2014年8月
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パヌフニク(1914-1991):
交響的作品集 第8集
ヴァイオリン協奏曲/チェロ協奏曲/ピアノ協奏曲 [ボロヴィチ]PANUFNIK, A.: Symphonic Works, Vol. 8 (Borowicz) - Violin Concerto / Cello Concerto / Piano Concerto
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:777687-2
CD価格:2,608円(税込)
20世紀を代表する偉大なる作曲家アンジェイ・パヌフニク(1914-1991)。このアルバムは彼の「交響的作品集」の完結編となります。 ワルシャワで生まれ、パリ、ウィーンで学び「西洋の現代音楽」や「新古典主義」にどっぷり漬かるも、彼自身は「私にとって音楽は常に最も深い人間の表現であり、本物の感情と精神的、指摘な内容を持つものです」と語るように、その作品はもっと個人的な悲しみや怒りの感情、そして未来への希望など様々なものを孕んでいます。 このアルバムには3つの協奏曲が収録されています。3つの中では一番古い時代に書かれた「ピアノ協奏曲」での表現の触れ幅の大きさ(躍動的な第3楽章が素晴らしい)は感動ものですし、最晩年の「チェロ協奏曲」も鎮痛な第1楽章と、音楽があふれ出てくるような目覚しい第2楽章の対比が素晴らしく、これこそが、彼が生涯をかけて追求したものなのだろう。と納得させてくれる音楽です。それぞれの協奏曲でソロを担当している奏者たちも注目。これは一聴の価値ある1枚です。
収録作曲家:
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レーガー(1873-1916):
〈オルガン作品集 第1集〉
レーガー時代の歴史的オルガンによる演奏 [ヴァインベルガー]REGER, M.: Organ Works, Vol. 1 (Weinberger)
■器楽曲(オルガン)
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:777717-2
SACD-Hybrid 2枚組価格:5,700円(税込、送料無料)
2016年に没後100周年の記念年を迎えるマックス・レーガー(1873-1916)。いくつかのレーベルが彼のオルガン作品の全集録音を目論んでいますが、「オルガンと言えばcpo!」ということで、cpoではJ.S.バッハの全集でお馴染みの名手ヴァインベルガーをフィーチャーして、レーガー全集を始動しました。 レーガー作品は、もちろんバッハの形式を厳格に継承した上で、ロマン派的な和声を、雄弁な表現力を上乗せしたもので、曲に用いられている対位法は想像を絶するほどに緻密であり、また音楽的にも(渋いとはいえ)極めて優れたものであることは間違いありません。そのうえ、この録音はSACDハイブリッド盤で発売というのも嬉しいところ。レーガーが活躍した時代に建立されたふくよかなオルガンの響きを、余すことなくとらえた素晴らしいアルバムの登場です。
収録作曲家:
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レハール(1870-1948):
喜歌劇「ひばりの歌うところ」 [フランツ・レハール管/ブルケルト]LEHÁR, F.:Wo die lerche singt [Operetta] (Franz Lehár Orchestra, Burkert)
■オペラ
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:777816-2
2CD価格:4,890円(税込、送料無料)
レハール(1870-1948)の数あるオペレッタの中では、比較的知名度が低いこの「ひばりの歌うところ」。行進曲とパロータシュや、その他のわずかな曲がメドレーの形で稀に演奏されますが、全曲で楽しむ機会はほとんどないのが実情です。しかし、1919年にこの歌劇を観たプッチーニは、あまりの素晴らしさにすぐさまレハールに賛辞の手紙を書いた(彼らはその6年前に遇っていた)というエピソードがあるほどに、人々を感動させた作品であり、内容はよくある三角関係を描いたものであるにせよ、メロディの美しさと、ヒロインが歌うコロラトゥーラを駆使した見事なアリアなどは、この作品を埋もれさせるには惜しい、強い魅力を放つものです。 このバートイシュルで開催されたレハール音楽祭のライヴ収録は、多くのウィンナ・ワルツファンにとっての嬉しい贈り物となることでしょう。
収録作曲家:
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パパンドプロ(1906-1991):
ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲 第2番
シンフォニエッタ/ピンタリキアーナ [トリエンドル/イ・ソリスティ・ザグレブ/クルシュティチ]PAPANDOPULO, B.: Piano Concerto No. 2 / Sinfonietta, Op. 79 / Pintarichiana (Triendl, I Solisti di Zagreb, Krstic)
■協奏曲
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:777829-2
CD価格:2,608円(税込)
クロアチアの作曲家、指揮者ボリス・パパンドプロ(1906-1991)は、20世紀クロアチアの音楽界発展に非常に力を尽くした人です。450曲ほどの数多くの作品を残していますが、その作品のほとんどは現在忘れられています。 彼の父はギリシアの血を引く貴族の家系の出で、彼の母マヤ・ストロッツィはクロアチアの有名なオペラ歌手。恵まれた環境で幼い彼は音楽的才能を存分に伸ばしたのです。キャリアの初期にはクロアチアの音楽協会が主催するアマチュア・オーケストラで指揮者として活躍し、合唱団の指導も行っていました。またザグレブのラジオ局の音楽監督も務めていました。第二次世界大戦後はサラエボやリエカでオペラを指揮するなど、幅広い活動をしています。 彼の曲は新古典派風でありながら、その中にクロアチア民謡も取り入れたユニークなもので、この独自の個性は大変貴重なものです。ここで指揮をしているのは、ミュンヘン交響楽団で長らくコンサートマスターを勤めていたスレテン・クルスティク(ベオグラード生まれ)。この活気に満ちた音楽を理想的に演奏しています。
収録作曲家:
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ヘンデル(1685-1759):
ピアノ協奏曲集 第13番-第16番
(原曲…オルガン協奏曲) [キルシュネライト/ノイス・ドイツ・チェンバー・アカデミー/ラーセン]HANDEL, G.F.: Piano Concertos Nos. 13-16 (Kirschnereit, German Chamber Academy Neuss, Larsen)
■協奏曲
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:777854-2
SACD-Hybrid価格:2,850円(税込)
第1集(777837-2)に続くキルシュネライトによるヘンデル(1685-1759)の協奏曲集です。原曲はオルガンのための協奏曲ですが、ここではオルガン・パートを完璧に現代のピアノへと移し変えることで、輝かしい音色と壮麗な響きを獲得しています。これまで知っているこれらの曲とは全く違う側面を見せてくれるという画期的な試みがなされています。 バッハの協奏曲などもそうですが、この時代の作品をモダンの楽器で演奏することについては、常に多かれ少なかれの賛否両論が付きまとうものですが、このシリーズは卓越した創造性が高く評価されるものと言えるでしょう。伴奏のドイツ・カンマーアカデミーは、全体的に軽やかであり、キルシュネライトの美しい音色と呼応する流麗な響きを聴かせます。
収録作曲家:
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R.シュトラウス(1864-1949):
歌劇「インテルメッツォ」Op.72 [ミュンヘン放送管/シルマー]STRAUSS, R.: Intermezzo, Op. 72 [Opera] (Munich Radio Orchestra, U. Schirmer)
■オペラ
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:777901-2
2CD価格:4,890円(税込、送料無料)
シュトラウス(1864-1949)の歌劇「インテルメッツォ」は、彼の他の作品に比べると上演機会も少なく、また録音もほとんどないことで知られるオペラです。この理由の一つは、歌劇の内容があまりにもシュトラウスのプライヴェート寄りのお話であり、「いったい誰が作曲家と妻の諍いの場面を劇場で見たいんだ」と思ってしまう人が多いから(笑)ではなく、内容に追従するために歌詞と台詞が膨大になってしまって、これを正確なドイツ語で歌に載せることがとても困難であるというのが、恐らく真の理由でしょう。 そうは言うものの、この巧妙に仕組まれた楽しいお話と、よくできた形式(タイトルのインテルメッツォというのは間奏曲という意味で、これは「家庭内のちょっとした出来事」を表すのと、もう一つはオペラの情景の全てが小粋な「間奏曲」で繋がれているのです!)は、ぜひとも新しい演奏で味わってみたいと、全てのシュトラウス・ファンが願っていたことでした。 この演奏は2011年のガルミッシュ=パルテンキルヘンで開催されたリヒャルト・シュトラウス音楽祭のハイライト(音楽監督:ブリギット・ファスベンダー)を飾るコンサートで、ウルフ・シルマーのタクトに載せて、その美しく軽妙な音楽が絶妙に演奏されています。クリスティーネを演じるのはジモーネ・シュナイダー。往年のルチア・ポップを凌ぐ名唱を聴かせています。
収録作曲家:
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テ・デウム・ラウダムス
1594年フライベルク大聖堂の
天使たちの聖なる音楽 [コルダエ・フレイベルゲンシス/アンサンブル・フライブルガー・ドム=ミュージック/コッホ]TED DEUM LAUDAMUS - Music on the Freiberg Cathedral, Angel Instruments from 1594 (Chordae Freybergensis, Ensemble Freiberger Dom-Music, Koch)
■宗教曲
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:777928-2
CD価格:2,608円(税込)
このアルバムは、フライベルクのラテン語学校図書館に所蔵されていた宗教音楽集の譜面を演奏したものです。フライベルクとはドイツ、ザクセン州ケムニッツ行政管区、ミッテルザクセン郡の都市で、12世紀に発見された銀鉱山を中心に栄えた歴史ある地域。鉱物学、鉱山技術が特に発展しています。 そんな地域に住む中産階級の人々は、とても知的探求心に満ち溢れていて、1515年にはザクセン州で最も古く、重要な学校が設立されました。この図書館には、数多くの楽譜を蔵書することで、この地域の文化を守ることと、地方色を保存し、他の地域にその力を見せつけるにも存分な機能を持たせることができたのです。もちろん当時の作曲家たちの作品が数多く収められましたが、保存することに重点が置かれたためか、これらが演奏されることはほとんどありませんでした。今回、ルネサンス時代の楽器で作品を忠実に演奏することで、本来の形を取り戻すこととなったのです。
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マリピエロ(1882-1973):
ピアノ作品集(1909-1921)
月に寄せる小詩集/秋の前奏曲
カルヴァルカーテ/3つの古風な舞曲/共鳴 [リム・リラ]MALIPIERO, G.F.: Piano Works (1909-1921) - Poemetti lunari / Preludi autunnali / Cavalcate / 3 Danze Antiche / Risonanze (Rira Lim)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:8.572517
CD価格:1,900円(税込)
最近、ようやく復興の兆しが見えてきたイタリアの作曲家ジャン・フランチェスコ・マリピエロ(1882-1973)。このアルバムでは彼の青年期から壮年期にかけてのピアノ曲を聴くことができます。マリピエロ自身が記した友人への書き込みによると、彼はピアニストたちに対して、複雑な思いを抱いていたようで、彼らを「奇妙な敵」と呼びながらも、「何一つ悪意を抱いていない」など愛とも憎しみとも取れる言葉が書き連ねてあるのです。 彼は作曲家としては珍しくピアノを正式に学んだことがなかったにもかかわらず(ヴァイオリンは6歳から演奏していた)、25歳のマリピエロによる最初の作品は「ピアノのための6つの小品」でした。以降も、彼は自身における「奇妙な敵」と戦い続け、驚くほどに華麗なテクニックを駆使し、時にはユニーク、あるいはシニカルな作品を書いていきます。1910年頃に書かれた「3つの古風な舞曲」はその親しみやすさから人気を獲得、また「秋の前奏曲」や「月に寄せる小詩集」は、イタリアの音楽雑誌の付録として出版され、この多彩で繊細な音楽はたくさんの聴衆から高く支持されたのです。しかしこの曲に見られる陰鬱さは、彼の後の作品をも覆う一種の暗さでもあるのかもしれません。1921年の「カルヴァルカーテ-乗り物」は「つかの間のアイデア」とされ、風変わりなユーモアに満たされています。まだまだ全容解明は難しそうなマリピエロのピアノ曲。少しずつでも楽しんでいただければと思います。
収録作曲家:
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ヒンデミット(1895-1963):
バレエ音楽「気高い幻想」全曲
弦楽オーケストラのための5つの小品 [シアトル響/シュワルツ]HINDEMITH, P.: Nobilissima Visione (Complete Ballet) / 5 Pieces for String Orchestra (Seattle Symphony, Schwarz)
■バレエ・ダンス音楽
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:8.572763
CD価格:1,900円(税込)
1920年代、ドイツの音楽界で目覚しい活躍をしていたヒンデミット(1895-1963)。彼の創造性は多くの若い作曲家、芸術家を牽引し、戦後の音楽界に新風を齎していました。そんなヒンデミットですが、1936年10月にバレエ・リュスのダンサー、振り付け師として活躍していたレオニード・マシーンから作品を依頼されます。ヒンデミットはイタリアのサンタ・クローチェ教会を訪れ、そこにあった壮麗なフレスコ画に描かれた“アッシジの聖フランチェスコ”の姿に多大なる感銘を受け、この物語をバレエにすることをマシーンに提案します。 元々は裕福な商人の息子であったフランチェスコが、様々な体験を経て宗教へ目覚めていく姿を描いた一連の音楽は、彼らしい管弦楽法による叙情とエレジー、そして荘厳な物語を紡いでいきます。ヒンデミットは後年、この全曲の中から5曲を選び出し、若干のオーケストレーションを変更した3曲からなる「組曲」を作りました。現在はこちらがしばしば演奏されていますが、やはり全曲を聴くことで、作品への理解が深まることは間違いありません。 弦楽オーケストラのための5つの作品は、オーケストラのための「練習曲」であり教育用として作曲されましたが、曲の出来は素晴らしく、単独で聴いても、決して聴き劣りするものではありません。
収録作曲家:
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ヴィラ=ロボス(1887-1959):
ギターの写本
傑作集と失われた作品集 第1集 [ビッソーリ/セラフィーニ]VILLA-LOBOS, H.: Guitar Manuscripts (The) - Masterpieces and Lost Works, Vol. 1 (Bissoli)
■器楽曲(ギター)
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:8.573115
CD価格:1,900円(税込)
1887年、リオデジャネイロで国立図書館員の父親の元に生まれたヴィラ=ロボス(1887-1959)。ブラジルの民俗音楽と現代音楽が見事に融合した「ブラジル風バッハ」や、こちらも民俗音楽に由来したショーロスなどが広く愛されていますが、実は彼、生涯で1000曲近くに及ぶ膨大な作品を残しており、現在知られている「彼の顔」というのは、ほんの一部でしかないことはあまり意識されていないと言ってもよいでしょう。彼は作曲を独学で学びながらブラジルの民謡を積極的に採取し、数々の名作を作り上げていきました。 この3巻からなるシリーズは、そんな「知られざる作品」を発掘、収録することでヴィラ=ロボスの新たな魅力を探って行くことができるでしょう。この第1集には、セゴビアのために作曲した「ギター協奏曲」を始め、断片的な作品や、良く知られる「ブラジル風バッハ第5番」のアリアをギター伴奏にしたものなど興味深い作品が並んでいます。
収録作曲家:
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フィビヒ(1850-1900):
管弦楽作品集 第3集(交響詩集)
「オテロ」/「ザーボイ、スラヴォイとルジェク」
「トマンと森の精」/「嵐」/「春」 [チェコ・ナショナル響/シュティレツ]FIBICH, Z.: Orchestral Works, Vol. 3 - Symphonic Poems: Othello / Záboj, Slavoj and Luděk / Toman and the Woodsprite (Czech National Symphony, Štilec)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:8.573197
CD価格:1,900円(税込)
1850年にチェコで生まれたズデニェク・フィビヒ(1850-1900 フィビフとも)。林業関係者であった父の仕事の関係もあり、幼い頃から様々な樹木に囲まれて育った彼の心の中には、いつも深く美しい森があったことは間違いありません。この管弦楽作品集の第3集は5つの交響詩が収録されています。数多くの作品を書いたフィビヒでしたが、交響詩は彼の活動のほぼ全ての時期に渡って作曲されていて、フィビヒがこの分野の作品をどれほど愛していたかがわかるというものです。 「オテロ」は言うまでもなくシェークスピアの戯曲に触発された作品で、オテロ、デスデモナとイアーゴの絡み合った運命を強調した迫力ある作品です。トランペットによる鋭いファンファーレは登場人物の悲劇を象徴し、フルートとハープは甘美な表情を映し出します。「ザーボイ、スラヴォイとルジェク」の豊かな物語は後にスメタナに影響を与え、このメロディは「わが祖国」の第1曲目にも引用されたほどです。ロマンティックで、超自然的な憧れの物語を描いた「トマンと森の精」はドヴォルザークを思わせます。見事な音による絵画である「嵐」と「春」も素晴らしく、これらがチェコの国民楽派の作曲家たちに大きな影響を与えたことは疑う余地もありません。
収録作曲家:
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ルーシェ(1934-):
ヴァイオリン協奏曲 第1番&第2番
パレデフスキー(1860-1941):
ヴァイオリン・ソナタ [コステツキ/イヴィツキ/ハウアー]LOUSSIER, J.: Violin Concertos Nos. 1 and 2 / PADEREWSKI, I.J.: Violin Sonata (Kostecki, Iwicki, Hauer, Polish Philharmonic Chamber Orchestra)
■協奏曲
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:8.573200
CD価格:1,900円(税込)
あのJ.S.バッハ作品をジャズ風に演奏することで知られるフランスの作曲家ジャック・ルーシェ。彼の革新的な演奏と創造は多くの人に衝撃を与え、またたくさんの継承者を生み出しました。このアルバムは、そんなルーシェのオリジナルである“珍しい”2曲の「ヴァイオリン協奏曲」が収録されています。どちらも雄弁な表現力を持ち、驚くほどパワフルなパーカッションが大活躍します。 第1番の協奏曲は、楽章ごとにタイトルが付けられ、強く、時には物憂げなメロディが紡がれていきます。ジャズ風のメロディがあるかと思えば、タンゴもあり。終楽章の「東京」は、少し異国風な雰囲気もありますが、基本的にリズミカルで好戦的。パワフルな都市の姿が描かれています。第2番は2006年のメニューイン音楽祭の委嘱作品であり、インド音楽と即興性の融合が図られた音楽。途中には聴く者全てを唖然とさせるようなカデンツァが挿入され、喧騒のフィナーレを迎えます。アルバムの最後に「唐突に」置かれたパデレフスキーのソナタ。こちらはピアニストとして活躍しながらも政治の世界にも進出した作曲家パデレフスキの初期の作品で、ほとんどピアノのために作品を書いていたパデレフスキーの“珍しい”ヴァイオリンのためのソナタです。ポーランド生まれの名ヴァイオリニスト、コステツキのノリノリの演奏です。
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フォーレ(1845-1924):
ピアノ四重奏曲 第2番
ピアノ三重奏曲 ニ短調 Op.120
(クラリネット、チェロとピアノ編)他 [クングスバッカ・ピアノ三重奏団/デュ-クス/ホスフォード]FAURÉ, G.: Piano Quartet No. 2 / Piano Trio (version for clarinet trio) / 3 Romances sans paroles (Kungsbacka Piano Trio, P. Dukes, R. Hosford)
■室内楽
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:8.573223
CD価格:1,900円(税込)
フォーレ(1845-1924)の音楽と言うと、あの美しいレクイエムを思い起こす人も多いのではないでしょうか? あくまでも清らかであり、一切の夾雑物を削ぎ落としたかのような柔和な優しさに溢れた響きは、永遠の名曲と呼ばれるにふさわしいものです。 そんなフォーレは室内楽の分野にも数多くの名作を残しています。このピアノ四重奏曲第2番は1885年頃から1886年、レクイエムと同時期に書かれたものと推測されています。レクイエムの作曲への直接の動機は彼の父の死と言われていますが(フォーレ自身は否定している)この作品全体にも仄かな悲しさが漂っています。第1楽章、冒頭の激しく打ち付けるピアノの音は、まるで雨粒のような切なさを呼び起こします。 クングスバッハ・ピアノ三重奏団によるこの演奏、カップリングされている他の曲も魅力的。元々はピアノ独奏曲である“ドリー”の子守歌、続く「3つの無言歌」のしっとりとした編曲版と、後期の作品であるピアノ三重奏曲のヴァイオリン・パートをクラリネットに置き換えた印象的な編曲。これは他では聴くことのできないユニークなものです。
収録作曲家:
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ウォーロック(1894-1930):
合唱作品集 [カリス・シンガーズ/パリス]WARLOCK, P.: Choral Music (The Carice Singers, Parris)
■声楽曲 ■合唱曲
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:8.573227
CD価格:1,900円(税込)
「ウォーロック=魔法使い」。この作曲家の本名はフィリップ・アーノルド・ヘゼルタイン(1894-1930)。これでわかるとおり、ウォーロックはいわゆるペンネームになります。彼はロンドンに生まれ、主に古典文学を学んだ人です。作曲はほとんど独学であり、自身が好きだったディーリアスやクィルター、ディーレンの作品を研究し、音楽語法を手に入れたといいます。また、彼は幼い頃父を亡くしましたが、母が再婚したためモンゴメリーシャーに移り住んだことで、ウェールズ語を学び、それがきっかけとなりケルト語の知識が増えたといい、これらはいくつかの作品「コーンウォールのクリスマス・キャロル」などに生かされました。 そんな彼のこの合唱作品は、英国音楽の系譜にしっかりと根ざしたものであり、美しい歌詞とそれにマッチした旋律は、素朴でありながらも聴き手の心を揺さぶる大いなる力を有しています。36歳という短い生涯、そしてその早すぎる晩年には創作能力もほとんど衰えてしまったと言われるウォーロックですが、その瞬間の煌きはまさに魔法と言えるものです。
収録作曲家:
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グエッラの写本 第3集
17世紀スペインの世俗歌曲集 [フェルナンデス/アルス・アトランティカ]GUERRA MANUSCRIPT (The), Vol. 3 (Fernández, Ars Atlantica)
■声楽曲
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:8.573312
CD価格:1,900円(税込)
最近発見された17世紀の後半にマドリッドで編纂されたグエッラの写本からの音楽、第3集の登場です。スペインの世俗歌曲のアンソロジーであるこの歌集は、17世紀にスペイン王宮の礼拝堂の書記を務めていたミゲル・デ・グエッラ(1646-1722)によって編纂されたもので、2人の音楽学者トレントとアルバレスによって発見され1998年に公表され、実際の演奏が次々となされています。 このアルバムには多くの作者不詳の歌曲に混じって、イダルゴ、マリンなど当時から高名な作曲家の作品も混在しています。各々の歌曲はとても「自由度」が高いため(とてもシンプルな楽譜が残っているのみ)、演奏家たちは、想像力を駆使して適切なテンポを設定し、装飾を加え、更に即興性を与えなくてはいけないのです。今回のアルバムでは、表情豊かなソプラノと、ヴィオールとテオルボ、スペイン固有のハープとヴィオールのアンサンブルが伴奏を担うことで、また新しい世界を構築しています。
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ギリシャのギター作品集 [ファンパス]
Guitar Music (Greek) - TZORTZINAKIS, K. / FAMPAS, D. / THEODORAKIS, M. / HATZOPOULOS, K. / MAVROEDES, G. (E. Fampas)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:8.573322
CD価格:1,900円(税込)
アンドレス・セゴビアの影響を受けて、ギリシャのギター音楽は1950年代に全盛期を迎えました。このアルバムで見事な演奏を披露しているギタリスト、エヴァ・パンパスの父であるディミトリス・ファンパスもセゴビアの教えを受け、その才能を認められたギタリスト、作曲家です。このアルバムにはその父ファンパスの自作、編曲を含めた多彩なギター音楽が収録されています。 彼らの中でその名前がよく知られているのはテオドラキスでしょうか? しかし他の作曲家たちも、各々が自らの独自の世界を構築し、また新たな世代に強く影響を与えているのは間違いありません。39歳の若さでこの世を去ってしまったツォルツキナキスの創造的で型破りな作品、バンドのための作品も知られるハジョプーロスのギリシャらしさ満点の小品、父ファンパスの教えを受けたマヴロエデスのピアソラ風味も感じられる郷愁たっぷりの作品、不可思議な調弦を施されたギターの音色が印象的なハリツァノスの音楽、ファリャ風のボグリスの「ワルツ」、このアルバムの中で最も作曲年が新しいアタナッサキスのギリシャの伝統的なメロディを用いた「タイゲトス山」。さあ、どこからでもどうぞ! 素晴らしい世界が待っています。
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レントヘン(1855-1932):
後期弦楽三重奏曲集
弦楽三重奏曲 第13番-第16番 [オッフェンブルク弦楽三重奏団]RÖNTGEN, J.: String Trios Nos. 13-16 (Offenburg String Trio)
■室内楽
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:8.573384
CD価格:1,900円(税込)
1855年、ライプツィヒで生まれたユリウス・レントヘン(1855-1932)。父エンゲルベルトはオランダ生まれで、ゲヴァントハウス管弦楽団のヴァイオリニストを務め、母パウリーネは才能あるピアニストでした。そんな音楽的な家庭で育ったユリウスは幼少の頃から徹底した音楽教育を受け、数多くの高名な師の元で学び、8歳の時には最初の作品「ヴァイオリン・デュオ」を書き上げるなど、その天分を遺憾なく発揮したのです。長じてからは数多くの友人と交流、中でもブラームス、グリーグ、グレインジャー、ニールセンからは多大なる影響を受け、自らの創作の糧とし、生涯に650曲ほどを書き上げました。 この弦楽四重奏曲集は、どれも彼の晩年の作品であり、まだまだ穏健な第13番に比べると、第15番、第16番はかなりユニークな曲。特に第15番には彼が新車( Fiat 509A Torpedo, 990cc)を購入した時のエピソードが紐付けられており、曲自体は車の運転手エンゲルに捧げられたというもので、ドライブ自体は危険だったようですが、多忙な作曲家が休暇を楽しんでいる様子が伺える興味深い作品です。
収録作曲家:
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ハチャトゥリアン(1903-1978):
「スターリングラードの戦い」組曲
「オテロ」組曲 [スロヴァキア放送響/アドリアーノ]KHACHATURIAN, A.: Othello Suite / The Battle of Stalingrad Suite (Slovak Radio Symphony, Adriano)
■交響曲/管弦楽曲 ■映画音楽
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:8.573389
CD価格:1,900円(税込)
ハチャトゥリアン(1903-1978)が書いた映画音楽は、彼の他の管弦楽曲と同じく、常にエキサイティングで色彩的。ショスタコーヴィチを思わせる激しい戦闘シーンや、叙情的な部分もありなかなかの聴きものです。 「スターリングラードの戦い」には、大編成によるオーケストラで奏される様々な民謡の引用が華々しい効果を挙げています。作曲家自身が1952年にソヴィエト放送交響楽団を指揮した記録が存在しますが、このアドリアーノによる演奏は、作曲家の意図を存分に生かした最高の演奏と言えるでしょう。「オテロ」は、シェークスピアにインスパイアされた3つのロシア映画の一つで、こちらもハチャトゥリアンの名声を世界的に高めるのに一役買ったものです。
収録作曲家:
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メルカダンテ(1795-1870):
歌劇「群盗」 [ミロノフ/イヴァノヴァ/プラート/ポズナン・カメラータ・バッハ合唱団/ヴィルトゥオージ・ブルネンシス/フォリアーニ]MERCADANTE, S.: Briganti (I) [Melodramma serio] (Mironov, Ivanova, Prato, Poznań Camerata Bach Choir, Virtuosi Brunensis, Fogliani)
■オペラ
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:8.660343-44
2CD価格:2,900円(税込)
現在では、一部のフルート作品ばかりが知られているかに思える、ロッシーニと同時代のイタリアの作曲家サヴェリオ・メルカダンテ(1795-1870)。しかし彼が生きていた時代には、ロッシーニが早くにオペラ界から引退したことと、ベッリーニが早世したこともあって、一時期は「ヨーロッパ中で最も人気の高いオペラ作曲家」として名声を馳せていたこともあるほど、人気のあった人でもありました。しかし、すぐにヴェルディが登場し、メルカダンテのオペラ作品はほとんど忘れられてしまい、現在にいたっています。 この「群盗」は、ベッリーニの名高い「清教徒」の前年に初演された作品ですが、ベッリーニ作品に見られるような甘美なアリアを多様することはしないという、自身における独自スタイルの確立を図ったものであり、当時のパリの聴衆に阿ることなく真摯で潔い音楽として仕上がっています。この上演に当たって新校訂版のスコアを作成するなど入念な準備のもと、この世界初演が実現、その結果“ニューヨーク・タイムズ誌”でも絶賛されました。
収録作曲家:
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コジェルフ(1747-1818):
ピアノ・ソナタ全集 第3集
第9番・第10番・第11番 [イングリッシュ]KOŽELUCH, L.: Keyboard Sonatas (Complete), Vol. 3 (K. English)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:GP644
CD価格:1,710円(税込)
ボヘミア出身、ウィーンで活躍したモーツァルトと同時代の作曲家、レオポルド・コジェルフ(1747-1818)。当時のウィーンで高い名声を得ており、彼がウィーンの宮廷作曲家として雇われた際には、前任であったモーツァルトの2倍以上の報酬が支払われたとされるほどでした。 そんな彼の作品ですが、現代ではすっかり忘れられてしまい、ようやくこのシリーズなどで片鱗に触れることができるようになってきました。彼の鍵盤のためのソナタは、生涯の40年ほどの長い期間に渡って書かれていて、その作風の変遷を辿るだけでも、この時代の音楽流行を感じることができるはずです。なぜならコジェルフの50曲ほどのソナタには、ハイドン、モーツァルトからシューベルトに至るスタイルの変化が刻まれているからで、当時は「勢いに乗って書き飛ばしている」と批判されたという作品とは言え、改めて聞いてみれば、実は多くの伏線が張られていることに気がつくのではないでしょうか。
収録作曲家:
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バグダサリアン(1922-1987):
ピアノとヴァイオリンのための音楽集 [ハイラペティアン/セルゲーエフ]BAGDASARIAN, E.: Piano and Violin Music - 24 Preludes / Rhapsody / Nocturne (Ayrapetyan, V. Sergeev)
■器楽曲(ヴァイオリン) ■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:GP664
CD価格:1,710円(税込)
アルメニアのエレバンで生まれ、エレバン音楽院でゲオルク・サライェフにピアノ、グレゴリー・エキアザリアンに作曲を学んだバグダサリアン(1922-1987)は、作曲家として、現代アルメニアの音楽発展に多大なる貢献を果たし、1963年には芸術功労者(名誉芸術家)として認定されるなど、国家の重要人物でもありました。 様々なジャンルの作品を書きましたが、この「24の前奏曲」は彼の作風を端的に表す、多様な表現を持った興味深い作品です。民俗音楽に由来すると思われる快活な舞曲、トッカータ風の技巧が炸裂した曲、叙情的な曲・・・。バッハやショパンの世界を継承し、新たな色を付け加えながら、時にはドビュッシーやスクリャビンの作品のように柔軟な音楽が流れていきます。熱のこもった「狂詩曲」ではヴァイオリンとピアノの対話が美しく、ハンガリーの音楽ともまた違う郷愁溢れるメロディに満ちています。「夜想曲」では幾分ロシア風の甘い旋律が心に残るでしょう。
収録作曲家:
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栄光のグラインドボーン
GLORIOUS GLYNDEBOURNE (NTSC)
■オペラ
発売日:2014年08月27日
DVD日本語字幕なし価格:2,925円(税込)
イギリスのイースト・サセックス州ルイス近郊のカントリー・ハウス(ブリテン島の農村にある貴族たちの邸宅)であるグラインドボーンで開かれる「グラインドボーン音楽祭」。これは1934年に資産家ジョン・クリスティが創設した音楽祭で、クリスティ家が主催し、委員長の職はジョンから子のジョージ、孫のガスへと受け継がれています。初回の演目はフリッツ・ブッシュの指揮によるモーツァルトの《フィガロの結婚》で、その後もモーツァルトの数々のオペラを中心に演目が組まれましたが、この映像に収録されているように、ヘンデルやヤナーチェクなどのオペラも重要なレパートリーになっています。オペラ上演については、他のヨーロッパの地域に比べると若干後進国であったイギリスですが、この音楽祭のためには当時最高の歌手と指揮者を集結させ、ついにはコヴェント・ガーデン歌劇場と並ぶ、イギリスにおける「オペラの拠点」となったのです。 この映像には、12のレパートリーからの華やかなシーンが収録されており、アンネ・ゾフィー=オッターやダニエル・ドゥ・ニース、ジョン・マーク・エインズリーなどの歌い手や、ウィリアム・クリスティ、マーク・エルダ-などの指揮者の姿を見ることができます。
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ブリテン(1913-1976):
歌劇《ヴェニスに死す》BRITTEN, B.: Death in Venice (ENO, 2013) (NTSC)
■オペラ
発売日:2014年08月27日
DVD日本語字幕なし価格:3,750円(税込、送料無料)
ドイツの作家トーマス・マンが自身の体験を元に書き上げた「ヴェニスに死す」。年老いた主人公がヴェニスに旅行した際、見かけた美少年に一目ぼれしてしまい、その美の呪縛から逃れることができずその地で最期を迎えるという極めて耽美的な作品です。ヴィスコンティが監督した映画では、あのマーラーの「アダージェット」が効果的に用いられたために一層の印象を残し、現在でも伝説的な人気を誇っています。 このブリテン(1913-1976)のオペラは同じ作品を題材にしていますが、ヴィスコンティの解釈とはまた違った面を表出することで、ブリテンなりの世界を創り上げています。使われている響きはもっと冷徹で、ヴィスコンティ映像の持つ爛熟した美しさとは一線を画した視線が印象的で、「美の象徴」であるタジオは声を発することないダンサーが演じることで、その無邪気さが引き立ちます。舞台が幻想的であればあるほどに、人間の持つ「美への憧れ」と、それに比例した「現実の醜い部分」が際立つというこの物語。 演出を担当したデボラ・ワーナーは、装置も衣装もシンプルな物を用い、儚い夢にのたうつ芸術家の苦悩を突き放すことを試みるかのようです。主人公を歌うジョン・グラハム=ハールはケンブリッジ王立音楽大学で学び、2012年にはイタリアの権威ある「フランコ・アッヴィアーティ賞」を受賞するなど注目のテノール歌手。力強く、リリカルな声は将来を期待させる才能です。様々な役を歌い分けるアンドリュー・ショアはイギリスのベテラン。イングリッシュ・ナショナル・オペラの顔とも言える存在です。デボラ・ワーナー(演出)
1959年イングランドのオックスフォードシャー生まれ。もともとはシェークスピアやブレヒトなどの演劇の演出を手がけていましたが、グラインドボーンの《ドン・ジョヴァンニ》、オペラ・ノースの《ヴォツェック》、レザール・フロリサンとのパーセル《ディドとエネアス》などのオペラ演出の好評を受け、この分野でも躍進を果たしています。2006年、大英帝国勲章受勲。収録作曲家:
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モーツァルト(1756-1791):
オペラBOXMOZART, W.A.: Great Operas (The) (13 DVD Box Set) (NTSC)
■オペラ
発売日:2014年08月27日
DVD 13枚組日本語字幕なし価格:13,800円(税込、送料無料)
《イドメネオ》における神話時代の物語や、モーツァルトと同時代の社会風刺がたっぷり詰まった《フィガロの結婚》、幻想的かつフリーメーソンの香りがぷんぷん漂う《魔笛》、全男性の憧れを具現化した《ドン・ジョヴァンニ》など多種多様な表情を持つモーツァルトのオペラ。そのどの作品もが、溢れるように豊かな表現と、比類なき霊感に支えられた美しいメロディ(そしてちょっぴり含まれたウィット)に支えられた、まさに“全ての芸術の粋”とも言える人類の至宝です。このBOXは最高の演出と歌手、演奏家を揃えた素晴らしいものであり、愛好家と入門者全ての人々に胸を張ってオススメできる最高のセットです。
収録作曲家:
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プッチーニ(1858-1924):
歌劇《トゥーランドット》(F.アルファーノ補筆版)PUCCINI, G.: Turandot (Royal Opera House, 2013) (NTSC)
■オペラ
発売日:2014年08月27日
DVD日本語字幕なし価格:3,750円(税込、送料無料)
プッチーニ(1856-1924)の最後の作品となった《トゥーランドット》は時代を超越した愛の形を追求するものであり、普遍的なテーマ「愛、死、恐怖と力」を主題として、これを美しい旋律で彩った最高の名作です。当時流行の東洋趣味を多分に盛り込み、圧倒的権力を誇るトゥーランドットと可憐なリューの2人のヒロインの対比と、謎解きに翻弄される王子カラフ。この3人と、彼らを取り巻くたくさんの人々。全てが渾然一体となって壮大なクライマックスを築き上げます。プッチーニは完成直前にこの世を去ってしまいましたが、彼の意思は作曲家フランコ・アルファーノに受け継がれ、見事な終景が作り上げられたことでも知られています。 歌手陣にも注目。アメリカのスター・ソプラノ、リセ・リンドストローム(この舞台がロイヤル・オペラ・ハウスへのデビュー)の決然たる題名役のほか、優れたテノール歌手マルコ・ベルティの見事なカラフ、ドイツを中心に活躍している日本人、中村恵理の可憐なリューなど、現代最高のキャストを揃えた素晴らしい配役です。今作での豪華絢爛なるアンドレイ・セルバンの演出は、1984年に製作されたプロダクションであり、ロイヤル・オペラ・ハウスでは既におなじみであり、80年代にBBCテレビによって収録されたものが長らく愛されています。今回の収録は15回目のリバイバルというのですから、まさに驚くべき人気を誇っていると言えましょう。年代を追うことに高画質、高音質の収録が可能となったため、今回はBlu-ray盤も同時に発売が可能となりました。
収録作曲家:
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ミンクス(1826-1917):
バレエ《ドン・キホーテ》MINKUS, L.: Don Quixote (Royal Ballet, 2013) (NTSC)
■バレエ・ダンス音楽
発売日:2014年08月27日
DVD字幕なし価格:3,750円(税込、送料無料)
このバレエ《ドン・キホーテ》はセルバンテスの長大な原作の中から、その一部「バジルとキトリの結婚物語」のエピソードを取り出してバレエに仕立てたものです。当然主役は若い恋人たちであり、彼らの美しい踊りが中心となります(もちろんドン・キホーテの有名な“風車のエピソード”も上手く盛り込まれているのでご安心ください)。ここで引き締まった肉体を存分に使ってバシリオ(バジル)を踊るのが若きキューバのダンサー、カルロス・アコスタです。彼は黒人系として始めてこのバレエ団のプリンシパル・ダンサーとなった逸材であり、そのアグレッシヴなダンスは全世界のファンを完全に魅了しています。彼はこの上演で全ての振り付けと演出を担い、思うがままの素晴らしい舞台を作り上げることに成功しました。キトリを演ずるのは、アルゼンチン出身、ロイヤル・バレエ団のプリンパル・ダンサーであるマリアネラ・ヌニェス。ティム・ハトリーによるヴィヴィッドで美しい舞台デザインをバックに輝かしい肢体が舞い踊ります。またエスパーダ役には日本の注目ダンサー、平野亮一を起用。恵まれた長身をフルに生かしたダイナミックな舞いは、他の出演者とは一線を画すものです。
収録作曲家:
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ドニゼッティ(1797-1848):
歌劇「ドン・パスクワーレ」DONIZETTI, G.: Don Pasquale (Glyndebourne, 2013) (NTSC)
■オペラ
発売日:2014年08月27日
DVD日本語字幕なし価格:3,750円(税込、送料無料)
裕福な独身老人ドン・パスクワーレは秘かに花嫁募集中。しかし吝嗇家の彼のもとにくる女性などは存在せず、それならばこの財産は甥エルネストに継がせようと考えます。ただし自分が薦めた女性と結婚するならば。しかしエルネストは未亡人ノリーナと目下恋愛進行中。とてもじゃないけど、そんな話に乗る気にはなりません。そこでパスクワーレは自分が結婚しようと、友人の医者マラテスタに花嫁候補を探させます。マラテスタとノリーナは旧知の仲であり、その話は彼女につつぬけ。そこで「ノリーナをマラテスタの“清楚な妹”としてパスクワーレに紹介し、パスクワーレと一旦結婚させ、その財産を全部手に入れよう。」という一計を案じます。奔放なノリーナですが、最初は清楚に振る舞い・・・結婚が決まったところで本性を発揮。あきれ果てたパスクワーレが離婚を承諾したところで種明かし。物語は幕となります。伝統的な喜劇であるこの作品。登場人物も最小限に抑えられ、あらすじもわかりやすいものです。 その分歌手たちの演技力と演出が舞台の成功を左右することは間違いありません。しかしながら、当代きっての「演技派ソプラノ」ダニエル・ドゥ・ニースをヒロインに迎えたこの《ドン・パスクワーレ》。面白くないわけがありません。彼女ならどんな策略を仕掛けられても笑って許せそうな気がします。ちょっぴり情けないドン・パスクワーレを完璧に歌うコルベッリもさすがです。センスのよいクレマンの演出、魅力的なベルカントを支えるマッツォーラの指揮。これらが渾然一体となって、この素晴らしい舞台が実現したのです。
収録作曲家:
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栄光のグラインドボーン
GLORIOUS GLYNDEBOURNE (Blu-ray, HD)
■オペラ
発売日:2014年08月27日
Blu-ray日本語字幕なし価格:3,750円(税込、送料無料)
イギリスのイースト・サセックス州ルイス近郊のカントリー・ハウス(ブリテン島の農村にある貴族たちの邸宅)であるグラインドボーンで開かれる「グラインドボーン音楽祭」。これは1934年に資産家ジョン・クリスティが創設した音楽祭で、クリスティ家が主催し、委員長の職はジョンから子のジョージ、孫のガスへと受け継がれています。初回の演目はフリッツ・ブッシュの指揮によるモーツァルトの《フィガロの結婚》で、その後もモーツァルトの数々のオペラを中心に演目が組まれましたが、この映像に収録されているように、ヘンデルやヤナーチェクなどのオペラも重要なレパートリーになっています。オペラ上演については、他のヨーロッパの地域に比べると若干後進国であったイギリスですが、この音楽祭のためには当時最高の歌手と指揮者を集結させ、ついにはコヴェント・ガーデン歌劇場と並ぶ、イギリスにおける「オペラの拠点」となったのです。 この映像には、12のレパートリーからの華やかなシーンが収録されており、アンネ・ゾフィー=オッターやダニエル・ドゥ・ニース、ジョン・マーク・エインズリーなどの歌い手や、ウィリアム・クリスティ、マーク・エルダ-などの指揮者の姿を見ることができます。
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ブリテン(1913-1976):
歌劇《ヴェニスに死す》BRITTEN, B.: Death in Venice (ENO, 2013) (Blu-ray, HD)
■オペラ
発売日:2014年08月27日
Blu-ray日本語字幕なし価格:4,650円(税込、送料無料)
ドイツの作家トーマス・マンが自身の体験を元に書き上げた「ヴェニスに死す」。年老いた主人公がヴェニスに旅行した際、見かけた美少年に一目ぼれしてしまい、その美の呪縛から逃れることができずその地で最期を迎えるという極めて耽美的な作品です。ヴィスコンティが監督した映画では、あのマーラーの「アダージェット」が効果的に用いられたために一層の印象を残し、現在でも伝説的な人気を誇っています。 このブリテン(1913-1976)のオペラは同じ作品を題材にしていますが、ヴィスコンティの解釈とはまた違った面を表出することで、ブリテンなりの世界を創り上げています。使われている響きはもっと冷徹で、ヴィスコンティ映像の持つ爛熟した美しさとは一線を画した視線が印象的で、「美の象徴」であるタジオは声を発することないダンサーが演じることで、その無邪気さが引き立ちます。舞台が幻想的であればあるほどに、人間の持つ「美への憧れ」と、それに比例した「現実の醜い部分」が際立つというこの物語。 演出を担当したデボラ・ワーナーは、装置も衣装もシンプルな物を用い、儚い夢にのたうつ芸術家の苦悩を突き放すことを試みるかのようです。主人公を歌うジョン・グラハム=ハールはケンブリッジ王立音楽大学で学び、2012年にはイタリアの権威ある「フランコ・アッヴィアーティ賞」を受賞するなど注目のテノール歌手。力強く、リリカルな声は将来を期待させる才能です。様々な役を歌い分けるアンドリュー・ショアはイギリスのベテラン。イングリッシュ・ナショナル・オペラの顔とも言える存在です。デボラ・ワーナー(演出)
1959年イングランドのオックスフォードシャー生まれ。もともとはシェークスピアやブレヒトなどの演劇の演出を手がけていましたが、グラインドボーンの《ドン・ジョヴァンニ》、オペラ・ノースの《ヴォツェック》、レザール・フロリサンとのパーセル《ディドとエネアス》などのオペラ演出の好評を受け、この分野でも躍進を果たしています。2006年、大英帝国勲章受勲。収録作曲家:
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プッチーニ(1858-1924):
歌劇《トゥーランドット》(F.アルファーノ補筆版)PUCCINI, G.: Turandot (Royal Opera House, 2013) (Blu-ray, HD)
■オペラ
発売日:2014年08月27日
Blu-ray日本語字幕なし価格:3,750円(税込、送料無料)
プッチーニ(1856-1924)の最後の作品となった《トゥーランドット》は時代を超越した愛の形を追求するものであり、普遍的なテーマ「愛、死、恐怖と力」を主題として、これを美しい旋律で彩った最高の名作です。当時流行の東洋趣味を多分に盛り込み、圧倒的権力を誇るトゥーランドットと可憐なリューの2人のヒロインの対比と、謎解きに翻弄される王子カラフ。この3人と、彼らを取り巻くたくさんの人々。全てが渾然一体となって壮大なクライマックスを築き上げます。プッチーニは完成直前にこの世を去ってしまいましたが、彼の意思は作曲家フランコ・アルファーノに受け継がれ、見事な終景が作り上げられたことでも知られています。 歌手陣にも注目。アメリカのスター・ソプラノ、リセ・リンドストローム(この舞台がロイヤル・オペラ・ハウスへのデビュー)の決然たる題名役のほか、優れたテノール歌手マルコ・ベルティの見事なカラフ、ドイツを中心に活躍している日本人、中村恵理の可憐なリューなど、現代最高のキャストを揃えた素晴らしい配役です。今作での豪華絢爛なるアンドレイ・セルバンの演出は、1984年に製作されたプロダクションであり、ロイヤル・オペラ・ハウスでは既におなじみであり、80年代にBBCテレビによって収録されたものが長らく愛されています。今回の収録は15回目のリバイバルというのですから、まさに驚くべき人気を誇っていると言えましょう。年代を追うことに高画質、高音質の収録が可能となったため、今回はBlu-ray盤も同時に発売が可能となりました。
収録作曲家:
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ミンクス(1826-1917):
バレエ《ドン・キホーテ》MINKUS, L.: Don Quixote (Royal Ballet, 2013) (Blu-ray, HD)
■バレエ・ダンス音楽
発売日:2014年08月27日
Blu-ray字幕なし価格:4,650円(税込、送料無料)
このバレエ《ドン・キホーテ》はセルバンテスの長大な原作の中から、その一部「バジルとキトリの結婚物語」のエピソードを取り出してバレエに仕立てたものです。当然主役は若い恋人たちであり、彼らの美しい踊りが中心となります(もちろんドン・キホーテの有名な“風車のエピソード”も上手く盛り込まれているのでご安心ください)。ここで引き締まった肉体を存分に使ってバシリオ(バジル)を踊るのが若きキューバのダンサー、カルロス・アコスタです。彼は黒人系として始めてこのバレエ団のプリンシパル・ダンサーとなった逸材であり、そのアグレッシヴなダンスは全世界のファンを完全に魅了しています。彼はこの上演で全ての振り付けと演出を担い、思うがままの素晴らしい舞台を作り上げることに成功しました。キトリを演ずるのは、アルゼンチン出身、ロイヤル・バレエ団のプリンパル・ダンサーであるマリアネラ・ヌニェス。ティム・ハトリーによるヴィヴィッドで美しい舞台デザインをバックに輝かしい肢体が舞い踊ります。またエスパーダ役には日本の注目ダンサー、平野亮一を起用。恵まれた長身をフルに生かしたダイナミックな舞いは、他の出演者とは一線を画すものです。
収録作曲家:
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ドニゼッティ(1797-1848):
歌劇「ドン・パスクワーレ」DONIZETTI, G.: Don Pasquale (Glyndebourne, 2013) (Blu-ray, HD)
■オペラ
発売日:2014年08月27日
Blu-ray日本語字幕なし価格:4,650円(税込、送料無料)
裕福な独身老人ドン・パスクワーレは秘かに花嫁募集中。しかし吝嗇家の彼のもとにくる女性などは存在せず、それならばこの財産は甥エルネストに継がせようと考えます。ただし自分が薦めた女性と結婚するならば。しかしエルネストは未亡人ノリーナと目下恋愛進行中。とてもじゃないけど、そんな話に乗る気にはなりません。そこでパスクワーレは自分が結婚しようと、友人の医者マラテスタに花嫁候補を探させます。マラテスタとノリーナは旧知の仲であり、その話は彼女につつぬけ。そこで「ノリーナをマラテスタの“清楚な妹”としてパスクワーレに紹介し、パスクワーレと一旦結婚させ、その財産を全部手に入れよう。」という一計を案じます。奔放なノリーナですが、最初は清楚に振る舞い・・・結婚が決まったところで本性を発揮。あきれ果てたパスクワーレが離婚を承諾したところで種明かし。物語は幕となります。伝統的な喜劇であるこの作品。登場人物も最小限に抑えられ、あらすじもわかりやすいものです。 その分歌手たちの演技力と演出が舞台の成功を左右することは間違いありません。しかしながら、当代きっての「演技派ソプラノ」ダニエル・ドゥ・ニースをヒロインに迎えたこの《ドン・パスクワーレ》。面白くないわけがありません。彼女ならどんな策略を仕掛けられても笑って許せそうな気がします。ちょっぴり情けないドン・パスクワーレを完璧に歌うコルベッリもさすがです。センスのよいクレマンの演出、魅力的なベルカントを支えるマッツォーラの指揮。これらが渾然一体となって、この素晴らしい舞台が実現したのです。
収録作曲家:
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Genesis 1757
リヒター(1709-1789):
弦楽四重奏曲集 Op.5 [カサル四重奏団]RICHTER, F.X.: String Quartets, Op. 5 (Casal Quartet)
■室内楽
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:SM184
SACD-Hybrid 2枚組価格:2,985円(税込)
この作品にまつわるエピソード…。これらは1757年、ヒルトブルクハウゼン公爵の宮殿近くで起きた悲劇的な物語です。ヴァイオリニストで作曲家、カール・ディッタース・フォン・ディッタースドルフの回顧録によると、「その日、ある予感があり、その時に招待されていた馬そりへは乗らずに、宮廷で彼の兄弟たちと弦楽四重奏曲を弾くことを選択、そのそりは御者の無謀運転のせいで隣に座っていた青年が死んでしまった」というのです。最高級のタバコとコーヒーを楽しみながら、宮廷でディッタースドルフが演奏していたのが、このフランツ・クサヴァー・リヒター(1709-1789)のこの弦楽四重奏団であり、結果、彼らはリヒターを選んだことで、致命的な結末を回避できたのです。 フランツ・クサヴァー・リヒターはマンハイムにおける対位法の大家であり、当時、最も優れた室内楽と交響曲の作曲家でありました。そんな奇跡すら起こすほどの魅力的な弦楽四重奏曲、これまで録音がなかったのが不思議なほどです。今回はSACDハイブリッドの高音質でお届けいたします。
収録作曲家:
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リント
Bijoux - 宝石 [リント]Vocal Recital: Lind, Eva - MASSENET, J. / FAURÉ, G. / DEBUSSY, C. / SATIE, E. (Bijoux)
■声楽曲
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:SM208
CD価格:1,710円(税込)
インスブルックで生まれ、ウィーン大学で哲学を学びながら声楽の道を志したエヴァ・リント。彼女は19歳のときにウィーン国立歌劇場で「夜の女王」を歌いセンセーショナルなデビューを果たしました。その後、バーゼルで「ランメルモールのルチア」のルチア役を歌い、この2つの上演の成功をもとに、世界中の歌劇場で活躍を始めます。彼女の透き通った声と優しい歌い口は多くの人に愛されており、これまでも「春の声」などのウィーン音楽などで高い人気を博しています。 このアルバムで彼女が歌うのはフランス歌曲の数々。彼女はフォーレ、ドビュッシー、サティ、そしてマスネという4人の作品に漂う繊細な感情を見事に歌い分けています。何といってもその美しい声は、まさにジャケット写真で彼女が身につけている「宝石」そのものです。なおこのアルバムの収益金の一部はホセ・カレーラスが主催する「ホセ・カレーラス国際白血病財団」へ寄付されます。
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ベートーヴェン(1770-1827):
チェロ・ソナタ全集 [デュオ・レオノーレ]BEETHOVEN, L. van: Cello Sonatas Nos. 1-5 (Duo Leonore)
■器楽曲(チェロ)
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:SM210
2CD価格:2,438円(税込)
果たして、ベートーヴェン(1770-1827)はチェロという楽器にどれほどの愛着を注いでいたのか、今となってはそれを知る由はありません。しかし、彼の残したたった5曲のチェロ・ソナタは「チェロの新約聖書」と呼ばれるほどに、現代のチェロ奏者たちにとっても大切なレパートリーとなっていることは間違いありません。彼のチェロ・ソナタは初期のOp.5の2曲と、中期の傑作Op.69の第3番、そして後期のOp.102の2曲と、作曲年代は全生涯に渡っていて、ベートーヴェンの作曲技法と精神の全てを俯瞰できる名作なのです。 この2枚組は、チェロのマヤ・ウェーバーとピアノのペール・ルンドベリがアンサンブル「デュオ・レオノーレ」を結成し、渾身の演奏を聴かせます。ここではベートーヴェンの情熱を丁寧に映し込み、ベートーヴェンが心血を注いだ音による建築物を見事に再現しています。味わうほどに深みが増す素晴らしい演奏です。
収録作曲家:
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Through Time [ロペス]
FRANÇAIX, J.: Divertissement for Bassoon and Strings / MOZART, W.A.: Bassoon Concerto, K. 191 (Through Time) (Lopes)
■室内楽
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:SM211
CD価格:1,824円(税込)
ファゴットで辿る音楽の旅。様々な時代の美しい曲を名手ルイ・ロペスが高らかに演奏します。ポルトガルで生まれたルイ・ロペスは18歳からファゴットを学び始めたという、比較的遅いスタートを切った人ですが、すぐさま才能を発揮し、権威あるエストリル国際コンクールで優勝したのを皮切りに、世界中のオーケストラと共演、またたくさんのミュージシャンとも共演するなど、注目を浴びています。 このアルバムはイギリス室内管弦楽団との共演で、2つの世界初録音ヴァージョンを含むなど、この楽器の好きな人にとってはたまらない選曲となっています。彼のレパートリーはとても広く、ヴィヴァルディなどのバロック作品から現代曲まで、またアルゼンチン・タンゴなどは自身がアレンジを施すなど、アレンジャーとしても素晴らしい能力を有しています。冒頭のヴィラ=ロボスの「シランダ舞曲」はもともとファゴットのための作品で、ヴィラ=ロボスらしい大胆な和声と、濃厚な伴奏が魅力的な作品。これを聞いただけでこの人のすごさがわかるというものです。小粋なフランセでの遊び心、モーツァルト、ヴィヴァルディでの端正な雰囲気、そして甘い甘いエルガー。これは確かに素晴らしいです。
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独奏チェロのための組曲集 [M. ワーグナー]
Cello Recital: Wagner, Markus - BECKER, H. / KLENGEL, J. / TORTELIER, P.
■器楽曲(チェロ)
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:SM214
CD価格:1,824円(税込)
古今東西の独奏チェロ作品の中でも、かなり珍しい3つの組曲が選ばれているこのアルバム。最初のフーゴ・ベッカーはストラスブールで生まれたチェリスト、音楽教師、作曲家ですが、彼については作品よりもチェリストとしての活動がより知られています。1914年から1921年まではアルトゥール・シュナーベルが率いるシュナーベル三重奏団のメンバーであったり、一時期はブゾーニ、イザイとともに三重奏団を結成していたこともありました。ユリウス・クレンゲルはライプツィヒ生まれのチェリスト。彼は長い間ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席チェリストを務めたことで知られています。ポール・トルトゥリエに関しては説明の必要もないほどに偉大なチェリストです。 この3人が作曲したチェロのための作品は、やはり素晴らしく魅力的なもの。もちろん、時には20世紀的な音楽語法も聴かれますが、基本的にはロマンティックな音楽です。チェリスト、マルクス・ワーグナーはいくつかの国際コンクールを制覇、アウグスブルクのモーツァルト音楽院でチェロ科のクラスを持ち、現在はニュルンベルク音楽大学でも教えています。
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ツィケル(1911-1989):
ピアノ作品集 [パロヴィチョヴァ]CIKKER, J.: Piano Music (Palovicova)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:TOCC0270
CD価格:2,438円(税込)
20世紀を代表するスロヴァキアの作曲家の一人ヤーン・ツィケル(1911-1989)のピアノ作品集。最初に母から音楽の手ほどきを受け、やがて作曲家フィグシュ=ビストリに師事します。プラハ音楽院ではヤロスラフ・クシーチカに作曲を学びながら、指揮をオルガンの勉強をし、大学院ではヴィーチェスラフ・ノヴァークの元で更に研鑽を積みました。1937年から1年間、ウィーンでフェリックス・ワインガルトナーに学び、その後はブラチスラバ音楽院で指導しながら、スロヴァキアの国立劇場でオペラのアドバイザーとして働きます。しかし、1948年の政変で職を失い、その後はブラチスラバの音楽演劇アカデミーで作曲を教えます。 彼の作品は9つのオペラをはじめ、交響詩や管弦楽作品など多くが残されていますが、ピアノ曲もわずかながら存在していて、これらはスロヴァキア内では知られていますが、それ以外ではほとんど耳にする機会のないものです。これらの作品はシマノフスキやヤナーチェクのように民俗音楽から強い影響を受けていますが、時折、フランス印象派風の響きも感じられる、決然たる意思と不可思議な美しさを併せ持つ音楽です。
収録作曲家:
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ヨハン・シュトラウス2世(1825-1899)、
ヨーゼフ・シュトラウス(1827-1870)、
エドゥアルト・シュトラウス(1835-1916):
作品集 [ウィーン響/ホーネック]Orchestral Music - STRAUSS II. J. / STRAUSS, E. / STRAUSS, Josef (Vienna Symphony, Honeck)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2014年08月27日 NMLアルバム番号:WS005
CD価格:1,710円(税込)
「ウィンナ・ワルツ」…この言葉を聞いただけで、なんとなく心躍るのはなぜでしょう。ドイツの舞曲「レントラー」を元にした3拍子の舞曲を、ヨーゼフ・ランナーとヨハン・シュトラウス1世が取り上げ演奏し流行したもので、これは19世紀のウィーンで流行し、ちょうどその時期に開催されたウィーン会議を通して、ヨーロッパ中に広まりました。そしてヨハン・シュトラウス2世が更にその様式を完成させ、数多くのワルツやポルカ、行進曲などを作曲、またヨハン・シュトラウス2世の弟である、ヨーゼフやエドゥアルドも挙ってワルツを作曲、ウィンナ・ワルツの「全盛期」を創り上げたのでした。 このアルバムは、2014年の1月、ザルツブルクで行われたウィーン交響楽団のニューイヤー・コンサートのライブ収録盤です。指揮はオーストリアの名手マンフレート・ホーネック。もともとウィーン・フィルでヴィオラを演奏していただけあって、この手の作品はお手の物。独特の流動的なリズム感(3つの拍子が均一ではなく、2拍目が若干早め)が体の芯に染み付いているのではないでしょうか?
収録作曲家: