2014年6月
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グラウプナー(1683-1760):
バスのためのカンタータ集 [メルテンス/アカデミア・ダニエル/アド=エル]GRAUPNER, C.: Bass Cantatas - GWV 1104/11c, 1119/22, 1135/13, 1139/20, 1152/46, 1154/12b (K. Mertens, Accademia Daniel, Ad-El)
■声楽曲
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:777644-2
CD価格:2,608円(税込)
ザクセン公国キルヒベルク近郊、ハルトマンドルフに生まれたグラウプナー(1683-1760)。彼は法学と音楽を学び、最初はハンブルク歌劇場のチェンバロ奏者を務めながら(同じ時期にヘンデルがヴァイオリン奏者として在籍していた)、次々をオペラを作曲していました。その当時、彼の作品はバッハのものよりも人気が高かったとされていますが、当の彼はバッハを高く評価し、バッハがトーマス教会カントルの職を得た時も、グラウプナーは推薦の手紙をライプツィヒの市参事会へと送るなど、積極的に彼をサポートしたと伝えられます。そんなグラウプナーの「バスのためのカンタータ」は、充実した声部もさることながら、ヴィオラが重用されるなど独自の作風を誇っています。また彼のレチタティーヴォの流麗さも特筆もので、アリアの部分との美しい対比を見せています。クラウス・メルテンスの卓越した技巧は、これらの作品の美点を存分に表現しています。
収録作曲家:
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ラーション(1908-1986):
〈管弦楽作品集 第1集〉 [ヘルシンボリ響/マンゼ]LARSSON, L.-E.: Orchestral Works, Vol. 1 - Symphony No. 1 / The Winter's Tale / Music for Orchestra, Op. 40 (Helsingborg Symphony, Manze)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:777671-2
CD価格:2,850円(税込)
現代スウェーデンの代表的作曲家として知られるエリク=ラーション(1908-1986)。とは言え、彼の作品は決して前衛そのものではなく、時として十二音の様式を用いたものの、どちらかというと後期ロマン派色が強いものでした。特にここで聴ける初期の「交響曲第1番」はシベリウスを思わせる牧歌的で美しい音楽です。ニ長調という調性にもよるのか、大いなる自然を賛美しているかのような重厚かつ若々しい第1楽章から、その熱き心がひしひしと伝わってくるかのようです。彼は作品によって作風を使い分けていたようで、1966年に作曲された「抒情組曲」でも、描かれている風景は変わることなくひたすら悠然とした美しさを保っています。マンゼとヘルシンボリ交響楽団のチームワークの良さは、ブラームスで証明済。ここでも美しい弦の調べに重点を置いた見事なアンサンブルを聴くことができます。
収録作曲家:
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カーン(1865-1951):
ピアノ三重奏曲全集 [ハイペリオン・トリオ]KAHN, R.: Piano Trios (Complete) (Hyperion Trio)
■室内楽
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:777791-2
2CD価格:2,608円(税込)
1865年、マンハイム生まれの作曲家ロベルト・カーン(1865-1951)のピアノ三重奏曲です。現在では名前すらも残っていない人ですが、若い頃には、晩年のブラームスに高く評価されたこともあり、彼はその幸福な気持ちをずっと持ち続けていたと言います。しかし内向的な性格であったため、その事はずっと隠していて、自身を語る時には「ベルリンでフリードリヒ・カイルに学び、ミュンヘンでヨーゼフ・ラインベルガーに学び作曲家となった」と言っていたそうで、あまりにも幸福だったブラームスとの出会いについては、ついぞ語ることはなかったのだそうです。そんなカーン、1894年にベルリン・ロイヤルアカデミーの教授職に就き後進の指導にあたっていましたが、ナチスの台頭に伴い1934年にイギリスに亡命、そこで生涯を終えることになりました。彼の生徒にはヴィルヘルム・ケンプ、フェルディナンド・ライトナー、アルトゥール・ルービンシュタインなどがおり、どれほど優秀な教師であったかも理解できます。そんな彼のピアノ三重奏曲は、どれも1918年までに書かれており、わかりやすく簡潔な書式を保ったものです。
収録作曲家:
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マイヤベーア(1791-1864):
歌劇「バスコ・ダ・ガマ」 [ベルヒトルト/ケムニッツ州立歌劇場合唱団/ロベルト・シューマン・フィル/ベールマン]MEYERBEER, G,: Africaine (L') [Opera] (Berchtold, Chemnitz State Opera Chorus, Robert Schumann Philharmonie, Beermann)
■オペラ
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:777828-2
4CD価格:10,432円(税込、送料無料)
マイヤベーア(1791-1864)は数多くの歌劇を作曲しましたが、その多くは現在忘れられてしまい、なかなか演奏される機会がありません。歌劇「アフリカの女」も、彼の存命中には人気があったものの、やはり忘れられてしまい、4幕で歌われる「おお、パラダイス」だけが時々歌われることがある程度です。この歌劇はバスコ・ダ・ガマを主人公としているのですが、史実に自由に手が入れられており、必ずしも実際のエピソードに忠実なものではないことが知られています。作品が生み出されるまでには、かなりの紆余曲折を経ており、この「バスコ・ダ・ガマ」として完成した直後、マイヤベーアは死去してしまい、音楽学者のジョセフ・ド・フェティスが幾つかの箇所を削除し(長すぎたため)、主人公を奴隷のセリカに変更、最終場面も書き直し、「アフリカの女」としてリニューアルしたものが現在知られているものだったのです。指揮者ベールマンは、オリジナルの形での上演を敢行。この歌劇に新たな光をあてることに成功しました。
収録作曲家:
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シューマン(1810-1856):
ピアノ四重奏曲 ハ短調
ティエリオ(1838-1919):
ピアノ四重奏曲 変ホ長調 [ヴァレンティン・ピアノ四重奏団]SCHUMANN, R.: Piano Quartet in C Minor (completed by J. Draheim) / THIERIOT, F.: Piano Quartet, Op. 30 (Valentin Piano Quartet)
■室内楽
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:777843-2
CD価格:1,824円(税込)
1829年に作曲された若きシューマンによるピアノ四重奏曲。こちらは一応、全曲の構想は出来たものの、ピアノパートを完成させることなく、そのまま出版もすることなかったという幻の作品です。この曲を完成させる試みは、何度か行われており、このドラハイム版よりも以前には、W.ベッティヒャーが補筆を試み、こちらは1979年にアンドレ・プレヴィンらが録音していたりもします。このドラハイム版は、オリジナルの自筆楽譜を綿密に調査した上で、左手パートを書き加え、彼なりに満足の行くものを作り上げたようです。このスコアは2010年のシューマン記念年に出版され、今回が初録音となります。もう一人の作曲家ティエリオはハンブルク生まれの作曲家で、シューマンよりもブラームスに影響を受けた人です。今ではほとんど忘れられてしまったこの作曲家の作品も、このアルバムでシューマンの四重奏と共に蘇ることでしょう。
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〈ゴットルフ城のための音楽集 第2集〉
フェルチュ(1652-1732):
カンタータと宗教的コンチェルト集 [ブレーメン・ヴェゼル=ルネサンス/コルデス]FÖRTSCH, J.P.: Cantatas (Bremen Weser-Renaissance, Cordes)
■室内楽
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:777860-2
CD価格:2,445円(税込)
デンマーク国境に近い、ドイツ、シュレスヴィヒにあるゴットルフ宮殿は、その瀟洒な美しさと豊富な歴史的所蔵物で知られています。1500年頃には有名な「ゴットルフ蔵書」が収納され、1595年には美しいホールである「大鹿の間」も完成、同じ時期には礼拝堂やオルガンも建立されています。cpoの新シリーズはこの宮殿のために書かれた音楽に焦点をあて、これらをお馴染みのコルデスとブレーメン・ヴェゼル=ルネサンスの完璧なアンサンブルで聴くというものです。ヨハン・フィリップ・フェルチュ(1652-1732)は、主にハンブルクでオペラ台本作家、作曲家として活躍していましたが、1680年から1684年までこの宮殿の教会で監督を務め、数多くのカンタータや宗教曲を書いています。聖書の言葉を大切にしながら、美しいハーモニーを載せていくという手法は、まさにオペラに精通していたフェルチュの腕の見せ所でもあり、また重要な場面でトランペットを活躍させる(神の声として)ことも、劇的な瞬間を一層鮮やかに見せてくれます。
収録作曲家:
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ルベル(1666-1747):
組曲「四大元素」
ラモー(1683-1764):
組曲「カストルとポリュックス」 [オルフェオ・バロック管/ガイッグ]REBEL, J.-F.: Élémens (Les), "Simphonie nouvelle" / RAMEAU, J.-P.: Castor et Pollux Suite (L'Orfeo Baroque Orchestra, Gaigg)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:777914-2
CD価格:1,824円(税込)
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ブラウワー(1940-):
打ち砕かれた ~ 室内楽作品集 [ブルー・ストリーク・アンサンブル/マイア弦楽四重奏団/シルヴァー/サンドラ・シモン]BROUWER, M.: Chamber Music - Shattered Glass / Lonely Lake / Clarinet Quintet (Shattered) (Blue Streak Ensemble, Maia String Quartet)
■室内楽
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:8.559763
CD
通常価格:1,900円→ 特価!:390円(税込)現代のアメリカでとても高い評価を受けている作曲家マーガレット・ブロウワー(1940-)。彼女は現在クリーブランド音楽院の名誉教授を務め、数々の賞も受賞していますが、新作もコンスタントに発表しています。最近ではダラスやデトロイトのオーケストラを始め、クリーブランド室内管弦楽団などでその新作が演奏され、ますますその動向が注目されています。このアルバムには、そんな彼女の2000年代以降のいくつかの作品が収録されています。トラック1は、タイトルでわかる通りに「9.11」の事象が反映されたもので、複雑な音響と暴力的な打楽器とピアノ、フルートのパッセージの応酬が耳を打つ刺激的で悲劇的な音楽です。クラリネット五重奏曲にもその思いは繋がっており、とりわけ第2楽章では悲痛な哀しみが重苦しく漂っています。小さな歌曲であるトラック6も、やはり9.11の悲劇に触発された詩を用いたもの。それにひきかえ「孤独な湖」はもう少し気楽な雰囲気を持つ音楽。最後におかれた「アレンジメント」はおなじみの2つの作品をブルー・ストリーク・アンサンブルのために編曲したものです。
収録作曲家:
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ロイド(1909-1980)&メニン(1923-1983):
ピアノ作品集 [シルバースタイン]LLOYD, N. / MENNIN, P.: Piano Music (Silberstein)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:8.559767
CD-R価格:1,900円(税込)
ノーマン・ロイド(1909-1980)とピーター・メニン(1922-1983)。この2人の作曲家はどちらもペンシルバニア州で生まれ、2人とも、1947年から1958年までは、ジュリアード音楽院で教えるなど後進の指導に熱心にあたったことでも知られています。ロイドは、当時ジュリアード音楽院の校長であったウィリアム・シューマンとともに、アメリカの音楽教育に革命をもたらすほどのプログラムを開発したことでも知られますが、彼自身はモダンダンスに魅入られ、その分野を極めていくことになります。彼は「自分は作曲家である」とは考えていなかったようで、その作品のほとんどは未発表であり、演奏されることもあまりありません。小学生のピアノレッスンのために書かれた「記憶の中の3つの情景」を始めとした、ウィットに富んだ現代的な曲は、幅広い層に受け入れられるに違いありません。もう一人の作曲家メニンは、ウィリアム・シューマンの後を継いでそのままジュリアード音楽院の校長に就任。亡くなる直前までその職にありました。作風は若干晦渋ですが、決してわかりにくいものではありません。
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ヘギー(1961-):
暗闇の中から
ジーン・シーアの詩による作品集 [C. リンチ/S. ラーセン/M. スミス/ミュージック・オブ・リメンブランス/M. ミラー]HEGGIE, J.: Out of Darkness (Music of Remembrance)
■声楽曲
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:8.559770
CD-R価格:1,900円(税込)
コンポーザー・イン・レジデンスを務めたサンフランシスコ・オペラなど、アメリカのオペラハウスを中心に活躍するコンポーザー=ピアニスト、ジャック・ヘギー(1961-)と、同じくアメリカのソングライター、台本作家のジーン・シーア(1958-)のコラボレーションによる歌曲集。先ごろ起こった「図書館の蔵書破損」の件も含め、あの第三帝国によるホロコーストの悲劇が終わって、ほぼ70年が経過しているというのに、私たちはまだその事実に正面から向き合うことすら出来ていないのかもしれません。どのような理由があったにせよ、犠牲となった人々は、ある日突然「通常の生活」をする権利を奪われ、想像を絶する地獄に放り込まれ、生殺与奪の権も無くしたというのに・・・。このアルバムに収録された3つの作品は、その時代に確かに生きていた人たちの言葉を元に作られたもの。「他の日の出」と「さようならアウシュヴィッツ」では、ホロコーストを生き抜いたポーランド=ユダヤ人女性クリスチナ・ジウルスカの詩、「見る、もしくは触れるために」で同性愛者(当時の社会では禁止されていた)マンフレッド・ルウィンの詩をテキストに用いることで、自由と迫害についての考察を迫ります。アンサンブル“ミュージック・オブ・リメンブランス”は「頽廃音楽」のオーソリティであり、溢れる悲劇性を客観的に捉え、人々に送り届ける役割を担っているのです。
収録作曲家:
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レーガー(1873-1916):
オルガン作品集 第15集
コラール前奏曲/モノローグ/後奏曲 [リュプサム]REGER, M.: Organ Works, Vol. 15 - 52 Easy Chorale Preludes: Nos. 16-35 / Monologe: Nos. 1-4 / Postludium in D minor (Rübsam)
■器楽曲(オルガン)
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:8.572908
CD価格:1,900円(税込)
マックス・レーガー(1873-1916)の膨大なオルガン作品の中でも、とりわけ重要な位置を占めている「52のやさしいコラール前奏曲」。NAXOSではこれまで(他の演奏者で)、第1-15番までを8.552907、第39-52番までを8.570960で聴くことができます。この作品は、最も一般的なプロテスタントの賛美歌のメロディをベースに、レーガーらしい対位法を巡らせながら短いながらもドラマティックな前奏曲として構築されたもの。シンプルなメロディが持ち味のため、普段のレーガーに見られる半音階書法は、若干控えめですが、それでも後期ロマン派の濃厚な和声法は存分に楽しめるものです。もっとレーガーらしさを求めるのであれば、冒頭に置かれた「モノローグ」を。こちらは噎せ返るような半音階進行が散りばめられており、「こんなのを聴きたかった」と愛好家を満足させること間違いありません。
収録作曲家:
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イザイ(1858-1931):
6つの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.27 (1924) [楊天堝]YSAŸE, E.: 6 Sonatas for Solo Violin, Op. 27 (Tianwa Yang)
■器楽曲(ヴァイオリン)
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:8.572995
CD価格:1,900円(税込)
ベルギーが誇るヴァイオリニスト、作曲家&指揮者ウジェーヌ・イザイ(1858-1931)の代表作。作曲の動機となったのは、ヨーゼフ・シゲティが演奏するバッハの「無伴奏ソナタ」を聴いた時であり、全6曲のスケッチをたった一晩で書き上げたと言われるほどに、強い感銘を受けながら曲を完成させたのでした。各6曲は、彼と親交のあった6人のヴァイオリニストにそれぞれ献呈されていて、これらは、各人の雰囲気を見事に映し出したものとされています。対位法を駆使した第1番は、シゲティの特徴を描いていますが、同時にバッハ作品とも強い関連があります。第2番のモチーフとして使われているのは「怒りの日」。この20年後、ティボーの乗った飛行機がアルプスに衝突するという悲劇が起こるなんて、誰が想像したでしょう。短くとも印象的な第3番では民族音楽の香りが、古式ゆかしき舞曲をモティーフにした第4番はクライスラー、指導者としても名を馳せたベルギーの名奏者クリックボームには牧歌的な作品、そして「サラサーテの後継者」として目されたガリシアの名手キロガに献呈された第6番。この素晴らしい作品群をお馴染みティアンワ・ヤンのソロで。
収録作曲家:
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ハリス(1945-):
交響曲 第4番「マヒナランギ・トッカーの思い出に」
チェロ協奏曲 [キン・リウェイ/アシュワース/オークランド・フィル/ウォーカー/ディーン]HARRIS, Ross: Symphony No. 4, "To the memory of Mahinārangi Tocker" / Cello Concerto (Li-wei Qin, Auckland Philharmonia, G. Walker, Dean)
■協奏曲
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:8.573044
CD価格:1,900円(税込)
ニュージーランド生まれの作曲家ロス・ハリス(1945-)は、数々のユニークな作品で注目を浴びながら、30年の長きにわたり、ヴィクトリア大学の音楽科で教鞭を執り、この国の音楽発展に貢献している人物です。このアルバムで強い存在感を放つ、彼の第4番の交響曲は、オークランド・フィルハーモニー管弦楽団の委嘱を受けて書かれたもので、ニュージーランドの名シンガーソングライターのマヒナランギ・トッカー(1955-2008)へのオマージュとなっています。彼女は25年間の活動期間において、600以上の曲を書き、そのどれもが感動的な表情を持っていて、ハリスは彼女の作品に高い関心を抱いていました。この曲が書かれる3年前に、喘息発作で世を去ってしまった彼女への友情の証だとハリスは語っています(彼女はユダヤとケルトの血をひき、またレズピアンであることもカミングアウトしていました)。もう一つのチェロ協奏曲は、チェリスト、キン・リウェイの演奏に触発され書かれた作品で、不確実なメロディを奏でるオーケストラに載って、チェロが妖艶で不可思議なメロディを歌います。全ての部分は途切れることなく奏でられ、連綿を歌うチェロの響きには陶然とするばかりです。
収録作曲家:
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ロッシーニ(1792-1868):
ピアノ作品全集 第6集(老いのいたずら 第4巻)
4つのオードブルと4つのデザート他 [マランゴーニ]ROSSINI, G.: Piano Music, Vol. 6 (Marangoni) - Peches de vieillesse, Vols. 4, 6, 10 and 14
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:8.573107
CD価格:1,900円(税込)
ロッシーニと言えば、目もくらむような素晴らしいオペラの数々が思い浮かびますが、この曲集「老いのいたずら」は、若くして地位も名誉も確立したロッシーニが、44歳(!)で音楽界から引退した後、自ら高級レストランやサロンを経営しながら、あくまでも「自分や親しい人たちのために」書き溜めた曲集。出版もしなかったため、ほとんど知られていなかった作品たちです。どの曲もロッシーニらしく流麗なメロディと洒落たウィットに満ちています。この第6集では、まず4種類のオードブルとデザートからお楽しみください。この作品からすでに色々な仕掛けが施されているので、説明を書ききれないのが残念です。まずは第3曲の「干しブドウ」から聴いてみてください。とてもコミカルな「インコの声(?)」が聞こえてきます。インコは色々な事をしゃべっているのですが、何だか社会情勢についてまで語っているのだとか…。ま、鳥がしゃべることですのでお気になさらぬように。
収録作曲家:
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レスピーギ(1879-1936):
鳥/ボッティチェッリの三連画/組曲 ト長調 [ブラウン/ニューヨーク室内管/ディ・ヴィットリオ]RESPIGHI, O.: Gli uccelli (The Birds) / Trittico botticelliano / Suite in G Major (K. Brown, Chamber Orchestra of New York, Di Vittorio)
■室内楽
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:8.573168
CD価格:1,900円(税込)
レスピーギ(1879-1936)の「鳥」は、17世紀に書かれた鳥にまつわるクラヴサン曲に、レスピーギがオーケストレーションを施し、前奏曲を付けて組曲としたものです。何といってもレスピーギは、17世紀音楽の熱心な研究者であり、この当時の音楽を校訂することに喜びを見出していたのですから、この「鳥」もその副産物として生まれたとみても間違いないでしょう。もちろんオーケストラの響きは極彩色ですが、音楽そのものはバロック時代のまま。この不思議な肌触りが却って興味深いところです。転じて「ボッティチェッリの三連画」は冒頭のトリルの豊かな響きや、彼の特徴的な旋律が横溢するもので、こちらはオリジナル度が高い音楽と言えそうです。「組曲 ト長調」は古典的な様式を保った作品ですが、通常聴かれるのは短縮版で、ここでの録音が指揮者ヴィットリオ自身が編纂した「オリジナル版」です。こちらもフレスコバルディのマドリガルなどからインスピレーションを得たと言われるメロディが弦とオルガンで壮麗に歌われる感動的な音楽です。
収録作曲家:
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ヴァインベルク(1919-1996):
交響曲 第18番「戦争、これより残酷な言葉はない」
トランペット協奏曲 [バリオ/サンクトペテルブルク室内合唱団/サンクトペテルブルク響/ランデ]WEINBERG, M.: Symphony No. 18 / Trumpet Concerto (Balio, St. Petersburg Chamber Choir, St. Petersburg State Symphony Orchestra, V. Lande)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:8.573190
CD価格:1,900円(税込)
ヴァインベルク(1919-1996)の晩年の最も重要なプロジェクトの中に「第二次世界大戦を振り返る」というものがあります。これで生まれたのがは、交響曲第17番「記憶」と、この第18番、そして第19番「輝かしき五月」という3つの交響曲です。この第18番も、タイトル通りの反戦意識に彩られたもので、ソ連の詩人、セルゲイ・オルロフとアレクサンドル・トアルドフスキーの詩、そして民謡に由来するテキストが用いられた、声楽付きの一種のオラトリオとなっています。各々の詩は強い悲しみと怒りを孕み、全ての人に大いなる問題を突きつけます。ただ、いつものように、ここでも決してヴァインベルクは聴き手を冷たく突き放すことはなく、どこか希望が持てる音楽となっているところに救いがあるのかもしれません。トランペット協奏曲はもっと早い時期に書かれたもので、初演は名手ティモフェイ・ドクシチェルと、キリル・コンドラシンが指揮するモスクワ・フィルによって1968年1月6日に行われました。この当時心酔していたショスタコーヴィチの影響が強く感じられる冷笑やグロテスクなパッセージが至るところに散りばめられた興味深い作品で、ヴァインベルク入門としても、オススメできる逸品です。
収録作曲家:
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ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):
ピアノ五重奏曲/五重奏曲 ニ長調
イギリス民謡による6つの練習曲
ヴィオラとピアノのためのロマンス [ロンドン・ソロイスツ・アンサンブル]VAUGHAN WILLIAMS, R.: Piano Quintet / Quintet in D Major / 6 Studies in English Folksong / Romance for Viola and Piano (London Soloists Ensemble)
■室内楽
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:8.573191
CD価格:1,900円(税込)
9つの交響曲や、民謡を主題にした管弦楽曲、音による映像そのものの「揚げひばり(舞い上がるひばり)」など、牧歌的でのどかな作品が知られるイギリスの作曲家ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)。彼は室内楽や独奏曲においても、生涯を通じて素晴らしい作品を生み出し続けました。ピアノ五重奏曲はシューベルトの「鱒」と同じ楽器編成が用いられた作品で、第2楽章の優美な主題は、ブラームス作品を思わせる深さを持っています。また最終楽章は見事な変奏曲となっていて、この萌芽は50年後のヴァイオリン・ソナタで見事に花開くこととなります。ロマンスは、彼の死後に発見された曲で、作曲された日はわかりませんが、恐らく偉大なヴィオラ奏者ターティスのために書かれたと推測されます。流麗なクラリネット三重奏曲は、まだ若き作曲家の奔放な創作意欲が反映されたもの。「イギリス民謡による練習曲」は、研究者としても功績を遺した彼らしい作品で、親しみあるメロディが丁寧に形作られています。
収録作曲家:
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マイアベーア(1791-1864):
フランス・オペラからの序曲と間奏曲集 [ニュージーランド響/ダレル・アン]MEYERBEER, G.: Overtures and Entr'actes from the French Operas (New Zealand Symphony, Darrell Ang)
■オペラ
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:8.573195
CD価格:1,900円(税込)
バレエ音楽集(8.573076)で、その華麗な世界の一部を見せてくれたマイヤベーア(1791-1864)。彼はベルリンで生まれるも、主に活躍したのはパリであり、ロッシーニに代表されるイタリア歌劇の様式と、モーツァルトやウェーバーが確立したドイツ歌劇の様式を融合させたものを、パリへ持ち込み、豪華絢爛なグランドオペラを作り上げた人物として尊敬されたのでした。そんなマイアベーア、実は歌劇の作曲能力よりも、その重厚な管弦楽法の扱いの方が高く評価されたようで、彼が紡ぎ出したオーケストラの色彩的な響きは、当時まだ若かったワーグナーさえをも魅了したといわれています。このアルバムでは、そんな彼の歌劇における「歌のない部分」がたっぷり収録されています。確かに、歌がなくても存分に楽しめるものばかり。交響曲や協奏曲を書いても人気を博しただろうな。と想像してしまいます。
収録作曲家:
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カルク=エラート(1877-1933):
フルート作品全集 [ロールダ/ツヴェレリ]KARG-ELERT, S.: Flute Works (Complete) (Roorda, Tsvereli)
■器楽曲(フルート)
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:8.573269-70
2CD価格:2,900円(税込)
ライプツィヒ音楽院でザロモン・ヤーダスゾーンとカール・ライネッケに師事、教師として後進の指導にあたりながら、その作品をグリーグに認められたことで、職業音楽家として活動することを決意したという作曲家カルク=エラート(1877-1933)。現在彼の名前は決して「良く知られている」わけではありませんが、この独自な作風、とりわけ半音階的な書法は、まさしく一聴の価値あるものです。彼はオルガンやハルモニウムの音を好み、これらの楽器のために書いた作品はメシアンにも影響を与えています。この2枚組は、そんなエラートの知られざる「フルートのための作品」を全て収録したもの。実はエラート、フルートのために、もっと多くの作品を書いたのですが、そのほとんどは失われてしまったとのことで、何とも残念な話です。どれも幻想的で魅惑的な音楽であり、とりわけ「30のカプリース」はフルートを愛する人ならば、ぜひ聴いてほしい重要な作品です。
収録作曲家:
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期待の新進演奏家シリーズ
アントン・バラノフ ギター・リサイタル [バラノフ]Guitar Recital: Baranov, Anton - PUJOL, M.D. / BRAVO, J.E. / ANGULO, E. / SANTÓRSOLA, G.
■器楽曲(ギター)
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:8.573306
CD価格:1,900円(税込)
2013年GFA(Guitar Foundation of America=アメリカ・ギター財団)国際ギターコンクールの優勝者である、1984年ロシア生まれのギタリスト、アントン・バラノフ。彼は同時期にフランシスコ・タルレガ国際コンクールでも優勝するなど、その才能を嘱望されている人で、現在はサンクトペテルブルク音楽院で後進の指導にもあたっています。そんな彼のリサイタル・アルバムは中南米の4人の作曲家の作品集で、それぞれ世代の異なる作曲家たちの曲を見事に弾きわけています。アルゼンチン生まれのプホールのソナチネは、ギタリスト、ホルヘ・ラバンカに捧げられた作品。リズミカルな第1楽章と表情豊かな第2楽章、そしてエキサイティングな終楽章が魅力的。もう少し後の世代に属するブラーボのソナタはタンゴとクラシックが融合されたもの。アングロのソナタは短いながらも印象的な音楽。そしてサントルソラのソナタは、現代的なメロディと超絶技巧を駆使した華やかなパッセージ、そして美し過ぎる第2楽章が印象的な作品です。
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シューベルト(1797-1828):
ピアノ・ソナタ 第18番
即興曲/楽興の時 [バルト]SCHUBERT, F.: Impromptus, D. 899 / Moments musicaux, D. 780 / Piano Sonata No. 18, D. 894 (Barto)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:C5028
2CD価格:2,600円(税込)
最近、その独特な演奏と解釈で俄然注目を浴びているピアニスト、ツィモン・バルト(1797-1828)。彼の演奏の一つの特徴として、極端な弱音とデリケートな感情表現が挙げられますが、このシューベルトでもそれが炸裂しています。冒頭の「即興曲 ハ短調 Op.90-1」から、これまで聴いたことのないような不思議な音楽となっています。有名な「楽興の時 第3番」や「ソナタ ト長調」でも新しい発見があるはずです。これはもしかしたら、かのアファナシエフを超える名演と呼ばれるようになるかもしれません。まずは、聴いてみて判断してみてください。
収録作曲家:
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シグナム弦楽四重奏団
ベルク、バルトーク、シュニトケを弾く [シグナム四重奏団]String Quartets - BERG, A. / BARTOK, B. / SCHNITTKE, A. (No. 3) (Signum Quartet)
■室内楽
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:C5163
CD価格:2,600円(税込)
丁寧に描かれたスコアと、精緻に仕組まれた音の結びつきが「弦楽四重奏」の良し悪しを決めるとするならば、ベートーヴェンやシューベルト、もしくはブラームスあたりの時代で、その基準は頂点を迎えてしまったかもしれません。そのため20世紀の作曲家たちは“どのようにそれを超えるか”を模索し、新しい音を造りだすために様々な試みをしたのです。このアルバムに収録されているのは、20世紀になって書かれた3つの「3番」にまつわる弦楽四重奏曲。まだシュトラウスやマーラーが調性音楽を書いていた頃、25歳のベルクは、シェーンベルクの元でこんな音楽を書いていました。無調ではなく、そこはかとなく感じられる調性感は時に抒情的で妖艶。師シェーンベルクも絶賛した作品です。そしてバルトークの作品は、調性の探究ではなく「民俗音楽」の探究。激しいリズムの応酬と懐かしいメロディ。これらが発展し、交錯した上に生まれたシュニトケの作品は、一種の先祖帰り的な要素も持つ不思議な音楽。若きアンサンブル、シグナム弦楽四重奏団の素晴らしい演奏でお聞きください。
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シュヴァネヴィルムス
ワーグナーを歌う [シュヴァネヴィルムス/ウィーン放送響/マイスター]WAGNER, R.: Wesendonck Lieder / Tannhäuser / Tristan und Isolde (excerpts) (Schwanewilms, Vienna Radio Symphony, Meister)
■オペラ
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:C5174
CD価格:2,438円(税込)
1849年のドイツ三月革命運動に参加し、それが失敗したために指名手配されてしまったワーグナー(1813-1883)。彼はスイスに逃れ、1858年までの9年間、亡命生活を送りました。しかしそんな中でも彼の創作意欲は旺盛であり、「ニーベルングの指環」に着手し、また楽劇「トリスタンとイゾルデ」も平行して書いていたのでした。もちろん彼のこと、その旺盛な意欲は音楽だけに向けられていたのではなく、何人かの女性たちにも向けられていたことはご存知の通りです。中でも、当時のパトロンの夫人であったマティルデ・ヴェーゼンドンクとの許されぬ愛は、「トリスタン」の創作の源になり、彼女が贈った詩は「ヴェーゼンドンク歌曲集」として生み出され、このメロディは「トリスタン」の中でも効果的に使われているのです。このアルバムは、そんなワーグナーとマティルデの禁断の恋から派生した作品が中心に収録されています。歌うのは現代最高のワーグナー歌手であるアンネ・シュヴァネヴィルムス。まさに「震える心」を具現化した見事な歌唱です。
収録作曲家:
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ロペス=グラサ(1906-1994):
ピアノ作品集 [ピサロ]LOPES-GRAÇA, F.: Piano Music (Pizarro)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:C5196
CD価格:2,600円(税込)
ルイス・デ・フレイタス・ブランコ(1890-1955)、ジョリ・ブラガ・サントス(1924-1988)、そしてこのフェルナンド・ロペス=グラサ(1906-1994)。この3人が近代ポルトガル音楽の巨匠と呼ばれる人たちです。ただ3人の作風には違いがあり、ドイツとフランスで学んだブランコはドイツ後期ロマン派の?影響が感じられる作品を書き、サントスの作品は民族音楽からの影響を半音階的進行に閉じ込めたもの。そしてこのロペス=グラサは、パリでシャルル・ケクランに学び、ポルトガルのポピュラー音楽とバルトークやヒナステラなどの他の国の現代作品との融合を図った音楽を書いたのです。彼はポルトガル共産党に入党したことで、強い迫害を受けたことでも知られますが、それにもめげず強靭な音楽を残しています。このピアノ曲集は、彼の作風を端的に知ることができるでしょう。
収録作曲家:
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ヴェルー(1814-1863):
オーボエとピアノのための作品集 [カルカーニ/マガーニ]VERROUST, S.: Oboe and Piano Music (Calcagni, Magagni)
■器楽曲
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:CDS7696
CD価格:2,325円(税込)
フランスのオーボエ奏者&作曲家ヴェルー(1814-1863)はアールブルックで生まれ、オーボエとヴァイオリンの2つの楽器の名手として活躍します。パリ音楽院では1833年にギュスターヴ・フォークトのクラスで2等賞を獲得、その翌年には1等賞を獲得し、またヴァイオリニストしては、1831年にパレ・ロワイヤルのオーケストラで第2ヴァイオリン奏者に就任したという記録があります。その後はフォークトの後任として1853年から1860年までパリ音楽院のオーボエ科の教授となり後進の指導にあたりました。この演奏会用独奏曲は、彼の代表作であり、少なくとも80曲を超える作品番号が付けられており、どれもがオーボエの超絶技巧を駆使した演奏困難なものとして知られています。素晴らしい作品なのに、なぜか録音がほとんどないのも不思議なことです。オーボエを演奏しているのは1965年ラヴェンナ生まれのエンリコ・カルカーニ。彼はヴェローナ音楽院でディエゴ・ディーニ・チアッチに師事し、サルッツオのコンクールで優勝。数々のオーケストラで首席を務めながら、1992年からはソリストとしてだけでなく、室内アンサンブルにも積極的に参加し、活動範囲を広げてきた人です。ピアノを演奏しているマガーニは作曲家としても高名で、管楽器の構造にも詳しく、ここでも説得力高い演奏を聞かせます。
収録作曲家:
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■合唱曲
発売日:2014年06月25日
5CD価格:4,425円(税込、送料無料)
ICAクラシックスの数多い歴史的録音の中から、壮麗な4作の声楽作品を集めた5枚組です。晩年のベートーヴェンの最高傑作のひとつ、「荘厳ミサ曲」はウィリアム・スタインバーグによるもの。ケルン生まれのスタインバーグが、晩年に故郷に戻り、ケルン放送交響楽団を振り、ベートーヴェンの精神を見事に表現しています。ベルリオーズの「レクイエム」は、大作を好んで指揮したミトロプーロスによる演奏。桁外れの編成を用いるこの作品をどのように料理したかをお楽しみください。マルケヴィチのヴェルディは、ロシアでの凱旋公演。当時のロシアにおいて最高の声楽陣を配し、情熱的な演奏を繰り広げています。ロジェストヴェンスキーの「嘆きの歌」は、マーラーの初期の作品。グリム童話の「歌う骨」を元にマーラー自身が書いた台本が用いられた大作で、通常は第1部の「森のメルヒェン」を削除した改定稿で演奏されますが、ロジェストヴェンスキーは初稿を用いることで、この作品のストーリー性を高めています。
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ピアソラ(1921-1992)&ヴィヴァルディ:
8 シーズンス [シン・ヤン/エーラー]VIVALDI, A.: 4 Seasons (The) / PIAZZOLLA, A.: Las 4 estaciones porteñas (arr. for violin and accordion) (Sinn Yang, Oeler)
■器楽曲
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:OC429
CD価格:2,025円(税込)
ヴァイオリニストのシン・ヤンとアコーディオンのハラルド・エーラー。2009年のハイデルベルク・スプリング・フェスティバルの際に2人で結成した「デュオ・ヴィア…DUO ViA」によるピアソラ(1921-1992)&ヴィヴァルディ(1678-1741)です。この時の演奏会のチケットは早々に完売。聴衆の期待の高さがうかがわれるものでした。同じ「四季」と言っても、全く性格も時代も違う2つの作品、使われるテクニックも違えば、求められる音色も違います。しかし彼らはこれらを上手く手懐け、まるで最初からセッティングされていたかのような、親密な一つの組曲として聞かせてくれます。規律正しく流麗なヴィヴァルディ、美しさ、清明さだけでは表現できないピアソラ。この2つが融合したことで生まれた新しい世界をお楽しみください。
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マリー=クロディーヌ&
ディミトリー・パパドプーロス
ヴァイオリンとピアノのための作品集
(シューベルト、ガーシュウィン、ディネスク、ラヴェル) [マリー=クローディーヌ&ディミトリ・パパドプーロス]Violin and Piano Duo Recital: Papadopoulos, M.-C. and D. - SCHUBERT, F. / GERSHWIN, G. / DINESCU, V. / RAVEL, M.
■器楽曲
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:OC433
CD価格:2,025円(税込)
1987年生まれの若きヴァイオリニスト、マリー=クロディーヌ・パパドプーロスのデビュー・アルバムです。名前からわかる通り、シリアとギリシャの血を引く彼女ですが、生まれはフランス、ストラスブールで、この地の国立音楽院に学び、14歳で金メダルを獲得し卒業しています。2002年からはカールスルーエ音楽大学でウルフ・ヘルシャーの下で学び、2011年に修士号を取得し、ソリストとしての活動を始めています。このアルバムでは、シューベルトからラヴェル、ガーシュウイン、ディネスクという幅広い年代の作品を収録。一つ違いの兄ディミトリーと共に、瑞々しい感性と確かな技巧で、これらの作品を的確に表現しています。シューベルトで見せる端正な表情と、ガーシュウインでの妖艶さのギャップがステキです。
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祥子・古畑=ケルスティング
ベートーヴェン&シューマンを弾く [サチコ・フルハタ=ケルスティング]BEETHOVEN, L. van: Piano Sonata No. 14 / 32 Variations / SCHUMANN, R.: Symphonic Etudes (Furuhata-Kersting)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:OC434
CD価格:2,025円(税込)
横須賀出身で、現在ドイツを中心に活躍しているピアニスト、祥子・古畑ケルスティングのOEHMSへの2枚目の録音です。ヨーロッパ各地で華々しい活動を行い、2012年にはサントリーホールに凱旋公演、またスタインウェイのアーティストとしても認定されるなど、注目を浴びている人です。2010年に録音された前作では、メンデルスゾーン、シューマン、リストの作品を演奏、堅実な技巧と豊かな情感を披露していましたが、今作ではベートーヴェンとシューマンの2人の作曲家に特化して、素晴らしい演奏を繰り広げています。変奏曲を中心としたこのプログラムにおいて、彼女の持つ多様性と表現力の幅を実感できるのではないでしょうか。
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マーラー(1860-1911):
交響曲 第6番 イ短調 [ケルン・ギュルツェニヒ管/シュテンツ]MAHLER, G.: Symphony No. 6 (Cologne Gürzenich Orchestra, Stenz)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:OC651
2CD価格:3,975円(税込、送料無料)
丁寧で精緻な演奏を聴かせるマルクス・シュテンツの“マーラー・ツィクルス”もあとは第9番を残すのみとなりました。この第6番も、極めてオーソドックスで美しい演奏です。最近では、スコアを読み込み過ぎてか(!)若干過激に走りがちな第6番の演奏をよく耳にしますが、このシュテンツの演奏は、聴いていてとても安心できるもの。全ての楽器とパッセージはあるべきところに収まっているかのような安定したマーラー(1860-1911)です(楽章の順序は最近の傾向に従い、第2楽章にアンダンテが来ています)。
収録作曲家:
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メンデルスゾーン(1809-1847):
交響曲 第1番&第3番 [トンキュンストラー管/オロスコ=エストラーダ]MENDELSSOHN, Felix: Symphonies Nos. 1 and 3 (Tonkünstler Orchestra, Orozco-Estrada)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:OC898
CD価格:2,475円(税込)
1977年コロンビア生まれの指揮者アンドレス・オロスコ=エストラーダ。2010年からクリスチャン・ヤルヴィの後任としてウィーン・トンキュンストラー管弦楽団を纏め上げ、その類い稀なる才能が話題となっています。前作のエベルリオーズのフレッシュな解釈や、オーケストラの自主制作盤であるマーラーの第1番での奔放な演奏で、じわじわと人気を集めている彼、2014/2015年のシーズンからhr交響楽団(フランクフルト放送交響楽団)の首席指揮者として、また2015年の9月からはロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者として、一層の活躍が期待されています。そんなエストラーダの新作はメンデルスゾーン(1809-1847)の第1番と第3番の交響曲集。はじける若々しさと野心的な演奏は、確かに聴き手の心をくすぐるものです。
収録作曲家:
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グンスト(1877-1950):
世界の間の放浪者 [ラング]GUNST, E.: Piano Music (Wanderer zwischen den Welten, Vagabond entre les mondes) (S. Lang)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:OC899
CD価格:2,475円(税込)
2010年春、バーゼル大学の音楽学セミナー室の地下から、ロシアの作曲家エフゲニー・グンスト(1877-1950)の作品が発見されました。この作曲家、今ではほとんど忘れられてしまっていますが、彼が活躍していた時代はいくつかの点で高く評価されていた芸術家であり、革命前のロシア音楽界に大いなる影響を与えた人でもありました。スクリャービンの側近であり、革命が起きてからは、1920年にエストニアを経由してパリに亡命。そこで寂しく生涯を終えたのです。彼の自筆スコアは非常に几帳面に書かれていますが、そこから立ち上る音は、これまでに聞いた事のないような独自なものであり、先人であるメトネルやスクリャービンとも違う不思議な雰囲気を醸し出しています。
収録作曲家:
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ブラームス(1833-1897):
弦楽四重奏曲全集&ピアノ五重奏曲 [グリンゴルツ四重奏団]BRAHMS, J.: String Quartets Nos. 1-3 / Piano Quintet (Gringolts Quartet, Laul)
■室内楽
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:ORC100042
2CD価格:2,438円(税込)
ロシアの名ヴァイオリニスト、イリヤ・グリンゴルツが率いる弦楽四重奏団のデビュー・アルバム。彼の漲る自信の現れか、アンサンブルの名前には堂々と自分の名前を冠しているところが注目に値します。このブラームス(1833-1897)は、弦楽四重奏曲での、精緻かつ劇的な表情を持つ第1番と穏やかな第2番、そして活気に満ちた第3番との対比が見事であり、ピアノとの激しいやりとりが緊張感を呼ぶピアノ五重奏曲は、感情の昂りと若さの発露が存分に楽しめる名演となっています。彼らはすでにシューマンの弦楽四重奏曲集とピアノ五重奏曲も録音していて、こちらのリリースも期待したいところです。
収録作曲家:
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Some Other Time [ベイリー]
Cello Recital: Bailey, Zuill - BARBER, S. / COPLAND, A. / BERNSTEIN, L. / FOSS, L. (Some Other Time)
■器楽曲(チェロ) ■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:Steinway30025
CD価格:1,824円(税込)
このアルバムに収録されているのは、どこか懐かしいアメリカ音楽の数々です。バーンスタインを始めとした、バーバーやルーカス・フォスが紡ぎ出す美しいメロディは、人間の根底にある何かをくすぐり、聴き手の遊び心や冒険心を引き出すことでしょう。ここでチェロを演奏しているズィル・ベイリーは、以前ピアニストのディナースタインとの共演でベートーヴェンのチェロ・ソナタ全集で高い評価を受けた人。バッハの無伴奏を始め、サン=サーンスやドホナーニなどのロマン派の作品でも的確な解釈による演奏をする人ですが、このような、ちょっとゆるやかな音楽でも、抜群の冴えを見せています。
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ジェニー・リン
ストラヴィンスキーを弾く [ジェニー・リン]STRAVINSKY, I.: Piano Music (Jenny Lin)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:Steinway30028
CD価格:1,824円(税込)
Steinwayレーベルのみならず、最近様々な場所で活動範囲を広げているピアニスト、ジェニー・リン。アメリカでも俄然注目を集めているという、レーベル第3弾のアルバムはストラヴィンスキー(1882-1971)のピアノ作品集です。彼女によるストラヴィンスキーは、その作品の特徴を的確に捉えているものであり、ピアノの性能を極限まで生かしながらも、ある時は皮肉たっぷりであり(例えば「タンゴ」や「ピアノ・ラグ」)ある時はうっとりするほどの美しさを湛え(「セレナード-ロマンス」など)、まさにストラヴィンスキーを聴く楽しみを味わわせてくれるものに他なりません。美しい音を余すことなく表現する録音も素晴らしいもの。全てのピアノ好きにオススメの1枚です。
収録作曲家:
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ショーン・チェン
ラヴェルとスクリャービンを弾く [シェーン・チェン]Piano Recital: Chen, Saen - RAVEL, M. / SCRIABIN, A. (La valse)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2014年06月25日 NMLアルバム番号:Steinway30029
CD価格:1,710円(税込)
「100万ボルトの笑顔にセットされた恐るべき指」とダラス・モーニングニュース紙で絶賛された若きピアニスト、ショーン・チェン。彼は1988年にアメリカ、フロリダ州で生まれ、幼い頃からピアノを始め、大学に入学する以前からすでに各地で高い評価を受けていました。ピアノの演奏能力だけでなく、並外れた知性を有している彼はジュリアード音楽院だけでなくMIT、ハーバード大学など並み居る名門校で勉強する機会を得たのですが、結局は音楽の道を選択、2012年、リーズ国際ピアノコンクールでセミファイナリストとなり、続く2013年の第14回ヴァン・クライバーン国際コンクールで入賞、他にも数多くのコンクールで素晴らしい成績を収めています。このアルバムは、彼のデビュー・アルバムであり、幅広いレパートリーを持つ彼のほんの一面を垣間見せてくれるものです。スクリャービンの神秘性とラヴェルの色彩感、これらをうまく引きだしつつ、現代的な味付けをしているところが何とも素晴らしいひとです。