2016年3月
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御喜美江
Accordion J.S.Bach
- アコーディオン・バッハ - [御喜美江]BACH, J.S.: Accordion Transcriptions (Mie Miki)
■器楽曲(アコーディオン)
発売日:2016年03月23日 NMLアルバム番号:NYCC-27301
CD価格:2,200円(税込)
●御喜美江 Accordion J.S.Bach - アコーディオン・バッハ -1997年の発売時より、演奏と録音の素晴らしさで絶大なる人気を誇ってきた御喜美江の「アコーディオン・バッハ」。楽器の限界に挑戦しながら、偉大なるバッハの世界を模索、アコーディオンの音色と表現力に細心の注意を払いつつ、生き生きとしたバッハが生み出されています。精緻な音が交錯するフランス組曲、荘厳かつ深遠なフランス風序曲、そしてバッハの作品ではないものの、当時バッハも愛奏したであろう、優しさあふれる「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」からの6曲。これらが、アコーディオンという小さな楽器から自由に飛翔していくのです。こんな名盤がずっと廃盤となっていたのはなんと残念なことでしょう。今回は、もともと優秀録音として知られていたこの音に、更に入念なリマスタリングを施し、新鮮な響きを甦らせることに成功しました。時代を超えて愛されるべき素晴らしい名盤です。 アコーディオンは風の楽器だ。自ら呼吸する蛇腹を持つ身体に密着した楽器だ。そして御喜美江さんはこの楽器を扱うことにかけては世界最高の音楽家のひとりである。そんな彼女が愛してやまないバッハを1996年に録音した名盤がついに復刻された。20年ぶりに蘇ったこの演奏を聴いて、そのみずみずしさ、優しさ、深い呼吸と歌、そして何よりも真実であることに強く心を打たれた。ピアノやチェンバロやオルガンとも違う、これは永遠に新しい、聴き継がれるべきバッハである。 〈林田直樹〉
収録作曲家:
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カステッロ:
現代的なソナタ・コンチェルターテ 第2巻から(1629) [ムジカ・フィクタ/ウィルソン]CASTELLO, D.: Sonate Concertante (Musica Ficta, R. Wilson)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:555011-2
CD価格:2,608円(税込)
バロック時代の初期にヴェネツィアで活躍した作曲家カステッロ(?-1644)。生年、没年とも不明であり、もちろん生涯の詳細も伝えられていません。1630年以降作品が発表された形跡がなく、この年に黒死病で亡くなったという説もありますが、ここら辺もわかっていません。 ただ、彼の書いた作品は当時最も先進的であり独創的なものでした。タイトルにある「現代的な」というのは厳格なポリフォニーと、劇的なレチタティーヴォが交互に現れるスタイルに基づくものであり、また伝統的なカンツォーナのテクニックも用いられているためです。この様式はアントニオ・ベルターリやヨハン・ハインリヒ・シュメルツァーに受け継がれ、更に進化していくこととなります。ムジカ・フィアタのオーソドックスな解釈で。
収録作曲家:
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ヘロルト(1550頃-1604):
マタイ受難曲(1594)
クリニオ(1548/9-1601):
ヨハネの受難より(1595) [アンサンブル・トリアゴナーレ/パウムガーテン]HEROLDT, J.: St. Matthew Passion / CLINIO, T.: Passio Domini Nostri Jesu Christi (Ensemble Triagonale, Paumgarten)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:555025-2
CD価格:2,608円(税込)
このアルバムには2つの「受難曲」が収録されています。ほぼ同じ時期(1594年から1595年)に作曲されたヘロルト(1550頃-1604)の「マタイ」とクリニオ(1548/9-1601)の「ヨハネ」で、これが世界初録音となります。 プロテスタントであったヘロルトの「マタイ」はドイツ語で書かれ、カトリックであったクリニオは「ヨハネ」をラテン語で書いています。2人はライバル同士でしたが、曲はどちらも6声のための声楽アンサンブルであり、その作風にはやはり似たものがあります。また「マタイ」はケルンテン州最古の出版された声楽作品としても貴重なものです。16世紀の終わり頃のアルペ・アドリア地方では受難節に多くのこのような受難曲が演奏されていたようです。
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作者不詳の6つの協奏曲集
ドレスデン・ザクセン州立図書館の
“第2書庫”の音楽コレクションから(Mus.2-Q21)DRESDEN TREASURES - 6 Concertos (Haugsand, Les Amis de Philippe, L. Rémy)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:777780-2
CD価格:1,824円(税込)
18世紀のドレスデンには当時最高とされていたドレスデン宮廷楽団がありました。ドレスデン・ザクセン州立図書館に保存されている膨大な資料の中には、恐らくこの楽団のために書かれたであろう1800を越える写本のスコアがありますが、ほとんどは作曲家の名前が記されておらず、現在でもわからないままです。 このアルバムに収録された6つの協奏曲も、いくつかの作品はテレマンのものだろうと推測されますが、証拠は全くありません。しかしながら、本当に良い作品であれば作曲者の名前などないのかもしれません。演奏しているのは、バロックの名手ルドガー・レミー率いるレザミ・ド・フィリッペ。知られざる作品を発見する喜びをお届けいたします。
収録作曲家:
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フックス(1847-1927):
〈交響曲集〉
交響曲 第1番・第2番 [ケルン西ドイツ放送響/シュテフェンス]FUCHS, R.: Symphonies Nos. 1 and 2 (Cologne West German Radio Symphony, Steffens)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:777830-2
CD価格:2,445円(税込)
ウィーン音楽院の楽理科教授として多くの作曲家を育てたローベルト・フックス(1847-1927)は、作曲家としては、「5つのセレナード」でよく知られていました。彼自身は先進的な音にはあまり興味がなく、その作風は常にブラームスやシューマンに倣った旋律美に溢れたもので、セレナーデだけではなく、他の作品も実に抒情的で創造力に満ちたものとなっています。 1885年に書かれた交響曲第1番、その2年後に書かれた交響曲第2番とも、当時の聴衆に絶賛されました。とりわけホルンの咆哮で始まる第2番は、荘厳であり少しブルックナー風な面持ちも感じられる素晴らしい作品です。この時代の作品を得意とするシュテフェンスの指揮で。
収録作曲家:
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ユオン(1872-1940):
〈弦楽四重奏曲集〉
弦楽四重奏曲 第1番・第2番・第3番
弦楽四重奏曲 ロ短調 [サラストロ弦楽四重奏団]JUON, P.: String Quartets (Complete) (Sarastro String Quartet)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:777883-2
CD 2枚組価格:3,648円(税込、送料無料)
スイス系ロシア人作曲家パウル・ユオン(1872-1940)は、今では「チャイコフスキーとストラヴィンスキーを繋ぐ存在」として認知されています。彼はモスクワ音楽院でアレンスキーとタネーエフに作曲を学び、その後1894年にベルリン高等音楽学校に留学、クララ・シューマンの父親違いの弟で高名な作曲家ヴォルデマール・バルギールの元で更なる研鑽を積みます。その後ロシアに戻りバクー音楽院の教授に就任、多くの音楽家を育てました。ロシアの数々の音楽理論をドイツ語に翻訳し、当時のロシアの音楽水準の高さを国際的に認識させる役割も果たしましたが、彼自身の作品はどちらかというとドイツ的であり、またブラームスの「ハンガリー舞曲集」の編曲者の一人としても知られています。ブラームスに心酔していたようですが、その作品にはあまり旋律美はなく、ひたすら形式を重んじる複雑なものとなっているところが面白く、また時々ロシア民謡調の曲想が現れるところなども、独特な世界が感じられます。
収録作曲家:
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モクラーニャッツ(1923-1984):
〈作品集〉
弦楽四重奏曲 ニ短調
ヴァイオリン・ソナタ ト短調他 [クリスティアン/シナイスキー/トーマス・クリスティアン・アンサンブル]MOKRANJAC, V.: String Quartet in D Minor / Violin Sonata in G Minor / Old Song and Dance (T. Christian, Sinayskiy, Thomas Christian Ensemble)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:777893-2
CD価格:1,824円(税込)
セルビアの民族音楽の収集と発展に努め、またセルビアの音楽家たちの演奏技術の向上に貢献したシュテファン・モクラーニャッツ(1856-1914)の係累であるヴァシリー・モクラーニャッツ(1923-1984)も、また最も重要なセルビアの作曲家の一人でした。彼の父ジョーヴァンは優れたチェリストで、ベオグラード弦楽四重奏団のメンバーであり、ヴァシリーもベオグラード音楽アカデミーで作曲を学び、1956年にはこの学校の作曲科の教授になっています。5曲の交響曲、3曲の序曲をはじめ、演奏会用の作品や、ピアノ曲、そして映画音楽、舞台音楽など様々な作品を手掛けています。 弦楽四重奏曲ニ短調は1949年に書かれ、民俗音楽の素材を用いながら、少しロマンティックな雰囲気を持っています。ヴァイオリン作品はピアノ・パートも比重が高く、お互いの楽器同士が親密な歌を歌い上げるというものです。重苦しい雰囲気が時として緩やかに溶ける様子がたまりません。
収録作曲家:
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ライネッケ(1824-1910):
音楽劇「野の白鳥」Op.164 [ラボンテ/ロンバーガー/ケルナー/シ・シュン/ブランツ/クライナート/シュヴァネン=アンサンブル/エンケ]REINECKE, C.: Wilden Schwäne (Die) (Labonte, Romberger, Köhler, Shuang Shi, R. Blanz, Kleinert, Schwanen-Ensemble, H. Enke)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:777940-2
CD価格:2,608円(税込)
現在では専ら、愛らしいフルート・ソナタ「ウンディーネ」のみで知られる作曲家カール・ライネッケ(1824-1910)。地味で保守的な作風が災いして、決定的な人気を勝ち取ることができず、何曲か手掛けたオペラもほとんど忘れられてしまった人です。cpoレーベルでは、そんなライネッケの作品をひたすらリリースし、その魅力を伝えることに力を注いでいます。 この音楽劇「野の白鳥」はアンデルセンの同名の童話を元にした作品で、継母に苛められる王女エリサとその11人の兄弟の物語です。魔法で白鳥に変えられてしまった兄弟を救うために、トゲだらけのイラクサでチョッキを編むエリサ。呪いと魔法、そして真の愛を描いたこのお話にライネッケは見事な音楽をつけました。オーケストラを用いることなく、ピアノと独唱、女声合唱、ハープ、2台のホルン、チェロという組み合わせで精緻な響きを紡ぎだしています。各々の奏者が醸しだす豊かな世界をご堪能ください。
収録作曲家:
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ケージ(1912-1992):
フルート作品全集 第2集 [ツェンツ]CAGE, J.: Flute Works (Complete), Vol. 2 (Zenz)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:8.559774
CD価格:1,600円(税込)
大好評を博した第1集に続く、ジョン・ケージ(1912-1992)のフルート作品集の第2集です。ここに収録された作品でも、やはり西洋音楽の伝統とは一線を画した“独創的なアイデア”が至るところに散らばっています。第1曲目の「ソロ」はもともと「ピアノとオーケストラのためのコンサート」の一部分ですが(133-144ページ)、極めて自由度が高く、84タイプの演奏が可能であり、ここにはスコアは存在しません。デュエットでもトリオでも演奏可能であり、かかる時間も演奏中に奏者によって決定されるというものです。ここでは指定された3つの楽器と多数のパーカッションの響きが融合し、沈黙を重視した表現力豊かなフレーズが展開されていくという展開になっています。 ケージの初期の作品である「小インヴェンション」はもう少し旋律的ですが、ここでも緻密に計算された音楽を聴くことができます。6つの部分にわかれ、それぞれ切れ切れのモティーフが一定の距離を保ちながら繰り返されていくという面白い作品です。「3声のためのコンポジション」は更に初期の作品で、半音階的なフレーズが絶妙な対位法によって展開されていきます。「2声のためのソナタ」も同傾向の作品です。 最後に置かれた「ヒムンクスHymnkus」は彼が好んだ2つの言葉をつなげた造語のタイトルで、賛美歌(Hymn)と俳句(Haikus)がモティーフとなっています。俳句にちなんで17という数字と、完全5度で表される賛美歌(と言ってもかなり抽象的)を、一定の間隔で繰り返し、不思議な響きが生まれるという作品です。理解するより聴いたほうが早いような気がします。
収録作曲家:
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フェイルーズ(1985-):
歌曲集「ノー・オルフェウス」 [リンゼイ/ダフィ/バーケット]FAIROUZ, M.: Songs (No Orpheus) (Lindsey, Duffy, Burchett)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:8.559783
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)最近、世界中で高い評価を受けているアラブ系アメリカ人作曲家フェイルーズ(1985-)。このアルバムには彼のこれまでの10年間に書かれた声楽のうちのいくつかが収録されています。もっとも古い作品は2005年の「さらわれた子供」で、最も最近の作品は2014年の「アナベル・リー」となります。使われた詩の中で最も古いものはイブン・ハファージャのアラビア語の「同性愛」について書かれたもの、そして最新の詩は2006年の「ドイツのロマンティックな歌」となります。 「全ての人間」はあのアルマ・マーラーの日記から取られた言葉が歌われているという興味深い曲集、ここで表現力豊かな歌唱を聞かせるケイト・リンゼイとフェイルーズとの2番目の共同作業となったものです(最初の仕事はオーデンの詩を用いた「亡命者のブルース」です)。 「ノー・オルフェウス」はフェイルーズの祖母の思い出として。このように様々なテキストを用いて書かれたこれらの歌は、ほんの少しの親しみやすさと深い感情を伴い、聴き手の心に直接訴えかけてくるのです。堅苦しい現代音楽ではなく、もっと柔らかい肌触りのする音楽といえるでしょう。
収録作曲家:
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モラヴェック(1957-):
ヴァイオリン協奏曲
尺八五重奏曲他 [バックマン/シュレファー/ゴスリング/ヴォザール弦楽四重奏団/シンフォニー・イン・C/ミラノフ]MORAVEC, P.: Violin Concerto / Shakuhachi Quintet / Equilibrium (M. Bachmann, Schlefer, Gosling, Voxare String Quartet, Symphony in C, Milanov)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:8.559797
CD価格:1,600円(税込)
1957年、ニューヨークに生まれた作曲家モラヴェック(1957-)は、幼い頃に少年合唱団に所属し、バッハ作品の素晴らしさに目覚めたといいます。ハーバード大学を経て、コロンビア大学で大学院の研究に携わり、その後ダートマス大学、ハンター大学を経て1987年に博士号を取得しています。彼はとても多作であり、最近はオペラも手掛けるなど多方面にわたって活躍しています。 このアルバムには、彼の最も優れた作品の一つである「ヴァイオリン協奏曲」と、一風変わった「尺八協奏曲」、そして2つの小品が収録されています。ヴァイオリン協奏曲を演奏しているバックマンはこの曲の初演者であり、困難な技巧を伴うパッセージをいとも易々と弾きこなしています。 また日本の伝統音楽に興味を抱いているモラヴェックは和楽器と西洋音楽の融合を目指し、「Kyo-Shin-An Arts」のために「尺八五重奏曲」を書きました。最初は弦のみのロマンティックな音楽ですが、そこに尺八の音色が加わると不思議な風景が目の前に広がります。 「エクリブリウム」はこのアルバムのために書かれた作品で、彼が尊敬するバッハのシャコンヌを思わせる部分もあります。最後の曲は、マリア・バックマンが2004年に結婚した際のお祝いとして書かれたもので、まるでクライスラーの作品のような親密で優しい音楽です。これは彼の中でも特別な作品なので、普段の作風とは全く違うものであることをご承知置きくださいね。
収録作曲家:
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イディル・ビレット〈ソロ・エディション 第9集〉
J.S.バッハ(1685-1750):
半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV 903
パルティータ 第1番 変ロ長調 BWV 825
フランス組曲 第5番 ト長調 BWV 816
イギリス組曲 第3番 ト短調 BWV 808BACH, J.S.: Chromatic Fantasia and Fugue / Partita No. 1 / French Suite No. 5 / English Suite No. 3 (Biret Solo Edition, Vol. 9)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:8.571310
CD価格:1,600円(税込)
トルコのアンカラで生まれ、3歳からピアノを学び始めたイディル・ビレット(マルタ・アルゲリッチと同じ年!)。数々の偉業を成し遂げ、世界的な名声を獲得しています。このアルバムは、4歳の彼女にバッハの音楽を教えてくれたというミタット・フェンメンの思い出に捧げられています。優れた教師であったフェンメンは彼女にエドウィン・フィッシャーが弾く平均律クラヴィーア曲集第2巻の「前奏曲とフーガへ短調」の78回転レコードを聞かせたのだそうで、それ以来バッハの音楽は彼女の人生の一部になっているのだそうです。 そんな彼女によるこのバッハは、ペダルをほとんど使用せず、明快で強靭なタッチが特徴的。時折浮かび上がる旋律線が妙に残像として焼きつくような面白いものです。グールドは「フィッシャーのようには弾きたくない」と言っていたそうですが、フィッシャーを聴いてバッハに目覚めたビレットが、ある意味グールドのような自由な演奏をしているのも面白いところではないでしょうか。
収録作曲家:
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イディル・ビレット〈室内楽エディション 第2集〉
ブラームス(1833-1897):
チェロ・ソナタ 第1番&第2番BRAHMS, J.: Cello Sonatas Nos. 1 and 2 (Biret Chamber Music Edition, Vol. 2)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:8.571319
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)トルコの名ピアニスト、イディル・ビレットの室内楽エディション第2集はブラームス(1833-1897)の2曲のチェロ・ソナタです。ここでチェロを演奏しているのはヨーロッパの名だたる芸術家の家系に生まれたロデリック・フォン・ベニクセンです。彼は12歳でオーケストラと共演し、学生時代にパブロ・カザルスのマスタークラスを受講し、フルニエ、ナヴァラらからも指導を受けています。ビレットとベニクセンはお互いがブーランジェの学生であったパリで出会い、友人となり、何度も共演を重ねています。 このブラームスも2人が得意としていた曲であり、1970年11月のコンサートのプログラムでも第1番を演奏したという記録が残っています。それから40年以上の年月を経た二人の奏でる音楽をどうぞお聴きください。
収録作曲家:
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イディル・ビレット
〈アーカイヴ・エディション 第18集〉
ブラームス(1833-1897):
ピアノ五重奏曲 ヘ短調 Op.34BRAHMS, J.: Piano Quintet in F Minor (Idil Biret Archive Edition, Vol. 18)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:8.571320
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)若干古めかしい音の中から、確かな存在感を持って浮かび上がるビレットのピアノの音色は、ブラームス(1833-1897)のこの作品に極めて独特なスパイスを振りかけているようです。この夜の演奏は、シューマンの五重奏曲とこのブラームスでしたが、当時のイギリスの新聞紙上でも絶賛されました。やはりここでもロンドン弦楽四重奏団の豊かな響きと、ビレットの主張の強いピアノについて触れられていて、若い頃から彼女の演奏には一本の筋が通っていたのだということを再認識できるのではないでしょうか。 彼女とロンドン弦楽四重奏団の演奏は他にもマーラーとフランク(8.571278)があり、こちらも息詰まるような白熱した音楽を聴くことができます。
収録作曲家:
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シャグラン(1905-1972):
交響曲 第1番&第2番 [BBC響/ブラビンズ]CHAGRIN, F.: Symphonies Nos. 1 and 2 (BBC Symphony, Brabbins)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:8.571371
CD価格:1,600円(税込)
ルーマニア出身、イギリスの作曲家、フランシス・シャグラン(1905-1972)。一時期はフランスのエコールノルマル音楽院でポール・デュカスとナディア・ブーランジェに師事、その時にアレクサンドル・パウッケルという本名を、深い悲しみ、悔しさなどの意味を持つ「chagrin」に改めたと言います。 そんなシャグランの2曲の交響曲は、彼が手掛けていた映画音楽にも似た重厚で骨太な音楽です。第1番は長い推敲を経て(その間病気にも苦しめられた)書き上げられた作品で、シャグランの強い内なる叫びが表現されています。第1楽章も第2楽章もゆったりとしたテンポが取られ、聞き手も音の波の中で懊悩するほかありません。激しい第3楽章ではまさに苦悩にもまれるが如く、厳しい音楽が続きます。終楽章は少し軽快になりますが、やはり最後まで気を抜けません。 交響曲第2番はもう少し色彩的で、打楽器や金管が激しく応酬しあう興味深いものです。こちらの方が第1番よりも(若干)聴きやすいかもしれません。音楽がいつも聴き手の心を癒すとは限らないということを実感させてくれる1枚です。
収録作曲家:
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ルーセル(1869-1937):
〈ピアノ作品集 第2集〉
交響的前奏曲「復活・時は過ぎてゆく」
野趣/組曲 嬰へ短調 Op.14他 [アルマンゴー]ROUSSEL, A.: Piano Works, Vol. 2 (Armengaud)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:8.573171
CD価格:1,600円(税込)
印象主義を経て新古典主義へと進んだフランスの重要な作曲家ルーセル(1869-1937)。もっぱら重厚な管弦楽作品集で知られていますが、彼のピアノ曲は独特な雰囲気と形容しがたい魅力に満ちたものなのです。 この第2集に収録されている作品もなかなか面白いものばかり。トルストイの同名の作品から着想を得た前奏曲「復活」は、まるで主人公の心の中の苦しみをそのまま描写したかのような深い音楽で、曲の最後になってようやく少しだけ光が差すような希望を見出すことができるというものです。 「野趣」はルーセルの自然への愛が反映された曲。きまぐれでしなやかな表情を持っています。「組曲」はバロック風な構成を持っていますが、こちらもやはり曲自体は晦渋。嵐で命を落とした船員の死を悼んで書かれた「前奏曲」の暗さ、もやもやした「シシリエンヌ」、少しだけ軽快な「ブーレ」と「ロンド」と、なかなか食えない作品です。学生時代の未発表作品「フーガ」と同じく若い頃の作品「時は過ぎてゆく」は幾分洗練された作品といえそうです。
収録作曲家:
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グラツィアーニ(1604/5-1664):
カンタータ集 宗教的な音楽と道徳的な音楽 Op.25 [コンソルティウム・カリッシミ/コモー]GRATIANI, B.: Cantatas (Consortium Carissimi, Comeaux)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:8.573257
CD価格:1,500円(税込)
同じくグラツィアーニのオラトリオ「アダエ」(8.573256)で見事な演奏を聞かせたコンソルティウム・カリッシミ。今回もグラツィアーニのカンタータ集をお届けいたします。ミラノ生まれのグラツィアーニは1646年にイエズス会の母体ジェス教会の関連教会セミナリオ・ロマーノの楽長に就任し、多くの作品を残しました。 彼は数多くのカンタータを書いていますが、まだまだその生涯や作品の研究は成し遂げられてはいません。この曲集は彼の死後、兄弟によって1678年に出版され、ローマの図書館に保存されていたものです。クリスマスのための音楽から哲学的な言葉まで、様々なテキストが含まれていて、当時のローマで好まれていた音楽を伺い知ることができる貴重なものです。生き生きとした歌からは、当時の人々の宗教心や生活をうかがい知ることができそうです。
収録作曲家:
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ポンセ(1882-1948):
ギター作品集 第4集 [ペロワ]PONCE, M.M.: Guitar Music, Vol. 4 - Sonatina Meridional / Thème varié et Finale (Perroy)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:8.573285
CD価格:1,600円(税込)
20世紀前半のメキシコ音楽の立役者、マヌエル・ポンセ(1882-1948)。もともとピアニストであった彼にギターの魅力を伝えたのは名手アンドレス・セゴビアでした。そしてポンセはセゴビアの要求に応えるために次々とギター曲を書いたのです。 このアルバムは彼のギター作品集第4集となりますが、ここにはよく知られる、イベリアの抒情的な暖かさを連想させる「南のソナチネ」の他、いくつかの珍しい作品も含まれています。「主題、変奏と終曲」には2つの稿(もしくは「楽譜」)が存在しますが、ここでは第1稿の他、セゴビアが編集した第2稿も聞くことができます。 「カベソンの主題による変奏曲」はポンセの最後の作品。彼の死の2ヶ月前に書かれたものです。大作「フォリアの主題による変奏曲とフーガ」も格別の味わい。そしてソナタ第2番の第2楽章は、メキシコ革命で失われた自筆稿の断片から復元したものです。 “南国風”もしくは“擬似バロック”といわれてちまいがちなポンセの音楽。ここでもう一度その音楽をじっくり味わってみませんか。
収録作曲家:
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ハイドン(1732-1809):
オペラ序曲集 [パルドゥビツェ・チェコ室内フィル/ハラーシュ]HAYDN, J.: Opera Overtures (Czech Chamber Philharmonic, Pardubice, Halász)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:8.573488
CD価格:1,600円(税込)
ハイドン(1732-1809)が活躍していた当時、彼のオペラはとても人気がありました。とは言え、それらのほとんどはエステルハーツィ家の宮殿で祝日のアトラクションとして演奏されたもので、ハイドンの死後は歌劇場のレパートリーとなることはなく、必然的に長い間、歴史の中に埋もれてしまっていたのです。 最近になってようやく全曲が演奏される機会が増えてきましたが、まだまだ知られていないものも数多くあります。しかしこの序曲集に記された各々の演目のタイトルの何と魅力的なこと。「月の世界」や「神々の忠告」なんて、ぜひとも全曲で聴いてみたい(観てみたい)ではありませんか。また、当時の序曲の慣例として、シンフォニア形式になっているものも多く(3楽章、もしくは4楽章からなる)一つの交響曲としても楽しめるのも嬉しいところです。NAXOSおなじみのハラースによる文句なしの演奏で。
収録作曲家:
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ヴェイネル(1885-1960):
〈管弦楽作品全集 第1集〉
バレエ音楽「チョンゴルとツンデ」(1959年 第2稿)
バッラータ Op.28(ヴィオラと管弦楽版) [シューチュ/ジュビラーテ少女合唱団/MAVブダペスト響/チャーニ]WEINER, L.: Csongor és Tünde (2nd version, 1959) / Ballata (Szűcs, Jubilate Girls Choir, Budapest Symphony Orchestra MÁV, Csányi)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:8.573491
CD価格:1,600円(税込)
レオ・ヴェイネル(1885-1960)はハンガリー出身、ユダヤ系の作曲家です。1901年から1906年までブダペスト音楽アカデミーで学び、歌劇場でコレペティトールを務めた後は、半世紀以上に渡ってブダペスト音楽高等学校の作曲科と室内楽の教授として、次世代の音楽家たちを育ててきました。彼の門人にはドラティ、クルターク、アンダなど名だたる音楽家の名前が並びます。 彼の最高傑作である「チョンゴルとツンデ」はハンガリーの国民的詩人ミハーイ・ベレシュマルティ(1800-1855)の劇のための作品で、幸福を追い求める若き王子と、彼を愛する妖精ツンデの愛の物語です。もともとの単純なおとぎ話にベレシュマルティが深い哲学的な思想を加えた物語は、ハンガリー文学界の最も重要な作品として認識されていて、これをハンガリー国立劇場で上演するためにヴェイネルが音楽を書いたのですが、オーケストラなどの規模が大きすぎたため、上演は延期されてしまいました。とりあえずは、1914年2月に「王子とゴブリン」としてスケルツォが初演、その1年後に4楽章からなる組曲が演奏されています。1916年11月に初演を予定していたところ、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の崩御でキャンセルされるも、その数日後の12月6日にようやく上演されることとなりました。そして、ヴェイネルの死の1年前、更に改編が行われたのがこのアルバムに収録されたバレエ音楽となります。
収録作曲家:
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スクリャービン(1872-1915):
〈ピアノ作品集〉
幻想ソナタ/即興曲集/夜想曲集 [リ・ソヨン]SCRIABIN, A.: Piano Music - Sonata Fantasie / Impromptus / Nocturnes (Soyeon Kate Lee)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:8.573527
CD価格:1,600円(税込)
文豪トルストイも大絶賛したというスクリャービン(1872-1915)の音楽。その欲望の全てが表出されているような彼の作品には、神秘的な雰囲気と目も眩むような色彩が溢れています。このアルバムに収録されている曲は、どちらかというと初期に書かれたものが多く、時にはショパン風の柔らかい肌触りも感じさせますが、そこはやはりスクリャービン。どの曲も#と♭がこれでもかとばかりに使われた不思議な響きで聴き手を翻弄します。 2010年ナウムブルク国際ピアノコンクールで最優秀賞を獲得した韓国系アメリカ人ピアニスト、リ・ソヨン・ケイトのデリケートな語り口の音色は、これらの曲の夢幻的な部分を丁寧に見せてくれます。陰鬱なメロディを用いたトラック16のカノンは、スクリャービン11歳の時の作品です。
収録作曲家:
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ラヴェル(1875-1937):
歌劇「スペインの時計」
ドゥルシネア姫に思いを寄せるドン・キホーテ [ロンバルド/ドゥルエ/アントゥーン/ル・ルー/リヨン国立管/スラットキン]RAVEL, M.: Heure espagnole (L') [Opera] / Don Quichotte à Dulcinée (Lombardo, Druet, Antoun, Le Roux, Lyon National Orchestra, Slatkin)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:8.660337
CD価格:1,600円(税込)
18世紀のトレドの町で繁盛しているトルケマダの時計店。ラバ弾きのラミーロが時計を修理してもらうためにやってきます。そこに現れたのはトルケマダの女房コンセプシオン。「はやく町の時計台の調整に行きなさいよ」とがなりたてますが、実は彼女は早く亭主を追っ払って、その間に愛人を招きいれて××を楽しもうとしているのです。亭主もジャマ、客のラミーロもジャマ。彼女はラミーロには「そこの時計を持って2階に上がって」と頼みます。誰もいなくなった店に現れたのは愛人ゴンザルヴェ。若干の気持ちの食い違いでコンセプシオンがやきもきしていると、そこにラミーロが戻ってきます。おや、またもう一人の愛人イニーゴがやってきました。しかしコンセプシオンはラミーロにすっかり目移りしています…さてどうなることやら。 この「スペインの時計」は、同じく短いオペラ「子供と魔法」と一緒に論じられることが多い作品です。とは言え、こちらの作品は少しだけ“大人向け”。ちょっと色っぽくてキワドイ内容になっていますのでご注意くださいね。 「ドン・キホーテ」はラヴェル(1875‐1937)の最後の作品。映画の劇中歌として作曲されましたが、他の作曲家との競作であり、結局こちらは採用されることなく、最終的には演奏会用の歌曲集として発表されたものです。ヴェテラン、ルルーの素晴らしい歌唱でお聴きください。 【歌劇「子供と魔法」…8.660336】
収録作曲家:
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チプロ(1956-):
アフター・ライフ - 来世
ライトマン(1955-):
眠りの世界はあなたのもの [ミュージック・オブ・リメンブランス/キーロフ]CIPULLO, T.: After Life / LAITMAN, L.: In Sleep The World Is Yours (Music of Remembrance, Kirov)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:8.669036
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)2015年、シアトルのベナロヤホールで行われた「ホロコースト追悼コンサート」で演奏されたトム・チプロ(1956-)の「来世」は時と場所を越えて共鳴する2つの魂の物語です。一人はパブロ・ピカソ。もう一人はアメリカの詩人で美術収集家であるガートルード・スタインです。二人はどちらも20世紀初頭のパリで芸術を擁護し、また様々な形で戦争に対する考えを発表しています。二人が現代に甦ったらどのような対話をするのでしょうか? 最初は不条理なコメディで始まるこの物語、フランス人孤児の少女が現れてからは少しずつ恐怖へと転換していきます。 もう一つの作品、ライトマンの歌曲は、ルーマニアのユダヤ人家庭に生まれたメールバウム=アイジンガーの詩によるもので、彼女は15歳で詩を書き始めたものの、18歳の時にウクライナの労働収容所でチフスのために亡くなります。彼女の親戚がその詩を保存していたおかげで、現在でも残存し、この美しくも悲しい歌として甦りました。 演奏は、退廃音楽のオーソリティ、ミュージック・オブ・リメンブランス。心が痛くなるような、何かを考えずにはいられない音楽です。
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FolksLied ‐ 民謡歌集 [ゲルハーエル]
Vocal Recital: Gerhaher, Christian - HAYDN, J. / BRITTEN, B. / BEETHOVEN, L. van (Folkslied)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:900131
CD価格:2,085円(税込)
今や世界的バリトン歌手となったクリスティアン・ゲアハーエル。BR KLASSIKレーベルでの彼は、シューマンの「ファウストの情景」やブリテンの「戦争レクイエム」で独唱を受け持ったアルバムがリリースされていますが、どちらも深く滑らかな声質を生かした見事な歌唱が高く評価されています。 このアルバムは2013年にプリンツレーゲンテン劇場で行われたリサイタルのライヴ収録です。ここでは比較的珍しいレパートリーが選ばれていて、どれもが民謡と芸術歌曲(リート)の間に生まれるエキサイティングなコントラストを丁寧に描き出したものです。 ハイドンの作品は、歌とピアノトリオのために書かれたもので、歌詞は英語ですが、ここでは1927年にロンとシューラーによって付されたドイツ語の歌詞で歌われています。ブリテンの作品は、良く知られたメロディに現代的な伴奏が付けられていて、この不思議な雰囲気が広く愛されています。あまり演奏されることのないベートーヴェンの作品にも、実は宝石のような魅力が満載です。愛すべき1枚です。
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マーラー(1860-1911):
交響曲 第1番 ニ長調 [バイエルン放送響/ネゼ=セガン]MAHLER, G.: Symphony No. 1 (Bavarian Radio Symphony, Nézet-Séguin)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:900143
CD価格:2,085円(税込)
1949年に設立されたバイエルン放送交響楽団、この楽団におけるマーラー演奏の伝統の礎は、1960年に首席指揮者に就任したラファエル・クーベリックが作ったものです。彼はマーラー(1860-1911)やドヴォルザークといったチェコに由来する作曲家の作品を積極的に取り上げ、オーケストラの固定レパートリーにしました。以降、ヤンソンスをはじめとした多くの指揮者たちがマーラーを取り上げ、独自の演奏を披露しています。 2011年にバイエルン放送交響楽団にデビューを飾ったネゼ=セガンも果敢にマーラーに挑み、最良の響きと彼ならではの表現で、新しいマーラー像を描き出しました。オーケストラの自主性を重んじた極めてオーソドックスな解釈の中に、ジュリーニに教えを受けたというネゼ=セガンの独自性が時折顔を覗かせる印象的なマーラーです。
収録作曲家:
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J.S.バッハ(1685-1750):
ヨハネ受難曲 BWV245(1749年稿) [プレガルディエン/ナツミ/ランツハーマー/マロッタ/バイエルン放送合唱団/コンチェルト・ケルン/ダイクストラ]BACH, J.S.: St. John Passion, BWV 245 (with introduction) (J. Pregardien, Nazmi, Landshamer, Malotta, Bavarian Radio Chorus, Concerto Köln, Dijkstra)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:900909
CD 3枚組価格:2,985円(税込)
BR KLASSIKレーベルにおけるペーター・ダイクストラとコンチェルト・ケルンによる演奏は、このバッハ(1685-1750)の「ヨハネ受難曲」が第3作目となります。以前の「マタイ受難曲」(900508)と、ヘンデルの「エジプトのイスラエル人」(900501)、同じくヘンデルの「ディキシット・ドミヌス」他(900504)は、どれも古楽器オーケストラの渋い音色と、完璧な合唱、そしてなにより隙のない堅固な音楽の流れと驚異的な完成度が高く評価されていますが、この「ヨハネ受難曲」はそれを上回る素晴らしさを感じることができるでしょう。 何より若い歌手たちのまろやかで伸びのある声と表現力も、この完成度を押し上げているのは間違いありません。会場を包む興奮も含めた受難の風景をお届けいたします。最も演奏頻度の高いといわれる1749年稿を採用した演奏です。ボーナスCDには、ドイツ語による「ヨハネ受難曲」のレクチャーが収録されています。
収録作曲家:
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レーガー(1873-1916):
ヴァイオリン協奏曲 イ長調 Op.101
(ルドルフ・コーリッシュによる室内オーケストラ伴奏版) [ラーデマッハー/リノス・アンサンブル]REGER, M.: Violin Concerto in A Major, Op. 101 (arr. R. Kolisch for violin and chamber ensemble) (Rademacher, Linos Ensemble)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:C5137
CD価格:2,438円(税込)
若い頃から音楽的な才能を発揮していたレーガー(1873-1916)ですが、荒れた生活のおかげで一時は創作活動すらも危ぶまれる状態、しかし、ミュンヘンに行き、1902年に伴侶を得たおかげで(この時も一悶着あった)積極的に活動できるようになったのは彼にとっても幸いなことでした。そして1907年にはライプツィヒ音楽院の教授に選任されたレーガー。このヴァイオリン協奏曲はそんな時期の作品です。 いかにもドイツ音楽らしい堅固な形式と、ブラームスの向こうを張る重厚な管弦楽パートを持つ難解な作品ですが、演奏されることはあまりありません。しかしシェーンベルクはこの作品を高く評価し、「もっとこの作品は演奏されるべきだ」と彼が主宰していた「私的演奏協会」のレパートリーに組み込むため、弟子のコーリッシュに編曲を依頼。伴奏部を室内オーケストラ版にしたものが、ここで演奏されている作品です。リノス・アンサンブルの確固たる演奏にのって、ラーデマッハーのヴァイオリンが歌います。
収録作曲家:
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Round Midnight - ラウンド・ミッドナイト [ベルリン金管五重奏団]
Chamber Music - PURCELL, H. / JOHNSON, R. / BÖHME, O. / SAINT-SAËNS, C. / BEASER, R. (Round Midnight) (Berlin Brass Quintet)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:C5202
CD価格:2,438円(税込)
セロニアス・モンクが書いた「ラウンド・ミッドナイト」は、現在ジャズのスタンダード・ナンバーの一つとして知られています。“最も数多く録音された曲”とも言われ、すでに1000枚以上のアルバムで取り上げられているといい、このアルバムもそのコレクションの中に加えられることでしょう。ポリフォニックでロマンティックなこの作品を始め、パーセルやフォーレなど、多彩なスタイルの曲が散りばめられたこのアルバムは、ベルリン・ブラス・クィンテットの実力をとにかくじっくりと楽しむことができるものです。
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バスクの歌 [エツェナーロ/ロドリゲス]
Vocal Recital: Ezenarro, Arantza - ZULAIKA, J.G. / MADINA, F. de (Canciones Vascas)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:C5209
CD価格:2,600円(税込)
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ブルックナー(1824-1896):
交響曲 第9番 & ミサ曲 第3番 [ツィーザク/ベヒレ/ブルンス/グロイスベック/ウィーン・ジングアカデミー/ウィーン放送響/マイスター]BRUCKNER, A.: Symphony No. 9 / Mass No. 3 (Ziesak, Baechle, Bruns, Groissböck, Wiener Singakademie, Vienna Radio Symphony, Meister)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:C5247
CD 2枚組価格:2,438円(税込)
ブルックナー(1824-1896)の最高傑作の一つ「交響曲第9番」は彼が取り組んだ最後の交響曲です。1887年、第8番を完成させた直後に作曲に取り掛かったものの、なかなか筆が進まず、気持ちがのりはじめたのはその5年後、1892年に第8番を初演した後からでした。しかし、その頃には病が進行し、結局1894年に3楽章までが完成、第4楽章も進めていたのですが、結局は未完のまま残されてしまったのです。ブルックナーとしては、「未完に終わった場合は、終楽章の替わりにテ・デウムを演奏して欲しい」と語っていたといい、彼自身、この作品の終楽章については完成を望んでいなかったのかもしれません。 最近は補筆完成版で演奏されることも多いこの作品ですが、コルネリウス・マイスターは3楽章のみでゆったりと曲を締めくくっています。変わりに置かれているのは、1867年頃に作曲されたミサ曲第3番。厚みのある響きと敬虔な精神に満たされたある意味「歌つきの交響曲」のような構造を持った大作です。コルネリウスが紡ぎ出す流麗な音楽はもちろんのこと、ソリストたちの素晴らしさも特筆すべき点でしょう。
収録作曲家:
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ブラウンフェルス(1882-1954):
〈作品集〉
ドン・ファン Op.34
古いフランスの子供の歌による交響的変奏曲 Op.15 [アルテンブルク・ゲラ歌劇場管/フランク]BRAUNFELS, W.: Don Juan / Symphonic Variations on an Old French Children's Song (Philharmonisches Orchester Theaters Altenburg-Gera, Frank)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:C5250
CD価格:2,438円(税込)
フランクフルト出身の作曲家、ピアニスト、ブラウンフェルス(1882-1954)は、現在いくつかの室内楽、声楽曲、とりわけ歌劇「鳥たち」のロマンティックな作風が知られています。彼の父は文学者、翻訳者として知られ、また母方の係累にはヴァイオリン音楽で有名なルイ・シュポアがいるという文化的な家庭に育ち、ウィーンで作曲とピアノを学び、プロイセン芸術アカデミーの会員にえらばれるなど作曲活動をしながら音楽の発展に寄与していましたが、ナチスが台頭してくるとユダヤの血を引いていた彼は公職から追放され、その作品も上演禁止となってしまったのです。しかし幸いなことに、大戦を生き延び、戦後はまた公職に復帰、ドイツ音楽の再建に尽力したという波乱万丈の生涯を送った人です。 この「ドン・ファン」はモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」からモティーフを取った変奏曲で1924年にフルトヴェングラーによって初演された作品です。
収録作曲家:
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ブラウンフェルス(1882-1954):
歌曲集 [ペーターゼン/ヤルノット/シュナイダー]BRAUNFELS, W.: Lieder (M. Petersen, Jarnot, E. Schneider)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:C5251
CD価格:2,600円(税込)
ブラウンフェルス(1882-1954)の音楽は、2回衰退の危機に見舞われています。一度は、ナチスによって「頽廃音楽」に分類された際、全ての彼の音楽の演奏機会が奪われました。そして戦後、大戦を生き延びた彼がもう一度音楽界に復帰した際には、今度は彼の音楽のようなロマンティックな調性音楽は、聴衆の好みからは外れてしまい、演奏されることがなくなってしまいました。 しかし、20世紀の終わりになって、これらの忘れられた音楽に復興の兆しが見え始めた時、彼の作品にも改めて光が当たり始めたのです。このアルバムに収録されている歌曲のほとんどは、彼の初期の作品で、まるでリヒャルト・シュトラウスを思わせる美しい旋律を持っています。ペテルソンとヤルノットの2人が丁寧に歌っています。
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ツィーラー(1843-1922):
喜歌劇「放浪者たち」 [ベーレ/デヴァルト/レイヤー/西ドイツ放送響/フロシャウアー]ZIEHRER, C.M.: Landstreicher (Die) [Operetta] (Behle, Dewald, Leyer, West German Radio Symphony, Froschauer)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:C5261
CD価格:2,438円(税込)
オーストリア生まれのツィーラー(1843-1922)は、オペレッタの黄金時代を築いた作曲家として知られます。最盛期にはヨハン・シュトラウス2世のライバルの一人として活躍していましたが、第一次世界大戦時に財産のほとんどと職を失い、失意のまま世を去り、その作品も一部のワルツ、ポルカ以外は忘れられてしまいました。しかし当時はこの「放浪者たち」こそが彼の代表作であり、笑いと涙を程よく散りばめた軽妙な音楽は人々の心を捉えていたことは間違いありません。 この演奏は、主役のローランドを名歌手ベーレが担当。他の歌手たちも親密なアンサンブルを聞かせます。
収録作曲家:
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東洋風のカーニヴァル [マッズーリ/ペーラ・アンサンブル/ラルテ・デル・モンド/エールハルト]
CARNEVAL ORIENTAL (Mazzulli, Pera Ensemble, L'Arte del mondo, Ehrhardt)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:C5263
CD価格:2,600円(税込)
ラルテ・デル・モンドとエールハルトと言えば、いくつかの「ヨーロッパ伝統のバロックとイスラムの伝統音楽を融合したアルバム」が知られています。Capriccioレーベルからもヘンデルのオラトリオ「エジプトのイスラエル人」に民俗音楽を挟み込んだユニークな演奏がリリースされています(C5151)。この新しい録音も、そんな1枚です。16世紀から17世紀にかけてのトルコ風のエッセンスを持った作品が一堂に会しているという圧巻の選曲。ひたすら賑やかで楽しいアルバムです。
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アイヴズ(1874-1954):
ピアノ・ソナタ 第2番「マサチューセッツ州コンコード 1840-60年」 [バルト]IVES, C.: Piano Sonata No. 2 (Barto)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:C5268
CD
通常価格:2,600円→ 特価!:690円(税込)アメリカ現代音楽のパイオニアとして知られるチャールズ・アイヴズ(1874-1954)。彼の作品は常に独創的であり、また実験的でもありました。本業は保険会社の経営者であり、作曲はその合間に行っていたのですが、それにしては膨大な作品を書きあげていて、とても「趣味の作曲」と呼べるレベルではないことは誰もがご存知の通りです。前述の通り、彼の作品はあまりにも前衛的で、例えば「交響曲第2番」は様々なアメリカ民謡がコラージュされていたり、交響曲第4番では2人の指揮者が登場したりと、議論が常に耐えないものなのです。 このピアノ・ソナタ第2番もそんな曲で、各々の楽章には19世紀のはじめにコンコードで起こった「超越主義運動」に関わった人の名前が付されています。楽譜には小節線がほとんどなく、また時にはトーン・クラスターが用いられていたり、任意でヴィオラやフルートが参加したりと、謎めいているというか、食えない曲であることは間違いありません。そしてこの曲の第2楽章の一部は、前述の交響曲第4番にも使われています。 そんな曲を演奏するのは、このうえなく独特な音楽観を抱いているピアニスト、ツィモン・バルトです。曲とピアニストの個性が融合し、化学変化を起こしたかのようなステキなアイヴズに魅了されるのも一興です。
収録作曲家:
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ヴェルディ(1813-1901):
歌劇「ジョヴァンナ・ダルコ」 [プラット/ボラス/キム/パーリ・ペトゥルッツェッリ劇場合唱団/イタリア国際管/フリッツァ]VERDI, G.: Giovanna d'Arco [Opera] (Pratt, Borras, Julian Kim, Bari Teatro Petruzzelli Chorus, Orchestra Internazionale d'Italia, Frizza)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:CDS7676
CD 2枚組日本語字幕付き価格:3,300円(税込、送料無料)
「ジョヴァンナ・ダルコ」とは誰もが知っている「ジャンヌ・ダルク」のイタリア読みの名前。神から啓示を受けた少女がフランスのために戦い、最後は命を落とす物語です。ヴェルディ(1813-1901)は彼の7作目の歌劇に、この題材を用いましたが、そのストーリーは、ヴェルディが好んだ強烈な愛国心に、王とダルコとの間の愛情、父ジャコモとの確執を絡めたもので、ダルコは最後に火あぶりになることはなく戦死するという、かなり人間くさい物語となっています。 物語で重要な役割を演じるのが王カルロ7世。ここでは2014年にカウフマンの代役としてメトでデビューを飾った新進気鋭のテノール、ジャン=フランソワ・ボラスが見事な歌唱を聞かせています。題名役を歌うプラットも2007年にデビューして以来、着々とキャリアを重ね、ここでも表現力溢れるダルコを演じています。
収録作曲家:
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ハッセ(1699-1783):
歌劇「アルタセルセ」 [ジュスティニャーニ/スキアヴォ/プリーナ/ファジョーリ/ボーヴェ/ジョヴァンニーニ/ロヴァリス]HASSE, J.A.: Artaserse [Opera] (Giustiniani, Schiavo, Prina, Fagioli, Bove, Giovannini, Rovaris)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:CDS7715
CD 3枚組価格:4,050円(税込、送料無料)
2012年、マルティナ・フランカ音楽祭で最も注目されたのが、このハッセ(1699-1783)の「アルタセルセ」です。メスタージオのこの台本は当時とても人気があり、ハッセだけでなく、グルック、ヴィンチ、グラウン、ガルッピ、J.C.バッハなど多くの作曲家が曲を付けていることでも知られています。1730年の初演時にはファリネッリがアルバーチェ、クッツォーニがマンダーネ、ニコリーノがアルタバーノと、当時最高の歌手たち(カストラートを含む)によって演じられ、聴衆たちが熱狂したというものです。 ハッセはこの作品に1740年、1760年の2つの異なる改訂版を作っていますが、この収録では、1730年のヴェニス初演版が用いられているところも興味深いものです。名カウンターテナー、ファジョーリは3オクターヴの広い声域を生かし、伝説の歌手ファリネッリを彷彿させる印象的な歌唱を披露しています。もともと俳優であるレヴィアの現代的な演出にも注目です。
収録作曲家:
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J.S.バッハ(1685-1750):
組曲 BWV 997
トリオ・ソナタ集 [カヴァサンティ/チオメイ]BACH, J.S.: Lute Partita, BWV 997 / Trio Sonatas, BWV 525, 526 and 529 (arrangements for flute, recorder, harpsichord and organ) (Cavasanti, Ciomei)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:CDS7739
CD価格:2,325円(税込)
バッハ(1685-1750)の「6つのトリオ・ソナタ」BWV525-530は、もともとオルガンのために書かれた作品です。しかし、右手パート、左手パート、足鍵盤パートが完全に独立しているため、このように室内楽版としての演奏もしばしば行われます。また、BWV997は、リュートのためのパルティータですが、こちらもアンサンブル作品として緊密な世界が描き出されています。 フルーティスト、カヴァサンティと鍵盤奏者チオメイは、この作品から見事な対話を引き出し、エキサイティングで情熱的な音楽を紡ぎ出しています。
収録作曲家:
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ライネッケ(1824-1910):
バラード/フルート協奏曲他 [カルボッタ/ジェシュフ・フィル/キラジエフ]REINECKE, C.H.C.: Ballade / Flute Concerto / Serenata (Carbotta, Rzeszow Philharmonic, Kiradjiev)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:CDS7741
CD価格:2,325円(税込)
ドイツロマン派の作曲家、指揮者カール・ライネッケ(1824-1910)は、生涯多くの作品を書き、出版された作品だけでも300を超えています。しかし作風が保守的であったためか、一部のフルート曲を除き、これらの作品は現在ではほとんど演奏されることもありません。 そんなライネッケの作品、21世紀になって復興の兆しが見え始めました。このアルバムでも、彼が書いたフルート作品2曲と「弦楽のためのセレナード」を収録。ロマンティックな旋律と、重厚なオーケストレーションを楽しむことができるものです。初期ロマン派の作品を得意とするフルーティスト、カルボッタの華麗な演奏で。
収録作曲家:
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エリントン(1899-1974):
ピアノ作品集ELLINGTON, D.: Piano Works (Palombi)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:CDS7743
CD価格:2,325円(税込)
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ベートーヴェン(1770-1827):
3つのヴァイオリン・ソナタ Op.30
(L.F.P. ドルーエによるフルートとピアノ編) [デ・ローサ/デルッキ]BEETHOVEN, L. van: Violin Sonatas Nos. 6, 7 and 8 (arr. L.F.P. Drouet for flute and piano) (De Rosa, Delucchi)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:CDS7746
CD価格:2,325円(税込)
ベートーヴェン(1770-1827)のOp.30の3つのソナタは1802年頃に作曲されたと考えられ、ロシア皇帝アレクサンドル1世に献呈されています。このアルバムでは、18世紀の作曲家、フルート奏者であったドゥルーエがフルート用に編曲した版が演奏されています。 ドゥルーエはフランス人の父とオランダ人の母のもと、アムステルダムに生まれ、16歳の時にオランダ王室のフルート奏者になり、やがてパリに招かれ、ナポレオンとルイ18世の宮廷音楽家となり、その名声は広くヨーロッパに知られることとなります。旅行先のイギリスでも高い人気を誇ることとなりました。メンデルスゾーンの親友でもあり、「フルートのパガニーニ」とも呼ばれています。 ベートーヴェンの中期の作品であるこの作品は、ヴァイオリンとピアノが対等の役割を持つように書かれていますが、ドゥルーエは完璧にフルートのためのソナタに移し替え、これをデ・ローザが精妙に演奏しています。
収録作曲家:
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ルナリス
エストルンド(1975-):
作品集 [チョーラヌ/パメイエル/ウォルドマン/ザゴリンスキー/ルボー]OSTLUND, J.: Lunaris (Cioranu, Pameijer, Waldmann, Zagorinsky, Waldmann, Leveaux)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:DDA21226
CD 2枚組価格:2,224円(税込)
スウェーデン出身で、最近はロンドンで活躍している作曲家、ジョナサン・エストルンド(1975-)の作品集です。彼はサンドストレームに作曲を学び、これまでに管弦楽作品やピアノ協奏曲など80作品以上を完成させ、多くの賞を獲得しています。 このアルバムには、大いなる自然からインスピレーションを受けたという室内楽、声楽、器楽曲が収録されています。どの作品も甘やかな雰囲気を湛えており、神秘的な夜の香りを仄かに感じさせるものです。この録音のために、北欧を中心にヨーロッパ中から名手たちが集結。素晴らしい演奏を繰り広げています。
収録作曲家:
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メルセンヌのクラヴィコード
16-17世紀の鍵盤音楽 [チャールストン]Clavichord Recital: Charlston, Terence - COSTELEY, G. / CELLLIER, J. / CHAMPION, J. / COUPERIN, L. (Mersenne's Clavichord)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:DDA25134
CD価格:2,224円(税込)
16世紀から17世紀にかけての、鍵盤のために書かれた小さな曲を集めた1枚です。ここでは14世紀頃に発明された「クラヴィコード」が用いられています。これは小型の楽器で、基本的にテーブルの上に載せて奏されます。音色は繊細で、チェンバロなどに比べても小さいのですが、よく耳を澄ますことで多彩な表現力を楽しむことができる素晴らしい楽器です。 テレンス・チャールストンはヨーロッパでも有数のルネサンス時代の音楽の専門家であり、このフランス製のクラヴィコードについても、詳細な論文を書いています。まずは、この典雅な響きをお楽しみください。
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ショパン(1810-1849):
ピアノ作品集 [シュリースマン]CHOPIN, F.: Piano Music (Chronological Chopin) (Schliessmann)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:DDC25752
SACD-Hybrid 3枚組価格:4,784円(税込、送料無料)
ドイツの中堅ピアニスト、シュリースマンによるショパンの名作集です。ブラームスやバッハで名演を聞かせた彼ですが、このショパンでも、作品の奥深くまで分け入り、一つ一つの曲の質感や形、そして詩情を浮かび上がらせた「味のある」演奏をしています。最近の若手ピアニストのように、技巧を重んじるよりも、曲の性格と表現を大切にするシュリースマンの演奏は、濃いショパンを聴きたい人にぴったりのものと言えるでしょう。
収録作曲家:
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LIMINAL
クーマン(1982-):
海岸線のルーン
交響曲 第4番 「リミナル」
プリズム [シモンズ/スロヴァキア・ナショナル響/トレヴァー]COOMAN, C.: Shoreline Rune / Liminal / Prism (Simmons, Slovak National Symphony, K. Trevor)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:DDV24161
CD価格:1,824円(税込)
2008年の時点、当時26歳にして、すでに800曲を越える作品を書いていたという恐るべし作曲家、カーソン・クーマン(1982-)。現在も順当に作品を増やしています。この「海岸線のルーン」と「リミナル」は2014年の作品ですが(オルガンのための「プリズム」は2003年)、中心となるのは交響曲第4番「リミナル」でしょう。彼は、肥大傾向にある「交響曲の形式」を見直すために、規模を小さくし、その上で前奏曲にあたる、ゆったりとした「海岸線のルーン」と後奏曲にあたる「プリズム」を添えたと言います。 最近の著しい気候変動に危機感を抱いたという作曲家の心が描き出された30分ほどのアルバム、聴き手の心に静かな衝撃を与えることは間違いありません。
収録作曲家:
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発売日:2016年03月30日
DVD日本語字幕付き価格:4,050円(税込、送料無料)
「ジョヴァンナ・ダルコ」とは誰もが知っている「ジャンヌ・ダルク」のイタリア読みの名前。神から啓示を受けた少女がフランスのために戦い、最後は命を落とす物語です。ヴェルディ(1813-1901)は彼の7作目の歌劇に、この題材を用いましたが、そのストーリーは、ヴェルディが好んだ強烈な愛国心に、王とダルコとの間の愛情、父ジャコモとの確執を絡めたもので、ダルコは最後に火あぶりになることはなく戦死するという、かなり人間くさい物語となっています。 物語で重要な役割を演じるのが王カルロ7世。ここでは2014年にカウフマンの代役としてメトでデビューを飾った新進気鋭のテノール、ジャン=フランソワ・ボラスが見事な歌唱を聞かせています。題名役を歌うプラットも2007年にデビューして以来、着々とキャリアを重ね、ここでも表現力溢れるダルコを演じています。
収録作曲家:
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発売日:2016年03月30日
DVD 2枚組日本語字幕付き価格:4,200円(税込、送料無料)
2012年、マルティナ・フランカ音楽祭で最も注目されたのが、このハッセ(1699-1783)の「アルタセルセ」です。メスタージオのこの台本は当時とても人気があり、ハッセだけでなく、グルック、ヴィンチ、グラウン、ガルッピ、J.C.バッハなど多くの作曲家が曲を付けていることでも知られています。1730年の初演時にはファリネッリがアルバーチェ、クッツォーニがマンダーネ、ニコリーノがアルタバーノと、当時最高の歌手たち(カストラートを含む)によって演じられ、聴衆たちが熱狂したというものです。 ハッセはこの作品に1740年、1760年の2つの異なる改訂版を作っていますが、この収録では、1730年のヴェニス初演版が用いられているところも興味深いものです。名カウンターテナー、ファジョーリは3オクターヴの広い声域を生かし、伝説の歌手ファリネッリを彷彿させる印象的な歌唱を披露しています。もともと俳優であるレヴィアの現代的な演出にも注目です。
収録作曲家:
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ビゼー(1838-1875):
歌劇《カルメン》BIZET, G.: Carmen (Royal Opera House, 2011) (NTSC)
発売日:2016年03月30日
DVD日本語字幕付き価格:3,750円(税込、送料無料)
以前、3D映像のBlu-ray(OA3D7096D)のみが発売されていた、ロイヤル・オペラ・ハウスの《カルメン》が通常版として発売となります。ザンベッロの官能的な演出が話題となったこの公演、どこもかしこも扇情的で情熱的。カルメン役のクリスティーネ・ライスは歌唱はオーソドックスですが、とにかく演技が妖艶で、何時いかなるときでも、そのむせ返るような色気を発散させています。これは確かに全ての男が魅了されるであろうし、彼女を巡って死闘が繰り広げられるのも納得できるものでしょう。 ドン・ホセ役のイメルはアメリカ出身のテノールで、これがロイヤル・オペラへのデビューです。2010年当時はまだ知名度はそれほどでもなかったのですが、2012年にカウフマンの代役として歌った「トロイアの人々」が大絶賛され、一気に人気歌手の仲間入りをしています。ミカエラ役のコヴァレフスカも、これがロイヤル・オペラへのデビュー。フレーニに師事したという将来性豊かなソプラノです。そしてエスカミーリョ役のアリギリスの素晴らしさ。ギリシア生まれの彼は、その彫りの深い顔立ちをいかし、なんとも男前の闘牛士を演じてみせてくれます。映像の美しさとともに、実にまとまりのよい舞台を堪能できるものです。
収録作曲家:
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ベラルビ(1962-)
バレエ《死せる女王》 [トゥールーズ・キャピトル・バレエ]BELARBI, K.: Reine Morte (La) (Théâtre du Capitole, 2015) (NTSC)
発売日:2016年03月30日
DVD字幕なし価格:3,750円(税込、送料無料)
2011年にトゥールーズ・キャピトル・バレエのために製作されたバレエ《死せる女王》は、14世紀に実在した女王イネス・デ・カストロを巡る物語です。フランスの小説家アンリ・ミロン・ド・モンテルランの同名の戯曲が元になっており、ポルトガルの王子ドン・ペドロとその恋人イネス・デ・カストロの悲恋が描かれたものです。 彼女はドン・ペドロから寵愛を受け、すでに子供もいるのですが、ドン・ペドロの父であるフェランテ王は2人の仲を決してゆるすことはありません。一度は子供(王の孫にあたる)の顔を見て彼女の処刑を思い留まる王ですが、側近たちにそそのかされ、結局は彼女の処刑を執行してしまいます。その処遇に対して怒りを爆発させたドン・ペドロは王に対して反乱を起こすこととなります。 最終的にペドロが王位についた際、イネスの名誉を復権させ彼女は正式に王妃として認められるのですが、このバレエは、鬼才ベラルビ(1962-)によって、ここに至るまでの2人の夢や幻影を現実と絡めながら美しく描かれていきます。チャイコフスキーの音楽とともに、夢幻的な世界をお楽しみください。
収録作曲家:
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バロック・オペラ・クラシックス
[DVD 9枚組 BOX]BAROQUE OPERA CLASSICS (9-DVD Box Set) (NTSC)
発売日:2016年03月30日
DVD 6枚組日本語字幕付き(一部)価格:8,625円(税込、送料無料)
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ビゼー(1838-1875):
歌劇《カルメン》BIZET, G.: Carmen (Royal Opera House, 2011) (2D Blu-ray, HD)
発売日:2016年03月30日
Blu-ray日本語字幕付き価格:4,650円(税込、送料無料)
以前、3D映像のBlu-ray(OA3D7096D)のみが発売されていた、ロイヤル・オペラ・ハウスの《カルメン》が通常版として発売となります。ザンベッロの官能的な演出が話題となったこの公演、どこもかしこも扇情的で情熱的。カルメン役のクリスティーネ・ライスは歌唱はオーソドックスですが、とにかく演技が妖艶で、何時いかなるときでも、そのむせ返るような色気を発散させています。これは確かに全ての男が魅了されるであろうし、彼女を巡って死闘が繰り広げられるのも納得できるものでしょう。 ドン・ホセ役のイメルはアメリカ出身のテノールで、これがロイヤル・オペラへのデビューです。2010年当時はまだ知名度はそれほどでもなかったのですが、2012年にカウフマンの代役として歌った「トロイアの人々」が大絶賛され、一気に人気歌手の仲間入りをしています。ミカエラ役のコヴァレフスカも、これがロイヤル・オペラへのデビュー。フレーニに師事したという将来性豊かなソプラノです。そしてエスカミーリョ役のアリギリスの素晴らしさ。ギリシア生まれの彼は、その彫りの深い顔立ちをいかし、なんとも男前の闘牛士を演じてみせてくれます。映像の美しさとともに、実にまとまりのよい舞台を堪能できるものです。
収録作曲家:
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ベラルビ(1962-)
バレエ《死せる女王》 [トゥールーズ・キャピトル・バレエ]BELARBI, K.: Reine Morte (La) (Théâtre du Capitole, 2015) (Blu-ray, HD)
発売日:2016年03月30日
Blu-ray字幕なし価格:4,650円(税込、送料無料)
2011年にトゥールーズ・キャピトル・バレエのために製作されたバレエ《死せる女王》は、14世紀に実在した女王イネス・デ・カストロを巡る物語です。フランスの小説家アンリ・ミロン・ド・モンテルランの同名の戯曲が元になっており、ポルトガルの王子ドン・ペドロとその恋人イネス・デ・カストロの悲恋が描かれたものです。 彼女はドン・ペドロから寵愛を受け、すでに子供もいるのですが、ドン・ペドロの父であるフェランテ王は2人の仲を決してゆるすことはありません。一度は子供(王の孫にあたる)の顔を見て彼女の処刑を思い留まる王ですが、側近たちにそそのかされ、結局は彼女の処刑を執行してしまいます。その処遇に対して怒りを爆発させたドン・ペドロは王に対して反乱を起こすこととなります。 最終的にペドロが王位についた際、イネスの名誉を復権させ彼女は正式に王妃として認められるのですが、このバレエは、鬼才ベラルビ(1962-)によって、ここに至るまでの2人の夢や幻影を現実と絡めながら美しく描かれていきます。チャイコフスキーの音楽とともに、夢幻的な世界をお楽しみください。
収録作曲家:
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何と快く輝くこの日
マクシミリアン・シュミット
アリア集 [シュミット]Opera Arias: Schmitt, Maximilian - FLOTOW, F. von / LORTZING, A. / MARSCHNER, H. / NICOLAI, O. / SCHUBERT, F. (How Friendly the Day Shines)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:OC1836
CD
通常価格:2,475円→ 特価!:590円(税込)レーゲンスブルク少年合唱団で少年時代を過ごし、1999年にベルリン芸術大学に入学、その後はバイエルン国立歌劇場のメンバーになり、同時に古楽歌手としても期待されているテノール、マクシミリアン・シュミット。OEHMSレーベルには「詩人の恋」(OC819)、「水車屋の娘」(OC882)に続く3枚目の録音となります。 今回は歌曲ではなく、更に劇的な表現が求められるオペラのアリア集です。もともとタミーノなどをはじめとするモーツァルトのアリアでは高く評価されていましたが、ここでの彼は愛が溢れる見事な表現力と、輝かしい高音を披露、彼のレパートリーが幅広いものであることを確信させてくれることは間違いありません。ランゲの指揮によるケルンWDR交響楽団が万全のサポートで、彼の歌唱を引き立てています。
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ゲーテの詩による歌曲集
ゲーテとギター [マギエラ]Vocal Recital: Magiera, Katharina - WOLF, H. / MENDELSSOHN, Felix / LANG, J. / SCHUMANN, R. (Goethe und Gitarre)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:OC1839
CD価格:2,475円(税込)
若手アルト歌手カタリーナ・マギエラは、フランクフルト歌劇場のメンバーとして、これまでもこの歌劇場のオペラ録音のいくつかに参加し、その将来を嘱望されています。もともとピアノと音楽教育学を学んでいた彼女ですが、声楽に転向してからは、2009年のメンデルスゾーン国際コンクールに入賞、以降宗教曲を中心に数多くの指揮者と共演、その才能を認められています。 今回、彼女の初のソロアルバムとしてリリースされたのは、ゲーテの詩による歌曲集。これはフランクフルトのゲーテハウスの協力の下、企画されたコンサートです。ピアノではなくギターの伴奏で奏されるこれらの歌は、実に素朴で暖かい感触を持つもので、彼女のしっとりとした歌声にぴったりマッチしています。
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グリゴリエヴァ(1962-):
合唱作品集 [エストニア・フィルハーモニー室内合唱団/シアター・オブ・ヴォイシズ]GRIGORJEVA, G.: Svjatki / Salve Regina / Diptych / Lament / Nature Morte / In Paradisum (Estonian Philharmonic Chamber Choir, Hillier)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:ODE1245-2
CD価格:2,475円(税込)
ガリーナ・グリゴリエヴァ(1962-)はウクライナで生まれ、オデッサ音楽院でA.クラソトフに学んだ後、1991年にサンクトペテルブルク大学の作曲科のクラスを卒業。1992年にタリンに移りエストニア音楽大学でレポ・スメラに師事、フリーランスの作曲家として活動しています。 彼女の作品は深い精神性に支えられた声楽作品が多く、アルバム・タイトルである「Nature Morte-静かなるもの」もヨシフ・ブロツキー(1940-1996)のテキストを元にした無伴奏合唱で、その根底にはスラヴの典礼音楽の伝統が宿っています。またロシアの民俗音楽を用いた「スヴャトキ」は活力ある音楽です。エストニアが誇る合唱団とポール・ヒリアーの極上の演奏で。
収録作曲家:
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ツェムリンスキー(1871-1942):
夜と夢の7つの歌
室内交響曲 [カールステット/ラップランド室内管/ストゥールゴールズ]ZEMLINSKY, A.: 7 Lieder von Nacht und Traum / Chamber Symphony (Carlstedt, Lapland Chamber Orchestra, Storgårds)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:ODE1272-2
CD価格:2,475円(税込)
現在、注目度の高い作曲家ツェムリンスキー(1871-1942)。彼はマーラーやシェーンベルクと同世代の作曲家で、出版された作品は少ないものの、どれもが20世紀の傑作として再認識され始めています。このアルバムは彼のいくつかの歌曲と、弦楽四重奏曲第2番を、現代の作曲家リヒャルト・デュンサーがアレンジしたものです。デュンサーはフランシス・ブルトとハンス・ヴェルナー・ヘンツェの弟子であり、そのオーケストレーションの腕前は確かなもの。歌曲はピアノ伴奏を管弦楽に、弦楽四重奏曲は室内交響曲に、と拡大され、それぞれが一層の色彩感を持ち、かつ濃厚な香りを漂わせています。 ストゥールゴールズは現在ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者、及びBBCフィルハーモニックの首席客演指揮者を務める俊英。ONDINEへのツェムリンスキー作品録音は「人魚姫」(ODE1237)に続く2枚目となります。
収録作曲家:
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スーク(1874-1935)&
ドヴォルザーク(1841-1904):
ヴァイオリン作品集 [テツラフ/ヘルシンキ・フィル/ストゥールゴールズ]DVOŘÁK, A.: Violin Concerto / Romance, Op. 11 / SUK, J.: Fantasy in G Minor, Op. 24 (C. Tetzlaff, Helsinki Philharmonic, Storgårds)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:ODE1279-5
SACD-Hybrid価格:2,475円(税込)
名手クリスティアン・テツラフのONDINEレーベルへの7枚目となるこのアルバムは、東欧の2人の作曲家の作品集です。メインとなるのはドヴォルザークの協奏曲。冒頭の印象的な旋律が特徴的なこの作品ですが、ヴァイオリンパートの熱い旋律は聴きもの。第2楽章の訴えかけるような切なさ、舞曲である第3楽章の優美さなど、上手い演奏家の手で奏されると、例えようもない魅力を放つ作品なのです。 スークの幻想曲は、まさに「スラブ舞曲」そのもののフレーズが様々な形で展開されていく緊迫感に満ちた作品で、変幻自在な楽想に驚かされるのではないでしょうか。最後に置かれたドヴォルザークの「ロマンス」はもともと弦楽四重奏曲第5番の第2楽章で、憂鬱でやるせない雰囲気がなんとも美しい作品です。 テツラフとストロゥールゴーズはこれらの作品の東欧的情緒を余すことなく汲み上げ、見事な絵画のように目の前にみせてくれるのです。
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リンドベルイ(1958-):
〈作品集〉
アル・ラルゴ/チェロ協奏曲 第2番/時代 [カルットゥネン/フィンランド放送響/リントゥ]LINDBERG, M.: Al largo / Cello Concerto No. 2 / Era (Karttunen, Finnish Radio Symphony, Lintu)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:ODE1281-5
SACD-Hybrid価格:2,475円(税込)
フィンランドを代表する現代作曲家マグヌス・リンドベルイ(1958-)の最新の管弦楽作品集。今回も先鋭的な響きが充満する興味深い1枚となっています。最初の曲「アル・ラルゴ」はニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団と指揮者アラン・ギルバートのために書かれた、オーケストラの音色をフルに使った作品。表面上は忙しく動いているものの、深いところでは大規模な構造がゆっくりと形を成しているということを示唆したという作品です。 チェロ協奏曲第2番は、ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団からの委嘱作品。2006年に書かれた「コンツェルトシュトゥック」を拡大したものです。第3曲目の「時代」は、2013年、アムステルダム、ロイヤル・コンセルトヘボウ管の創立125周年を記念して委嘱された作品。第1次世界大戦前のヨーロッパの黄金期を偲ばせる豪華な音響がふんだんに用いられています。オーケストラの美しい響きを余すことなく捉えた、SACDハイブリッドの高音質録音が魅力的です。
収録作曲家:
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スペイン [ペレス]
Piano Recital: Perez, Vanessa - FALLA, M. de / DEBUSSY, C. (Spain)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:Steinway30036
CD価格:1,824円(税込)
ベネズエラで生まれ、アメリカで活躍する若手ピアニスト、ヴァネッサ・ペレスは、2012年にTelarcからリリースしたショパンの作品集が“ワシントン・ポスト”紙などで高く評価され、一躍世界的に注目を浴びました。彼女は11歳でグリーグのピアノ協奏曲を演奏してデビューしましたが、2004年にカーネギーホールにデビューした時のプログラムは、クラシック作品ではなくラテン・ジャズ。ベネズエラ民謡をフィーチャーしたこの時の演奏も、聴衆たちを熱狂させたといいます。 この「スペイン」と題された1枚は、ドビュッシーとファリャの作品が巧みに組み合わされたもので、情熱的なリズムと七色の色彩が溢れる、スタイリッシュで大胆な演奏が楽しめます。
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ヴィアルド(1821-1910):
歌曲集 [カンチェヴァ]VIARDOT, P.: Songs (Kancheva)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:TOCC0303
CD価格:2,438円(税込)
スペインの音楽一家に生まれたポーリーヌ・ヴィアルド(1821-1910)。彼女の年の離れた姉マリア・マリブランは、当時最も素晴らしい歌手としてその存在を知られていました。ポーリーヌも幼い頃から音楽的才能を見せていましたが、何より彼女の名前が歴史に刻まれたのは、晩年のショパンに霊感を与えたことと、文豪ツルゲーネフが彼女の熱烈な崇拝者だったことなのかもしれません。 このアルバムでは、そんなツルゲーネフの詩を含む「ロシアの詩」による歌曲と、ショパンのマズルカに詩をつけた一連の歌曲を聴くことができます。音楽史に咲いた一輪の花の馥郁たる香りをお楽しみください。
収録作曲家:
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サバネーエフ(1881-1968):
〈ピアノ作品集 第1集〉
ピアノ・ソナタ「スクリャービンの思い出」Op.15
前奏曲集他 [パウエル]SABANEYEV, L.: Piano Music, Vol. 1 (J. Powell)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:TOCC0308
CD価格:2,600円(税込)
ロシアの大地主レオニード・パヴロヴィチ・サバネーエフ(1844-1898)は、自然学者として広く知られていました。彼が書いた「ロシアの魚-淡水魚の生活と捕獲」(1875)は最も広く読まれた本でもあります。 作曲家や音楽評論家として知られるその息子のレオニード・レオニードヴィチ・サバネーエフ(1881-1968)は、スクリャービンの親友であり、その作品を擁護した人でもあります。そんな彼の作品は、この第1集に収録された小品などからも、間違いなくスクリャービンの影響が強く読み取れます。そして音の響きについても独自の考えを持っていて「オクターブを53に分割する」という説を主張するなど、興味深い論文も書いています。どの曲も憂鬱さの中に力強さが感じられる、神秘的な雰囲気が魅力的です。
収録作曲家:
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エルンスト(1814-1865):
〈ヴァイオリンとピアノのための作品全集 第5集〉
オランダ国歌による変奏曲
3つの華麗なロンディーノ
パチーニの歌による華麗な変奏曲
ルーマニア大幻想曲他 [ルプー/ホブソン]ERNST, H.W.: Violin and Piano Music (Complete), Vol. 5 (Lupu, I. Hobson)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:TOCC0310
CD価格:2,438円(税込)
Toccataレーベルで進行中のエルンスト(1814-1865)作品集の第5集です。今作も初録音を含む興味深い曲が並びます。ここに収録されているのは、当時流行していたオペラのトランスクリプションが中心ですが、冒頭の「ポロネーズ」の華麗さは圧巻の迫力を誇ります。もともとの作品自体はほとんど忘れられてしまったものばかりなのも、歴史の変遷を見るようで面白いものです。今回も演奏はシェルパン・ルプーとイアン・ホブソンのコンビ。全7集が予定されているこのシリーズ、完結が本当に楽しみです。 【第1集…TOCC-118 第2集…TOCC-138 第3集…TOCC-168 第4集…TOCC-189】
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ヴァインベルク(1919-1996):
〈管弦楽作品集 第2集〉
交響曲 第22番 Op.154
舞踊交響曲 Op.113 [シベリア響/ヴァシリエフ]WEINBERG, M.: Orchestral Music, Vol. 2 (Siberian Symphony, Vasilyev)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:TOCC0313
CD価格:2,438円(税込)
最近、その作品が次々とリリースされるポーランド生まれのヴァインベルク(1919-1996)。彼の作品はどちらかというと重苦しく苦渋に満ちたものという印象が強いのですが、この1973年の「舞踊交響曲」でのはじけまくったエネルギーの放出には驚くばかりです。この作品はもともと彼の1958年のバレエ音楽「白菊」(広島の原爆投下時の物語)からの編曲で、第1曲目は第3幕の前奏曲がもとになっています。ストラヴィンスキーやラヴェルなどの影響も見えますが、バレエ作品として上演される日がくるのでしょうか? また彼の晩年の「交響曲第22番」は、腰骨の骨折と、病に苦しみながらピアノ・スコアを書き上げたのですが、そこで力尽きてしまったため、未完の作品として残されました。この録音ではキリル・ウマンスキーがヴァインベルクの作品を深く研究した上で、このスコアからヴァインベルクが望んだであろう音を読み取り、完璧な作品として発表したものです。多くのヴァインベルク愛好者にとっても嬉しい1枚です。
収録作曲家:
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ロパルツ(1864-1955):
〈ピアノ作品集〉
バレエ音楽「安息日のための前奏曲」
山の日陰で/マルグリットの歌
コラールと変奏/初恋 [マッカラム]ROPARTZ, J.-G.: Piano Music (McCallum)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:TOCC0326
CD価格:2,438円(税込)
ドビュッシーと同世代の作曲家ロパルツ(1864-1955)のピアノ作品集。印象派の時代にあっても、彼は生涯後期ロマン派の作風を貫き、また生まれ故郷のブルゴーニュ地方の民謡(この地方には、グレートブリテン島から移住してきたケルト人の末裔=ブルトン人が住んでいて、ロパルツもその一人)を取り入れた独特の作品を残しています。 いくつかの声楽曲で知られますが、このピアノ曲も、師であるフランク作品の持つ宗教的な香りを湛えた美しいものです。サティやアルカンを得意とするブルターニュのピアニスト、マッカラムの共感に満ちた演奏で。
収録作曲家:
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チャーニ=ウィルス(1975-):
〈管弦楽を伴う歌曲集〉
3つの歌 - ブダペスト、1944
アルフレッド・エドワード・ハウスマンの6つの歌
われらの時代のための悲歌 [ドムニチ/インブライロ/スペンス]CSÁNYI-WILLS, M.: Songs with Orchestra (Domnich, Imbrailo, Spence)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:TOCC0329
CD価格:2,438円(税込)
イギリスの作曲家、チャーニ=ウィルス(1975-)の苦悩に満ちた歌曲集です。もともとは優れたピアニストである彼ですが、その作品もヨーロッパで高く評価されています。 「3つの歌」はナチスによって迫害されたハンガリーに住むユダヤ人の悲劇を描いた曲。「6つの歌」の詩を書いたA.E.ハウスマンはイギリスの作曲家たちがこよなく愛する「シュロップシャーの若者」の作者であり、その詩はどれも不安とやるせなさを漂わせていることで知られています。最後の「悲歌」は自動車事故で孫娘を失ったジェシカ・デステの悲痛な詩を用いた短い曲。印象的な音で幕を開け、最後は消え入るように曲が終わります。聴いたあと、何かが心に残るようなアルバムです。
収録作曲家:
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フリード(1915-2012):
〈ヴィオラとピアノのための作品全集〉
ヴィオラ・ソナタ 第1番・第2番
6つの小品 [アルタモノーヴァ/ギルド]FRID, G.: Music for Viola and Piano (Complete) (Artamonova, Guild)
発売日:2016年03月30日 NMLアルバム番号:TOCC0330
CD価格:2,600円(税込)
ロシアの作曲家、グレゴリー・フリード(1915-2012)は、歌劇「アンネ・フランクの日記」でその名を知られています。ロシア革命が勃発した頃に生まれた彼の作品には、いつも不安な社会情勢が反映されているかのような、重苦しさと妙にひねくれた明るさが宿っています。彼は多作家であり、3つの交響曲をはじめ、4曲の協奏曲、数多くの管弦楽曲と室内楽曲、器楽曲、歌曲、民族楽器のための曲から、ラジオ番組のための劇音楽、果ては映画音楽までと、幅広いジャンルをこなしていますが、楽譜のほとんどは散逸してしまっているようです。ただ、記録は残っているので、今後彼の作品がもっと世に出てくる可能性もなきにしもあらずです。 このヴィオラ作品集も、ショスタコーヴィチの影響が仄かに香る面白いもの。このアルバムは2012年にこの世を去ったフリードへの追悼として製作されたものです。