)
CD価格:2,750円(税込)
今年15歳を迎える若きピアニスト藤田真央の演奏がついにCD化された。録音は2011年(愛知県碧南市芸術文化ホール)と2013年(ベルリン・イエスキリスト教会)で、録音エンジニアは共にエバーハルト・ヒンツが担当。2009年の第19回日本音楽コンクール全国大会グランプリ受賞を皮切りに、「世界クラシック2010」シニアの部第1位、2010年第64回全日本学生音楽コンクール小学校の部東京大会第1位、全国大会第1位、などを独占した。 以降、現田茂夫指揮・神奈川フィルハーモニー管弦楽団、飯盛範親指揮・東京交響楽団、大友直人指揮・東京交響楽団などと共演、2012年8月には第13回エトリンゲン国際コンクール入賞を果たし(ドイツ)、2013年8月、ウィーンで開催された第5回ロザリオ・マルチアーノ国際ピアノコンクールで栄えある第1位、併せてワーグナー・ヴェルディ賞を受賞した。このCDは、古典派から近代ロシア音楽、さらには邦人作品まで、藤田真央の多彩なアプローチが聴ける鮮烈なデビュー・アルバムである。
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ジョン・ケージ(1912-1992):
2台のキーボードのための作品集 第1集 [ペストヴァ/マイヤー]CAGE, J.: Works for 2 Keyboards, Vol. 1 (Pestova, Meyer)
■器楽曲(ピアノ) ■現代音楽
発売日:2013年11月20日
NMLアルバム番号:8.559726
2)
CD価格:1,600円(税込)
クラシックのみならず、全てのジャンルに渡って幅広いファンを持つジョン・ケージ(1912-1992)。彼は最初シェーンベルクに学び、電気楽器の可能性やノイズを研究しながら、リズム重視の作品を書いていましたが、1940年にプリペアド・ピアノ(グランドピアノの弦に異物をはさみ、音色を変化させる)を考案したことを皮切りに、様々な音響を求め生涯探究に没頭していきます。このアルバムでは、プリペイド・ピアノの音楽と、トイピアノの音楽を収録。熱狂的なリズムの応酬とエキゾチックな音色、そして郷愁や不可思議な響きが入り混じったトイピアノの音色を楽しむことができます。またトラック8は偶然性に拠った音楽であり、どんな音が出てくるかはその時次第となります。
収録作曲家:
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ローレム(1923-):
ピアノ・アルバム 第1集
6人の友人たち [C. エンガー]ROREM, N.: Piano Album I / 6 Friends (C. Enger)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2013年11月20日
NMLアルバム番号:8.559761
2)
CD-R価格:1,600円(税込)
アメリカの最も重要な作曲家ネッド・ローレム(1923-)の興味深いピアノ作品集です。ピアノ・アルバムと題されたこの曲集には、ほとんどが2分足らずの小品が27曲並ぶ万華鏡のような作品で、各々の曲には意味深なタイトルが付されています。これらは極めて個人的なもので、ここに登場するのは主に彼の友人や同僚たち。ここれらは登場人物への贈り物であり、その意味を完全に把握するのは不可能なことなのです。「6人の友人たち」も同じ趣旨であり、どの作品も前衛的な音楽ではなく、常に静けさを湛えながら「完全なる小さな世界」を構築しています。サティやペルト、オッテなどの音楽が好きな人にオススメしたいアルバムです。
収録作曲家:
-
フィルセル(1964-)&ブリッグス(1962-):
合唱作品集 [ヴァザーリ・シンガーズ/バックハウス]FILSELL, J. / BRIGGS, D.: Choral Music (Vasari Singers, Backhouse)
■合唱曲
発売日:2013年11月20日
NMLアルバム番号:8.573111
4)
CD価格:1,600円(税込)
現代最高のイギリスの2人のオルガニスト&作曲家、フィルセルとブリッグス。ヴァザーリ・シンガーズの指揮者であるバックハウスは彼らに「新しい作品」を書いてもらうように依頼し、出来上がったのが、ここで聴ける素晴らしい合唱曲の中に含まれています。ヴァザーリとフィルセルとの共同制作は過去にもあったのですが、ブリッグスとは初めて。バックハウスは「これが初めての共同作業であり、これが最後にならないように祈ってます」と語るほどに感動的な作品ができあがりました。 程よく現代的な味付けが施されたフィルセルの作品のほとんどは、ロンドンのいくつかの教会のために書かれたものでありこれらの「祈りの音楽」は敬虔な面持ちですが、「エピタフ」などは自由で才気煥発な曲となっています。ブリッグスの作品のうち、2011年に書かれた「サン・シュルピスのミサ曲」は壮麗なオルガンの音色が印象的な25分ほどの曲。親しみやすい敬虔さを持った作品です。
-
シャイデマン(1595-1663):
オルガン作品集 第7集 [ブラウン]SCHEIDEMANN, H.: Organ Works, Vol. 7 (Brown)
■器楽曲(オルガン)
発売日:2013年11月20日
NMLアルバム番号:8.573119
5)
CD価格:1,600円(税込)
シャイデマン(1595頃-1663)のオルガン作品集第7集です。北ドイツのオルガン音楽の発展に寄与し、多くの後継者を生み出した偉大な作曲家であり、また長らくハンブルクの聖カタリーナ教会のオルガニストを務めたことで知られています。ここのオルガンは北ドイツでも最も美しい楽器の一つで、1630年にオルガン作者ゴットフリート・フリッチェの手によって拡張され、56のストップと4段の鍵盤を持つ大規模な楽器となり、それに伴い、シャイデマンも楽器の特性を探究すべく、より精緻で規模の大きな作品を書くようになるのです。彼の現存する作品のほとんどはルター派の典礼のために特別に書かれたもので、聖歌隊がいない場合は、モテットの部分も奏することになりますが、彼はそれらを洗練された書法で作曲し、置き換えることに成功したのでした。
収録作曲家:
-
ショスタコーヴィチ(1906-1975):
交響曲 第4番 ハ短調 Op.43 [ロイヤル・リパプール・フィル/ペトレンコ]SHOSTAKOVICH, D.: Symphonies, Vol.9 - Symphony No. 4 (Royal Liverpool Philharmonic, Petrenko)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2013年11月20日
NMLアルバム番号:8.573188
3)
CD価格:1,600円(税込)
30歳目前のショスタコーヴィチ(1906-1975)が、その才能を結集して作り上げたこの第4番の交響曲。彼にしては珍しく構想から完成に至るまで8か月を要し、漸く初演が決まり最終リハーサルにこぎつけるも、様々な理由(マクベス夫人と「明るい小川」がプラウダで批判されたことが最大の理由と言われる)で初演を撤回。その後は1961年までお蔵入りになってしまったという問題作です。本人は失敗作と評していましたが、晩年になってそれを覆すような発言もあり、実際のところは、ショスタコーヴィチのお気に入りであったことは確かでしょう。 全曲は3楽章で構成されていますが、第1楽章だけで27分を超え、微かにカッコウの鳴き声らしきものが聞こえてきたりと、明らかにマーラーやブルックナーの影響もみられます。壮大で厳格なスケルツォ、様々なメロディのコラージュが現れる終楽章、と聴きどころ満載ですが、細部に捉われてしまうとこの作品の全容を知ることは不可能です。最近ますます注目されているペトレンコによる「全ての批判をはね返す」かのような強靭な演奏です。
収録作曲家:
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シュニトケ(1934-1998):
合唱のための協奏曲
3つの聖なる歌
ペルト(1935-):
勝利の後 [バイエルン放送合唱団/ペーター・ダイクストラ指揮]SCHNITTKE, A.: Choir Concerto / 3 Sacred Hymns / Voices of Nature / PÄRT, A.: Dopo la vittoria (Bavarian Radio Chorus, Dijkstra)
■合唱曲
発売日:2013年11月20日
NMLアルバム番号:900505
3)
CD価格:2,085円(税込)
現在、世界最高の合唱指揮者であるダイクストラによるシュニトケとペルトの合唱作品集です。シュニトケの代表的な合唱作品と言える「合唱のための協奏曲」は、中世アルメニアの詩人グレゴリー・ナカレツィ(951-1003)のテキストを用いた作品。劇的な楽章と静謐な楽章が対照的であり、全てはロシア正教の影響を感じさせる無伴奏合唱で歌われます。「3つの聖なる歌」も同じグレゴリーの詩を用いたもので指揮者のヴァレリー・ポリャンスキーに依頼され書かれたものです。 第1曲の思いのほか美しいメロディに内在する不安な響きがシュニトケらしさを演出しています。小カンタータ「勝利の後」は、普段静謐な曲を書くペルトにしては珍しく、明るく力強い作品で、合唱好きの人にはたまらないレパートリーとなっています。バイエルン放送合唱団は、重厚な響きの中に透明感を感じさせるバランスの良い演奏により、極上の響きを生み出しています。
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シェーンベルク(1874-1951):
浄められた夜(弦楽六重奏版)他 [フレッド・シェリー弦楽四重奏団&六重奏団]SCHOENBERG, A.: String Quartet No. 1 / Verklarte Nacht (Fred Sherry String Quartet and Sextet) (Schoenberg, Vol. 13)
■室内楽
発売日:2013年10月23日
NMLアルバム番号:8.557534
3)
CD価格:1,600円(税込)
かろうじて調性を保っている初期の一連のシェーンベルク(1874-1951)の作品…それは恐らく1905年あたりまで…の中でも、最も人気が高い「浄められた夜」。現在では20世紀に改訂された弦楽合奏版や、他の人の編曲によるピアノ三重奏版が知られていますが、やはりこの曲の繊細な味わいを楽しみたいのなら、1899年に書かれたこの弦楽六重奏版が一番ふさわしいのではないでしょうか? 月の光の下を寄り添って歩く訳ありの二人、彼らの葛藤と贖罪を描く美しく妖艶な音楽は、当時としては斬新でしたが、今の時代にはまさに後期ロマン派を代表する作品として一際光を放っています。1904年の弦楽四重奏曲第1番もまだ調性感のある作品です。かたや実験的な要素のある「カノン」は短いながらも興味深い小品です。フレッド・シェリー弦楽アンサンブルの、要所要所にポルタメントを多用したロマンティックな演奏が曲の美しさを強調しています。
収録作曲家:
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コリリアーノ(1938-):
奇術師
ヴォカリーズ [グレニー/プリットマン/オールバニ響/ミラー]CORIGLIANO, J.: Conjurer / Vocalise (Glennie, Plitmann, Albany Symphony, Miller)
■現代音楽
発売日:2013年10月23日
NMLアルバム番号:8.559757
8)
CD価格:1,600円(税込)
グラミー賞を始めとした数々の賞を総なめにしている、現代アメリカ最高の作曲家コリリアーノ(1938-)。彼は過去40年間に3つの交響曲と100以上の室内楽曲、8つの協奏曲を含む数多くの作品を発表しています。しかしコリリアーノが最初に「パーカッションのための協奏曲」の作曲依頼を受けた時は恐怖すら感じたとのことで、なぜならパーカッションのほとんどはヴァイオリンやトランペットのように音を持続することがなく、またピッチを持っていないからだったそうです。 しかしそれを完璧に克服した作曲家は、様々な工夫を凝らし見事な作品を書き上げました。3つの異なる素材をイメージした曲を、魅惑的なカデンツァで繋いだ音楽は「奇術師」のタイトルにふさわしい幻惑的な作品です。「ヴォカリーズ」はニューヨーク・フィルの当時の音楽監督であったクルト・マズアからの委嘱作で「ミレニアムにふさわしい作品を」という要望に応え、彼は電子楽器の多彩な音響を用いた音楽を書いたのでした。声とオーケストラ、そしてエレクトロニクス音楽の融合は、確かに新しい時代を彷彿させるものです。
収録作曲家:
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エネスコ(1881-1955):
ヴァイオリンとピアノのための作品全集 第1集 [シュトラウス/ポレターエフ]ENESCU, G.: Violin and Piano Works (Complete), Vol. 1 (A. Strauss, Poletaev)
■器楽曲(ヴァイオリン) ■器楽曲(ピアノ)
発売日:2013年09月25日
NMLアルバム番号:8.572691
2)
CD価格:1,600円(税込)
20世紀ルーマニアにおける最も優れた音楽家の一人、ジョルジュ・エネスク(1881-1955 エネスコ)。存命中の彼は最高のヴァイオリニストであり、ブラームス作品の素晴らしい解釈者としても知られていました。作品番号付きの作品はあまり数が多くないのですが、ブカレストのエネスク博物館には未完成の原稿などの膨大な資料があり、少しずつその全貌が解明されようとしています。このシリーズは、エネスクの本領とも言えるヴァイオリンとピアノのための作品全集であり、情熱的でパワフルな第2番のヴァイオリン・ソナタは彼の「作曲家としての評価」を高めた記念碑的な作品でもあります。 1楽章のみが残存する「ソナタイ短調」は民族音楽風のメロディと、不規則に移り変わる楽想が魅力的な作品です。初期の作品「協奏的即興曲」はフランス風な優雅さを持っています。ヴァイオリン・ソナタ第3番は「ルーマニア民謡の特徴による」の副題を持つ大作で、急進的な作風と強烈なリズムと特殊奏法を多用した印象的な音楽です。演奏も困難で、彼の弟子であったメニューインもこの曲の難しさについて述べています。この曲の中にはあらゆるものが内包されていると言っても過言ではありません。
収録作曲家:
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パレストリーナ(1525-1594):
ソロモンの雅歌 [ミュンヘン・パレストリーナ合唱団/V. シューベルト]PALESTRINA, G.P. da: Cantica Salomonis (Canticum Canticorum) (Palestrina Ensemble Munich, V. Schubert)
■声楽曲 ■合唱曲
発売日:2013年09月25日
NMLアルバム番号:8.573096-97
8)
2CD価格:2,475円(税込)
ルネサンス期における最大の教会音楽作曲家パレストリーナが手掛けた作品の中で、異色の輝きを放つのがこの「ソロモンの雅歌」です。これは彼のモテット(ミサ曲以外の多声宗教曲)集の第4巻にあたり、パトロン教皇グレゴリウス13世に捧げられた作品ですが、ここで選ばれたテキストは、ヘブライ=旧約聖書の中でも一風変わったもので、歌のタイトルを見てもわかるとおり「恋愛と男女の性愛」を賛美したものなのです。神に仕える者たちとこれらの艶めかしい詩は、相容れぬもののようでもありますが、様々な経緯と論争を経て…いわば後付けの理由?…恋愛も性愛も、全て「キリストと教会との関係」とみなすことで、ようやく正典に収められたというものです。なので表向きは宗教曲ですが、中身は艶めかしい恋の歌でもあります。 この演奏は、それぞれのモテットにふさわしいプレインチャント(単声の聖歌)を選び出し各曲の前に添えることで「恋愛の歌」を「洗練された喜びと祈りの音楽」へと昇華させています(プレインチャントのタイトルは日本語表記を省略)。
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プティジラール(1950-):
バレエ音楽「星の王子さま」(2010) [ブダペスト・スタジオ合唱団/ブダプスト・ハンガリー交響楽団ソロイスツ/プティジラール]PETITGIRARD, L.: Little Prince (The) [Ballet] (Budapest Studio Choir, Honved Male Choir, Hungarian Symphony Orchestra Budapest Soloists, Petitgirard)
■バレエ・ダンス音楽
発売日:2013年09月25日
NMLアルバム番号:8.573113
10)
CD価格:1,600円(税込)
フランスの現代作曲家プティジラール(1950-)。彼は指揮者でもあり、フランス映画、テレビ番組の音楽も多数制作するという八面六臂の活躍をしている人です。彼の名前が知られるようになったのは、映画でもおなじみの「エレファント・マン」のオペラ化でしょうか。この悲しい物語に彼が付けた音楽は、ほとんど無調でしたが、その強烈な響きは一度聴いたら忘れることのない印象的なものでした。 今回は、アヴィニョンのオペラハウスによるバレエ「星の王子さま」(あのサン=テグジュペリの名作)のために書かれた音楽です。特異な編成によって紡ぎ出される音楽は、夢から現実、動と静、神秘と無垢な笑顔の3つを見事に表現しています。もちろん聴きやすい音楽ではありませんが、この不思議な雰囲気は言葉に尽くせません。
収録作曲家:
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期待の新進演奏家シリーズ
ラサール・シェルアーナ ギター・リサイタル [シェルアーナ]Guitar Recital: Cherouana, Lazhar - RAMEAU, J.-P. / REGONDI, G. / LEGNANI, L. / ASENCIO, V. / MANJON, A.J. / BOGDANOVIC, D.
■器楽曲(ギター)
発売日:2013年09月25日
NMLアルバム番号:8.573226
2)
CD価格:1,600円(税込)
2012年の第45回ミケーレ・ピッタルーガ国際ギターコンクールの優勝者ラサール・シェルアーナのNAXOSデビュー・アルバムです。彼は1988年にフランスのヴィエンヌに生まれ、6歳からギターを学び、リヨンの国立コンセルヴァトワールでペルーの名奏者ヘセス・カストロ=バルビに教えを受けます。やがてマドリット王立コンセルヴァトワールに進み、ミゲル・トラパーガに師事。最優秀の成績で卒業し、現在はザルツブルク・モーツァルテウムでマルコ・タマヨの元で学んでいます。数多くのコンクールを制覇しながら、室内楽と古楽の勉強を続けている彼の演奏は、瑞々しい音色と確かな技巧、そして溢れる歌心に満ちています。このアルバムではラモーの作品で見事な編曲の腕前も披露しています。
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モンシニ(1729-1817):
歌劇「王と農夫」 [オペラ・ラファイエット/ブラウン]MONSIGNY, P.-A.: Roi et le fermier (Le) (The King and the Farmer) [Comic Opera] (Opera Lafayette, Brown)
■オペラ
発売日:2013年09月25日
NMLアルバム番号:8.660322
2)
CD価格:1,600円(税込)
フランスの貴族の家柄に生まれたモンシニ(1729-1817)ですが、父の死後、25歳の時にパリで出会ったペルゴレージの歌劇「奥様女中」に心酔し、作曲家の道を志したことで知られています。極めて短期間のうちに作曲技法を習得し、いくつかのオペラを書きましたが、この1762年の歌劇「王と農夫」は彼の成功作であり、この作品でモンシニはフランス内外での名声を手にしたのです(この作品の7年後に書かれたのが歌劇「脱走兵」(Naxos 8.660263-64)となります)。シャーウッドの森を舞台に、シリアスさとコミカルさを併せ持ちつつ、革新的な意識改革ももたらすという、台本作家ミシェル=ジャン・スデーヌの台本と、モンシニの当時としては大胆な音楽は確かに聴衆たちの心を湧き立たせたことでしょう。 オペラ・ラファイエットは、これらの忘れられた18世紀作品の復興に尽力し、埋もれてしまった作品を拾い上げ、丹念に復元し、新しい時代の演出を施した上で21世紀の私たちの元に届けてくれています。今回は1870年に使われたセットを復元するという偉業もやり遂げています。
収録作曲家:
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レイボヴィッツ(1913-1972):
室内楽作品集
ヴァイオリン協奏曲 [スコラ・ハイデルベルク/ライチョフ/アンサンブル・アイステーシス/ヌスバウム]LEIBOWITZ, R.: Chamber Works / Violin Concerto (Schola Heidelberg, Reichow, Ensemble Aisthesis, Nussbaum)
■協奏曲 ■室内楽
発売日:2013年09月25日
NMLアルバム番号:CDX-21103-04
3)
2CD価格:2,600円(税込)
2013年に生誕100周年を迎えるポーランド出身のユダヤ系作曲家、指揮者、音楽理論家ルネ・レイボヴィッツ(1913-1972)。現在ではもっぱら指揮者としての高い能力が知られ、テンポにこだわったロイヤル・フィルとのベートーヴェンを始め、オッフェンバックのいくつかのオペレッタや、シェーンベルク、ムソルグスキー、他フランスものなどに独特の解釈を施す「孤高の指揮者」として愛されてきた人でした。そんなレイボヴィッツ自身の作品は、残念ながらそれほど知られているとは言い難く、まだまだ評価も定まってはいないようです。 DIVOXではそんなレイボヴィッツの作品をまとめて、150ページのブックレットを添付した豪華なアルバムをリリース。彼と関係の深かったバーゼルのパウル・ザッハー財団からも多くの資料が提供され、この芸術家の知られざる側面を掘り下げるのに一役買っています。興味深い作品が目白押しで、聴きどころもたっぷりです。CD2のトラック14では注目のシンガー、サロメ・カンマーがヴォーカルを担当。荒唐無稽な世界を表出しています。
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Entendre - 聞く [デュオW]
Violin and Cello Recital: duoW - KODALY, Z. / HALVORSEN, J. / LEONARD, H. / SERVAIS, A.F. / RAVEL, M. / SOUSA, J.P. (Entendre)
■器楽曲(ヴァイオリン)
発売日:2013年09月25日
NMLアルバム番号:DSL-92171
3)
CD+Blu-ray AUDIO価格:2,085円(税込)
デュオW…ヴァイオリンとチェロの組み合わせから生まれる無限の可能性。彼らの眩いばかりの技術と高い音楽性、そして思いもよらない曲の変容。聴いているだけで新鮮な驚きと、わくわくするような楽しさが溢れてくる1枚です。選ばれている曲は、一見「普通のクラシック」のようですが、どれも少々ひねった編曲が施されており、それはジャズや民族音楽のイディオムであったりと、ひと時も息つく暇なく華麗な音の世界を堪能することができるのです。 白熱のアンサンブルを繰り広げるのは、ヴァイオリニストのアリアンナ・ワルソー=ファンとチェリストのメタ・ウェイス。彼女らは共にジュリアード音楽院の卒業生で、その美しい容姿と音楽性を武器に高い評価を受けています。最高の音楽を最高の音で聴く喜びがここにあります。
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ブラームス(1833-1897):
交響曲 第4番 ホ短調 Op.98 [ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィル/スクロヴァチェフスキ]BRAHMS, J.: Symphony No. 4 (German Radio Saarbrucken-Kaiserslautern Philharmonic, Skrowaczewski)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2013年08月21日
NMLアルバム番号:OC410
2)
CD価格:1,710円(税込)
「ミスターS」スクロヴァチェフスキによるブラームス(1833-1897)交響曲ツィクルス、ここに完結。この交響曲第4番はブラームスの円熟期の作品であり、複雑な管弦楽技法が用いられている上に、終楽章はバロック時代の変奏曲形式である“シャコンヌ”が使われるなど、指揮者にとっても力の見せ所が盛りだくさんの、充実の極みと言った感のある最高作品と言っても過言ではありません。 この4番、ツィクルスの締めくくりとなりますが、実際は2011年の2月から3月にかけて全曲が一気に録音されているため、第1番から第3番と比較しても音楽の流れが滞ることは一切ありません。音色、テンポ、解釈全てにおいて理想的なブラームスです。特に終楽章は圧巻の一言です。スクロヴァチェフスキ。まだまだ進化し続けてます。
収録作曲家:
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ブラームス(1833-1897):
交響曲 第3番&第4番 [ハンブルク・フィル/ヤング]BRAHMS, J.: Symphonies Nos. 3 and 4 (Hamburg Philharmonic, Young)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2013年08月21日
NMLアルバム番号:OC677
7)
SACD-Hybrid価格:2,224円(税込)
シモーネ・ヤングのブラームス(1833-1897)交響曲全集、ここに完結です。第1番の冒頭では、思いっ切りテンポを落とし重厚に歌わせるかと思えば、第2番では朗々と明るく、まるで地中海の風を思わせるような爽やかさで迫るヤング。彼女の演奏は基本的に対位法と内声を重視するよりも、感情の起伏に沿った流動的で柔軟な音楽を追求することにあるのかもしれません。そのため、ドイツ音楽に堅固さと構造性を期待する人には「緩く」感じる場合もあるかもしれませんが、それはそれ。ブラームスに快楽を求めるのもなかなか良いものです。流麗さが際立つ第3番、過去の巨匠たちの演奏とは一線を画した感のある第4番。どちらも聴きものです。
収録作曲家:
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シューマン(1810-1856):
ばらの巡礼 Op.112
レクイエム Op.148 [ダス・ノイエ・オルケスター/シュペリング]SCHUMANN, R.: Rose Pilgerfahrt (Der) / Requiem, Op. 148 (Pritchard)
■声楽曲 ■宗教曲
発売日:2013年08月21日
NMLアルバム番号:OC871
10)
2CD価格:2,985円(税込)
シューマン(1810-1856)がその晩年になって、立て続けに作曲したオラトリオ「ばらの巡礼」とレクイエム変ニ長調の2曲を、シュペリングの慈愛溢れる演奏で。「ばらの巡礼」は、人間界に下ったばらの精の物語であり、題材は若き頃の作品である「楽園とペリ」に似ているものの、はるかに円熟した音楽に満たされています。レクイエムは彼の最後の大作であり、持てる力を全て振り絞ったかのような悲痛さと、静謐な美しさを備えています。どちらも極めて充実した作品でありながら、あまり演奏の機会に恵まれないこの2曲を、等身大の姿で再現した名演です。
収録作曲家:
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グリーディ(1886-1961):
弦楽四重奏曲 第1番&第2番 [ブレトン弦楽四重奏団]GURIDI, J.: String Quartets (Complete) (Breton String Quartet)
■室内楽
発売日:2013年07月24日
NMLアルバム番号:8.573036
5)
CD価格:1,600円(税込)
バスク地方のビトリア=ガスティスに生まれ、マドリードで学んだ後、フランスに留学。あのサティも学んだパリのスコラ・カントルムでヴァンサン・ダンディに師事し、更にベルギーのブリュッセルに留学。帰国してからはバスク地方で音楽活動を行い、オペラや管弦楽曲、そしてこの2つの弦楽四重奏曲などを作曲します。また忘れてはならないのがサルスエラ(スペインのオペラの一種)で、NAXOSにもそれはそれは楽しいサルスエラ「農場」(8.557632)の録音があり、マニアをうならせていることでも知られています。 そんなグリーディ(1886-1961)の弦楽四重奏曲は、賑々しいサルスエラとは雰囲気を異にする厳格で静かな音楽です。洗練されたメロディと哲学的とも言える深い音楽性の中に、仄かに漂うラテンの血の滾り。
収録作曲家:
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マイ・ファースト・オーケストラ・アルバム
My First Orchestra Album
■交響曲/管弦楽曲 ■キッズ
発売日:2013年07月24日
NMLアルバム番号:8.578253
6)
CD
通常価格:1,000円→ 特価!:490円(税込)異なった音色を持つたくさんの楽器たちが集まって、素晴らしい音楽を奏でるオーケストラ。ほんの小さな音から途方もなくエイキサイティングな音まで、その音色は多種多彩です。このアルバムはオーケストラの究極の名曲を16曲集め、各々の曲のイメージをつかめるようにカテゴライズしたものです。曲を聴いて何となくいろんな風景が浮かんでくれば、あなたは作曲家たちとお友だちになれること間違いありません!