2012年4月
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ブラームス(1833-1897):
交響曲 第1番&第4番 [バイエルン放送響/ヤンソンス]BRAHMS, J.: Symphonies Nos. 1 and 4 (Bavarian Radio Symphony, Jansons)
発売日:2012年04月27日 NMLアルバム番号:900112
CD価格:1,725円(税込)
昨年発売のヤンソンス&バイエルン放送響によるブラームス(1833-1897)の第2番&第3番は、第2番での伸びやかさ、第3番でのドラマティックさを前面に出しつつも、細部に至るまでの濃密な感情表現と、練りに練られた解釈と、充実の音色が相俟った素晴らしい演奏を聴くことができました。今回は、残りの2曲、第1番と第4番が満を持しての登場となります。第2番の翌年、2007年に録音された第1番と、2012年2月に録音されたばかりの第4番は、同曲異演盤の中でも群を抜く「革新さ」を持ち、この曲を聞き飽きるほど楽しんだ方にも新たな衝撃を与えることは間違いありません。今回はSACD収録でないのが残念ですが、会場はどちらもヘラクレス・ザールで、豊かな音響は健在です。今秋来日予定のヤンソンス&バイエルン放送響を知るための、最良のアルバムです。
収録作曲家:
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ヘルマン・プライ
GREAT SINGERS [プライ]Great Singers Live: Prey, Hermann
■声楽曲
発売日:2012年04月27日 NMLアルバム番号:900307
CD価格:1,500円(税込)
ドイツの伝説的名テノール、ヘルマン・プライ(1929-1998)。彼はナチス・ドイツ時代のドイツで育ち、ベルリン音楽大学で声楽を学びます。1952年、ヘッセン放送協会の音楽コンクールで優勝し、歌曲リサイタルを足掛かりに、少しずつオペラ歌手としての名声を高め、得意のモーツァルトやロッシーニの役柄を、ハンブルク歌劇場、メトロポリタン歌劇場で歌い人気者となりました。彼がとりわけ得意としたのは、「魔笛」に登場するパパゲーノで、あの、有名な「シャガールの演出による1967年、メトロポリタン歌劇場の魔笛」のパパゲーノも彼が歌っていたことは、良く知られています。また「ワーグナー歌手」としても1965年にバイロイト音楽祭にデビューし、素晴らしいヴォルフラムで人々の注目を浴びました。とは言え、彼の本領はドイツ・リート歌手であり、数々のシューベルトの録音や、ここで聴けるベートーヴェンなどは、フィッシャー=ディースカウとは一味違う味わいで、聴き手を魅了し続けています。このアルバムは、ミュンヘンの放送番組「日曜コンサート」に出演した時の録音を集めたもので、未発表音源も含まれています。1966年の絶頂期、張りのある若々しい歌声は一度聴いたら忘れることができないほどの強烈なインパクトを有していますし、1992年の練られた声もまた枯淡の境地に達しています。また、ベートーヴェンの歌曲集での、サヴァリッシュが見事なピアノ伴奏も聴きものです。
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ヴァーチャル・ハイドン [トム・ベギン]
HAYDN, J.: Virtual Haydn (The) - Complete Works for Solo Keyboard (Blu-ray, HD)
発売日:2012年04月25日
Blu-ray Audio価格:4,784円(税込、送料無料)
ハイドン(1732-1809)のピアノ曲全集を興味深い試みによって現代によみがえらせるというプロジェクト「ヴァーチャル・ハイドン」。このアルバムは、ハイドンの全ピアノ・ソナタを、「9つの仮想空間」で、特別な細工を施された7台の「歴史的鍵盤楽器」を弾き分けるという夢のような企画です。ハイドンの時代は鍵盤楽器が著しく発達した時期であり、チェンバロから現代のピアノへと変遷を遂げるまでに、多様な鍵盤楽器が発明され、ハイドンも時代に即した楽器を用いて作曲していました。また、ハイドンはウィーンを皮切りに、アイゼンシュタットのエステルハーツィ公の宮殿や、イギリスの古いコンサート・ホールである「ホリウェル」など、ヨーロッパ、イギリス各地で演奏していたことも間違いありません。 そんな時代を蘇らせるために・・・まず、各々の楽器を、無響にした研究室に持ち込み演奏することから始めます。次はハイドン所縁の場所に行き、各部屋の響きを採取。その「響きの特性」を計算し、先ほどの「無響の音」にその響きを付け加えます。2.0でも申し分ない音が楽しめますが、可能であれば5.0のサラウンドでこのディスクを再生してみてください。すると、あら不思議。まるで、その場所でその楽器を鳴らしたかのような、見事な演奏が目の前に立ち現れます。同梱のBlu-ray VIDEOの映像では、3時間に渡っての演奏家&研究者であるベギンの奮闘ぶりがご覧いただけます。彼を始めとしたチームの働きにもご注目ください。日本語字幕が付いていますので、細かい部分も文句なしです。
収録作曲家:
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マーラー(1860-1911):
交響曲 第8番 「千人の交響曲」 [ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/アントニ・ヴィト指揮]■交響曲/管弦楽曲
発売日:2012年04月25日
Blu-ray Audio価格:2,224円(税込)
大オーケストラに加え、8人の独唱者、2組の混声合唱に児童合唱、オルガンに別働の金管部隊!その後の第9、10番交響曲、あるいは「大地の歌」では、やや方向性を変えてさらなる高みに登っていくとはいえ、マーラーの交響曲中、あるいは通常演奏されるクラシックの名曲中で、最も巨大な編成を必要とするこの第8番は、彼の芸術の一つの頂点を示すものといってよいでしょう。作曲者自身が「宇宙が鳴り響く」と形容しただけあって、内容は壮麗を極め、これだけの編成のもつ威力と表現の可能性を100%活かし切って、もてあますことがありません。特に終結部の長大なクレッシェンドなど、身震いを覚えるほどの感動です。
収録作曲家:
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ドヴォルザーク(1841-1904):
交響曲 第7番&第8番 [ボルティモア交響楽団/マリン・オールソップ指揮]発売日:2012年04月25日
Blu-ray Audio価格:2,224円(税込)
マリン・オールソップによるドヴォルザーク交響曲シリーズの第2弾です。今回は第7番と第8番の2曲です。1985年に作曲された第7番は、ブラームスの第3番の交響曲が随所に認められるも、極めてスラヴ的で甘酸っぱい感情を有した名作です。第2楽章の天上的な美しさに聴きほれる人も多いはずです。かたや第8番は同じくブラームスの第4番との関係性が指摘されることもありますが、旋律のひなびた美しさはドヴォルザークならではのもの。かつては「イギリス」と呼ばれることもありましたが、現在ではその名はほとんど使われません。牧歌的な第1楽章、溌剌とした第2楽章、つい一緒になって歌ってしまいたくなる第3楽章のテーマ、そして自由な間奏曲の形式で書かれた終楽章と聴きどころ満載です(フルート好きにはたまらない場所があるのもブラームスの4番と共通していますね)。オールソップの演奏は、一音たりともおろそかにしない、恐ろしく緊密なもの。全ての音がクリアに聞こえてくる様子には驚く他ありません。
収録作曲家:
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ショパン(1810-1849):
ピアノ協奏曲 第1番
ポーランドの歌による幻想曲他 [ネボルシン/ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/アントニ・ヴィト指揮]■協奏曲
発売日:2012年04月25日
Blu-ray Audio価格:2,224円(税込)
ショパンはオーケストレーションが下手だった、そんな概念が覆される「新・原典版」による演奏ですNAXOSには、既にセーケイとビレット(ブレイナー盤もありました)の録音があるショパンの協奏曲第1番。しかし2010年のショパン・イヤーに合わせて新録音を出すことになりました。このネボルシンとヴィトの録音、もちろん演奏自体も素晴らしいものですが、何と言っても「ナショナル・エディション」のスコアを用いているところに注目です。ポーランドが国家の威信をかけて、50年かけてショパンの作品を全て見直し出版した「原典版」は、これまでの資料を全て詳細に研究し、今までになかった事実を見せてくれる、ファンにとっては涙が出るほど嬉しいものです。この協奏曲第1番では「これまで150年使われてきたスコアとパート譜は、ショパン自身が書いたものとはかけ離れていた」という衝撃的な内容が明かされています。これを聴いてみると、「ショパンは管弦楽法に疎かった」という既成概念が覆されることでしょう。確かに冒頭から充実した響きに満たされた素晴らしいものとなっています。まず聴き比べてみてください。
収録作曲家:
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ショパン(1810-1849):
ピアノ協奏曲 第2番他 [ネボルシン/ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/アントニ・ヴィト指揮]発売日:2012年04月25日
Blu-ray Audio価格:2,224円(税込)
ショパンはオーケストレーションが下手だった、そんな概念が覆される「新・原典版」による演奏です第1番(CD 8.572335 / Blue-ray Audio NBD0011)に続く、ショパン(1810-1849)の新原典版による第2番の協奏曲です。こちらも、演奏者はヴィトとネボルシン。既存の版との聴き比べも楽しいですし、ただただ演奏に浸るのもいいでしょう。ヴィトはショパンのスコアを、まるでマーラーのように重厚に響かせ、聴き手に多大なる満足を与えてくれます。カップリングの2曲も素晴らしい演奏。どうしても技術面が空回りしがちな初期の作品が、堂々とした名曲として立ち現れます。「アンダンテ・スピアナートと華麗なるポロネーズ」のオーケストラパートも、占める割合は少ないとは言え、強烈な存在感を示しています。
収録作曲家:
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ドヴォルザーク(1841-1904):
交響曲 第6番&第9番 [ボルティモア交響楽団/マリン・オールソップ指揮 ]発売日:2012年04月25日
Blu-ray Audio価格:2,224円(税込)
以前CDで発売され大反響を呼んだボルティモア交響楽団とオールソップによる3枚のドヴォルザーク・シリーズ。その中の交響曲第6番と第9番が1つになって『Blu-ray Audio』で登場です! ホールに漲る熱気をさらりとかわすオールソップの粛々とした指揮ぶりを最高の音質でお楽しみください!
収録作曲家:
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シューマン(1810-1856):
ゲーテのファウストからの情景 WoO 3 [ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/アントニ・ヴィト指揮]発売日:2012年04月25日
Blu-ray Audio価格:2,224円(税込)
全ての人間にとって普遍のテーマ。贖罪、愛、救済、全てを昇華させた畢生の大作悪魔に魂を売り渡したファウスト博士の伝説を基に、ゲーテが書きあげた戯曲は様々な芸術家に影響を与え、19世紀の作曲家たちも挙ってこの物語に曲を付けています。中でも「神秘の合唱」はマーラーの第8番の第2部とリストの「ファウスト交響曲」でご存知の方も多いでしょう。このシューマンの作品はゲーテの物語から「死と変容」というテーマを読み取ったもので、彼の最高傑作のひとつと言われています。早いペースで曲を書き上げる彼にしては、構想から完成まで9年間の長い年月をかけ、じっくりと曲想を練っっています。最初に書かれたのは神秘の合唱の部分から。まずクライマックスを仕上げてから、物語を遡るように音楽を書き進め、1853年に序曲が書かれて、雄大なる物語が完成しました。1856年にその生涯を閉じたシューマンですが、最後の3年間は創作することが不可能だったため、この年が実質的に彼の最後の「生きている証」をなったのです。
収録作曲家:
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ヴィヴァルディ(1678-1874):
四季
海の嵐/喜び [チョーリャン・リン/アンソニー・ニューマン/セジョン]■協奏曲
発売日:2012年04月25日
Blu-ray Audio価格:2,224円(税込)
1960-70年代に、斬新なJ.S.バッハの演奏で一世を風靡したニューマンが、1995年に結成されたニューヨークのアンサンブルをリード。ドロシー・ディレイ門下で、新鮮な才能としてCDデビューも飾ったヴァイオリニストを迎え、ヴィヴァルディの名曲に新しい光を当てています。しかも決して極端な表現ではなく、スタンダードな雰囲気でありながら活気がある印象を与えてくれます。誰にでもお勧めできる録音でしょう。
収録作曲家:
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シューベルト(1797-1828):
序曲全集 [プラハ・シンフォニア/クリスティアン・ベンダ指揮]■オペラ
発売日:2012年04月25日
Blu-ray Audio価格:2,224円(税込)
収録作曲家:
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ランチーノ(1954-):
レクイエム [フランス放送合唱団/フランス放送フィルハーモニー管弦楽団/エリアフ・インバル指揮]発売日:2012年04月25日
Blu-ray Audio価格:2,224円(税込)
この絶望と静けさの中に人はどれだけ美しさを見い出せるのか?まるで巨大な鉄槌を振り下ろすかのように、重々しい打撃音が延々と続くこのフランスの作曲家ランチーノによる「レクイエム」の冒頭。ここを聴いただけで思わず頭を垂れてしまいたくなるような、衝撃的な作品です。20世紀になって書かれたレクイエムは、宗教的な観点よりも、より人間の存在について掘り下げるものが多いのですが、この曲もその一つの形と言えるでしょう。テキストは「めぐりあう朝」の原作者として知られるパスカル・キニャール。彼との3年間に及ぶ共同作業からこの作品が生まれたと言います。彼らは死と永遠の時間について、答えの出ることのない質問を、レクイエムという形式で聴き手に突き付けます。人生というものは「壮大なフレスコ画と神聖な式典」なのでしょうか? それとも・・・。マーラー、ブルックナーで音楽というものを高みに引き上げた名指揮者インバルによる、人間の暗部に光を当てるかのような明晰な演奏です。
収録作曲家:
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シマノフスキ(1882-1937):
交響曲 第1番&第2番 [ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/アントニ・ヴィト指揮]■交響曲/管弦楽曲
発売日:2012年04月25日
Blu-ray Audio価格:2,224円(税込)
収録作曲家:
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シマノフスキ(1882-1937):
交響曲 第3番&第4番 [ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/アントニ・ヴィト指揮]■交響曲/管弦楽曲
発売日:2012年04月25日
Blu-ray Audio価格:2,224円(税込)
収録作曲家:
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ガーシュウイン(1898-1937):
へ調の協奏曲
ラプソディ 第2番
「アイ・ガット・リズム」変奏曲 [ウェイス/バッファロー・フィルハーモニー管弦楽団/ファレッタ指揮]発売日:2012年04月25日
Blu-ray Audio価格:2,224円(税込)
ガーシュウィン(1898-1937)の「もう一つのピアノ協奏曲」である「へ調の協奏曲」です。代表作「ラプソディ・イン・ブルー」に比べると、古典的な形式に近づいているのは、この曲を作るためにガーシュウィンは、わざわざ音楽理論書を購入して、楽典から学びなおしたのだとか。もちろん前作のように、オーケストレーションを他の人の手に委ねることはなく、全て自らの手でスコアを書いたというのだから、その努力の凄まじさには敬服する他ありません。初演はガーシュウィン自身のピアノと、彼にこの作品を委嘱したダムロッシュの指揮、ニューヨーク交響楽団によって行われ、ジャズでもなくクラシックでもない新しい音楽は当時の聴衆を翻弄しました。もともと映画音楽として構想された「ラプソディ第2番」はマンハッタンの街並みを音に移したもの。彼の最後のフルスコアである「アイ・ガット・リズム」変奏曲も泣かせます。
収録作曲家:
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ヤナーチェク(1854-1928):
グラゴル・ミサ
シンフォニエッタ [ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/アントニ・ヴィト指揮]■交響曲/管弦楽曲
発売日:2012年04月25日
Blu-ray Audio価格:2,224円(税込)
晩年になって、人生の輝きを取り戻したヤナーチェクは、堰を切ったように次々と名作を生み出します。この「グラゴル・ミサ」と「シンフォニエッタ」もその中に含まれる人類の至宝とも言える傑作です。「グラゴル・ミサ」のグラゴルとは、スラヴ人が使った最古の文字と言われることから、この曲はスラヴ文化のための奉祝であると同時に、彼にとっての最高の人であったカミラへの思いが結実しているようです。大規模な管弦楽、合唱、独唱、そしてオルガンが織り成す、神秘的で輝くような調べは聴くものの心を躍らせます。「シンフォニエッタ」は最近人気が急上昇している曲でもあり、本来は軍楽のために構想された作品。金管が大活躍する冒頭から、わくわくするような楽想に満ちています。ヴィトとワルシャワ・フィルという最高の演奏者による2つの作品、まさに文句のつけようのない名演が繰り広げられています。
収録作曲家:
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ヴェルディ(1813-1901):
オペラの中のバレエ音楽全集 [ボーンマス交響楽団/ホセ・セレブリエール指揮]発売日:2012年04月25日
Blu-ray Audio価格:2,224円(税込)
もともとバレエは、イタリアの合唱曲に踊りを加えたことが起源とされますが、19世紀前半のフランスではオペラの中に必ずバレエを含むことが条件とされ、ヴェルディのみならず、ワーグナーさえ、自作をパリで演奏するためにはバレエを付け加えなくてはいけなかったエピソードが知られています。このユニークなプログラムは、ヴェルディのオペラから全ての「バレエ音楽」を集めたものです。なんといっても、「アイーダ」「オテロ」「シチリア島の夕べの祈り」を除くと、他のほとんどの作品はバレエ部分をカットすることが通例であり、これらを耳にする機会はなかなかないのです。セレブリエールとボーンマス交響楽団は、この珍しいレパートリーを血気盛んに演奏することで、曲の必然性を炙り出すことに成功しています。
収録作曲家:
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アメリカのマンドリンとギターの音楽集 [デュオ・アーレルト&シュヴァープ]
Mandolin and Guitar Music (American) - KAISER, T. / FEBONIO, T.G. / EDWARDS, T.D. / AXELROD, L. (Duo Ahlert and Schwab)
■器楽曲(ギター)
発売日:2012年04月18日 NMLアルバム番号:8.559686
CD-R価格:1,600円(税込)
このアルバムに収録されている作品の多くは、このアーレルト&シュヴァープ・デュオのために書かれています。ギターのまろやかな響きと、マンドリンの煌めく響きが素晴らしく溶け合うこのアンサンブル、以前ヴァイスとホフマンの2人の古典的な作曲家の曲集(8.557716)で、その素晴らしい妙技を聴かせていましたが、ここでは全く違うスタイルの音楽を、見事に表現しています。緊張感に満ちた「運命」、古典的なフォルムを持った「水のバラード」、カオス理論の一説に触発されたとりう「奇妙なアトラクター」など、様々な形態の音が並び、時には自然を賛美し、時には電子音楽の模倣までと、一瞬たりとも耳を離すことができません。
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イエディディア(1960-):
即興曲/夜想曲/世界の舞曲他 [フィッターシュタイン/イェディディア]YEDIDIA, R.: Impromptu, Nocturne and World Dance (Fiterstein, Yedidia)
■室内楽
発売日:2012年04月18日 NMLアルバム番号:8.559699
CD-R価格:1,600円(税込)
1960年、テルアビブ生まれの作曲家イエディディア(1960-)の作品集です。彼の作品は多様性と想像力に満ちていて、世界的に高く評価されています。2007年にはシアトル室内楽協会初の委嘱作曲家に選ばれ、精力的に作品を発表しています。このクラリネット作品集は、とりわけ感動的で親しみやすいもので、現代音楽につきものの難解さは一かけらもありません。トラック1.4.6の3曲は、彼の友人であるイギリスのウェラー一家の双子の誕生を祝うために書かれた曲で、異なるスタイルの3曲に、多様な表現と世界の平和を込めた喜ばしく輝かしい音楽です。「さようなら、ナタニエル」は海の事故で命を落とした彼の友人のための追悼曲。彼の最初のクラリネット作品である「詩曲」はラフマニノフを思わせるピアノの伴奏に乗って、クラリネットが美しく歌います。小さい編成にもかかわらず、大きな世界を描きだす「小協奏曲」も魅力的です。
収録作曲家:
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サラサーテ(1844-1908):
ヴァイオリンとピアノのための作品集 第3集
ボレロ/アンダルーサのセレナーデ
序奏とファンダンゴ他 [楊天堝/ハドゥッラ]SARASATE, P. de: Violin and Piano Music, Vol. 3 (Tianwa Yang, Hadulla)
■器楽曲(ヴァイオリン)
発売日:2012年04月18日 NMLアルバム番号:8.570893
CD価格:1,600円(税込)
ヴァイオリンの名手で、超絶的な技巧を駆使した華やかな作品を数多く書いたサラサーテ(1844-1908)。しかし、彼の作品をまとめて聴いてみようとすると、実はあまり録音が多くないことに気が付きます。そんなサラサーテの作品に光を当てたのがこのシリーズです。この第3集には、最近出版されたばかりの「チリの鳥たち」(トラック13)も収録。この曲はサラサーテが1871年に南米ツアーを行った時に作曲したもので、高い声で鳴き交わす極彩色の南国の鳥たちが見事に描かれています。思わず窓を開けて、空を見上げたくなるような楽しい曲です。ヴァイオリンを演奏するのはおなじみの楊天堝。現代最高の「サラサーテ弾き」の彼女の美音を心行くまでお楽しみください。全てのヴァイオリン好きに贈る極上の1枚です。
収録作曲家:
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マクスウェル=デイヴィス(1934-):
交響曲 第1番
ラスベガスのメイヴィス [BBCフィル/マクスウェル・デイヴィス]MAXWELL DAVIES, P.: Symphony No. 1 / Mavis in Las Vegas (BBC Philharmonic, Maxwell Davies)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2012年04月18日 NMLアルバム番号:8.572348
CD価格:1,600円(税込)
1973年当時、豊かな自然に溢れたオークニー諸島に移住していたマックスウェル=デイヴィス(1934-)は、ジョージ・マッカイ・ブラウンの詩に触発された小さな作品を構想します。この地の風景と、圧倒的な海の存在感を描くべく書かれた「ブラック・ペンテコスト」というその曲ができた時、作曲家自身も、これが大きな交響曲になるとは思ってもいなかったと言います。そのほぼ3年後、4つの楽章を持つ「交響曲第1番」として完成したこの作品には、彼らしい魔術的雰囲気と、混沌とした風景がないまぜとなった創造性に満ちた音楽が溢れています。ディヴィス自身は「シベリウスの5番の和音で終わる」と説明していますが、その面影が聞き取れるでしょうか? 「ラスベガスのメイヴィス」は1995年、彼が自作を演奏するためにアメリカを訪れた時の印象を描いたもの。メイヴィスとは彼の名前をコンピューターに登録する際、この短縮形の方が都合が良かったからだそうです。
収録作曲家:
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セヴラック(1872-1921):
ピアノ作品集 第2集
休暇の日々から他 [マソ]SEVERAC, D. de: Piano Music, Vol. 2 (Maso) - En vacances / Baigneuses au soleil / Les naiades et le faune indiscret
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2012年04月18日 NMLアルバム番号:8.572428
CD価格:1,600円(税込)
スペイン貴族に連なる旧家に生まれたセヴラック(1872-1921)のピアノ曲は、どこか懐かしく、また、普通のフランス音楽とは一味違った雰囲気を有しています。それは彼の郷里ラングドック(南フランスの地中海に面した地域)の響きであり、彼が師事したアルベニスの影響も少なからずあるのでしょう。その作品はどれも柔和な光を帯び、また明るく屈託のないもので、演奏に要求される技巧もそれほど高いものではありません。最近ピアノ曲の再評価は進みつつありますが、どちらかというとフランス系の演奏者が多く取り上げていたのですが、このNAXOS盤では、スペイン音楽を得意とするホルディ・マソが力強くこれらの曲を歌い上げていて、セヴラック作品の持つ多面性に光をあてているかのようです。シューマンから影響を受けたと言われる「休暇の日々から」は、第7曲の「ロマンティックなワルツ」がよく知られていますが、やはり全曲聴いてこそ、この作曲家の真価を理解できるのではないでしょうか?
収録作曲家:
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サルヴァ(1937-1995):
室内オーケストラとチェロのための協奏曲
3つのアリア他 [スラヴィク/スクトヴァ]SALVA, T.: Cello Concerto / 3 Arias / Slovak Concerto Grosso No. 3 / Preludes (Prochac, Slavik, Skuta, Lejava)
■協奏曲 ■器楽曲(ピアノ)
発売日:2012年04月18日 NMLアルバム番号:8.572509
CD価格:1,600円(税込)
現代スロヴァキアの作曲家、サルヴァ(1937-1995)の刺激的な作品集です。彼は幼年期から作曲に興味を示し、ジリナ音楽院でチェロ、ピアノ、アコーディオンを学びます。またヤン・ジマーに個人的に作曲の教えを受け、ブラティスラヴァの芸術学院で1958年から1960年まで研究を続けましたが、ここの保守的な雰囲気は、彼の気質に合うことがなく、ポーランドのカトヴィツェへと活動の場を移し、ようやく満足の行く研究をすることができたと言います。ペンデレツキ、グレツキらから影響を受けた彼の作品は、幼い頃から親しんだ郷里の民族音楽と、現代的な美学を併せ持ち、豊かな音響と破壊的なパワーが横溢したものです。このアルバムは、彼のチェロ作品を収録。とりわけチェロの音色を愛していたという作曲家渾身の曲を聴くことができます。
収録作曲家:
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ロス・ハリス(1945-):
交響曲 第2番&第3番 [オークランド・フィル/レトーニャ]HARRIS, Ross: Symphonies Nos. 2 and 3 (Pierard, Auckland Philharmonia, Letonja)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2012年04月18日 NMLアルバム番号:8.572574
CD価格:1,600円(税込)
ニュージーランドの作曲家、ロス・ハリス(1945-)はクライスト・チャーチとウェリントンで学び、30年以上に渡ってヴィクトリア大学で教鞭を執った後、2004年に早期退職をして、現在ではフリーランスで活躍。オペラや管弦楽曲など多くの作品を書いています。このアルバムには彼の交響曲を2つ収録。彼の「しばしば美しく、時には恐ろしい」作品をじっくり味わってみてください。交響曲第2番は、第一次世界大戦中、戦地の女性と恋に落ち、脱走したニュージーランド兵をテーマにしたヴィンセント・オサリヴァンの詩を題材にしたもので、壮大なファンファーレに聴きほれていると、瞬時に地獄のような世界へと突き落とされる「油断ならない」音楽です。交響曲第3番はマルク・シャガールの絵画に触発された作品で、クレズマー(ユダヤの伝統音楽)風の響きを挟み込みながら、詩的で幻想的な音楽が展開されます。2曲とも各楽章は速度表示のみが記される素っ気ないものですが、内容は驚くほどに豊かで雄弁さを誇っています。オークランド・フィルハーモニー管弦楽団のために作曲され、ニュージーランドの権威ある「SOUNZコンテンポラリー賞」を受賞しています。
収録作曲家:
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ヘンデル(1685-1759):
オラトリオ「テオドラ」全曲 [ヴィーラント/シュミット/ヴィッツム/ユンゲ・カントライ/フランクフルト・バロック管/マルティーニ]HANDEL, G.F.: Theodora [Oratorio] (Wieland, Schmid, Vitzthum, Schoch, Mertens, Junge Kantorei, Frankfurt Baroque Orchestra, J.C. Martini)
■合唱曲
発売日:2012年04月18日 NMLアルバム番号:8.572700-02
3CD価格:3,225円(税込、送料無料)
三世紀初頭、キリスト教がまだ禁制であったローマ帝国の時代の物語。シリア王家の娘テオドラは、異教徒の儀式参加を拒否したために捕えられてしまいます。彼女に課せられた罰は「ローマの兵士たちに蹂躙されること」。彼女の恋人でローマの役人であるディデイムスは何とか彼女を助けようと、牢に忍び込み脱出させようと策を弄すのですが、結局2人とも死刑を宣告されてしまいます。愛のために殉死を遂げる2人の背後に横たわる宗教紛争や自己犠牲の精神などたくさんの要素を盛り込んだ作品ですが、あくまでもオラトリオであるためか、常に格調高く、また壮大な音楽が与えられていて、オペラとは違った味わいを感じさせます。ヘンデル(1685-1759)はこの作品の出来栄えに自信を持っていたようですが、初演は残念ながら不評に終わってしまったのは、実のところ、聴衆はハッピーエンドを求めていたのかもしれませんね。ヘンデルは大激怒したとのことですが・・・。
収録作曲家:
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ジョナサン・ダヴ(1959-):
年月の移ろい [コンヴィヴィウム・シンガーズ/クロマー/フェリス]DOVE, J.: Passing of the Year (The) (Convivium Singers, Cromar, Ferris)
■声楽曲 ■器楽曲(ピアノ)
発売日:2012年04月18日 NMLアルバム番号:8.572733
CD価格:1,600円(税込)
親しみやすく、明晰な作風で知られるイギリスの作曲家ジョナサン・ダヴ(1959-)。とりわけ彼の合唱作品はどれも魅力的であり、イギリスのみならず世界中で人気を博しています。ここでは、彼の母親の記憶に捧げられたという「年月の移ろい」を中心とした、美しいハーモニーを聴くことができます。7つの曲からなる「年月の移ろい」はW.ブレイク、E.ディキンソン、G.ピールら5人の詩人のテキストを使い、時には妖艶さも感じさせながら、大地と季節を礼賛しています。この曲集とメゾ・ソプラノのソロで歌われる「わが愛はわが内に」以外は全て無伴奏合唱で歌われ、時にはユーモラスに、また時には荘厳に、声の持つ美しさと可能性を無限まで追求します。
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レスピーギとエルガーによる
J.S.バッハ編曲集 [シアトル響/シュワルツ]BACH, J.S.: Orchestral Transcriptions by Respighi and Elgar (Seattle Symphony, Schwarz)
発売日:2012年04月18日 NMLアルバム番号:8.572741
CD価格:1,600円(税込)
いつの世もバッハ(1685-1750)の作品から多くのインスピレーションを受け取る人が多いものです。このアルバムではレスピーギとエルガー、2人の大作曲家による編曲をお楽しみいただけます。「ローマ三部作」で絢爛豪華な音楽を聴かせるイタリアの作曲家レスピーギは、1929年から30年にかけて、ヴァイオリン・ソナタをはじめとする幾つかの作品に大胆なオーケストレーションを施しました。どの曲もどっしりとした低音を利かせ、重厚で荘厳な響きが魅力的。メロディは確かにバッハなのですが、後期ロマン派の香りが強く感じられるユニークなものとなっています。「前奏曲とフーガ」に至っては、もう別世界の音楽へと変貌しているところが楽しい限りです。エルガーによる「幻想曲とフーガ」の編曲(1921年)にも注目。フーガの部分はまさに「エニグマ」そのもの。壮大かつ豊かな響きに大満足間違いありません。
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オルウィン(1905-1985):
吹奏楽編曲による映画音楽集 [王立ノーザン音楽大学ウインド・オーケストラ/ランデル/ヘロン]ALWYN, W.: Film Music (arr. for wind band) (Royal Northern College of Music Wind Orchestra, Rundell, Heron)
■吹奏楽 ■映画音楽
発売日:2012年04月18日 NMLアルバム番号:8.572747
CD価格:1,600円(税込)
「完璧なる映画音楽作曲家」ウィリアム・オルウィン(1905-1985)の数々の作品を、吹奏楽アレンジで聴く1枚。これがまたカッコイイことこの上なし。1957年生まれのイギリスの作曲家、M.エレビーの編曲は、オルウィンのインスピレーションを完全に理解し、持ち味であるスコットランドの旋律も生かしつつ、魅力的な音で再創造しているのです。中には日本で未公開の映画も含まれますが、それは想像力を駆使して楽しむことにしましょう。勇壮なトラック7の行進曲、ロマンティックなトラック12のワルツ。その他全て、、どれを聴いても鮮やかでわくわくしてしまいます。
収録作曲家:
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ヴェルディ(1813-1901):
オペラからのバレエ音楽全集 [ボーンマス響/セレブリエール]VERDI, G.: Ballet Music from the Operas (Complete) (Bournemouth Symphony, Serebrier)
■バレエ・ダンス音楽
発売日:2012年04月18日 NMLアルバム番号:8.572818-19
2CD価格:2,500円(税込)
もともとバレエは、イタリアの合唱曲に踊りを加えたことが起源とされますが、19世紀前半のフランスではオペラの中に必ずバレエを含むことが条件とされ、ヴェルディ(1813-1901)のみならず、ワーグナーさえ、自作をパリで演奏するためにはバレエを付け加えなくてはいけなかったエピソードが知られています。このユニークなプログラムは、ヴェルディのオペラから全ての「バレエ音楽」を集めたものです。なんといっても、「アイーダ」「オテロ」「シチリア島の夕べの祈り」を除くと、他のほとんどの作品はバレエ部分をカットすることが通例であり、これらを耳にする機会はなかなかないのです。セレブリエールとボーンマス交響楽団は、この珍しいレパートリーを血気盛んに演奏することで、曲の必然性を炙り出すことに成功しています。
収録作曲家:
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マイ・ファースト・ララバイ・アルバム
My First Lullaby Album
■声楽曲
発売日:2012年04月18日 NMLアルバム番号:8.578213
CD価格:1,000円(税込)
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リムスキー=コルサコフ(1844-1908):
歌劇「見えざる町キーテジと聖女フェヴローニャの物語」 [カリアリ劇場/ヴェデルニコフ]RIMSKY-KORSAKOV, N.A.: Legend of the Invisible City of Kitezh and the Maiden Fevroniya (The) (Kazakov, Panfilov, Cagliari Theatre, Vedernikov)
■オペラ
発売日:2012年04月18日 NMLアルバム番号:8.660288-90
3CD価格:3,200円(税込、送料無料)
リムスキー=コルサコフ(1844-1908)の最後から2作目にあたる、第14作目のオペラは、タタールの襲来から逃れるために湖底に沈んだ町キーテジと、動物と心を通わせることができる聖女フェヴローニャの物語を組み合わせています。6世紀に書かれたムーロムの聖フェヴローニャの伝記はロシアの習合信仰を記した資料として評価されています。この物語は、その伝記と汎神論的な民話、キリスト教の奇跡が結びついた類い稀なるもので、強い愛国心を帯びた美しいメロディは、変遷するロシアの歴史に負けることなく、常に演奏され続けました。「ロシアのパルジファル」とも称されるこのオペラ、2008年のイタリアでの公演でお届けします。
収録作曲家:
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R.シュトラウス(1864-1949):
歌曲集 [ベーレ/シュナイダー]STRAUSS, R.: Lieder (Behle, Schnyder)
■オペラ
発売日:2012年04月18日 NMLアルバム番号:C5110
CD価格:2,600円(税込)
ドイツの若手テノール、ダニエル・ベーレ。「魔笛」のタミーノで一躍有名になり、今や飛ぶ鳥をも落とす勢いで活躍する期待の人です。2年間に相次いで4枚のCDをリリース、シューマン、シューベルト、ベートーヴェンと言ったドイツ・リートの王道や、イギリス歌曲など、レパートリーも広げていますが、今作ではR.シュトラウス(1864-1949)の華麗で濃厚な音楽を紐解いてくれます。ベーレはこれらの歌曲を長年に渡って研究し、極めて満足の行くものとして歌い上げます。伸びやかで抒情的な声と、はじけるような感情の発露をお聞きください。冒頭の「セレナード」の軽やかなピアノの響きで始まる「セレナード」、有名な「献呈」で始まるOp.10の歌曲集などは、ドイツ・リートの新しい可能性を感じさせることでしょう。「明日の朝」や「万霊節」での祈りを思わせる美しい歌唱も心に残ります。
収録作曲家:
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サン=サーンス(1835-1921):
ピアノ作品全集 第1集
練習曲全集 [バールソン]SAINT-SAENS, C.: Piano Works (Complete), Vol. 1 (Burleson)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2012年04月18日 NMLアルバム番号:GP601
CD価格:1,710円(税込)
フランスのロマン派音楽の発展に素晴らしい貢献を果たしたはずなのに、なぜか現代ではあまり評価されていないサン=サーンス(1835-1921)。でも、彼のピアノ曲には、まさに「フランスのエスプリ」がたっぷり詰まっていることをご存知でしょうか? とりわけ、この3つの練習曲集には、きらめく繊細さと素晴らしい技巧性が溢れていて、演奏家にとっても、聴き手にとっても、いろいろな意味で興味を引くものとなっています。とりわけ、Op.52の第6番「ワルツ形式の練習曲」に見られる、華々しい技巧と美しいメロディは、とても「サロン風の音楽」などとは言えないほどの迫力と演奏効果を持っています。ピアニストはジェフリー・バールソン。北米を中心に活躍する彼は、ジャズも得意であり、このサン=サーンスでも、独特の間合いを感じさせるユニークな演奏を披露しています。
収録作曲家:
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ラフ(1822-1882):
ピアノ作品集 第1集 [チャ・グエン]RAFF, J.: Piano Works, Vol. 1 (Tra Nguyen)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2012年04月18日 NMLアルバム番号:GP602
CD価格:1,710円(税込)
今では、ヴァイオリンの小品「ラフのカヴァティーナ」のみが知られるドイツの作曲家、ヨアヒム・ラフ(1822-1882)。若い頃はリストの助手として、晩年はマクダウェルの師として音楽界に貢献し、数多くの作品を残していますが、そのほとんどは現在忘れられてしまい、前述のカヴァティーナがかろうじて残っていると言っても過言ではありません。このアルバムでは、彼の知られざるピアノ曲に光をあてています。全てが世界初録音であり、聴きすすむごとに「こんなに良い曲があったのか」と驚かれる人も多いことでしょう。ベトナムのピアニスト、チャ・グェンの共感溢れる演奏です。
収録作曲家:
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ワインベルク(1919-1996):
ピアノ作品全集 第1集 [フランツェッティ]WEINBERG, M.: Piano Works (Complete), Vol. 1 (Brewster Franzetti)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2012年04月18日 NMLアルバム番号:GP603
CD価格:1,710円(税込)
ポーランドで生まれソ連に亡命したワインベルク(1919-1996)は、ショスタコーヴィチの友人として、また晦渋な作風の無伴奏弦楽曲、及び弦楽四重奏曲の作曲家として知られています。このシリーズではそんなワインベルクのピアノ作品の全集化に取り組みました。第1集に収録されているのは、比較的初期の作品で、子守歌、マズルカ、ソナタOp.49bis(原曲1950年に作曲されたソナチネ…ショスタコーヴィチに献呈…1978年に改定)は世界初録音となります。2008年のグラミー賞にノミネートされたピアニスト、フランツェッティは、ラヴェルを始めとした近代物と、ロシア物を得意とする人です。
収録作曲家:
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シュルホフ(1894-1942):
ピアノ作品集 第1集 [ヴァイヒェルト]SCHULHOFF, E.: Piano Music, Vol. 1 - Partita / Susi / Suite No. 3 / Variationen und Fugato, Op. 10 (Weichert)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2012年04月18日 NMLアルバム番号:GP604
CD価格:1,710円(税込)
48年という、決して長くはない生涯の間に、エルヴィン・シュルホフ(1894-1942)は幅広い音楽スタイルを吸収しました。ジャズやタンゴ、フォックストロット(ダンス音楽の一種)、はたまた実験音楽など、どれもにたっぷり趣向が凝らされ、興味深い筆致で描かれています。そんなシュルホフの作風を端的に知りたい人にオススメが、ここに収録されている「ピアノのためのパルティータ」です。さまざまな表情を持つ8つの曲は一度聴いたら病みつきになるほど、魅力たっぷりです。ドビュッシーの影響を受けたと言われる「変奏曲とフーガ」、斬新な「左手のための組曲」。カプースチンとは違うジャズ・テイストの音楽をお楽しみください。(ダダイズム=既成の秩序や常識に対する、否定、攻撃、破壊といった思想を大きな特徴とする)
収録作曲家:
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A Bridge of Dreams ~ 夢の橋
環太平洋地帯の合唱作品集 [アルス・ノヴァ・コペンハーゲン/ヒリヤー]Choral Music (Pacific) - HARRISON, L. / EDWARDS, R. / BODY, J. / LAWRENCE-KING, A. / BOYD, A. (A Bridge of Dreams) (Ars Nova Copenhagen, Hillier)
■合唱曲 ■宗教曲
発売日:2012年04月11日 NMLアルバム番号:6.220597
CD価格:1,988円(税込)
ルー・ハリソンをクラシックの作曲家として扱うのは何だか申し訳なく思います。彼は生涯を通じて「音」を追求し、制約の多い「現代音楽」には背を向け、あえて他ジャンルのミュージシャン(例えばキース・ジャレット)とコラボし、ガムランやアジアの伝統楽器などを好み、世界中の音律をわが手にしようと試みたのでした。さて、このアルバムはそんなルー・ハリソンのミサ曲を中心に、中国、日本、カリフォルニア、ニュージーランド、オーストラリアに関係した合唱作品を集めた1枚です。タイトルの「A Bridge of Dreams」とは更級日記のことであり、イヴァン・モリスによる英訳に「As I Crossed a Bridge of Dreams」とタイトルが付けられているためです。アルス・ノヴァ・コペンハーゲンの無垢な合唱と、名手アンドリュー・ローレンス=キングのハープが夢の世界を作り上げます。
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メンデルスゾーン(1809-1847):
無言歌集 全曲
厳格な変奏曲 [コルスティック]MENDELSSOHN, Felix: Lieder ohne Worte / Variations serieuses (Korstick)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2012年04月11日 NMLアルバム番号:777519-2
CD価格:3,648円(税込、送料無料)
「ドクター・ベートーヴェン」の異名をとるドイツの中堅ピアニスト、コルスティック。もちろん、ベートーヴェンだけでなく、様々な作曲家の作品を手掛けていて、cpoレーベルにはリストの「巡礼の年」や、レーガーの協奏曲などがあり、他のレーベルでは、ケクランなどの珍しい曲も演奏していたりします。彼の演奏はとにかく知的であり、行間を読むタイプ。派手さよりも、一貫して聴き手に何かを考えさせる姿勢が心地よいピアニストです。今回のメンデルスゾーン(1809-1847)は、まさに彼にうってつけのレパートリーであり、作曲家によって曲ごとに込められた詩情を浮かび上がらせ、見事な音の絵をして描きだしています。
収録作曲家:
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フランツ・シュレーカー(1878-1934):
歌劇「ヘントの鍛冶屋」(大魔法オペラ) [ケムニッツ歌劇場合唱団/ロベルト・シューマン・フィル/ベールマン]SCHREKER, F.: Schmied von Gent (Der) [Opera] (Beermann)
■オペラ
発売日:2012年04月11日 NMLアルバム番号:777647-2
CD価格:4,890円(税込、送料無料)
1929年、フランツ・シュレーカー(1878-1934)は創造的危機の真っただ中にありました。それ以前の彼は1920年にベルリン高等音楽学校の校長に任命され、数多くの弟子を持ち、また彼のオペラも数多く上演されるなど、華々しい活躍をしていたにもかかわらずです。彼の成功に陰りが見えはじめたのは1923年の「狂える炎」の初演が賛否両論にわかれたこと、また1928年の「歌える悪魔」が失敗に終わったことあたりでしょう。当時の社会も反ユダヤの空気が蔓延しつつあり、出版社も彼のオペラの出版を拒否しました。聴衆が求めたものは、1922年に上演されたクルシェネクの「ジョニーは演奏する」のようなセンセーショナルな作品であり、シュレーカーが望んだメルヘンチックなものは受け入れがたかったのでしょう。それでもこのオペラは「全ての人のために」向けて書かれています。 16世紀の東フランドル、鍛冶屋のスメーは力を失いますが、悪魔の契約によって再び力を得ます。7年後、契約によって地獄へ行くことになった彼ですが、実は“ある家族”の手伝いをしたことで、天国へと迎えられます。その家族とは、大工の父と、その妻、そして息子でした。シュレーカーは自身の音楽のパロディと、民謡を上手く取り入れた普遍的な音楽を付けています。シュレーカー復興がますます進むことはうれしい限りです。
収録作曲家:
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北ドイツのルネサンス音楽集 第1集
ヴェーザー・ルネサンスの宮廷音楽 [ブレーメン・ヴェーザー・ルネサンス/コルデス]PRAETORIUS, M.: Easter Mass (Cordes)
■宗教曲
発売日:2012年04月11日 NMLアルバム番号:999953-2
CD価格:2,608円(税込)
初期バロック時代の大家、ミヒャエル・プレトリウス(1571-1621)のミサ曲です。彼は当時「最も多作な作曲家」として知られ、同世代のドイツ、イタリアの作曲家たちに影響を与え、また自身もそれらの音楽様式を取り入れています。ほとんどが教会のための音楽であり、このミサ曲もヴォルフェンビュッテル教会で行われる復活祭のために書かれたものです。世界初演となるこの作品を的確な解釈で聴かせるコルデスとブレーメン・ヴェーザー・ルネサンスは、常に新鮮な驚きをもたらしてくれます。
収録作曲家:
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スティーヴン・マッキー(1956-):
ロンリー・モーテル - ミュージック・フロム・スライド [エッカート/マッケイ/エイト・ブラックバード]MACKEY, S.: Lonely Motel: Music from Slide (Eckert, Mackey, eighth blackbird)
■室内楽 ■器楽曲
発売日:2012年04月11日 NMLアルバム番号:CDR90000-128
CD価格:1,824円(税込)
なんとも実験的、かつ不思議な音楽。世界初録音となるこの「ロンリー・モーテル」は弦楽、ピアノ、パーカッションのアンサンブルと、作曲者マッキー(1956-)のギター、そして歌手、俳優、台本作家のエッカートが生み出す陶酔的な世界です。婚約者に捨てられた孤独な男が、一人安宿で、スライドを投影しながら悲しみに沈むというシチュエーションは永遠のテーマであり、創作の根源ではないでしょうか? 「こっそり動く犬、走る犬、そんなものは無視しよう・・・(SlideofDog)」全ての言葉も韻を踏み、統制されたリズムに支配されることで、ミニマル的な要素を添付されることで静かな狂気も生まれてくるかのようです。燃える家、幻、全てが終わったあと、男は何を見るのでしょう・・・
収録作曲家:
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J.S.バッハ(1685-1750):
ピアノ作品集 [バッケッティ]■器楽曲
発売日:2012年04月01日
CD価格:2,325円(税込)
数あるバッハの鍵盤用小品を70曲CD2枚にまとめた本作。有名なものから珍しい録音のものまで幅広く収録されているので、これからバッハを聴かれる方にも、バッハファンの皆様にもオススメできる一枚です。
収録作曲家: