2013年11月
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フランツ・リストのオルガン作品編曲集 [C. シュミット/ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィル/ハーゼルベック]
LISZT, F.: Arrangements for Organ and Orchestra (C. Schmitt, German Radio Saarbrücken-Kaiserslautern Philharmonic, Haselböck)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2013年11月27日 NMLアルバム番号:777472-2
CD価格:2,850円(税込)
フランツ・リスト(1811-1886)は19世紀の音楽家たちの中でも極めて影響力があり、また最も個性的な人物でもありました。彼がベルリオーズの作品からインスパイアされて創設した「交響詩」のジャンルや、様々な作品のトランスクリプション、そして宗教的な作品。これらはどれほどまでに他の作曲家たちの想像力を刺激したことでしょう。 ここに集められている作品群は、後世の作曲家たち(リスト自身も含む)が、リストの作品をオルガン、あるいは管弦楽版に編曲したもので、様々な作品を変容させていったリストというフィルターを通して、また新たな作品が生み出されていく過程を楽しむことができるという興味深い1枚です。オーケストラを指揮するのは前作の「ハンガリー狂詩曲」(777797-2)でも素晴らしい演奏を披露していたおなじみハーゼルベックです。
収録作曲家:
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モラーレス(1500-1553):
おお、偉大なる神秘よ - 14のクリスマス・モテット [ブレーメン・ヴェゼル=ルネサンス/コルデス]MORALES, C. de: Christmas Motets (Bremen Weser-Renaissance, Cordes)
■宗教曲
発売日:2013年11月27日 NMLアルバム番号:777820-2
CD価格:1,824円(税込)
モラーレス(1500-1553)の表情豊かなクリスマスのモテット集です。彼はスペインにおけるルネッサンス期の最も重要な作曲家で、彼の作品のほとんどは宗教的な声楽曲です。当時の彼は国際的な名声を得ており、作品はヨーロッパ全域のみならず「新大陸」にも伝播されていったと言います。これらのクリスマスのためのモテットも同じくヨーロッパ全土に広まり、多くの人々に愛されていました。古風で神秘的な表現、自由な和声進行など、同時代の作曲家たちよりも自由でユニークな音楽を、おなじみコルデス率いるブレーメン・ヴェーザー・ルネサンスの清冽なアンサンブルで。
収録作曲家:
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モーツァルト(1756-1791):
交響曲集 第11集
第36番 ハ長調 K425「リンツ」
第39番 変ホ長調 K543 [デンマーク国立室内管/A. フィッシャー]MOZART, W.A.: Symphonies, Vol. 11 (A. Fischer) - Nos. 36 and 39
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:6.220546
SACD-Hybrid価格:1,988円(税込)
1783年に作曲された交響曲第36番は、モーツァルト(1756-1791)がリンツに滞在中、当時の伯爵であったトゥーン・ホーエンシュタインの予約演奏会のために、たった4日で作曲したものです。第1楽章は緩やかな序奏を持った壮大な音楽で、彼の特徴でもある短調と長調が目まぐるしく交代する活気ある音楽です。第2楽章はトランペットとティンパニが用いられ。第3楽章は生き生きとしたリズムが印象的です。 第4楽章は極めて充実した音楽で、これらがたった4日で書かれたという事実には驚くばかりです。第39番は「後期3大交響曲」の最初の曲で、やはりゆったりとした序奏に導かれた第1楽章に始まり、優雅なアンダンテ、軽やかなメヌエット、そして流麗な第4楽章で構成されています。フィッシャーはどれも早めのテンポで、見通しのよい軽やかなモーツァルトを表出しています。ブックレットには、解説者クラウス・ヨハンセンによって、2曲の解説ではなく「モーツァルトとクラリネットの関係」が興味深く綴られています(英・独・デンマーク)
収録作曲家:
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モーツァルト(1756-1791):
交響曲集 第12集(1788)
第40番 ト短調 K550
第41番 ハ長調「ジュピター」 K551 [デンマーク国立室内管/A. フィッシャー]MOZART, W.A.: Symphonies, Vol. 12 (A. Fischer) - Nos. 40 and 41
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:6.220639
SACD-Hybrid価格:1,988円(税込)
アダム・フィッシャーとデンマーク国立室内管弦楽団によるモーツアルトの交響曲集もこれで完結です。1842年にモーツァルト(1756-1791)の未亡人コンスタンツェが亡くなった時、遺品の中から発見されたノートに、1811年のコペンハーゲン王立歌劇場で「ドン・ジョヴァンニ」の演奏を観た時の感想が書かれていました。そこには「これ以上の演奏はありません」と記されており、当時からコペンハーゲンのオーケストラとモーツァルトとの相性の良さは折り紙つきでした。そんな長い関係性を更に良好にした、このフィッシャーの交響曲全集は、録音の素晴らしさとともに、一つのモーツァルト演奏の指針として長く愛されていくことでしょう。
収録作曲家:
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ジョン・ケージ(1912-1992):
2台のキーボードのための作品集 第1集 [ペストヴァ/マイヤー]CAGE, J.: Works for 2 Keyboards, Vol. 1 (Pestova, Meyer)
■器楽曲(ピアノ) ■現代音楽
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:8.559726
CD価格:1,900円(税込)
クラシックのみならず、全てのジャンルに渡って幅広いファンを持つジョン・ケージ(1912-1992)。彼は最初シェーンベルクに学び、電気楽器の可能性やノイズを研究しながら、リズム重視の作品を書いていましたが、1940年にプリペアド・ピアノ(グランドピアノの弦に異物をはさみ、音色を変化させる)を考案したことを皮切りに、様々な音響を求め生涯探究に没頭していきます。このアルバムでは、プリペイド・ピアノの音楽と、トイピアノの音楽を収録。熱狂的なリズムの応酬とエキゾチックな音色、そして郷愁や不可思議な響きが入り混じったトイピアノの音色を楽しむことができます。またトラック8は偶然性に拠った音楽であり、どんな音が出てくるかはその時次第となります。
収録作曲家:
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ローレム(1923-):
ピアノ・アルバム 第1集
6人の友人たち [C. エンガー]ROREM, N.: Piano Album I / 6 Friends (C. Enger)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:8.559761
CD-R価格:1,900円(税込)
アメリカの最も重要な作曲家ネッド・ローレム(1923-)の興味深いピアノ作品集です。ピアノ・アルバムと題されたこの曲集には、ほとんどが2分足らずの小品が27曲並ぶ万華鏡のような作品で、各々の曲には意味深なタイトルが付されています。これらは極めて個人的なもので、ここに登場するのは主に彼の友人や同僚たち。ここれらは登場人物への贈り物であり、その意味を完全に把握するのは不可能なことなのです。「6人の友人たち」も同じ趣旨であり、どの作品も前衛的な音楽ではなく、常に静けさを湛えながら「完全なる小さな世界」を構築しています。サティやペルト、オッテなどの音楽が好きな人にオススメしたいアルバムです。
収録作曲家:
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サラサーテ(1844-1908):
ヴァイオリンと管弦楽のための作品集 第4集 [楊天堝/ナヴァール響/マルティネス=イスキエルド]SARASATE, P. de: Violin and Orchestra Music, Vol. 4 (Tianwa Yang, Navarre Symphony, Martinez-Izquierdo)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:8.572276
CD価格:1,900円(税込)
歴史上「最も成功したヴァイオリニスト」サラサーテ(1844-1908)。「彼の音色は美しく、プログラムは常に新鮮で人気があった」と名手ヴィエニャエフスキが語り、またルジェロ・リッチも「彼の最も際立った特徴は純粋で魔法のような音色であった」と語ります。そんなサラサーテの「ヴァイオリンと管弦楽のための音楽集」はこの第4集で締めくくられますが、有名な「序奏とタランテラ」を冒頭に置くことで、その華麗さが一層印象付けられる仕組みになっています。奇跡のように美しいメロディ、驚くばかりの左手のテクニックなど、まさに「目の眩むばかり」の技巧を駆使した名曲です。モーツァルトやウェーバーのメロディが散りばめられた「演奏会用幻想曲」や、スペインらしさが際立つ「ホタ」、イザイに捧げられた「スコットランドの歌(エコセーズ)」他、魅力的な小品が目白押しです。ヴァイオリンはもちろん楊天堝。滑らかな音色、表現力。どこをとっても文句なしです。
収録作曲家:
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プフィッツナー(1869-1949):
〈歌曲全集 第1集〉 [シュタルマイスター/シモン]PFITZNER, H.: Lieder (Complete), Vol. 1 (Stallmeister, K. Simon)
■声楽曲
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:8.572602
CD価格:1,900円(税込)
ドイツ後期ロマン派の作曲家&指揮者プフィッツナー(1869-1949)の愛すべき歌曲集第1集です。彼は生涯のほぼ全域に渡って歌曲を作曲していましたが、この第1集では1884年から1923年に書かれた“高い声”のための歌曲を収録しています。もともとはロシアで生まれた彼ですが、3歳の時にフランクフルト・アム・マインに移住。父がオーケストラのヴァイオリン奏者であったため、幼い頃から音楽に親しみ、11歳で最初の作品を書いたことが知られています。 現存する作品は、このアルバムにも収録されている「若き日の6つの歌曲」であり、こちらは1884年から1887年にかけて仕上げられていますが、すでに完成された音楽であるところが早熟の天才たる所以でしょうか?マーラーの影響を強く受けた人として知られますが、その作品は民謡風でもなく、R.シュトラウスのように饒舌でもなく、あくまでも端正な中に熱い表現を込めるやり方で、魅惑的なメロディとともに聴き手の心を揺さぶります。
収録作曲家:
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ヴァスクス(1946-):
フルート作品集
フルート協奏曲他 [M. ファウスト/S. アーノルドシンフォニア・フィンランディア・ユバスキュラ/ガロワ/]VASKS, P.: Flute Concerto / Flute Sonata / Aria e danza / Landscape with Birds (M. Faust, S. Arnold, Sinfonia Finlandia Jyväskylä, P. Gallois)
■器楽曲(フルート)
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:8.572634
CD価格:1,900円(税込)
現代ラトビアの作曲家、ペトリス・ヴァスクス。彼の作品は、時として底抜けの明るさと焼け付くような表現力を持つ特異なものですが、それは彼の関心が、自然の賛美や生命の美しさ、そしてこれらを脅かす生態系の破壊にあり、音楽を創る時に常にそれらを念頭に置き、これらにラトビアの民謡を織り込みながら、切々とつづっていくとこにあるからでしょう。 このフルーティスト、マイケル・ファウストのために書かれた「フルート協奏曲」もそんな作品で、第2楽章の冒頭のような抒情的なパッセージを突如切り裂く攻撃的なリズムなど、多くの事を語りかけてくる骨太の音楽に仕上がっています。2009年にセミヨン・ビシュコフとファウストによって初演されましたが、その2年儀に改訂され、より表現力を持つ音楽への変貌した作品です。かたや「ソナタ」は巧みに書かれた抒情的な作品です。無伴奏の「鳥のいる風景」も風景が見えてくる作品です。
収録作曲家:
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ロージャ(1907-1995):
弦楽四重奏曲 第1番・第2番
弦楽三重奏曲(初稿版) [ティペット四重奏団]ROZSA, M.: String Quartets Nos. 1 and 2 / String Trio, Op. 1 (original published version) (Tippett Quartet)
■室内楽
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:8.572903
CD価格:1,900円(税込)
ジャケットに使われている写真は、とても可愛く繊細ですが、実際に聞こえてくる音楽はなんとも力強く野性的なこのアルバム。作曲家のロージャ(1907-1995)は映画音楽の作り手として既におなじみですが、この弦楽四重奏は何とも激しく「マジャールの血が騒ぐ」音楽として結実しています。弦楽四重奏曲第2番は1981年にイタリアの避暑地で作曲され1982年10月にパリで初演されています。絶え間ないエネルギーに溢れた活発な作品は、とても老齢の粋に達した人の手になるものとは思えません。 片や、弦楽三重奏曲は1927年に書き始められた作品であり、若き作曲家の野望に満ちた音楽と言えるでしょう。この曲は1974年に大きく改訂を施されますが、ここで聴けるのは、改訂前の最初の形そのままです。第1番の弦楽四重奏曲は1950年の作品で、こちらは全体的にエキゾチックなムードに満ちています。
収録作曲家:
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ホフマイスター(1754-1812):
フルート協奏曲集 第2集 [B. マイアー/プラハ室内管]HOFFMEISTER, F.A.: Flute Concertos, Vol. 2 - Nos. 16, 17 and 22 (B. Meier, Prague Chamber Orchestra)
■協奏曲
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:8.573040
CD価格:1,900円(税込)
第1集(8.572738)で、その作品の持つパワーに圧倒された聴き手多数。古典派の知られざる作曲家ホフマイスター(1754-1812)のフルート協奏曲の第2集です。 1754年にローテンブルク・アム・ネッカーで生まれたホフマイスターは、まずウィーンで法律を勉強しますが、音楽への道を志し独学で音楽を学び、1778年にはハンガリー、セーチェニの宮廷楽長に就任。3年間を凄します。やがて音楽出版社を設立、数々の困難に立ち向かいながら、モーツァルトやベートーヴェンの作品を出版。平行して1798年からはかねての希望通り、音楽家としても活動を再開。フルーティストのフランツ・トゥルナーとコンサート・ツアーに出かけるなど活発な活動を繰り広げたのです。彼の作品自体はほとんど知られることがありませんでしたが、このNAXOS盤では、フルーティストのマイアー自身がカデンツァを含む新しい版を作成し、この魅力的な作品群の普及に努めています。
収録作曲家:
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フォーレ(1845-1924):
ピアノ四重奏曲 第1番&ピアノ三重奏曲
パヴァーヌ/小品/シシリエンヌ [クングスバッカ・ピアノ三重奏団/デュ-クス]FAURÉ, G.: Piano Quartet No. 1 / Piano Trio (Kungsbacka Piano Trio, P. Dukes)
■室内楽
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:8.573042
CD価格:1,900円(税込)
フォーレ(1845-1924)の初期の名作であるピアノ四重奏曲第1番は1879年に書かれました。その頃のフォーレは婚約を一方的に破棄されるなど精神的に疲れていましたが、この曲の冒頭はとても荒々しく挑戦的。転調や音色の変化などに実験的要素も多くみられますが、基本的には優しいアルペッジョと流麗なパッセージが現れては消えていくフォーレらしい音楽です。第3楽章の悲痛なメロディには失恋への思いがこもっているとも言われています。 対してピアノ三重奏曲は、1922年から1923年、フォーレの最晩年に書かれた作品で、全くムダのない構成を彩る漣のような音型と、チェロ、ヴァイオリンの美しい歌。弟子のフローラン・シュミットが「これこそが音楽だ。そして音楽以外の何者でもない。」と評したほどの完璧な音楽です。晩年のフォーレのメロディは時として、薄暮の中に沈むような揺らぎを持ちますが、この曲は豊かな旋律性を湛えています。添えられた3曲はどれもお馴染みの作品で、フォーレ入門にもふさわしい彩りを持っています。
収録作曲家:
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フィルセル(1964-)&ブリッグス(1962-):
合唱作品集 [ヴァザーリ・シンガーズ/バックハウス]FILSELL, J. / BRIGGS, D.: Choral Music (Vasari Singers, Backhouse)
■合唱曲
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:8.573111
CD価格:1,900円(税込)
現代最高のイギリスの2人のオルガニスト&作曲家、フィルセルとブリッグス。ヴァザーリ・シンガーズの指揮者であるバックハウスは彼らに「新しい作品」を書いてもらうように依頼し、出来上がったのが、ここで聴ける素晴らしい合唱曲の中に含まれています。ヴァザーリとフィルセルとの共同制作は過去にもあったのですが、ブリッグスとは初めて。バックハウスは「これが初めての共同作業であり、これが最後にならないように祈ってます」と語るほどに感動的な作品ができあがりました。 程よく現代的な味付けが施されたフィルセルの作品のほとんどは、ロンドンのいくつかの教会のために書かれたものでありこれらの「祈りの音楽」は敬虔な面持ちですが、「エピタフ」などは自由で才気煥発な曲となっています。ブリッグスの作品のうち、2011年に書かれた「サン・シュルピスのミサ曲」は壮麗なオルガンの音色が印象的な25分ほどの曲。親しみやすい敬虔さを持った作品です。
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シャイデマン(1595-1663):
オルガン作品集 第7集 [ブラウン]SCHEIDEMANN, H.: Organ Works, Vol. 7 (Brown)
■器楽曲(オルガン)
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:8.573119
CD価格:1,900円(税込)
シャイデマン(1595頃-1663)のオルガン作品集第7集です。北ドイツのオルガン音楽の発展に寄与し、多くの後継者を生み出した偉大な作曲家であり、また長らくハンブルクの聖カタリーナ教会のオルガニストを務めたことで知られています。ここのオルガンは北ドイツでも最も美しい楽器の一つで、1630年にオルガン作者ゴットフリート・フリッチェの手によって拡張され、56のストップと4段の鍵盤を持つ大規模な楽器となり、それに伴い、シャイデマンも楽器の特性を探究すべく、より精緻で規模の大きな作品を書くようになるのです。彼の現存する作品のほとんどはルター派の典礼のために特別に書かれたもので、聖歌隊がいない場合は、モテットの部分も奏することになりますが、彼はそれらを洗練された書法で作曲し、置き換えることに成功したのでした。
収録作曲家:
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カゼッラ(1883-1947):
三重協奏曲 Op.56
ゲディーニ(1892-1965):
アルバトロ協奏曲 [ギドーニ/ボスナ/ピエモンティ/イ・ポメリッジ・ムジカーリ/イオリオ]CASELLA, A.: Triple Concerto / GHEDINI, G.F.: Concerto dell'albatro (Ghidoni, Bosna, Piemonti, I Pomeriggi Musicali, Iorio)
■協奏曲
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:8.573180
CD価格:1,900円(税込)
19世紀末、相次いでイタリアに生まれた2人の作曲家カゼッラとゲディーニ。この2人が書いた2つの協奏曲を比較できるという興味深い1枚です。各々独特のキャラクターを持っているので、書かれた作品も違いがあり、なかなか聞きごたえがあるものです。その上、カゼッラもゲディーニもワグネリアンの両親を持ち、またチェロやピアノを弾きこなすという神童。楽器の特性を知り尽くしていることは間違いありません。この三重協奏曲はもともとベートーヴェンが開拓したジャンルであり、3台の楽器が美しく歌い交わすところに魅力があるものです。カセッラの協奏曲は初演時に大好評で、何度も再演されました。またゲディーニの作品はハーマン・メルヴィルの「白鯨」のテキストを用いたもので、南極の海やアホウドリ、波の動きを彷彿させる表現力豊かな音楽です。
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プロコフィエフ(1891-1953):
交響曲 第4番(1947年改訂版)他 [サン・パウロ響/オールソップ]PROKOFIEV, S.: Symphony No. 4 (revised 1947 version) / The Prodigal Son (São Paulo Symphony, Alsop)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:8.573186
CD価格:1,900円(税込)
ボストン交響楽団創立50周年記念の委嘱作品として1929年から1930年にかけて、プロコフィエフ(1891-1953)が作曲した交響曲第4番。初版には作品番号47が付けられている通り、同時期にディアギレフのために書かれたバレエ音楽「放蕩息子」の素材が転用されています。1931年にクーセヴィッツキーの指揮、同楽団によって初演されたものの、1947年に思い切って改訂を施し、当初25分程度だった曲は45分ほどの長さに引き延ばされ、オーケストレーションも拡大され、作品番号も新しく付番、全く違った音楽へと変貌したのです。ここでは、今最も輝いているオールソップが、交響曲と「放蕩息子」を指揮。この2つの作品の関連性を丁寧に紐解き、共通する荒々しさや軽妙さ、そして無意味とも思える盛り上がりを徹底的に追求していきます。
収録作曲家:
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ショスタコーヴィチ(1906-1975):
交響曲 第4番 ハ短調 Op.43 [ロイヤル・リパプール・フィル/ペトレンコ]SHOSTAKOVICH, D.: Symphonies, Vol.9 - Symphony No. 4 (Royal Liverpool Philharmonic, Petrenko)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:8.573188
CD価格:1,900円(税込)
30歳目前のショスタコーヴィチ(1906-1975)が、その才能を結集して作り上げたこの第4番の交響曲。彼にしては珍しく構想から完成に至るまで8か月を要し、漸く初演が決まり最終リハーサルにこぎつけるも、様々な理由(マクベス夫人と「明るい小川」がプラウダで批判されたことが最大の理由と言われる)で初演を撤回。その後は1961年までお蔵入りになってしまったという問題作です。本人は失敗作と評していましたが、晩年になってそれを覆すような発言もあり、実際のところは、ショスタコーヴィチのお気に入りであったことは確かでしょう。 全曲は3楽章で構成されていますが、第1楽章だけで27分を超え、微かにカッコウの鳴き声らしきものが聞こえてきたりと、明らかにマーラーやブルックナーの影響もみられます。壮大で厳格なスケルツォ、様々なメロディのコラージュが現れる終楽章、と聴きどころ満載ですが、細部に捉われてしまうとこの作品の全容を知ることは不可能です。最近ますます注目されているペトレンコによる「全ての批判をはね返す」かのような強靭な演奏です。
収録作曲家:
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期待の新進演奏家シリーズ
朴 葵姫(パク・キュヒ) ~ ギター・リサイタル [朴葵姫]Guitar Recital: Park, Kyuhee - SCARLATTI, D. / DIABELLI, A. / BERKELEY, L. / MALATS, J. / BARRIOS MANGORÉ, A. / LÓPEZ LÓPEZ, J.M.
■器楽曲(ギター)
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:8.573225
CD価格:1,900円(税込)
すでに日本では人気者!朴葵姫のリサイタル・アルバムがNAXOSから登場です。韓国仁川生まれの彼女は、3歳の時に横浜でギターを始め、様々なコンクールで入賞を飾り、最近では何枚かのアルバムをリリースして絶大なる人気を獲得しています。彼女は2010年のアグスティン・バリオス国際ギターコンクールと、2012年のアルハンブラ国際ギターコンクールという2つの大きなコンクールを制覇。その快挙を記念してのアルバムリリースです。スカルラッティのソナタは彼女自身の編曲によるもので、鍵盤曲をギター独奏へと編曲する際の困難さは微塵も感じさせない流麗な音楽が楽しめます。 あまり聴く機会のないディアペッリのソナタ、近代作曲家のバークリーの作品も、申し分ない演奏であり、これらの作品の美点を余すことなく伝えています。アンコール曲としておなじみのマラツのセレナーデでの胸苦しいまでの切ない響き、ロペス=ロペスでの超絶技巧も聴きもの。圧巻は、バリオスの「森に夢見る」で、曲の中間部では彼女の特筆とも言える美し過ぎるトレモロが存分に胸にしみ込むこと間違いありません!
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2台のチェロの物語(2台チェロのための作品集) [ジュリアン&ジアシン・ロイド・ウェバー/レナハン]
Cello Duet Arrangements (A Tale of Two Cellos) (Julian and Jiaxin Lloyd Webber, Lenehan)
■器楽曲(チェロ)
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:8.573251
CD価格:1,900円(税込)
編曲の世界に魅せられた作曲家は、いつの時代にも数多く存在します。それは憧れの存在を身近に引き寄せるようなものなのでしょうか? 名チェリスト、ジュリアン・ロイド・ウェバーもそんな一人で、彼は古今東西の声楽曲をチェロのために編曲し、声楽作品と器楽作品を自由に行き来して、これらの曲の魅力を存分に伝えることに力を尽くしています。このアルバムでは、モンテヴェルディからペルトまで時代を超えた「二重唱」の名作を2台のチェロ用にアレンジ。ジュリアンと彼の妻ジアシンが2人で寄り添いながら、哀愁に満ちた調べをゆったりと奏でます。
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シュニトケ(1934-1998):
合唱のための協奏曲
3つの聖なる歌
ペルト(1935-):
勝利の後 [バイエルン放送合唱団/ペーター・ダイクストラ指揮]SCHNITTKE, A.: Choir Concerto / 3 Sacred Hymns / Voices of Nature / PÄRT, A.: Dopo la vittoria (Bavarian Radio Chorus, Dijkstra)
■合唱曲
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:900505
CD価格:2,085円(税込)
現在、世界最高の合唱指揮者であるダイクストラによるシュニトケとペルトの合唱作品集です。シュニトケの代表的な合唱作品と言える「合唱のための協奏曲」は、中世アルメニアの詩人グレゴリー・ナカレツィ(951-1003)のテキストを用いた作品。劇的な楽章と静謐な楽章が対照的であり、全てはロシア正教の影響を感じさせる無伴奏合唱で歌われます。「3つの聖なる歌」も同じグレゴリーの詩を用いたもので指揮者のヴァレリー・ポリャンスキーに依頼され書かれたものです。 第1曲の思いのほか美しいメロディに内在する不安な響きがシュニトケらしさを演出しています。小カンタータ「勝利の後」は、普段静謐な曲を書くペルトにしては珍しく、明るく力強い作品で、合唱好きの人にはたまらないレパートリーとなっています。バイエルン放送合唱団は、重厚な響きの中に透明感を感じさせるバランスの良い演奏により、極上の響きを生み出しています。
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レイチェル、バートン、パイン
メンデルスゾーン、シューマン、ベートーヴェンを弾く [バートン・パイン/ミュラー]MENDELSSOHN, Felix: Violin Concerto in E Minor / SCHUMANN, R.: Violin Concerto / BEETHOVEN, L. van: Romances (Barton Pine, C.-M. Mueller)
■協奏曲
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:CDR90000-144
CD価格:1,710円(税込)
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ヴェルディ(1813-1901):
歌劇「椿姫」 [収録:1956年]■オペラ
発売日:2013年11月20日
1BOOK+2CD価格:4,352円(税込、送料無料)
1956年1月19日、マリア・カラスはスカラ座でヴィオレッタを歌いました。その前年のアルフレードはディ・ステファノでしたが、今回はライモンディ。演出はルキノ・ヴィスコンティというまさに理想的な舞台でした。ジュリーニによる引き締まったオーケストラの音色も素晴らしいものです。
収録作曲家:
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シューマン(1810-1856):
ヴァイオリン・ソナタ 第1番・第2番・第3番 [テツラフ/フォークト]SCHUMANN, R.: Violin Sonatas Nos. 1-3 (C. Tetzlaff, Vogt)
■器楽曲(ヴァイオリン) ■器楽曲(ピアノ)
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:ODE1205-2
CD価格:2,475円(税込)
シューマンの第1番のヴァイオリン・ソナタは1851年に着手され、たった16日間で完成されたという曲。まだまだ活動的で、情熱に溢れる時期の作品であり、全体的に緊密に書かれた名作なのですが、シューマンはこの曲に満足していなかったようで、第1番の完成後、約1か月ほどですぐに第2番に着手、たった1週間で完成させるという超人的能力を発揮。第1番よりも更に円熟の作品を作り上げたのでした。まるでヴィオラのように深く幅広く歌うテツラフのヴァイオリン。それをがっちりと受け止めるフォークトのピアノ。何と感動的で多感なシューマンでしょうか。 第3番のソナタはほとんど知られていない作品で、これはかのヨアヒムに献呈された「F.A.E.ソナタ」のシューマンが作曲した部分(第2楽章と第4楽章)に、新たに2つの楽章を加えてソナタとして完成させたものです。完成度は高いものの、ほとんど注目もされず、没後100年目の1956年になってようやく楽譜が出版されたという秘曲です。
収録作曲家:
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リゲティ(1923-2006):
ヴァイオリン協奏曲
ロンターノ/アトモスフェール
サンフランシスコ・ポリフォニー [シュミット/フィンランド放送響/リントゥ]LIGETI, G.: Violin Concerto / Lontano / Atmosphères / San Francisco Polyphony (Schmid, Finnish Radio Symphony, Lintu)
■協奏曲
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:ODE1213-2
CD価格:2,475円(税込)
20世紀を代表する偉大なる作曲家リゲティ(1923-2006)については、今更何も説明の必要なはいでしょう。彼の作品は前衛的であり、またトーンクラスター(ある音からある音までの全ての音を同時に発することで生じる音の塊)を駆使、その圧倒的な音世界は、他の追随を許すことのない唯一無比として知られています。このアルバムでは、フィンランド放送交響楽団と、ハンヌ・リントゥがこの「音の建築物」を見事に構築します。 初期の作品であり、映画にも使われた「アトモスフェール」、巨大な管弦楽のためのに書かれた「ロンターノ」におけるエネルギーの推移と一種独特の上品な雰囲気、ソロのシュミットがいい味を出している、諧謔的な雰囲気すら湛えたヴァイオリン協奏曲、万華鏡のような音の煌めきを放つ「サンフランシスコ・ポリフォニー」。どれも一度聴いたらくせになる面白さです。
収録作曲家:
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夢の時
デヴィッド・アーロン・カーペンター
ヴィオラ名演集 [カーペンター]BRAHMS, J.: Clarinet Quintet (version for viola and string quartet) / BRIDGE, F.: Lament / MANN, R.: Dreamtime (D.A. Carpenter)
■室内楽
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:ODE1246-2
CD価格:2,475円(税込)
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ロマンティック・ソナタ集 [ギルトブルグ]
Piano Recital: Giltburg, Boris - RACHMANINOV, S. / GRIEG, E. / LISZT, F. (Romantic Sonatas)
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:ORC100035
CD価格:1,710円(税込)
以前から注目されてはいたものの、どちらかというと慎重にキャリアを積んできた感のあるギルトブルグ。しかし2013年のエリザベート王妃国際音楽コンクールで優勝したことで彼の注目度が一気に高まったことは間違いありません。この録音は2012年の7月のもので、ここでも見事な洞察力と類い稀なる技巧で、このロマン派における重要な3つのソナタを演奏しています。1913年にラフマニノフが自らの語法を確立してから書き上げるも、後の1931年に大幅なカットが加えられ、より凝縮された音楽へと生まれ変わったソナタ第2番。 あらゆるピアノ・ソナタの中でも極めて革新的、かつ捉えどころのないリストのソナタ、そしてグリーグの活動の最初期に書かれた演奏困難なソナタ。この3つの作品を同じ「ロマン派のソナタ」とくくるとしたら、そこには多くの想像力と感受性が求められることでしょう。もちろんギルトブルグの演奏は、この3つの作品の根底に流れる抒情性を丁寧に汲み上げ、理想的な形の音で描き出しています。
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ヤナーチェク(1854-1928):
2つの弦楽四重奏曲 [アルカディア四重奏団]JANÁČEK, L.: String Quartets Nos. 1 and 2 (Arcadia Quartet)
■室内楽
発売日:2013年11月20日 NMLアルバム番号:ORC100036
CD価格:1,710円(税込)
2012年ウィグモア・ホール主宰の「弦楽四重奏コンクール」で優勝した若きアンサンブル、アルカディア弦楽四重奏団のデビュー・アルバムです。彼らはルーマニアのゲオルゲ・ディマ音楽アカデミー出身で、2005年にアンサンブルを結成しました。彼らの演奏するヤナーチェクはまさに非の打ちどころのないものであり、ヤナーチェクの音楽が持つ官能性、欲望、愛を忠実に映し出しています。 第1番「クロイツェル・ソナタ」は1923年の作品で、ベートーヴェンの作品ではなく、トルストイの同名作品にインスパイアされたもので、どうにも逃げることのできない人間の性と運命が切ないほどに音で描かれています。第2番「ないしょの手紙」は1928年の作品で、ヤナーチェク(1854-1928)が深い愛を捧げた人妻カミラへの思いが端的に描かれたものです。彼ら2人の間に交わされた不思議な愛情が透けて見えるかのような音楽です。
収録作曲家: