2016年2月
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レスピーギ(1879-1936):
〈管弦楽作品集〉
リュートのための古風な舞曲とアリア 組曲
バレエ組曲「鳥」 [ミュンヘン放送管/ラウダレス]RESPIGHI, O.: Antiche Danze ed Arie per Liuto (Ancient Airs and Dances), Suites Nos. 1-3 / Gli Uccelli (Munich Radio Orchestra, Raudales)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:777233-2
SACD-Hybrid価格:2,850円(税込)
レスピーギ(1879-1936)の「リュートのための古風な舞曲とアリア」の3つの組曲は、なんと言っても第3組曲の「シチリアーノ」が有名で、誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。タイトルに「リュートのための」とありますが、これは原曲が16世紀から17世紀のリュートのための曲であり、それをレスピーギが管弦楽曲として編曲したもので、彼らしい多彩な響きに満ちた興味深い曲となっています。 「鳥」も同じく17世紀の曲を華やかな管弦楽曲に編曲したもので、極彩色の鳥たちが鳴き交わす様子が描かれた壮麗な作品になっています。この2つの組曲をSACDの高音質で収録した素晴らしい1枚です。
収録作曲家:
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アーベル(1723-1787)・ハッセ(1699-1783):
魂の曲作り [ミールズ/エッケルト/ハンブルク・ラーツムジーク]ABEL, C.F.: Quartets, WKO 62 and 65 / Keyboard Concerto, WKO 56 / Arias (Composed to the soul) (Mields, S. Eckert, Hamburger Ratsmusik)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:777911-2
CD価格:2,608円(税込)
ヴィオラ・ダ・ガンバの名手として知られたカール・フリードリヒ・アーベルは、1748年J.S.バッハの推薦でヨハン・アドルフ・ハッセの宮廷楽団に入団、ここに10年間在籍したと言われます。そしてそのアーベルの友人が未完の長編小説「紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見」の作者として知られる作家ローレンス・スターン(1713-1768)です。スターンは巧みにガンバを弾き、またアーベル作品の良き聴き手でもありました。スターンは繰り返し、アーベルを優れたガンバ奏者として人々に紹介していたということです。 このアルバムはそんなアーベルの室内楽曲を中心に、ソプラノのためのアリアを1曲と、ハッセのアリアを1曲収録、2曲のアリアを歌うのは古楽界を代表する歌姫ドロテー・ミールズという素晴らしい1枚となっています。シモーネ・エッケルトの見事なガンバに耳を奪われます。
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発売日:2016年02月24日
CD 2枚組価格:5,216円(税込、送料無料)
ザクセン出身の教会作曲家ホミリウス(1714-1785)の生誕300年を記念して、彼縁りの地ドレスデンで行われた「メサイア」のライヴ収録です。J.S.バッハの弟子であり、またドレスデンの教会オルガニストとして活躍したホミリウスは、その生涯に10曲以上の受難曲を始め、150曲以上のカンタータ、60曲以上のモテットなど夥しい数の宗教曲を書いています。近年になって研究が進み、そのどれもがバロックから古典派への移行時期の重要な作品として評価されるようになってきました。 この「メサイア」はそのタイトルにも拘わらずヘンデルのような「キリストの生涯」を描いたものではありません。18世紀当時のドイツの多くの場所で使われていた受難曲のテキストで、聖金曜日の礼拝のための作品と考えられています。
収録作曲家:
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カステルヌオーヴォ・テデスコ(1895-1968):
ピアノ五重奏曲 第1番・第2番 [ビアンキ/アーロン四重奏団]CASTELNUOVO-TEDESCO, M.: Piano Quintets Nos. 1 and 2 (M.G. Bianchi, Aron Quartet)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:777961-2
CD価格:1,824円(税込)
現代では「ギター曲の作曲家」として名前が知られているカステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968)。彼は幼いころから音楽の才能に溢れ、9歳で最初のピアノ曲を作曲し19歳でフィレンツェ音楽院のピアノ科を終了、その後作曲科でピツェッティに師事し4年後に卒業資格を得ます。そしてイタリア気鋭の作曲家として次々と作品を発表することとなるのです。 この2曲のピアノ五重奏のうち、第1番はイタリアのピアニスト、エルンスト・コンソーロの思い出のために書かれたもので、1932年に作品番号なしで出版されています。第2番は1951年、彼がビバリーヒルズで映画音楽を盛んに作曲していた頃のもので、トスカーナの田舎の思い出が反映された「陽気さと瞑想的な静けさ」を併せ持つ、表情豊かな作品となっています。
収録作曲家:
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ザクセン=ヴァイマール公
ヨハン・エルンスト公2世(1696-1715):
ヴァイオリン協奏曲全集 第1番‐第8番 [A. シューマン/クネーベル/フュルステン=ムジーク]JOHANN ERNST (PRINCE OF WEIMAR): Violin Concertos (Complete) / BACH, J.S.: Keyboard Concertos, BWV 592a, 982, 987 (A. Schumann, Knebel, Fürsten-Musik)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:777998-2
CD価格:2,608円(税込)
音楽好きで知られたザクセン=ヴァイマール公国の君主、ヨハン=エルンスト公は当時この地の実権を握っていたヴィルヘルム公の弟で、J.S.バッハも私設オーケストラに半年間務めたという経緯があります。 このヨハン=エルンスト公の息子エルンスト公2世(1696-1715)も少年時代から非凡な楽才を発揮し、天才貴公子として知られていました。バッハは彼のヴァイオリン協奏曲の中から2曲をオルガン用(BWV592、595)に、3曲をチェンバロ用(BWV982、984、987)に編曲し、オルガン独奏用に編曲されたBWV592を、さらにチェンバロ版にしたものが592aとなります。 このアルバムでは、原曲である公子のヴァイオリン協奏曲を6曲全て収録、18歳という若さでこの世を去ってしまった知られざる天才の作品が完全な形でお聞きいただけます。
収録作曲家:
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ブクステフーデ(1637-1707):
オルガン作品全集[6枚組BOX]BUXTEHUDE, D.: Organ Works (Complete) (Bryndorf) (6-CD Box Set)
発売日:2016年02月24日
CD 6枚組価格:5,850円(税込、送料無料)
以前から分売され好評を得ていたブクステフーデ(1637-1707)のオルガン作品全集がBOX化されました。ブクステフーデはデンマークに生まれ、1658年にヘルシンボリの聖マリア教会のオルガニストに就任します。以降、ヘルゼンゲアの聖マリア教会のオルガニストを務め、1667年にはリューベックの聖マリア教会のオルガニストに選出されるという栄誉を得ます。彼はこの地位を生涯大切にし、およそ40年間職務を全うし、17世紀北ドイツのオルガン作品の発展に大きく寄与することとなります。 このBOXで演奏している女性オルガニスト、ブリンドルフは作曲年代にあわせて、ブクステフーデ所縁のオルガンを用いることで、ブクステフーデの変遷と軌跡を鮮やかに見せてくれます。バッハへと繋がるオルガン音楽の雄大な歴史をお楽しみください。
収録作曲家:
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クリステンセン(1978-):
歌と楽章 [セナテット]CHRISTENSEN, J.J: 3 Songs in 9 Movements / Movin' / Douglas (Scenatet)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:8.226548
CD価格:1,936円(税込)
1978年生まれのデンマークの作曲家、イェペ・ユスト・クリステンセン(1978-)のユニークな作品集です。テーマとなるのは郷愁、リサイクル、そして楽器とおもちゃ。彼が率いる「バンド」で用いられているのは卵スライサー、コーヒーグラインダー、トイ・ピアノなど様々です。 12人のメンバーで構成された「セナテット」は音楽だけでなく、演劇の分野でも活躍するアンサンブルで、常に新しいものを求め多くの新作を上演しています。とにかく不思議な音が氾濫しています。実験的で創造的な音を聴きたい人にオススメします。
収録作曲家:
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デンマークの5つの現代ピアノ三重奏曲集 [トリオ・イスメナ]
Piano Trios - NIELSEN, S.H. / KOCH, J. / HEGAARD, L. / NØRHOLM, I. / GUDMUNDSEN-HOLMGREEN, P. (Trio Ismena)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:8.226583
CD価格:1,936円(税込)
このアルバムに収録された5つのピアノ三重奏曲は、どれも北欧らしい明快さを持つと同時に、暗い闇、影、憂鬱な気分も持ち合わせています。冒頭の繊細なさざめきが印象的なS.V.ニルセンのディヴェルティメント、シンプルに書かれたコックの三重奏曲、小説からインスパイアされたヘゴーの作品、象徴的なタイトルを持つネアホルムの「追悼のエサイ」、そしてタイトル通りシューベルトが姿をみせるグズモンセンの「楽興の時」。今のデンマークの音楽を端的に知ることができる興味深い1枚です。
収録作曲家:
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ティアンワ・ヤン
サラサーテ(1844-1908):
ヴァイオリンと管弦楽のための作品集SARASATE, P. de: Violin and Orchestra Music (Complete) (Tianwa Yang, Navarre Symphony, Martínez Izquierdo)
発売日:2016年02月24日
CD 4枚組価格:2,400円(税込)
すすり泣くようなヴァイオリンが印象的な「ツィゴイネルワイゼン」で知られるパブロ・サラサーテ(1844-1908)。歴史上、最も成功したヴァイオリニストの一人であったはずなのに、彼の他の作品は想像以上に知られていないのが実情です。サラサーテは、1844年にスペインのパンプローナで生まれました。父は連隊の楽団指導者で、幼いパブロにヴァイオリンを教えましたが、才能に溢れた息子はすぐに父を追い越し、もっと技術を磨くためにマドリッドに移ります。彼の早熟な才能は時のスペイン女王イザベラ2世に認められ、支援を受けてパリ音楽院に留学し、それ以降は優れたヴァイオリニストとして活躍することになります。彼の作品はスペインの民族音楽や舞曲を取り入れた華やかなものばかりで、このBOXではそんなサラサーテの素晴らしいヴァイオリンと管弦楽のための作品がもれなく収録されています。 演奏しているのは「非常に才能ある若いヴァイオリン奏者」ティアンワ・ヤン(楊天堝)。彼女は他にもサラサーテの「ピアノとヴァイオリンのための作品集」も4枚リリースしているので、サラサーテに関して彼女の右に出る者はいないはずです。滑らかな音色、表現力。どこをとっても文句なしです。
収録作曲家:
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シエッラ(1953-):
シンフォニア 第3番「ラ・サルサ」
悲しみの沈黙を越えて
ボリケン/エル・バイレ [グート/プエルト・リコ響/バルデス]SIERRA, R.: Sinfonia No. 3, "La Salsa" / Beyond the Silence of Sorrow / Borikén / El Baile (Guth, Puerto Rico Symphony, M. Valdés)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:8.559817
CD価格:1,900円(税込)
プエルト・リコ出身の作曲家シエッラ(1953-)のめちゃくちゃカッコイイ「ラ・サルサ」をお届けいたします。シンフォニア第4番(8.559738)でも、スペインの伝統を受け継いだ情熱的で挑戦的な作品を聴くことができましたが、今回のシンフォニア第3番は一層はじけています。各々の楽章に付されたタイトルをごらんください。まさにお祭り騒ぎ!この曲は2005年、ミルウォーキー交響楽団の委嘱によって書かれたもので、ニューヨークの熱気とカリブ伝統のサルサのリズムが溶け合う何とも楽しい曲なのです。 「ボリケン」と「エル・バイレ」はシャコンヌの形式で書かれた一種の変奏曲。とは言え、その語法は現代的であり、もちろん熱狂的なリズムに支配されています。N.スコット・モマディのテキストを用いた歌曲集「悲しみの沈黙を越えて」はネイティブ・アメリカンの部族の文化と愛情を歌ったもので、ここでは先ほどの「シンフォニア」ようなリズムの応酬はあまりなく、真摯で愛に満ちた響きと叙情性が漲っています。
収録作曲家:
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マーラー(1860-1911):
交響曲 第2番「復活」(B.ワルターによるピアノ4手版) [中澤真麻/アタヴァーレ]MAHLER, G.: Symphony No. 2 (arr. B. Walter for 2 pianos) (Maasa Nakazawa, Athavale)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:8.573350
CD価格:1,900円(税込)
マーラーが交響曲第2番「復活」を完成させたのは1894年、彼が34歳の時でした。1888年に「葬礼」として最初に作品の構想を練った時は単一楽章の交響詩となるはずでしたが、その後様々な紆余曲折を経て、最終的には5楽章からなる、ソプラノ、アルト独唱と合唱、オルガンを伴う巨大な交響曲へと発展したこの交響曲には、彼の様々な思い入れが込められています。 そんな壮大な作品を、彼の弟子であるブルーノ・ワルターが連弾用に編曲。もちろんマーラーの複雑なスコアはそのまま、また独唱や合唱のパート全てが、ピアノの響きに集約されたこの「ミニアチュア」は驚くほどの精緻な佇まいを持っています。 この録音では、連弾で演奏できるスコアをあえて2台のピアノで演奏することで、一層の音の広がりを追求しています。昂ぶる感情がそのまま爆発する第1楽章、穏やかで細やかな第2楽章、ユーモラスな第3楽章、素朴な信仰が歌われた第4楽章「原光」、そして圧巻の終楽章。ピアノの響きの向こう側に光り輝く世界が開けているかのようです。
収録作曲家:
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ヤング(1900-1956):
映画音楽「ゲスト」
ガリバー旅行記他 [モスクワ交響合唱団&交響楽団/ストロンバーグ]YOUNG, V.: Uninvited (The) / Gulliver's Travels (Moscow Symphony Chorus and Orchestra, W.T. Stromberg)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:8.573368
CD価格:1,900円(税込)
アメリカ合衆国の作曲家、指揮者、編曲家、そしてヴァイオリニスト、ヴィクター・ヤング(1900-1956)。もともとはヴァイオリニストだった彼は、デッド・フィオリト楽団に参加したことでポピュラー音楽の分野に移り、やがて映画音楽作曲家として名をあげ、ハリウッド映画のために次々と作品を書き始めます。アカデミー賞に22回ノミネートされるも、生前には受賞ならず、結局死後あの誰もが知っている名曲『八十日間世界一周』の主題歌『アラウンド・ザ・ワールド』でようやく作曲賞を受賞したということでも知られています。 そんなヤングですが、彼が57歳の若さで死去したときは大勢の人々がハリウッドの墓地に集まり(墓地の場所はメジャー映画会社であったRKOとパラマウント社の中間地点にあった)教会に入りきれなかった人たちは外で祈りを捧げたというほど、その早すぎる死を悼んだのでした。 そんなヤングの代表作を3曲と、これまた有名な「地球最大のショウ」の前奏曲を収録したこのアルバムはもともとMARCO POLOレーベルからリリースされていたものですが、今回NAXOSレーベルから再発売されることで、また多くの人に聴いていただける機会を持つことができるでしょう。一度でも聴いたら必ず魅了される音楽。まさに永遠に不滅です。
収録作曲家:
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パガニーニ/ロッシーニ/
ヴェルディ/プッチーニ/レスピーギ:
イタリアの管弦楽作品集 [リティス/カステリョー/ヴュルツブルク・フィル/カレッソ]Orchestral Works (Italian) - PAGANINI, N. / ROSSINI, G. / VERDI, G. / PUCCINI, G. / RESPIGHI, O. (de Ritis, Castelló, Würzburg Philharmonic, Calesso)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:8.573382
CD価格:1,900円(税込)
レスピーギ(1858-1924)の「風変わりな店」を中心としたヴュルツブルク・フィルハーモニー管弦楽団のある一夜のコンサートのライヴ・アルバムです。なかなか凝ったプログラムといい、リティスの極上のファゴット・ソロといい何とも贅沢なコンサートではありませんか! あまり聴く機会のないプッチーニの「交響的前奏曲」は初期の作品ですが、まるでこれから壮大なオペラが始まるかのようなワクワク感たっぷりの美しい曲です。こちらも珍しいロッシーニのファゴット協奏曲も、まるでオペラのアリアを聴いているかのような雄弁な独奏を楽しめます。ヴェルディの奇想曲はアマチュアのオーケストラのために書かれた作品で、ずっと失われていたものですが、20年前に再発見されました。フランスのファゴット奏者A.N.アンリのためにパガニーニが作曲した二重協奏曲も1985年まで公開されなかったもの。流麗な旋律が魅力です。そしてメインは「風変わりな店」。言うまでもなくロッシーニの作品を元にレスピーギが編曲したバレエ音楽で、お馴染みの旋律が次から次へと現れます。
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ヴァイオリンによるオペラ幻想曲集 第2集
ヴェルディ、チャイコフスキー、サラサーテ他 [ソーン/ロブ]Violin Recital: Sohn, Livia - VERDI, G. / TCHAIKOVSKY, P.I. / HAGEN, D.A. / SARASATE, P. de / GLUCK, C.W. (Opera Fantasies for Violin, Vol. 2)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:8.573403
CD価格:1,900円(税込)
12歳でユーディ・メニューイン国際ヴァイオリン・コンクールの最優秀賞を受賞した才能あふれるヴァイオリニスト、リディア・ソーンによるオペラ幻想曲集の第2集となります。第1集(8.570202)でもパガニーニからゴリホフまで幅広い時代の作品を聴かせてくれた彼女、今作でもなかなか珍しい作品をヴァラエティ豊かに演奏しています。ヘンデルやグルックなどのお馴染みの曲はもちろんのこと、サラサーテの技巧的な作品やフバイ、マルティヌーなどの珍しい作品、そして現代風の曲など(トラック3のハーゲンの曲には一瞬聞きなれたメロディも出現!)、まさに目も眩むような曲が次々と溢れ出してくる楽しい1枚です。 録音技術のなかった19世紀の時代だからこそ行われていた、劇場に行かずともオペラを楽しむための「アリアを器楽曲へ編曲すること」、それが、ここまで進化するとは当時の人も想像していなかったのではないでしょうか。
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リスト(1811-1886):
〈ピアノ作品全集 第41集〉
オペラからの編曲集 [チェン・ハン]LISZT, F.: Opera Transcriptions (Han Chen) (Liszt Complete Piano Music, Vol. 41)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:8.573415
CD価格:1,900円(税込)
着々と進行するNAXOSのリストピアノ曲全集の第41集は、ウェーバー、ベッリーニの名オペラに基づくパラフレーズと、リスト(1811-1886)の親友であった作曲家フェレンツ・エルケルの歌劇「フニャディ・ラースロー」からの編曲、そしてビクトリア女王の義理の兄弟でザクセン=コーブルク=ゴータ公エルンスト2世のオペラ「トニー、または報復」からのメロディのパラフレーズです。 ウェーバーとベッリーニについては説明不要でしょう。原曲がどれほど見事にピアノ曲に変貌しているのかを楽しんでみてください。エルケルが歌劇の題材とした「フニャディ・ラースロー」とは15世紀ハンガリーの貴族、政治的指導者です。陰謀に巻き込まれ24歳の若さで処刑されたという波乱万丈な生涯を描いたという歌劇、ぜひ全曲を見てみたいものです。 エルンスト2世は音楽好きの領主として知られ、1887年にはヨハン・シュトラウス2世をゴータ公国の国民として迎え入れたというエピソードを持っています。トラック7の「 E.H.z. S.-C.-G」とは Ernst, Herzog zu Sachsen-Coburg und Gotha(ザクセン=コーブルク=ゴータ公エルンスト)の略です。華麗なピアノを演奏しているチェン・ハンは2013年、第6回中国国際ピアノ・コンクールの覇者です。確かなテクニックと音楽性は輝かしい将来を予感させます。
収録作曲家:
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シューマン(1810-1856):
子供のためのピアノ・ソナタ集 Op. 118
暁の歌 [イ・ジンサン]SCHUMANN, R.: Piano Sonatas for the Young, Op. 118 / 5 Gesänge der Frühe (Jinsang Lee)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:8.573436
CD価格:1,900円(税込)
シューマン(1810-1856)の劇的な生涯については、すでに多くの言葉で語りつくされているように思います。クララとの結婚、音楽家、評論家としての活躍、そして晩年の精神の破綻・・・など数多くのエピソードが積み重なって構成された一生。その時計の針が振り切れる直前の1853年に書かれた作品がこの「暁の歌」なのです。 第1曲目の冒頭のレ・ラ・シ・ミ・ソ・ファ#のユニゾンの空虚な響きから、すでにこの世のものではない幽玄な雰囲気が立ち込めています。全5曲、少しだけ意識が戻るときがあるものの、すべての音は薄明の中で揺らめいているかのよう。神秘的かつ難解な世界を見ることができます。同年の「子供のためのソナタ」は彼の大切な子供たちのための作品で、素朴でありながらも愛に溢れた音楽となっています。興味深いソナタの断章も収録されています。
収録作曲家:
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南からの印象
アマデウス・ギター・デュオ [アマデウス・ギター・デュオ]Guitar Duo Recital: Amadeus Guitar Duo - CASTELNUOVO-TEDESCO, M. / CARULLI, F. / MONTES, A. / GARCIA, G. (Images from the South)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:8.573442
CD価格:1,900円(税込)
このアルバム、タイトルの「Images from the South - 南からの印象」の南とは一体どこの辺りなのでしょうか。「南」と言っても南ヨーロッパ?それとも南アメリカ?南極ではないだろうな…と思いながら聴いてみると、そこにはなんとも色鮮やかで蒸し暑い世界が広がっていました。イタリア、フィレンツェで生まれカリフォルニアに移住したカステルヌオーヴォ・テデスコの古典的な面持ちを持つソナティナとフーガ、イタリアからパリに移ったカルッリの麗しいセレナード、アマデウス・ギター・デュオのために書かれたベネズエラの作曲家モンテスのスラマ、香港で生まれイギリスで活躍する東洋系ギタリスト、ジェラルド・ガルシアの詩人ロルカへの賛美、おなじみヴィラ=ロボスのピアノのための曲を2台ギターに編曲した前奏曲、ロドリーゴの「マドリガル協奏曲」からの3つの楽章、ボリビア生まれのセナモンによる映画「カサブランカ」にインスパイアされたノスタルジックな曲、そして誰もが知っている「アルハンブラの思い出」の2台ギター版。 この多彩な作品を演奏するのは、こちらもおなじみアマデウス・ギター・デュオ。結成25周年を迎え、一層そのアンサンブルも緊密になっています。
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ヴァンデルロースト(1956-):
交響詩「スパルタクス」
交響詩「モンタニャールの詩」
シンフォニエッタ ~ 水都のスケッチ [フィルハーモニック・ウィンズ大阪/ヴァンデルロースト]VAN DER ROOST, J.: Spartacus / Poeme Montagnard / Sinfonietta, "Suito Sketches" (Philharmonic Winds OSAKAN, Van der Roost)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:8.573486
CD価格:1,900円(税込)
「フィルハーモニック・ウインズ大阪=オオサカン」日本初のNPO法人のプロフェッショナル吹奏楽団「フィルハーモニック・ウインズ大阪=オオサカン」。結成以来、吹奏楽の新たな可能性を追求し、レパートリーの拡充を図ってきた彼らたちのNAXOSへのアルバム第2弾は、お待ちかね「スパルタクス」をはじめとしたヴァンデルローストの作品集です。 交響詩「スパルタクス」は“レスピーギへのオマージュ”とスコアに記されているとおり、古代ローマの剣闘士スパルタクスの活躍がレスピーギを思わせる鮮やかな色彩で描かれている作品で、吹奏楽ファンだけでなく、全ての音楽ファンから賞賛されているものです。1997年に初演された「モンタニャールの詩」は、モンブランの山並みを望む自然の描写と、歴史上の史実を自由に交えた幻想的な作品です。ちなみに「モンタニャール」とはフランス語の「山」という意味。そして、注目は2014年の「ヴァンデルロースト首席客演指揮者就任記念演奏会」で演奏された「シンフォニエッタ~水都のスケッチ」で、こちらはもともと「大阪市音楽団発足80周年」のためにヴァンデルローストが作曲したものですが、演奏楽団がオオサカンに変わることで曲の表情も驚くほどに変化しています。
収録作曲家:
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マンハッタン・インテルメッツォ [ビーゲル/ブラウン大学管/フィリップス]
Piano and Orchestral Works - SEDAKA, N. / EMERSON, K. / ELLINGTON, D. (Manhattan Intermezzo) (Biegel, Brown University Orchestra, P. Phillips)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:8.573490
CD価格:1,900円(税込)
NAXOSから、時折リリースされる一連のクロスオーヴァー(?)アルバムは「この手のもの」が好きな人から大絶賛されています。たとえばオールソップの一連のアルバムや、伝説のベーシスト、マグヌス・ローゼンをフィーチャーしたアルバム(8.572650)とか。 さて、このアルバムの4つの作品もなかなか個性的なものです。シンガーソングライターとしてお馴染みニール・セダカ(10代の頃はクラシックを学んでいた)の麗しい「マンハッタン・インテルメッツォ」。イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド「エマーソン・レイク・アンド・パーマー」のメンバー、キース・エマーソンの熱狂的な「ピアノ協奏曲」、デューク・エリントンの名作「ニュー・ワールド・ア・カミン」(カデンツァが聴き所)、そしてお馴染みガーシュウインの「ラプソディ・イン・ブルー」。どれもジャンルを越えた華やかな音楽として楽しめます。 今回ピアノを演奏しているのは、驚くほど幅広いレパートリーを持つことで知られるジェフリー・ビーゲル。これらの作品に全く新しい命を吹き込んでいるところはさすがです。
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メイエル(1943-):
〈器楽作品集〉
ピアノ三重奏曲/架空の変奏曲
楽興の時/カンツォーナ
ミステリオーソ [ポズナン・ピアノ・トリオ]MEYER, K.: Instrumental Music - Canzona / Imaginary Variations / Moment Musical / Misterioso / Piano Trio (Poznań Piano Trio)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:8.573500
CD価格:1,900円(税込)
ポーランドの作曲家、ピアニスト、作家クシシュトフ・メイエル(1943-)の作品集です。一連の弦楽四重奏曲でその独自の音楽性を存分に見せつけた人ですが、この「器楽作品集」でも独特の雰囲気と質感が漂う、劇的な作品を聴くことができます。5つの作品は1976年から2010年に渡ってピアノ、ヴァイオリン、チェロの様々な組み合わせで書かれたものです。時にはソロ、緊密な二重奏、そして音がぶつかりあう三重奏と、どれも伝統的な響きの中に型破りな語法が隠されています。 神秘的な面持ちで始まる「カンツォーナ」はチェリスト、ゲリンガスによって初演されています。どこか抒情的でありながら、やはり恐ろしいまでの緊張感に支えられた音楽です。演奏会のアンコールピースとして書かれた「楽興の時」はチェロがゴリゴリ鳴る気持ちの良い曲。ヨーゼフ・ヨアヒム国際ヴァイオリン・コンクールの課題曲として書かれた「ミステリオーソ」、綿密に計算された整った形式を持つ「ピアノ三重奏曲」、そしてアルバム中、最も新しい作品である「架空の変奏曲」。古典的な技法を用いながらも、極めて主張の強い音楽がここにはあります。
収録作曲家:
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パーカッションの世界 [ミローリオ]
Percussion Recital: Miroglio, Thierry - MANTOVANI, B. / STROPPA, M. / EÖTVÖS, P. / LEIBOWITZ, R. / HERSANT, P. (The World of Percussion)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:8.573520
CD価格:1,900円(税込)
このアルバムに収録された6つの作品はどれも世界初演であり、当然、これまで誰も聴いたことのない音を聴くことができるというものです。本来はリズムが主体となるパーカッションではありますが、例えばヴァイブラフォンのように音の高低を表現できるものや、エレクトロニクスと組み合わせることで夢幻的な響きを齎すものもあり、想像以上に多彩な音を聴くことができるのです。 ブルーノ・マントヴァーニの劇的にファンキーな作品、金属的な響きがミステリアスなストロッパの作品、パーカッションの可能性を追求したエトヴェシュの「サンダー」、指揮者としても知られるレイボヴィッツのカプリース、古典の3つの作品からインスパイアされたエルサンの練習曲、自然音への憧れともいえる「コンピューターで生成された音とパーカッションの対話」から生まれたリセの練習曲、など無限の可能性が感じられる興味深い1枚です。
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ソレール(1729-1783):
ピアノ・ソナタ集 第5集
第57番-第62番 [コーリック]SOLER, A.: Keyboard Sonatas Nos. 57-62 (Čolić)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:8.573544
CD価格:1,900円(税込)
カタルーニャのウロトに生まれたアントニオ・ソレール(1729-1783)は、6歳でオルガンと作曲の勉強をはじめ、モンセラート修道院の聖歌隊員に加わります。わずか15歳でセオ・デ・ウルゲル大聖堂のオルガニストと副助祭に任命されるほどの才能を持ち、その後は23歳で叙階を受け聖職者となり、亡くなるまでの31年間はずっと禁欲的な生活を送った人です。 彼の生活は確かに常人から見ると単調なものだったかも知れませんが、彼の書いたソナタを聴くと、本当はものすごく実り豊かな暮らしをしていたのではないかと思わせるだけの強い魅力があるものです。彼はドメニコ・スカルラッティに師事したと言われていて、どのソナタも端正な書法で書かれていますが、60番以降になるとかなり自由な形式も使われていて、例えば61番では特有のリズムが使われるなど、面白いものとなっています。 アルバムごとに異なるピアニストで演奏されているこのソレールのシリーズですが、ここでピアノを演奏しているのは2007年にバルセロナで開催された第53回マリア・カナルス国際音楽コンクールで1位を獲得したムラデン・コーリック。1982年セルビア生まれの彼は、4歳から天才として賞賛され、数多くのコンクール入賞歴を持っています。すっきりとした表現が魅力的です。
収録作曲家:
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マイール(1763-1845):
歌劇「サッフォー」 [ブラウン/シェーファー/ユン・ジェウォン/バイエルン州立歌劇場合唱団/ジモン・マイール合唱団/コンチェルト・デ・バッスス]MAYR, J.S.: Saffo [Opera] (A.L. Brown, M. Schäfer, Jaewon Yun, Bavarian State Opera Chorus, Simon Mayr Choir, Concerto de Bassus, Hauk)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:8.660367-68
CD 2枚組価格:2,900円(税込)
ドイツで生まれ、イタリアで活躍した作曲家ジモン・マイール(1763-1845)。彼は生涯に70曲ほどのオペラを残しましたが、この「サッフォー」は彼の記念すべき最初の歌劇とされています。1787年に生まれ故郷のバイエルンを離れ、ベルガモからヴェネツィアに移った彼は、この地でオペラが生活の一部に溶け込んでいることに驚いたようです。その頃、火災で焼失(1773年)したサン・ベネデット劇場の後継として建設されたフェニーチェ劇場が1792年に完成し、マイールもここでヴァイオリンを弾いていたという伝説もあります。 この歌劇「サッフォー」は1794年に完成、初演はこのフェニーチェ歌劇場で行われ、熱狂的な成功を収めました。以降マイールはこの劇場のために数多くの作品を書くことになるのです。この「サッフォー」。曲には幾分モーツァルト風な趣きもありますが、テキストと音楽の力強い結びつきや木管の使い方などが印象的で、また不幸な愛を描きつつも最後はハッピーエンドを迎えるなど、かなり独創的な部分もあり、とても興味深い作品となっています。マイール作品の普及に尽力するハウクの的確な演奏で。
収録作曲家:
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ヴァインベルク(1919-1996):
ヴァイオリン・ソナタ集 [スワヴェク/ルジャンスキ]WEINBERG, M.: Violin Sonatas Nos. 4 and 5 / Violin Sonatina (Sławek, Różański)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:CDAccordACD217
CD価格:1,824円(税込)
最近、数多くのCDがリリースされ、その存在がクローズアップされているポーランド出身の作曲家ヴァインベルク(1919-1996)のヴァイオリン・ソナタ集です。レオニード・コーガンに献呈された第4番は、あの悪名高き「ジダーノフ批判」の直後に作曲された作品です。ぽつぽつと呟くように音を置いていくピアノで始まり、ヴァイオリンは悲痛なメロディを美しく歌います。第2楽章はせわしないヴァイオリンとファンファーレを思わせるピアノ、そして終楽章は何かを諦めたかのような静かな音楽です。 ソナチネは1949年の作で、彼の友人ボリス・チャイコフスキーに捧げられています。民族音楽由来の親しみやすい音楽です。第5番は1953年の作品。こちらはショスタコーヴィチに捧げられています。壮大な構成を持つシンフォニックなソナタであり、彼の最高傑作のひとつとしても讃えられています。1988年生まれの若き女性ヴァイオリニスト、スワヴェクのデリケートな音色が魅力です。
収録作曲家:
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ミハイル・カロル・シマノフスキ
ピアノ・リサイタル [シマノフスキ]Piano Recital: Szymanowski, Michał - CHOPIN, F. / PADEREWSKI, I.J. / SZYMANOWSKI, K. / WIENIAWSKI, J.
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:CDAccordACD219
CD価格:1,824円(税込)
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ギャロップ(1970-):
神話的な交響曲 [シカゴ・カレッジ・オブ・パフォーミング・アーツ室内管/パラ/ザーカー]GARROP, S.: Orchestral Music (Mythology Symphony) (Chicago College of Performing Arts Chamber and Symphony, Parra, Thakar)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:CDR90000-160
CD価格:1,710円(税込)
何枚かのコンピレーションアルバムで、その才能の片鱗を見せつけていたアメリカの女性作曲家ステイシー・ギャロップ(1970-)。このアルバムは初の彼女の作品集で、世界初録音の「神話的な交響曲」を含む3つの作品が収録されています。この交響曲は、タイトル通り、ギリシャ神話のエピソードが元になっているもので、抒情性と鮮やかなストーリーを想起させる興味深い音楽です。現在、彼女の作品はとても注目されており、2015年の秋にもオラトリオや弦楽四重奏曲第4番が世界初演されるなど、その作品には大きな期待が寄せられています。
収録作曲家:
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ルイージ&フェレリコ・リッチ:
歌劇《クリスピーノと死神》 [コライアンニ/ボスコーロ/イタリア国際管/ビニャミーニ]RICCI, L. / RICCI, F.: Crispino e la Comare [Opera] (Colaianni, Boscolo, Orchestra Internazionale d'Italia, Bignamini)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:CDS7675
CD 2枚組価格:3,300円(税込、送料無料)
19世紀の半ば、イタリアのリッチ兄弟(ルイージ: 1805-1859、フェレリコ:1809-1877)が作曲した歌劇《クリスピーノと死神》は、S.ファブリケージの台本による軽妙な喜劇です。初演されるやいなや、世界中で人気を得たというこの物語はグリム童話の「死神の名付け親」と酷似していることでも知られており、死神の姿を見ることのできる主人公が、その力を用いて評判のよい医者になるというものです。しかし死神を騙して怒らせてしまい、主人公は命を落としてしまう…というのが童話の結末ですが、こちらの歌劇では主人公クリスピーノは、死神(妖精)に謝罪し生き返るという結末になっています(三遊亭圓朝の創作落語「死神」も同じような粗筋を持っていますが、こちらはグリム童話に近いものです)。 そんなわけで安心して笑えるこのお話では、妻アンネッタが重要な働きをしますが、ここで彼女を演じているのは、以前「椿姫」のヴィオレッタ役で一世を風靡したステファニア・ボンファデッリ。繊細な歌唱に力強さが加わった実にステキなアンネッタを演じています。題名役のドメニコ・コライアンニのユーモラスな歌唱も魅力的です。
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チマローザ(1749-1801):
ピアノ・ソナタ全集 第1集 [カンデーラ]CIMAROSA, D.: Piano Sonatas (Complete), Vol. 1 (Candela)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:CDS7720
CD価格:2,325円(税込)
チマローザ(1749-1801)というと、70曲近いオペラを作曲した人として知られています。しかしそれらのほとんどは現在演奏されることはあまりなく、「秘密の結婚」や「宮廷楽士長」などのいくつかの歌劇と、その他の歌劇の序曲のみ、そしてレクイエム、オーボエ作品などが時折演奏されるに留まっています。しかし、彼は鍵盤のためのソナタも88曲残していて、これらは知られざる名曲として、最近評価が高まっています。どの曲も3分ほどの短いもので、恐らくD.スカルラッティの1楽章形式のソナタの様式を継承していると思われます。しかし古典派の時代の作品だけあって、どの曲も多彩な表情を持ち、一つたりとて似たものはありません。残りの44曲は第2集に続きます。
収録作曲家:
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チャールズ・ウェスレーの詩による讃歌集 [ワシントン・コーラル・アーツ・ソサエティ/ルイス/タッカー]
Choral Music - Hymns of Charles Wesley (Lift Up Your Voice) (Washington Choral Arts Society, J.R. Lewis, Tucker)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:DSL-92196
CD価格:2,224円(税込)
イングランド国教会における信仰覚醒運動である「メソジスト」の指導者だったチャールズ・ウェスレー(1717-1788)。彼の兄ジョンも同じく司祭でしたが、その信念は微妙に違っていたそうです。チャールズの一番の功績は、なんと言っても数千曲に及ぶ賛美歌の歌詞を書いたことであり、神の教えを歌うためのこれらの歌詞は神の教えを説くために大きな役割を果たしました。彼の詩に基づいて多くの賛美歌が作曲されましたが、中にはメンデルスゾーンの「天には栄え」など誰もが知っている曲も含まれています。 1965年に設立されたワシントン合唱芸術協会は50年の歴史の中で、多くの賞を獲得し、また世界中のオーケストラと共演しています。また合唱を広めるためにボランティア活動にも力をいれているという団体です。
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シリアス・ビジネス
スペクトラル弦楽四重奏団 [スペクトラル四重奏団]Chamber Music - MACKLAY, S. / REMINICK, D. / HAYDN, J. / FISHER-LOCHHEAD, C. (Serious Business) (Spektral Quartet)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:DSL-92198
Blu-ray Audio+CD価格:2,085円(税込)
このアルバムの解説に「“シリアス・ビジネス”は面白いアルバムではありません」と書いてありますが、これをそのまま鵜呑みにするわけにもいかないでしょう。これらの曲が周到に集められた意図を読み取ることはとても難しいのですが、とりあえずは色々な視点から眺めた(彼らによる)音楽というものを楽しんでみるほかありません。各々の作品のタイトルも随分思わせぶりですが、これもどうも聴き手を混乱させて楽しんでいるような雰囲気です。最も耳触りのよいハイドンの弦楽四重奏曲も「冗談」というのも出来すぎています。あまりにもよい音で収録されているのも・・・これも何かの冗談なのかもしれませんね。 スペクトラル弦楽四重奏団の演奏は恐ろしいほどに正確で精緻です。時折聞こえる歌声ももちろん彼らのものです。
収録作曲家:
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発売日:2016年02月24日
DVD日本語字幕付き価格:4,050円(税込、送料無料)
19世紀の半ば、イタリアのリッチ兄弟(ルイージ: 1805-1859、フェレリコ:1809-1877)が作曲した歌劇《クリスピーノと死神》は、S.ファブリケージの台本による軽妙な喜劇です。初演されるやいなや、世界中で人気を得たというこの物語はグリム童話の「死神の名付け親」と酷似していることでも知られており、死神の姿を見ることのできる主人公が、その力を用いて評判のよい医者になるというものです。しかし死神を騙して怒らせてしまい、主人公は命を落としてしまう…というのが童話の結末ですが、こちらの歌劇では主人公クリスピーノは、死神(妖精)に謝罪し生き返るという結末になっています(三遊亭圓朝の創作落語「死神」も同じような粗筋を持っていますが、こちらはグリム童話に近いものです)。 そんなわけで安心して笑えるこのお話では、妻アンネッタが重要な働きをしますが、ここで彼女を演じているのは、以前「椿姫」のヴィオレッタ役で一世を風靡したステファニア・ボンファデッリ。繊細な歌唱に力強さが加わった実にステキなアンネッタを演じています。題名役のドメニコ・コライアンニのユーモラスな歌唱も魅力的です。現代的な演出もこの楽しいお話をスピーディにみせています。
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発売日:2016年02月24日
DVD日本語字幕付き価格:3,300円(税込、送料無料)
D.スカルラッティやアルビノーニが活躍していた頃…イタリアの後期バロック時代の歌劇は、それまでの神話や歴史上の人物を扱った「難しくて固い」題材(オペラ・セリア)よりも、もっと軽妙な物語(オペラ・ブッファ)が好まれるようになってきました。もともとこの軽いお話の流行は、ペルゴレージの「奥様女中」に端を発していたといわれ、長いセリアの間に、軽い劇(インテルメッツォ…幕間劇)を挟むということがちょっとした流行になったのです。 このDVDの2つの作品もそのようなもので、アルビノーニの「ピンピノーネ」は1708年にヴェネツィアで初演された彼自身のセリア「アスタルト」の幕間劇として演奏されています。テレマンも同じ題材で歌劇を書いていますが、お話は「奥様女中」と似たもので、小金持ちの年取りをうまく手玉に取って玉の輿に乗る女性のお話。またスカルラッティの「ラ・ディリンディーナ」は1715年に初演されたセリア「アンブレト」の幕間劇。こちらも若い娘と老練な声楽教師、そして彼女と仲の良い声楽家とのちょっとしたいざこざを描いた楽しいお話です。 映像は世界初。小編成のオーケストラと歌手たちの親密な雰囲気が良く捉えられてます。
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サン=サーンス(1835-1921):
ピアノ作品全集 第4集 [バールソン]SAINT-SAËNS, C.: Piano Works (Complete), Vol. 4 (Burleson)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:GP625
CD価格:1,710円(税込)
サン=サーンス(1835-1921)といえば、誰もが交響曲第3番の壮麗さやピアノ協奏曲第5番のエキゾチックな雰囲気を思い浮かべるに違いありません。しかしそんな彼が、実はフランスのバロック音楽の復興に力を尽くしていたことはあまり知られていないのではないでしょうか。彼はリュリやラモーの舞曲を研究し、その様式を自作に取り入れたのです。確かにトラック1の「ガヴォット」はまさにバロック風。他のワルツもうっとりとした雰囲気と名人芸に彩られた楽しいものです。今回も名手ジェフリー・バールソンの卓越した演奏で、この洒落た作品集をじっくり味わってみてください。
収録作曲家:
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ヴォジーシェク(1791-1825):
〈ピアノ作品全集 第3集〉
12の狂詩曲 Op.1 [ウルバン]VOŘÍŠEK, J.H.: Piano Works (Complete), Vol. 3 - 12 Rhapsodies (Urban)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:GP672
CD価格:1,710円(税込)
第1集(GP670)では即興曲と幻想曲、第2集(GP671)では様々な小品とそのユニークな作風が楽しい、ボヘミア出身の作曲家ヴォジーシェク(1791-1825)のピアノ曲集第3集は、彼の作品の中でも比較的知名度の高い「12の狂詩曲」です。ベートーヴェンに賞賛されたというこの狂詩曲集は、当時としてはかなり先進的な作風を持ち、すでにロマン派の域に達しているといってもよいかもしれません。 この曲が出版されたのは1818年で、当時は優れた評価を受けています。曲によってはショパンを先取りするかのような面持ちもあり、どれも自由な発想と豊かな楽想に満ちています。「技巧的に難しい」と評された作品ですが、全体的には素朴な美しさが漂っています。 このアルバムも、アルメニアの女性ピアニスト、ウーバンが見事な演奏を繰り広げています。
収録作曲家:
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グラス(1937-):
〈グラス・ワールド 第3集〉
メタモルフォーシス I-IV他 [ホルヴァート]GLASS, P.: Glassworlds, Vol. 3 - Metamorphosis I-V / Trilogy Sonata / The Late, Great Johnny Ace: Coda /A Secret Solo / Sonatina No. 2 (Horvath)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:GP691
CD価格:1,710円(税込)
このグラス・ワールド第3集は、アルバムの曲順が時間を遡っていくようにプログラムされています。「メタモルフォーシス」は、カフカの小説「変身」のために書かれた第3番と第4番、エロール・モリスの映画のサントラのための第1番、第2番、第5番が入り混じっています。曲はお馴染みのミニマルで、美しい断片的なメロディーが形を変えながら耳を通り過ぎていきます。 ロサンゼルス・オリンピックのための「オリンピアン」、三部作オペラからの編曲であるトリロジー・ソナタ、1968年に書かれたにもかかわらず、すでにミニマリズムの萌芽が見える2つのページ、そしてミヨーの影響があると言われるソナタ第2番。あなたの知らないフィリップ・グラス(1937-)の姿が見えてくるかもしれません。
収録作曲家:
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バラキレフ(1837-1910):
〈ピアノ作品全集 第2集〉 [ウォーカー]BALAKIREV, M.A.: Piano Works (Complete), Vol. 2 (N. Walker)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:GP713
CD価格:1,710円(税込)
ロシア五人組のメンバーの一人、バラキレフ(1837-1910)のピアノ作品集の第2集です。今回のアルバムで取り上げられているのは、彼の「ショパンへの憧れ」が強く感じられる夜想曲とワルツです。彼は実は優れたピアニストであり、とりわけ即興演奏の腕は素晴らしいものだったとされています(イスラメイを聴けばそれも納得です)。しかし、自作については懐疑的であり、鬱病になってワルシャワ鉄道の事務員として働くなど、一時期音楽からすっかり遠ざかってしまったこともあると言います。 そんな彼、残された作品もあまり多くないのですが、ここに収録されている晩年の作品はどれも確信に満ちたもの。中には若いころの作品を改作した「夜想曲第1番」も含まれていますが、今回、その初稿版が初めて録音されました。比べてみるのも面白いのではないでしょうか。
収録作曲家:
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サイミール・ピルグ(テノール)
IL MIO CANTO - わが歌Vocal Recital: Pirgu, Saimir - VERDI, G. / PUCCINI, G. / GOUNOD, C.-F. / STRAUSS, R. / CILEA, F. / DONIZETTI, G. / MASSENET, J. (Il Mio Canto)
発売日:2016年02月24日
CD価格:2,250円(税込)
その才能をプラシド・ドミンゴからも絶賛された、アルバニア出身のリリック・テノール、サイミール・ピルグのリサイタル・アルバムです。22歳のときに、クラウディオ・アバドによって「コジ・ファン・トゥッテ」のフェルランド役に抜擢されて以来、そのカリスマ性と美声によって世界中を興奮の渦に巻き込んできたピルグ。レパートリーも広く、最近ではシマノフスキの「ルジェ王」での魅惑的な羊飼い役の演技も高い評価を得ています。 しかし彼の本領はやはりベルカント、そしてヴェルディやプッチーニといったイタリア・オペラにあるといえるでしょう。ドニゼッティの「我が祖先の墓よ」やチレアの「フェデリコの嘆き」などのデリケートな感情表現は、ただ声の力のみに頼っている歌手には全く不可能なものなのです。このアルバムでも全15曲、広い声域と明るい音色、そしてビロードのようなトーンを持つ彼の声にふさわしい作品が選ばれています。
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チャイコフスキー(1840-1893):
バレエ音楽「くるみわり人形」全曲(ピアノ独奏版) [グッドイヤー]TCHAIKOVSKY, P.I.: Nutcracker (The) (arr. S. Goodyear for piano) (Goodyear)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:Steinway30040
SACD-Hybrid価格:1,710円(税込)
ラフマニノフのピアノ協奏曲(STNS-30047)とチャイコフスキー&グリーグのピアノ協奏曲(STNS-30035)で安定した技巧と確かな音楽性を披露している若手ピアニスト、スチュワート・グッドイヤーの新譜は、彼自身が編曲したチャイコフスキー(1840-1893)の「くるみわり人形」の全曲、ピアノ独奏版です。組曲としてのピアノ版は良く耳にしますが、ここまで弾ききったものはこれまでにも存在していません。もちろん世界初録音です。明快なタッチと豊かな表現力はここでも抜群の効果を演出、全く新しいチャイコフスキーを聴くことができます。これは本当に楽しい1枚です。
収録作曲家:
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Spirio Sessions ‐ ため息のセッション
ユリ・ケイン&ジェニー・リン [スピリオ・セッションズ]Piano Duo Recital: Caine, Uri / Lin, Jenny (The Spirio Sessions)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:Steinway30044
CD価格:1,710円(税込)
ひと頃、一世を風靡した感のあるジャズ・ピアニスト、ユリ・ケイン。ジャズとクラシックの融合、とりわけ彼のマーラーへの偏愛から生まれた一連の「マーラー・プロジェクト」は、現在の「ポスト・クラシカル」ともまた違う潮流の作品であったように思います。 そんなユリ・ケインの最新作の登場です。Steinwayレーベルでお馴染みのピアニスト、ジェニー・リンとのコラボレーションであるこのアルバムでフィーチャーされたのは、D.スカルラッティと、これまた異色の作曲家ジェズアルド。スカルラッティの音の持つ明快さに比べ、かなりドロドロした響きを持つジェズアルドの作品が並べられ、夢幻的なアレンジが施された上に、オリジナルの小品が演奏されるという、もう夢のような1枚です。現実から少しだけ切り離されたような夢幻的な雰囲気が漲っています。
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クララ・ミン ~ スクリャービンを弾く [クララ・ミン]
SCRIABIN. A: Piano Music (Klara Min)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:Steinway30045
CD価格:1,824円(税込)
NAXOSの「韓国のピアノ曲集」(8.572406)で鮮やかな技巧を披露したピアニスト、クララ・ミン。韓国に生まれ、数々のコンクールで優勝、現在は世界中で演奏活動を行っています。 そんな彼女、今作ではスクリャービン(1872-1915)の神秘的な作品を演奏、また違った雰囲気で迫ります。彼女の演奏には、スクリャービンの特徴とも言える官能的な成分はもちろん、初期の作品にみられる「ショパン風の」煌きも絶妙に含まれていて、その夢幻的な美しさには思わず陶然となってしまいます。硬質なタッチから生み出される美しい音色も魅力的です。
収録作曲家:
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ジークフリート牧歌 [デボー]
Piano Recital: Deveau, David - LISZT, F. / WAGNER, R. / BRAHMS, J. (Siegfried Idyll)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:Steinway30051
CD価格:1,824円(税込)
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ラヴェル(1875-1937):
〈管弦楽作品集 第3集〉
バレエ音楽「ダフニスとクロエ」
高雅で感傷的なワルツ
[シュトゥットガルト放送響/ドヌーヴ]RAVEL, M.: Orchestral Works, Vol. 3 - Daphnis et Chloé / Valse nobles et sentimentales (Stuttgart Radio Symphony, Denève)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:SWR19004CD
CD価格:2,400円(税込)
ステファヌ・ドヌーヴの初のラヴェル(1875-1937)録音集がリリースされたとき、多くの人は「フランスの指揮者がドイツのオーケストラを率いてラヴェルを演奏するなんて、一体どんな音がするのだろう?」と不思議に思ったり、ワクワクしたものでした。もちろんどれもが素晴らしい出来栄えであったことは言うまでもありません。そんなドヌーヴ自身もシュトゥットガルト放送交響楽団の首席指揮者に就任したりと、すっかり馴染んでいます。 この第3集、メインはバレエ音楽「ダフニスとクロエ」で、ドヌーヴがどのようにこのオーケストラから“極彩色の響き”を引き出すのかをぜひ体験してみてください。
収録作曲家:
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イヴリー・ギトリス(ヴァイオリン)
協奏曲とリサイタル [ギトリス]Violin Recital: Gitlis, Ivry - PAGANINI, N. / HINDEMITH, P. / BARTÓK, B. / BRAHMS, J. / DEBUSSY, C. (Original SWR Tapes 1962-1986 Remastered)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:SWR19005CD
CD 2枚組価格:2,400円(税込)
ロシア系ユダヤ人の両親のもと、イスラエルのハイファに生まれたヴァイオリニスト、イヴリー・ギトリス。彼の独特な解釈と、超絶技巧を讃えて「魔弓を操る人」と呼ばれています。彼の演奏は、現代の若手たちとは全く違ういわば「19世紀的」なもの。豊かな感情表現(時として過剰なほど)と独自のボーイングとヴィブラートから生まれる音色は、まさに「泣かせる」演奏であり、聴き手の涙腺を直接刺激するもの。故に彼のファンはとても多いのです。 この2枚組は、CD1に協奏曲、CD2にリサイタルの演奏が収録されています。名指揮者スクロヴァチェフスキとがっぷり組んだパガニーニの緊張感溢れる演奏や、現代作曲家ハウベンシュトック=ラマティの「ゼクエンツェス」での予想の上を行く演奏、素晴らしいバルトークとヒンデミットには、思わず手に汗を握るはず。そして、CD2のリサイタル盤こそまさに真骨頂。ギトリスの魔弓が火を噴きます。
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アリシア・デ・ラローチャ(ピアノ)
モーツァルト&ベートーヴェンの協奏曲 [ラローチャ/ナヴァラ/ブール]MOZART, W.A.: Piano Concerto No. 22 / BEETHOVEN, L. van: Piano Concerto No. 3(Original SWR Tapes 1977-1986 Remastered) (Larrocha, Navarro, Bour)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:SWR19006CD
CD価格:2,100円(税込)
バルセロナで生まれ、グラナドスの弟子であるフランク・マーシャルに師事、幼い頃からその才能を発揮し、特にスペイン作品の演奏で確固たる地位を築いた女性ピアニスト、アリシア・デ・ラローチャ(1923-2009)。彼女はモーツァルトの作品も非常に得意としていたのですが、彼女が若い頃には、その演奏はドイツでは受け入れられなかったと言われています。しかし、以降は彼女の弾くモーツァルトに賞賛が集まり、70年代にはDECCAにもモーツァルトのソナタ集を録音するなど「モーツァルト弾き」としての評価が定まったことはいうまでもありません。ここで聴けるモーツァルトとベートーヴェンもニュアンスに富む素晴らしいものです。
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ミヒャエル・ギーレン・エディション 第1集(1967-2010)[6枚組] [1967-2010]
Orchestral Music - BACH, J.S. / MOZART, W.A. / HAYDN, J. / BEETHOVEN, L. van / SCHUBERT, F. (Michael Gielen Edition, Vol. 1 (1967-2010))
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:SWR19007CD
CD価格:5,175円(税込、送料無料)
現在、最も重要な指揮者の一人と称されるミヒャエル・ギーレン(1927-)。舞台演出家の父のもと、ドレスデンに生まれ、1940年にアルゼンチンに移住し、ブエノスアイレスで音楽を学びます。カルロス・クライバーと知り合い、共に研鑽を積んだエピソードでも知られています。レパートリーは古典派から現代までと幅広く、とりわけ一連のバーデン・バーデン南西ドイツ放送交響楽団とのマーラーの交響曲や、シェーンベルク作品での精妙な演奏は、比類なきものとして評価されています。 この「ギーレン・エディション」は2017年の彼の生誕90年を記念し製作されたもので、SWRレーベルから今後3年間に渡って、全10集のリリースが予定されています。この第1集は1960年代の録音から最近の録音までを収録、そのほとんどは初出音源というもので、彼のファンのみならず、20世紀のクラシック音楽の演奏様式の一つのスタイルを俯瞰するためにもなくてはならないものとなることは間違いありません。
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クタヴィチウス(1932-):
オラトリオ「四季」 [ヴィリニュス・ユース合唱団/メスカウスカス/セント・クリストファー室内管/カトクス]KUTAVIČIUS, B.: Seasons (The) (Vilnius Municipal Choir Jauna Muzika, Meškauskas, St. Christopher Chamber Orchestra, Katkus)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:TOCC0200
CD価格:2,438円(税込)
リトアニアの作曲家クタヴィチウス(1932-)のこのオラトリオは、18世紀のリトアニアの牧師・詩人クリストヨナス・ドネライティスが、農民の生活と自然を描いた牧歌的叙事詩「四季」をテキストにしています。このリトアニアの最高傑作をクタヴィチウスは、原始的な響きと民族的なメロディで力強く描き出すことに成功しました。 このライヴ録音は作曲家の80歳の誕生日を記念して行われたもので、現代のリトアニアで最も有名な俳優メスカウスカスが詩を朗読し、リトアニアを代表するアンサンブルが演奏するという祝典的なものとなりました。
収録作曲家:
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オブライエン(1882-1968):
ピアノ作品全集 第2集 [メイリー=スミス]O'BRIEN, C.: Piano Music (Complete), Vol. 2 (Mailley-Smith)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:TOCC0257
CD価格:2,438円(税込)
第1集(TOCC-257)の抒情的な雰囲気が聴き手の心を捉えたオブライエン(1882-1968)のピアノ曲集第2集です。現在ではほとんど忘れられてしまった人ですが、エディンバラの風景が溶け込む彼の音楽は、どれも静かな佇まいの中に強い憧憬と主張があるもので、一度聴いたら忘れられない魅力を持っています。 今回もメイリー=スミスの共感溢れる演奏で。冒頭の「狂詩曲」からグイグイきます。控えめなワルツ第1番、彼の孫のために書かれた3つのワルツなど、ユニークで興味深い曲ばかり。Toccataレーベルから発売されている管弦楽作品集(TOCC-262)も一聴の価値あるものです。もっと広く聴かれてもよい人です。
収録作曲家:
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ティーセン(1887-1971):
ピアノ作品集 [ルーベンシュタイン]TIESSEN, H.: Piano Music (M. Rubenstein)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:TOCC0291
CD価格:2,600円(税込)
ワイマール共和国の当時最も著名な作曲家の一人であったティーセン(1887-1971)。ベルリン大学とベルリン市立音楽院で作曲と音楽理論を学び、1911年から1917年まで音楽評論を行い、1918年には民衆劇場のカペルマイスター兼作曲家になり、その後1925年から1945年まではベルリン音楽大学で音楽理論と作曲を教えたというすごい人です。またISCM(国際現代音楽協会)のドイツ支部の創設者の一人でもありましたが、結局彼の音楽は(ユダヤの血をひいていたためか)、ナチスによって「不適切」とされてしまい、作曲はほとんどやめてしまいました。 チェリビダッケの師としても知られるティーセンの作品、実際に聴いてみると、シェーンベルクの表現主義や、ヒンデミットの新古典主義など様々な技法が纏められたような、なかなかユニークなものであることがわかります。アメリカのピアニスト、マシュー・ルーベンシュタインの洞察力溢れる演奏で。
収録作曲家:
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ミラン・ドヴォルザーク(1934- ):
ジャズ・ピアノ・エチュード全集 [フラニェク]DVOŘÁK, M.: Jazz Piano Etudes (Complete) (Franěk)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:TOCC0319
CD価格:2,438円(税込)
名前を聞いただけで「チェコの作曲家」とわかってしまうM.ドヴォルザーク(1934- ただし血縁関係はありません)。1960年代からチェコのビッグバンドのメンバーとして活躍するなど、良く知られたジャズ・ピアニストです。 このアルバムには彼の2つの「ジャズ・エチュード」が収録されています。この曲集の目的は、アマチュアのジャズ・ピアニストの技術とリズム感の向上にありますが、聴いていても面白いものばかりで、一つの曲集としての完成度の高さに驚くばかりです(ただしジャズと呼ぶには若干タッチが固すぎるようにも…)。 ここでピアノを弾いているフラニェクはトロンボーンも得意とスルミュージシャン。このアルバムがToccataレーベルへの初録音となります。
収録作曲家:
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ローダー(1810-1865):
ピアノ作品集 [ホブソン]LODER, E.: Piano Music (I. Hobson)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:TOCC0322
CD価格:2,438円(税込)
イギリス音楽の歴史については、WIKIなどをみても、中世、ルネサンス時代はダンスタブルやタリスなど多くの作曲家を輩出していたとあります。そしてダウランド、パーセルなどのバロック期を経て、ヘンデルが活躍しますが、それ以降は記述が途絶え、次はエルガーまで空白になっています。しかし、古典派からロマン派の時代、イギリスの作曲家が全くいなかったわけではありません。このローダー(1810-1865)もその一人です。時期的にはロマン派に属する人で、オペラ作曲家として一応の成功を収めたとされています。しかし借金がかさみ投獄され、そのまま貧困のうちに世を去り、その存在すらも忘れ去られてしまったのです。 このアルバムはそんな彼の没後150年を記念して録音されたもので、知られざる作品を復興するための足がかりとなるかもしれません。作品自体はシューベルト、ベートーヴェンをしのぐ見事なものであり、とりわけ変奏曲は聞き応えのあるものです。
収録作曲家:
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ニコラエフスキー(1882-1942):
管弦楽のための2つの舞曲
ピアノ作品集/歌曲集 [ズロービナ/モルドヴィノフ/モスクワ響/チジェフスキー]NIKOLAEVSKY, M.: Vocal Music / Orchestral Dances (Zlobina, Mordvinov, Moscow Symphony, Chizhevsky)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:TOCC0324
CD価格:2,438円(税込)
「狂騒の20年代」と呼ばれる1920年から30年代には、ヨーロッパだけでなくアメリカ、ロシアでも大きな変化が起きていました。ジャズが花開き、アール・デコが頂点を迎えるとともに1929年の「ウォール街の暴落」によって世界恐慌が起こり、人々の生活様式も大きく変化したのです。 このニコラエフスキー(1882-1942)はロシアの作曲家ですが、この20年代に彼の作品は高い人気を誇っていたのです。人々の好みは、19世紀のサロン音楽から少しずつジャズやタンゴ、チャールストンへと変わっていきますが、ニコラエフスキーは人々の嗜好を敏感に取り入れ、時代に即した作品を数多く書きました。彼の作品のほとんどは失われてしまいましたが、現在残されている作品のほとんどがここに収録されています。初期のロマンティックな作品も、流行に乗った作品も、どちらも魅力的です。
収録作曲家:
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N・クラーク(1960-):
13の独奏楽器のための室内楽集 [ルソー/シェパード・スケアヴェズ/ロングボウ]CLARKE, N.: Music for Thirteen Solo Strings (S. Rousseau, M. Sheppard Skaerved, Longbow, P. Sheppard Skaerved)
発売日:2016年02月24日 NMLアルバム番号:TOCC0325
CD価格:2,438円(税込)
吹奏楽ファンにはその名前が良く知られているイギリスの現代作曲家、ナイジェル・クラーク(1960-)。彼は30年に渡ってヴァイオリニスト、ピーター・シェパード・スクアヴェズとアンサンブル「ロングボウ」のための作品に取り組んできました。 彼の作品の多くは詩や絵画からインスピレーションを得ていますが、この5つの作品の中にも、数多くの元ネタとなるものがあります。トラック3は、ドーヴァーの町の象徴ともいえるもので、それぞれ船、港、川などの名前が並べられているのです。トラック4の「パルプとぼろきれ」はドーヴァー郊外の古い製紙工場の機械からインスピレーションを受け書かれたものです。親密なアンサンブルはさすがです。
収録作曲家: