2015年2月
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ニールセン(1865-1931):
合唱のための歌集 [アルス・ノーヴァ・コペンハーゲン/ボイェセン]NIELSEN, C.: Songs for Choir (Ars Nova Copenhagen, Bojesen)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:6.220569
SACD-Hybrid価格:2,325円(税込)
「私がシンプルなメロディーを書くと、まるで私が作曲家ではないように思われてしまうのが不思議です」と語ったニルセン(1865-1931)。もちろん彼の作品は、難解で渋いものもありますが、この合唱のための歌集は、デンマーク人の伝統であり、心の底にあるメロディーを用いて創り上げたものなのです。そのため、曲調は親しみやすく、懐かしさ満載になっています。数々の名唱で知られるアルス・ノヴァ・コペンハーゲンの精緻なハーモニーでお楽しみください。
収録作曲家:
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ニールセン(1865-1931):
交響曲 第5番&第6番 [ニューヨーク・フィル/ギルバート]NIELSEN, C.: Symphonies Nos. 5 and 6 (New York Philharmonic, Gilbert)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:6.220625
SACD-Hybrid価格:1,988円(税込)
アラン・ギルバートとニューヨーク・フィルによるニルセン(1865-1931)の交響曲シリーズのクライマックスは、第5番と第6番の2曲です。通常の交響曲の形式からは逸脱した感のある「第5番」は、戦争の影を色濃く捉えた重苦しい雰囲気を持ち(しかし、本人は影響を意識していなかったと語っています)、とりわけ、曲の途中に現れるスネアドラムの響きはかなり印象的であり、ニルセンが唯一標題を与えなかったこの作品の意味を考えてみたいものです。かたや第6番は「Sinfonia Semplice」と副題が与えられており、形式も古典的な4楽章を持つ「新古典主義」的な作品です。この曲でも打楽器の活躍が目覚しく、ニルセンの作曲技法の頂点をなすものとして評価されています。このような色彩的な作品でのギルバートの指揮は、まさに水を得た魚。新鮮で大胆なニルセンをぜひお楽しみください。
収録作曲家:
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E.T.A.ホフマン(1776-1822):
管弦楽作品集
[ケルン・アカデミー/ヴィレンズ]HOFFMANN, E.T.A.: Symphony in E-Flat Major / Overtures / WITT, F.: Symphony in A Major (Kölner Akademie, Willens)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:777208-2
CD価格:2,445円(税込)
19世紀に活躍した芸術家の中でも、極めて特異な存在として知られるE.T.A.ホフマン(1776-1822)。彼は作家、作曲家、評論家、画家、法律家であり、中でも「幻想文学」の分野に先鞭をつけた功績が大きく「ホフマン物語」を始め「くるみ割り人形」や「コッペリア」、ヒンデミットの「カルディヤック」の原作は彼のものなのです。そんなホフマンですが、作曲家としても素晴らしい作品がいくつも残されていて、そのいくつかは現在でも愛奏されているのはご存知の通りです。しかし「交響曲」はただ1曲しか残されておらず、イマジネーションが豊か過ぎた彼にとっては、このような形式ばった作品を書くのは苦手だったのかもしれないと、ついつい想像してしまうのです。曲自体からは古典派からロマン派に移行する時代特有の香りが漂います。
収録作曲家:
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ドヴォルザーク(1841-1904):
弦楽四重奏曲集 第2集
弦楽四重奏曲 第4番・第13番・第14番
「糸杉」B152から [フォーグラー弦楽四重奏団]DVOŘÁK, A.: String Quartets, Vol. 2 - Nos. 4, 13 and 14 / Echo of Songs (Vogler String Quartet)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:777625-2
CD価格:3,648円(税込、送料無料)
フォーグラー弦楽四重奏団によるドヴォルザーク(1841-1904)の弦楽四重奏曲集の第2集は、後期の名作である第13番と第14番、そして初期の第4番と「糸杉」からの5曲です(「糸杉」の他の7曲は第1集(777624)に収録されています)。第13番は1985年の作品で、これは彼がアメリカからボヘミアに帰国した年であり、それ以前から着手していた第14番の完成に手間取っていたため、こちらが先に完成されました。それで作品番号が逆に付されているというものです。この2曲は本当の力作であり、当時の彼の作品には珍しく標題のつけられていない“絶対音楽”に属するものです。第4番は1870年の作品で、全曲は切れ目のない単一楽章で書かれています。中間部はのちに「弦楽のためのノットゥルノ」として改作され、美しいメロディが愛されています。
収録作曲家:
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ヴィドール(1844-1937):
オルガン交響曲集 Op.13 [C. シュミット]WIDOR, C.-M.: Organ Symphonies Nos. 1-4 (C. Schmitt)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:777705-2
SACD-Hybrid 2枚組価格:5,700円(税込、送料無料)
1890年に名オルガン制作者アリスティド・カヴァイエ=コルが建立した素晴らしいオルガンの響きをSACDの高音質でたっぷりとお楽しみいただけます。ウィドール(1844-1937)はフランスを代表するオルガン奏者、作曲家の一人で、彼の父親もリヨンの教会オルガニストを務めるなど、幼いころからオルガンに熟知した人でした。25歳の若さで、カヴァイエ=コルの推薦によりサン・シュルピス教会の終身オルガニストに就任し、64年間この職を全うし、数多くのオルガン作品を残しました。この「オルガン交響曲」は管弦楽を使わずに、シンフォニックな響きを創り出すという曲であり、壮麗な響きを心行くまで堪能できることでしょう。
収録作曲家:
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サッリネン(1935-):
室内楽作品集
チェロ・ソナタ/白鳥の歌から/ピアノ三重奏曲 [ヴァハラ/ノラス/ゴトーニ]SALLINEN, A.: Piano Trio / Cello Sonata / From a Swan Song (Vähälä, Noras, Gothóni)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:777814-2
CD価格:1,824円(税込)
アリウス・サッリネン(1935-)はフィンランドの作曲家です。彼の作品は現代にあっても、調性感を失うことなく、抒情性を追求しながら新しいセンスを盛り込んだもので、不思議な親しみやすさがあるものです。彼は特にチェロの音色を愛していて、室内楽作品には、かなりの割合でチェロの音色が使われています。このアルバムの3つの作品もチェロが含まれており、彼のチェロに対する思いが伝わるのではないでしょうか。 ここでキーとなるチェロを演奏しているのは名手アルト・ノラス。時には優しく、時には劇的にサッリネンの世界を表現しています。
収録作曲家:
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J.S.バッハ(1685-1750):
ヴァイオリン協奏曲集 [コンチェルト・コペンハーゲン/モーテンセン]BACH, J.S.: Violin Concertos, BWV 1041-1043 / Oboe Concerto, BWV 1060R (Concerto Copenhagen, Mortensen)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:777904-2
CD価格:1,824円(税込)
コペンハーゲンを代表するバロック・アンサンブル「コンチェルト・コペンハーゲン(CoCo)」と、音楽監督のラルス・ウルリク・モーテンセン。彼らの活動は近年更に目覚ましく進化を遂げています。彼らによるJ.S.バッハ(1685-1750)の録音は、これまでにもハープシコード協奏曲や、他レーベルでの声楽作品があり、こちらも高く評価されていますが、それに満足することなく、今回も考え抜かれた解釈と独創性に満ちたヴァイオリン協奏曲を演奏、バッハに対する愛と、その素晴らしさを見せつけています。
収録作曲家:
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R.シュトラウス(1864-1949):
歌劇「火の危機」Op.50 [アイヒェ/ヴォルト/シュナイダー/バイエルン放送合唱団/ミュンヘン放送管/シルマー]STRAUSS, R.: Feuersnot [Opera] (Eiche, Woldt, Schneider, Bavarian Radio Chorus, Munich Radio Orchestra, U. Schirmer)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:777920-2
CD価格:4,890円(税込、送料無料)
リヒャルト・シュトラウス(1864-1949)生誕150年の記念年にあたる2014年は、各地で彼の歌劇が盛んに演奏されました。その中には、この「火の危機」のような珍しい作品も含まれています。この彼の2番目の歌劇「火の危機」は1901年の作品で、全編ミュンヘンの方言で歌われる「メルヘン・オペラ」です。全曲が演奏されることはほとんどなく、「愛の場面」のみが知られていますが、なかなか美しいメロディが溢れる興味深い歌劇です。 とはいえ、もともと皮肉屋であるシュトラウスのこと、この作品にも色々な風刺が仕掛けられています。魔法使いクンラートは、町の人々にからかわれたことで、仕返しをするためにミュンヘン中の火と灯りを消してしまうという粗筋ですが、火が消える時に聞こえてくる音楽は、ワーグナーやシュトラウス自身のメロディ。そう、偉大なるワーグナーを疎外した町であり、シュトラウスもミュンヘンでは冷たくされていたのでした。作品の中でこっそり仕返しをしたシュトラウスの気合いをぜひ楽しんでみてください。
収録作曲家:
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Busy Bees and Birds - 忙しいハチと鳥
クリステンセン(1955-):
リコーダー作品集 [ペータセン/パルソン]CHRISTENSEN, M.: Recorder Music (Busy Bees and Birds)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:8.226543
CD価格:1,936円(税込)
デンマークの作曲家クリステンセン(1955-)の作品集。彼のCDはdacapoレーベルからも何枚かリリースされていて、電子音や尺八までをも駆使した絶妙な音の感覚が高く評価されています。彼の作品は聴き手のインスピレーションを刺激し、想像力を高める作用を持っていいます。また彼の興味は自然現象や占いなどにも及び、イマジネーション豊かな音の世界を作り上げることで知られています。 このアルバムでは、鳥たちの姿を克明に捉えた「夜想う鳥」をはじめ、ハチの巣の様子を模した「忙しいハチと鳥」など、リコーダーを効果的に用いた作品が収録されていて、現代におけるリコーダー音楽の限界への挑戦ともなっています。
収録作曲家:
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ボロプ=ヨアンセン(1924-):
Carambolage [オーフス・シンフォニエッタ/アルス・ノーヴァ・コペンハーゲン/ハンセン]BORUP-JØRGENSEN, A.: Chamber Music (Arhus Sinfonietta, Ars Nova Copenhagen, Hansen)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:8.226576
CD価格:1,936円(税込)
このアルバムの作曲家アクセル・ボロプ=ヨアンセン(1924-)は、作品の細部に拘ることで知られています。対象物は分子レベルにまで分解され、そこから音楽的な要素を分離し、再構築することで、極めて計算し尽された作品を創り上げるヨアンセン。独学で作曲を学んだという彼の作品には新鮮な驚きが詰まっていますが、彼が求めるものは案外デンマークの伝統に近いものなのかも知れません。1964年に発表された「ポケット・オラトリオ」はライナー・マリア・リルケの詩を用いた短い作品ですが、この中には多くの自然の声や人生観が込められた力作です。正しい「ゲンダイオンガク」の響きがここにあります。
収録作曲家:
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ギャラガー(1947-):
交響曲 第2番「上昇」
静かな反射 [ロンドン響/ファレッタ]GALLAGHER, J.: Symphony No. 2, "Ascendant" / Quiet Reflections (London Symphony, Falletta)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:8.559768
CD-R価格:1,900円(税込)
ジョアン・ファレッタとロンドン交響楽団によるギャラガー(1947-)作品集の第2作目のアルバムです。前作(8.559652)では、1楽章の交響曲とシンフォニエッタを中心に、多彩な作品が選曲されていて、その雄大な音に魅了された人も多かったのですが、今回のアルバムは大作「交響曲第2番“上昇”」がメインであり、彼の思いを存分に受け止めることができるのです。全ての楽器によって表現される「上昇」のモティーフは、様々に形を変えながら、曲全体を支配しています。何度も反復を繰り返すモティーフや、精力的に広がっていく主題などを用い、常にポジティブに曲が展開していきます。人生での希望の実現、そして人間の精神の上昇願望など、つねに前向きに生きていく人を応援するような、ステキな音楽です。
収録作曲家:
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J.S.バッハ(1685-1750):
平均律クラヴィーア曲集 第2巻
24の前奏曲とフーガ BWV 870-893 [ボーセジュール]BACH, J.S.: Well-Tempered Clavier (The), Book 2 (Beauséjour)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:8.570564-65
CD 2枚組価格:2,900円(税込)
あらゆる鍵盤楽器のための作品の中でも、最も偉大で最も学ぶべきところが多いとされるJ.S.バッハ(1685-1750)の「平均律クラヴィーア曲集」。1巻と2巻があり、それぞれ全ての長調と短調が用いられた24の前奏曲とフーガで構成されています。このフーガの部分には、あらゆる技術と対位法が駆使されており、学習者だけではなく、全ての音楽愛好家たちが愛してやまない曲集として知られているのです。 ここで見事なハープシコードを演奏しているリュック・ボーセジュールは、すでにNAXOSに第1集を2005年に録音していて(8.557625-26)、こちらも基本を丁寧に押さえつつ、豊かな表現を湛えた演奏として評価されていますが、この第2集は更に考え抜かれた解釈と、極めて自然なテンポが心地よい、聴けば聴くほどに味が出る見事なものとなっています。
収録作曲家:
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葛甘孺(ゲ・ガンリュ)(1954-):
上海の回想
バタフライ序曲 [ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管/葉聡]GE, Gan-Ru: Shanghai Reminiscences / Butterfly Overture (Royal Scottish National Orchestra, Tsung Yeh)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:8.570609
CD価格:1,900円(税込)
上海で生まれ、アメリカのコロンビア大学で博士号を得た作曲家 葛甘孺(ゲ・ガンリュ 1954-)の作品集です。以前の弦楽四重奏曲では、微分音や特殊奏法を駆使した不思議なハーモニーで魅了しましたが、今作の「上海の回想」は自らの体験を基にした「大河ドラマ」のような作品となっています。5歳からヴァイオリンを始めた彼の幼い視点は、様々な街の音を拾いながら、少しずつ芸術家としての使命を見据えていきます。彼が生まれた1954年は、すでにヴァイオリンを学ぶことに対しての偏見があり、幼い彼がレッスンをするときには、両親は彼のヴァイオリンにミュート(弱音器)をつけなくてはいけなかったのです。そして勃発した「文化大革命」のため、高校卒業後に強制収容所に送られ農作業に従事するも、その才能が認められ、ヴァイオリニスト、作曲家として成功するのです。そんな思い出がきっちり描かれたこの作品が演奏されるだけでも、中国という国の良い変化が見て取れるのではないでしょうか。素晴らしい文化を有する国の将来に幸福があることを祈らずにはいられません。
収録作曲家:
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イディル・ビレット ソロ・エディション 第8集
スクリャービン(1872-1915):
練習曲集 Op.2, 8&42
幻想曲 Op.28SCRIABIN, A.: Etudes, Opp. 2, 8 and 42 / Fantaisie, Op. 28 (Biret Solo Edition, Vol. 8)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:8.571302
CD価格:1,900円(税込)
トルコのアンカラで生まれ、3歳からピアノを学び始めたイディル・ビレット。数々の偉業をこなし、世界的な名声を獲得しています。彼女の演奏はいつも個性的で、狂おしいほどに好きになるか、もしくは激しく拒否反応を起こすか…のどちらかになるようです。そんな彼女にぴったりのレパートリーがこのスクリャービン。もともと、麻薬的な魅力を持つこれらの作品ですが、これをどのように料理しているかをぜひご自分の耳でお確かめください。
収録作曲家:
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チェロとピアノのためのイギリス音楽集 [ウォルフィッシュ/テッローニ]
Cello and Piano Music (British) - WORDSWORTH, W. / HOLBROOKE, J. / BUSCH, W. (Wallfisch, Terroni)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:8.571361
CD価格:1,900円(税込)
既に発売されている「チェロとピアノのためのイギリス音楽集」(8.571352)で紹介した4人の作曲家の中から2人、ブッシュとワーズワース、そしてもう一人、ホルブルックの作品(こちらは他レーベルで既発)を再編したこのアルバムは、最近かなり注目を浴びてきたとはいえ、まだまだ知られていないイギリス音楽の隅の部分に光を当てるものとして評価できるでしょう。 ワーズワースはたくさんの作品を書いた人ですが(同名の詩人とは別の人)、その作品の全てが残されているわけではありません。彼の夜想曲は、もともとヴィオラ・ダ・ガンバのために書かれた曲ですが、ここではチェロで奏されています。2曲のチェロ・ソナタは憂鬱さと美しさの間を揺れ動き、聴き手の心をしばし波立たせます。ホルブルックの印象的なソナタは、情熱的でありロマンティックです。イギリスに帰化したドイツ人の両親の元に生まれたブッシュは、ピアニストとして活躍しましたが、第2次世界大戦で心に傷を負い、1945年に44歳という若さでこの世を去ってしまったのでした。亡くなる前年の2つの作品の幽玄な美しさには言葉を失います。
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マクスウェル・ディヴィス(1934-):
バレエ音楽「キャロライン・マティルダ」
チャット・モス
オーハイ・フェスティバル序曲 [BBCフィル/マクスウェル・デイヴィス]MAXWELL DAVIS, P.: Caroline Mathilde Ballet Suites / Chat Moss / Ojai Festival Overture (BBC Philharmonic, Maxwell Davies)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:8.572358
CD価格:1,900円(税込)
このバレエ音楽「キャロライン・マティルダ」は1991年に初演され、高く評価された作品です。物語はイギリスで生まれ、デンマーク王クリスチャン7世に嫁いだ王妃マティルダ(デンマークではカロリーネ・マティルデ)の悲劇的な逸話をもとにしたものです(このお話は映画化されたり、オペラ化されたりと、比較的良く知られています)。夫に愛されることのなかったマティルダと、王の侍医であったストルーエンセの関係が描かれており、精神的に綻びのあったクリスチャン7世に取り入ることで、権力を握ったストルーエンセと彼に惹かれたマティルダという2人の関係は半ば公のものでしたが、このようなスキャンダルが反感を買わないわけもなく、結局ストルーエンセは逮捕され、マティルダはハノーファーに亡命、ここで病を得て生涯を閉じます。実に23歳という若さでした。 さて、こんな物語にデイヴィスがつけた音楽は皮肉たっぷりであからさまなものでした。まるでバロック時代と間違うほどの曲から、孤独に震える終曲まで、音だけ聞いていてもお腹一杯になるはずです。
収録作曲家:
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ローデ(1774-1830):
ヴァイオリン協奏曲集
第1番・第5番・第9番 [アイヒホルン/イェナ・フィル/パスケ]RODE, P.: Violin Concertos Nos. 1, 5 and 9 (Eichhorn, Jena Philharmonic, Pasquet)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:8.572755
CD価格:1,900円(税込)
ピエール・ローデ(ロード 1774-1830)は、19世紀フランスのヴァイオリニスト、作曲家です。彼の最も知られる作品は「24のカプリース」でNAXOSにもすでにA.シュトラウスの演奏で録音があります(8.570958)。彼はボルドーで生まれ、13歳のときにパリに行って名手ヴィオッティの弟子になり、同時期にヴィオッティのヴァイオリン協奏曲第13番を演奏してデビューしたであろうと推測されています。ヴァイオリニスト、教師として大活躍し、ピエール・バイヨとルドルフ・クロイツェルとの共著である「ヴァイオリン演奏の方法論」はパリ音楽院ヴァイオリン科のための教本としても用いられました。彼はまたベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第10番の初演者としても知られています。 そんな彼ですから、作品の全てはヴァイオリンのために書かれていますが、現在ではほとんど演奏される機会がありません。しかしここで聴くことのできる3曲の協奏曲でわかるとおり、彼の作品は古典派からロマン派への架け橋であり、想像以上に劇的で、例えば20歳の作品である第1番の協奏曲での闘争心に満ち溢れた躍動的なフレーズは、まさに驚くほどの才能の迸りであると断言できるでしょう。1800年頃に書かれた第5番は、牧歌的な性格を有する明るい曲。第2楽章のシチリアーノの美しさは必聴です。そしてロシア滞在中に書かれた第9番は更に劇的であり、ソリストの技量が試される活動的な作品です。やはりこれは聞かずにはもったいない曲ばかりです。 【ローデ:ヴァイオリン協奏曲集(アイヒホルン/パスケ)】 7・10・13番(8.570469)、3・4・6番(8.570767)
収録作曲家:
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大胆な私の欲望
16世紀イタリアの鍵盤音楽集
(アンドレア・アンティーコによるフロットラ集) [ウィルソン]ANIMOSO MIO DESIRE - 16th-Century Italian Keyboard Favourites (Wilson)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:8.572983
CD価格:1,900円(税込)
イタリアで印刷された最古の楽譜といわれる、アンドレア・アンティーコ(1480頃-1538以降)が編纂した鍵盤音楽集です。当時のイタリアではペトルッチが楽譜印刷の占有権を有していましたが、メディチ教皇の方針により、ペトルッチからアンティーコに移したのです。彼はもともとペトルッチのライバルであり、1517年に印刷されたこの曲集は、ペトルッチの開発した活版印刷ではなく、古来からの木版印刷によるものでした。この技法は美しさを追求することはできるのですが、残念ながら正確さには欠けるため、現在の譜面に直して演奏するまでには、多くの研究が必要でした。現在、アンティコの印刷のコピーは2部だけが残存しており(当時は失敗したものは全てくずになってしまった)、これを復元するだけでも大変な作業だったようです。あのクリストファー・ホグウッドもこの曲集を現代譜に書き直すなど、この曲集に興味を抱いていますが、この録音はグレン・ウィルソン自身が監修した版を用い、全ての曲の録音を行っています。
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コロンビアのギター音楽集 [エスコバル]
Guitar Music (Colombia) - MEJÍA, A. / MONTAÑA, G. / SABOYA, L. / GONZÁLEZ, H. (Escobar)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:8.573059
CD価格:1,900円(税込)
ナクソスレーベルが得意とするレパートリーである「ギター作品集」の中でも、このエスコバルが演奏する「チリのギター集」(8.570341)と彼のリサイタルCD(8.555719)は、素晴らしい人気を誇っています。その理由の一つには、彼が奏するギターの音色はとても親密で甘く、ついついうっとりとしてしまうから。彼の音色は、いつも南国の風景や風の香りを想起させ、日本人の心の奥底に潜む"熱き血潮"を刺激するからなのかもしれません。 そんなエスコバルの最新アルバムは、コロンビアの作品集です。アフリカやネイティブインディアンの文化を受け継ぎながら発展してきたコロンビアの音楽には、リズミカルなパワーと豊かな色彩、そしてダンスのリズムが宿っています。優雅なリズムと激しいアクセントが共存した流麗なメロディ、そしてカリブ海の特徴的なリズムパターン…どれにも心が惹かれます。モンターニャの「コロンビアーナ組曲」を中心に選曲されたこの1枚は、きっと誰もが気に入るはずです。
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トゥリーナ(1882-1949):
ピアノ作品集 第10集
アルモドバールの城
サンルカルの街角/トッカータとフーガ
パルティータ/前奏曲集/ロマンティックな小品 [マソ]TURINA, J.: Piano Music, Vol. 10 (Masó) - El castillo de Almodóvar / Rincones de Sanlúcar / Tocata y fuga / Partita / Preludios / Pieza romántica
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:8.573183
CD価格:1,900円(税込)
トゥリーナ(1882-1949)のピアノ作品全集という偉業に挑む名ピアニスト、ホルディ・マソ。彼が解き解していくトゥリーナの世界の何とも魅力的なこと。自身も優れた作曲家であるマソは、これらの作品に内包されたピアニズムを様々な角度から検討し、最適な形で表現していくのです。躍動的な「トッカータとフーガ」はトゥリーナがキューバを旅行しながら着想を得た作品。タイトルでわかる通り、バッハへのオマージュでもあります。その1年後の「パルティータ」は彼の友人であるホセ・マリア・フランコに捧げられた作品で、ドビュッシー風のメロディやブラームスを思わせるメロディに彩られています。神秘的な「アルモドバールの城」は2年後にハープと管弦楽のための曲として再編されました。若い頃の旅の思い出が反映された「サンルカルの街角」、彼の作品には珍しく抽象的なタイトルが付けられた「前奏曲」と、宝石箱のような美しさと楽しさが詰まった1枚です。
収録作曲家:
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モレノ・トローバ(1891-1982):
ギター協奏曲集 第1集
フラメンコ協奏曲/ギターと管弦楽のための対話
ラ・マンチャの歌/カスティーリャ組曲 [ペペ・ロメロ/コベス/マラガ・フィル/コベス]MORENO TORROBA, F.: Guitar Concertos, Vol. 1 - Concierto en flamenco / Diálogos (Pepe Romero, V. Coves, Málaga Philharmonic, M. Coves)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:8.573255
CD価格:1,900円(税込)
最近、優れたギタリストの妙技によって、このスペインの作曲家モレノ・トローバ(1891-1982)の名前も広く知られるようになりましたが、まだまだ未知の部分が多く、このアルバムに収録されている「フラメンコ協奏曲」などは、なぜ今までこんなにステキな作品が録音されていなかったのだろう? と首をひねってしまう人も多いのではないでしょうか。それほどまでに、この曲素晴らしいのです。もちろん、ここで完璧なギターを奏でているのは名手ペペ・ロメロ。まさに神がかり的な演奏が繰り広げられています。 指揮者としても高い才能を持っていたモレノ・トローバはオーケストラの扱いも巧みであり「ギターと管弦楽のための対話」ではハープやチェレスタを用いた、星のきらめきのような響きも追求されています。こちらでギターを演奏しているのは1982年生まれの若手ビンセント・コベス。指揮者のマニュエル・コベスは彼の兄弟です。
収録作曲家:
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サン=サーンス(1835-1921):
交響曲 第3番「オルガン付き」
死の舞踏/糸杉と月桂樹 [ワルニエ/フランス国立リヨン管/スラットキン]SAINT-SAËNS, C.: Symphony No. 3, "Organ" / Danse Macabre / Cypres et Lauriers (Warnier, Lyon National Orchestra, Slatkin)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:8.573331
CD価格:1,900円(税込)
1878年のパリ万博の一環としてリヨンに建立された、名オルガン製作者アリスティード・カヴァイエ=コルによる素晴らしいオルガン(82ストップ、6500本のパイプ)は、1930年代にビクトル・ゴンザレスが手を加えた楽器です。もともとはパリのエッフェル等の正面にあるシャイヨ宮の大ホールにあったものですが、1977年にリヨンに運ばれ、2013年にもう一度手が加えられ、かつての栄光の姿を取り戻したのです。この歴史あるオルガンは、数多くの名作の初演を担ったことで知られ、フランク、デュプレ、メシアンなどの大家もこのオルガンを演奏しています。もちろんサン=サーンス(1835-1921)の名作「交響曲第3番」も「糸杉と月桂樹」もフランスでの初演ではこのオルガンが使われたという、まさに記念碑的な楽器です。バッハから現代作品まで、全てのオルガンのためのレパートリーに適しているという壮麗な楽器の音色を、どうぞじっくりお楽しみください。名オルガニスト、ヴァンサン・ヴァルニエの完璧な技巧で聴く「死の舞踏」も聴きものです!
収録作曲家:
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スタンフォード(1852-1924):
〈室内楽作品集〉
ピアノ三重奏曲 第2番
ピアノ四重奏曲 第1番 [グールド・ピアノ・トリオ/アダムズ]STANFORD, C.V.: Piano Trio No.2 / Piano Quartet No.1 (Gould Piano Trio, Adams)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:8.573388
CD価格:1,900円(税込)
「このピアノ三重奏曲の冒頭を10秒聞いただけで、誰しもがブラームスを思い出すに違いない。」そう確信が持てるほどに、この曲はドイツ的、というよりもブラームスそのものなのです。それもそのはず、彼は幼いころにヨーゼフ・ヨアヒムの演奏を耳にし、その後ボンでは直接ヨアヒムとブラームスにも出会い、すっかり彼らの音楽の虜になっていたのでした。ケンブリッジで学業を終えたあと、ライプツィヒとベルリンで音楽教育を受け、本格的な作曲家として活躍を始めた彼は7曲の交響曲を始め、数多くの合唱曲を書き高く評価されることとなります。彼は室内楽を「絶対音楽の最も基本的な表現の一つ」としてみなしており、ひたすら綿密に主題を展開し、集中力に満ちた作品を書き上げました。ピアノ四重奏曲第1番は、1879年に書かれたもので、まだまだ実験的な要素が感じられますが、ピアノ三重奏曲第2番は1899年、円熟の時代の作品で、本当にまろやかな音が広がる感動的な音楽です。
収録作曲家:
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Through the Centuries - 何世紀にもわたって
アマデウス・ギター・デュオ ギター二重奏曲集 [アマデウス・ギター・デュオ]Guitar Duo Recital: Amadeus Guitar Duo - HANDEL, G.F. / MERTZ, J.K. / GANGI, M. / BURKHART, F. / TELEMANN, G.P. (Through the Centuries)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:8.573439
CD価格:1,900円(税込)
カナダ出身のデイル・カヴァナーとドイツ出身のトーマス・キルヒホフの2人による「アマデウス・ギター・デュオ」は、1991年にデュオ活動を開始し、世界各国でコンサートを行い、その高度な音楽性と豊かな音色で聴衆を魅了しています。また多数の著名なオーケストラとも共演を重ね、2台ギターのための協奏曲を積極的に紹介しています。もちろん現代作曲家たちも彼らのために曲を献呈し、レパートリー拡大に一役買っています。後進たちの指導も熱心で、イザローン国際ギター・シンポジウムを創設し、世界最大級のフェスティバルを開催していることでも知られています。 このアルバムは彼らの25年間に渡る活動を讃えるもので、ヘンデルやテレマンなどのバロック作品から、彼らが初演したドメニコーニの作品までと多彩な曲が並びます。ギターの持つ底知れぬ可能性を感じさせる見事なアンサンブルをどうぞ。
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Heavy Sleep - 深い眠り
ブルース・リヴィングストン
ピアノ・リサイタル [リヴィングストン]Piano Recital: Levingston, Bruce - ANDRES, T. / BACH, J.S. / FAIROUZ, M. (Heavy Sleep)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:DSL-92183
CD価格:2,224円(税込)
常に思慮深く演奏し、また凝ったプログラムで聴き手を魅了するピアニスト、ブルース・リヴィングストンの最新アルバムです。1枚目のアルバム(DSL-92137)ではシューマンのクライスレリアーナと現代曲を併せ、2枚目(DSL-92148)ではシューベルト、ショパン、サティとペルトなどのやはり現代曲を組み合わせるという意欲的なプログラムを用意した彼、今作は更に踏み込み、バッハ作品と、最近人気の若手作曲家フェイルーズ、そしてアルバム・タイトルである「深い眠り」の作者ティモ・アンドレスを組み合わせ、1枚のアルバムとしたのです。どの曲も瞑想的でありながらも刺激的な表情を持ち、間に挟まれた耳慣れたはずのバッハ作品でさえ、なんとなくいつもと違った味わいを醸し出しているところが面白いものです。ピアノの残響を丁寧に捉えた録音にもご注目ください。
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シューマン(1810-1856):
弦楽四重奏曲集 第1番-第3番 [イン四重奏団]SCHUMANN, R.: String Quartets Nos. 1-3 (Ying Quartet)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:DSL-92184
CD+Blu-ray Audio価格:2,085円(税込)
ロベルト・シューマン(1810-1856)の音楽における高い人気は誰もが知るところでしょう。劇的な展開を経たクララとの関係が安定した1840年にまとめて書かれた歌曲、その翌年は交響曲と、波乱に満ちた2年間を過ごした次の年は、シューマンはひたすら静かに内面を見つめる「室内楽の年」を過ごしました。素晴らしく充実した時期であるこの年に書かれた「3つの弦楽四重奏曲 Op.41」ですが、同年のピアノ五重奏曲やピアノ四重奏曲に比べ、なぜかなぜかあまり省みられることなく、演奏も録音も比較的少ないのが不思議なところです。しかし実際に聴いてみれば、主題のメロディはいかにもシューマンらしさに溢れていますし、全体を覆う「憂鬱さ」のようなものも、シューマン好きにとってみれば限りない魅力に映るのではないでしょうか? ここで緊密な演奏を披露するイン四重奏団は、アメリカを中心に世界中で演奏を重ねているアンサンブルです。彼らの活動の場所はホールにとどまらず、職場、学校、ホワイトハウスなど多岐に渡り、時には少年刑務所へ慰問に行くなど、常に人々の心に訴えかける音楽を奏でることに力を注いでいるのです。
収録作曲家:
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チャピ(1851-1909):
弦楽四重奏曲 第1番&第2番 [ラテン・アメリカ弦楽四重奏団]CHAPÍ, R.: String Quartets Nos. 1 and 2 (Cuarteto Latinoamericano)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:DSL-92185
CD価格:2,224円(税込)
この「ラテン・アメリカ弦楽四重奏団」はその名の通り、ヴィラ=ロボスやチャベスなどの南米の音楽と、その基になったスペインの音楽を演奏することにかけては右に出る者がないほどの実績を持つアンサンブルです。メキシコ人の3兄弟を中心として1982年に結成、以降独自の路線を貫き、幾度もグラミー賞にノミネートされるほどの実力を持っています。独特の高揚するリズムや色彩感を出すには、これらが体に染み付いていないと難しいのだな。と思わせるだけの強い説得力を持つ彼らが今作で選んだのは、サルスエラ作曲家として名高いスペイン生まれのルペルト・チャピ(1851-1909)の2曲の弦楽四重奏曲です。曲の冒頭から明るさ全開の第1番(もちろんリズムはノリノリ)、ちょっとエキゾチックな始まり方がワクワクさせてくれる第2番と、どちらもなかなかの名曲です。録音の素晴らしさもいつもの通りです。弦の響きを心行くまでご堪能ください。
収録作曲家:
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ニーマン(1876-1953):
ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ 第1番・第2番
幻想的マズルカ他 [李冰冰]NIEMANN, W.R.: Piano Music - Sonatas Nos. 1 and 2 / 3 Compositions for Piano / Fantasie-Mazurka (Bing Bing Li)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:GP662
CD
通常価格:1,824円→ 特価!:690円(税込)ドイツの高名な音楽ジャーナリストであり、作曲家としても活躍したワルター・ニーマン(1876-1953)。同じく作曲家であった父から最初に音楽の手ほどきを受け、その後はピアニストとしても活動し、また、ブラームスやシベリウスの評伝を書き「ライプツィヒ新報」には音楽評論を寄稿するなど、堅実な活躍をしていた人です。しかし、第2次世界大戦後はすっかり忘れられてしまい、作品番号にして190ほどある作品も、ほとんど省みられなくなってしまいました(チャイコフスキーの「悲愴」のピアノ版編曲がかろうじて知られているでしょうか)。彼の作品からは、ブラームスを思わせる晦渋さと底に秘めた情熱が感じられますが、「3つのコンポジション」に漂う異国趣味など、驚くほどに特徴的な部分もあります。
収録作曲家:
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ハチャトゥリアン(1903-1978):
オリジナル・ピアノ作品とトランスクリプション集 [ポゴシアン]KHACHATURIAN, A.: Original Piano Works and Transcriptions (Poghosyan)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:GP673
CD価格:1,710円(税込)
数々の迫力あるオーケストラ作品で知られるハチャトゥリアン(1903-1978)ですが、彼のピアノ曲はどちらかというと無視され続けてきました。もちろん、他の人によるバレエ音楽のピアノ版を耳にする機会は比較的あるのですが、このアルバムに含まれた「トッカータ」や「ワルツ・カプリース」「ソナタ」などはなかなか実演でも取り上げられることのない作品です。 ここで目の覚めるように素晴らしい演奏を披露しているのは、アルメニア生まれの女性ピアニスト、カリーネ・ポゴシアンです。彼女は14歳でオーケストラと共演し、23歳の時には名門カーネギー・ホールでソロ・リサイタルを開くほどの俊英です。彼女にとって「お国物」であるハチャトゥリアンからは、まさに心の叫びが聞こえてくるかのようです。「仮面舞踏会」のワルツでのやるせない表情がたまりません。
収録作曲家:
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ヴァンハル(1739-1813):
鍵盤のためのカプリース集 [ツァルカ]VANHAL, J.B.: 3 Neue Caprice-Sonaten, Op. 31 / 3 Caprices, Op. 36 (Tsalka)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:GP680
CD価格:1,710円(税込)
ボヘミアに生まれ、古典から初期ロマン派への橋渡しを担った重要な作曲家の一人、ヴァンハル(1739-1813)の作品集です。モーツァルトより少し早く生まれ、ウィーンで音楽教師として活躍。同時に作曲家としても名声を得て、膨大な作品を書き上げました。70曲以上の交響曲、100曲の弦楽四重奏曲、多数の宗教曲など本当に数え切れないほどの作品を残しています。その中において、残念なことに彼の器楽曲はあまり重要視されていません。 しかしここで聴くことのできるカプリース(奇想曲)は、どれも即興性に満ちた実に楽しいものばかりです。これらのカプリース、形式はある程度固定されており、まずは重厚なイントロダクションで始まり、その後快活な部分が来る第1楽章、ゆったりとした第2楽章、そして活発な終楽章。もしくは第1楽章と第2楽章ロンドのみ。という短縮形を取りますが、ここに見られる楽想はきらりと光るものばかり。名手ミハエル・ツァルカの冴え渡る技巧でお聞きください。
収録作曲家:
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ソラール(1927-):
ピアノ・ソロと2台ピアノのための作品集 [フェラン=エンカワ/ソラル]SOLAL, M.: Piano and 2-Piano Works (Ferrand-N'Kaoua, Solal)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:GP697
CD価格:1,710円(税込)
マーシャル・ソラール(1927-)はフランス・ジャズの大物。華麗な指さばきとアレンジが愛されているピアニストです。1950年代から活動をはじめ、ジャンゴ・ラインハルト、ドン・バイアスらと共演し、70年代にはリー・コニッツとデュオを結成、すばらしい足跡を残しています。かたや、フランスの名ピアニスト、エリック・フェラン=エンカワは幼い頃からピアノの才能を発揮し、国立音楽院を卒業後には、いくつかの日本のオーケストラとの共演経験もあるという人です。東欧、ロシアのミュージシャンと積極的にコラボレーションを行い、またヴァイオリニスト、ジル・アパップとのデュオはその型破りな演奏で注目を集めました。彼自身のレパートリーはとても幅広く、バッハから現代音楽までと何でもありですが、ジャズも得意であり、このアルバムはまさに彼にぴったりのレパートリーといえるのではないでしょうか? トラック21の2人の共演も聴き物です。
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発売日:2015年02月25日
Blu-ray Audio価格:2,175円(税込)
1878年のパリ万博の一環としてリヨンに建立された、名オルガン製作者アリスティード・カヴァイエ=コルによる素晴らしいオルガン(82ストップ、6500本のパイプ)は、1930年代にビクトル・ゴンザレスが手を加えた楽器です。もともとはパリのエッフェル等の正面にあるシャイヨ宮の大ホールにあったものですが、1977年にリヨンに運ばれ、2013年にもう一度手が加えられ、かつての栄光の姿を取り戻したのです。この歴史あるオルガンは、数多くの名作の初演を担ったことで知られ、フランク、デュプレ、メシアンなどの大家もこのオルガンを演奏しています。もちろんサン=サーンス(1835-1921)の名作「交響曲第3番」も「糸杉と月桂樹」もフランスでの初演ではこのオルガンが使われたという、まさに記念碑的な楽器です。バッハから現代作品まで、全てのオルガンのためのレパートリーに適しているという壮麗な楽器の音色を、どうぞじっくりお楽しみください。名オルガニスト、ヴァンサン・ヴァルニエの完璧な技巧で聴く「死の舞踏」も聴きものです!
収録作曲家:
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発売日:2015年02月25日
DVD日本語字幕付き価格:3,750円(税込、送料無料)
おとぎ話のようでありながら、矛盾をはらんだ勧善懲悪、フリーメイソンの思想、異界との交流などが様々な解釈を生み出している、モーツァルトの傑作《魔笛》。こちらのマクバーニーによる演出は、このストーリーの暗黒面を徹底的にあぶり出し、闇の国の猥雑で奇怪な形象とその魔力が光の国に敗北するというドラマに仕立てあげています。マルク・アルブレヒトのタクトによる演奏陣の推進力に富んだ力演は素晴らしく、とりわけタミーノ役のマキシミリアン・シュミットの美声には惚れ惚れするばかりです。
収録作曲家:
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モーツァルト(1756-1791):
歌劇《魔笛》MOZART, W.A.: Zauberflöte (Die) (DNO, 2014) (Blu-ray, HD)
発売日:2015年02月25日
Blu-ray日本語字幕付き価格:4,650円(税込、送料無料)
おとぎ話のようでありながら、矛盾をはらんだ勧善懲悪、フリーメイソンの思想、異界との交流などが様々な解釈を生み出している、モーツァルトの傑作《魔笛》。こちらのマクバーニーによる演出は、このストーリーの暗黒面を徹底的にあぶり出し、闇の国の猥雑で奇怪な形象とその魔力が光の国に敗北するというドラマに仕立てあげています。マルク・アルブレヒトのタクトによる演奏陣の推進力に富んだ力演は素晴らしく、とりわけタミーノ役のマキシミリアン・シュミットの美声には惚れ惚れするばかりです。
収録作曲家:
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エネスク(1881-1955):
交響曲 第1番
チェロと管弦楽のための協奏交響曲 [メルク/タンペレ・フィル/リントゥ]ENESCU, G.: Symphonie concertante / Symphony No. 1 (Mørk, Tampere Philharmonic, Lintu)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:ODE1198-2
CD価格:2,475円(税込)
ハンヌ・リントゥとタンペレ・フィルによるジョルジェ・エネスク(1881-1955)の交響曲シリーズの最終巻は、彼の若いときの作品である交響曲第1番と、同じく初期の作品「協奏交響曲」です。独奏チェロとオーケストラのための「協奏交響曲」は20歳、交響曲第5番は25歳の時に書かれたもので、どちらも若々しいエネルギーを放出する輝くばかりの作品です。もちろん、当時のエネスクは既に何曲もの大作をものにし、作曲家としての印象的なキャリアを構築していました。印象的なファンファーレで勇猛果敢に始まる交響曲第1番は、確かにワーグナーやブルックナーなどの先人の影響が存分に感じられますが、何より若さゆえの直線的な表現が好ましいものです。チェロのメロディが物悲しい協奏交響曲でソロを担っているのは名手トルルス・メルク。単一楽章ですが、刻々と移り変わっていく曲想が美しい作品です。
収録作曲家:
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ベンヤミン・シュミット&リサ・スミルノヴァ
ショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、ヴァイルを弾くViolin and Piano Recital: Schmid, Benjamin / Smirnova, Lisa - SHOSTAKOVICH, D. / PROKOFIEV, S. / WEILL, K.
発売日:2015年02月25日
CD価格:2,475円(税込)
オーストリアの名ヴァイオリニスト、ベンヤミン・シュミットのONDINE第3弾リリースはショスタコーヴィチとプロコフィエフ、そしてヴァイルという斬新な作曲家たちの組み合わせ。これらの曲の原型は全て1910年台から1920年代に書かれたもので、この時代における音楽の多様性(ロマン派から近代へと移り変わる頃)と調性やリズムが崩壊していく様子をじっくりと楽しむことができるという趣向になっています。どの曲も元々はピアノ独奏であったりオペラであったりですが、これを他の作曲家がピアノとヴァイオリンのために移し替えまた違った風景を醸し出しているところが面白いものです。 ピアノを演奏しているスミルノヴァはシュミットと20年以上に渡って共演してきた人であり、ここでも息のあった音楽を奏でています。
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ウテ・レンパー フォーエヴァー
パブロ・ネルーダの愛の詩 [ウテ・レンパー]LEMPER, Ute: Forever - The Love Poems of Pablo Neruda
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:Steinway30020
CD価格:1,710円(税込)
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ショパン(1810-1849):
ピアノ作品集 [ランゲル]CHOPIN, F.: Piano Music (A Chopin Recital) (Rangell)
発売日:2015年02月25日 NMLアルバム番号:Steinway30038
CD価格:1,824円(税込)
バッハとベートーヴェン、そしてショパン(1810-1849)の権威であるアメリカのピアニスト、アンドリュー・ランゲルの個性的すぎるショパンアルバムです。彼は一時期、手の負傷で演奏会から退いていましたが、7年間のリハビリの末に見事復活しましたが、その時に心酔したのが、バッハとベートーヴェン、そしてショパンのマズルカだったのだそうです。これらは既に録音し終え、少しずつ他の作品の演奏にも取り掛かっているというランゲルが次に選んだのが、このショパンの小品集でした。STEINWAYの豊かな音色を存分に生かし、そこに幻想的な味付けが施されたこのショパン。最初のポロネーズから、ものすごい気迫が伝わって来ます。一見取りとめのないかに見える夜想曲第16番での変幻自在な風情、3曲のバラードでの息をのむような展開など、一音たりとも聞き逃せない迫真のショパンです。
収録作曲家: