2011年10月
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柴田南雄(1916-1996):
シンフォニア/金管六重奏のためのエッセイ
夜に詠める歌/トリムルティ [NHK「現代の音楽」アーカイブシリーズ]SHIBATA, M.: Sinfonia / Essay for 6 Brasses / Poem Recited in the Night / Trimurti (Yoshiko Okumura, Hiroyuki Iwaki)
■交響曲/管弦楽曲 ■室内楽 ■現代音楽
発売日:2011年10月05日 NMLアルバム番号:NYNG-005
HQCD価格:2,200円(税込)
学者一族に生まれ、作曲家としてだけでなく、音楽評論、音楽学者としてもその功績を讃えられた柴田南雄の作品集。自身が創立メンバーとなった「二十世紀音楽研究所」が主催する現代音楽祭では、1960年代当時の最先端の技法を取り入れた斬新な作品を数多く紹介し、自らも、それらの技法を駆使した作品を書き上げています。十二音の普及にも尽力し、音だけでなく、わかりやすい文章でも「現代音楽」の魅力を紹介したことで知られます。
ここに収録されたのは1960年代の作品が中心で、「フォニア」シリーズの第1作目である『シンフォニア』、トランペットとトロンボーン、この楽器の可能性を追求した『金管六重奏のためのエッセイ』、演奏者に曲順を選ばせるといった「不確定性」と、意味のある詩の文章が融合された『夜に詠める歌』、特殊奏法から生み出される音や、電気的に加工されたいろとりどりの音がバッハの「音楽の捧げもの」と混じり合う『トリムルティ』の4曲です。若き吉田秀和氏による含蓄溢れた解説、そして作曲家自身による対談も興味深いところです。収録作曲家:
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松下眞一(1922-1990):
カンツォーナ/ダ・ソナーレ 第1番
『星達の息吹き』他 [NHK「現代の音楽」アーカイブシリーズ]MATSUSHITA, S.: Canzona da Sonare No. 1 / Gestalt 17 / Kristalle / Astrale atem / Spectre No. 4 (Hiroshi Wakasagi, Shigenobu, Yamaoka)
■室内楽 ■現代音楽
発売日:2011年10月05日 NMLアルバム番号:NYNG-006
HQCD価格:2,200円(税込)
作曲家でもあり、日本有数の数学者でもある松下眞一の作品集です。初期の作品は、ブーレーズを始めとしたヨーロッパの前衛音楽の影響を強く受け、セリー形式や電子音楽を積極的に取り入れ、自らの語法を確立しました。この時期に書かれた『カンツォーナ・ダ・ソナーレ第1番』は、聴きようによってはフリー・ジャズ(?)とも思えるほどの即興性が感じられる興味深いものです。1965年に客員教授としてハンブルクに渡欧(数学の分野で)、滞在先でシュトックハウゼン、ペンデレツキ、ノーノら著名な作曲家たちとも交流し、サットマリーやイヴォンヌ・ロリオら演奏家たちも彼の作品を取り上げるなど、作曲家としても実り多き日を過ごしました。1970年代の後半から、作風はロマン派的なものへと回帰していくことを考えると、この当時の作品が最も前衛的であり、また様々な試みがなされたものと言えるのかもしれません。
収録作曲家:
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リュリ(1632-1687):
グラン・モテ集 [ル・コンセール・スピリチュエル/エルヴェ・ニケ指揮]LULLY, J.-B.: Grand Motets (The) (3 CD Box Set)
■宗教曲
発売日:2011年10月19日
3CD価格:1,600円(税込)
イタリア出身ながらも、ルイ14世の寵愛を受け、作曲家&踊り手として活躍。多くのバレ(フランスではこう呼ばれました)を作曲したリュリは、宗教音楽も多数残しています。
そんなリュリの宗教曲を、ニケ&ル・コンセール・スピリチュエルによる誉れ高き名演のセットでお楽しみください。 グラン・モテとは、室内編成または標準編成のオーケストラが声楽を伴奏するモテットのことで荘厳な響きが楽しめます。それに対してプティ・モテとはオルガンと通奏低音が伴奏するモテットで、このセットの中にも数曲含まれていて、こちらは素朴で簡素な美しさが楽しめます。収録作曲家:
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光の川
アメリカのヴァイオリンとピアノのための小品集 [フェイン]Violin Recital: Fain, Tim - PUTS, K. / GLASS, P. / KERNIS, A.J. / ZHURBIN, L. / DANIELPOUR, R. / BOLCOM, W. / HIGDON, J. (River of Light)
■室内楽 ■器楽曲(ヴァイオリン)
発売日:2011年10月19日 NMLアルバム番号:8.559662
CD-R価格:1,900円(税込)
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ローレム(1923-):
フルートを伴う室内楽作品集 [スミス/レイズナー/トーマス/リー/パイロット]ROREM, N.: Chamber Music with Flute - Mountain Song / Romeo and Juliet / Trio / Book of Hours / Prayers (F. Smith, Leisner, Thomas, Mihae Lee, Pilot)
■室内楽
発売日:2011年10月19日 NMLアルバム番号:8.559674
CD価格:1,900円(税込)
1923年生まれのネッド・ローレム(1923-)は概ね歌曲作曲家として知られていますが、彼はその活動のほぼ全域に渡って、フルートのための作品も書いています。ここに収録されたのは、そんな魅力的な曲の数々です。若い頃にフランスに住んでいたローレム、やはり初期の作品にはプーランクやラヴェル、ルーセルの影響が強く感じられます。そんなモダンさとケンタッキーの民謡を掛け合わせたかのような、「山の歌」(これは、彼が最初に書いた器楽のための曲で、オーボエ、もしくは、ヴァイオリン、チェロでも奏されます)から、2006年の「4つの祈り」まで、およそ50年もの年月によって熟成されたローレムの歌心は、美しくも哀しく響き渡ります。名手フェンウィック・スミスの演奏で。
収録作曲家:
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ピーター・シックリー(1935-):
カッツキルの1年 [ブレア木管五重奏団/フェリックス・ワン・ローズ]SCHICKELE, P.: Year in the Catskills (A) / Gardens / Dream Dances / Diversions (Blair Woodwind Quintet, Felix Wang, M. Rose)
■室内楽
発売日:2011年10月19日 NMLアルバム番号:8.559687
CD
通常価格:1,900円→ 特価!:390円(税込)この作曲家の名前、聞き覚えあるな? と思った方、それはかなりのマニアです。そうです。この人は以前、全世界で大ヒットを飛ばしたP.D.Q.バッハ(バッハの21番目の息子???)の生みの親というか、伝記作者。平たく言えば、「シックリー教授」が自作を発表する時に用いた偽名なのですが、そのジャンルを越えた「冗談音楽」はお堅いクラシック音楽界に旋風を巻き起こしたことは間違いありません。このアルバムに収録された曲は、冗談音楽ではなく、きちんとした室内楽ですが、それでも、「カッツキルの1年」ではバロック時代に回帰した音楽が聴けますし、自作からの引用も盛り込まれています。ドリーム・ダンスでの人を食った表情もいい感じです。
収録作曲家:
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オルウィン(1905-1985):
合奏協奏曲 第2番・第3番
7つのアイルランドの旋律
ヴェニスのムーア人 [ロイヤル・リヴァプール・フィル/ロイド=ジョーンズ]ALWYN, W.: Concerti Grossi Nos. 2 and 3 / 7 Irish Tunes / The Moor of Venice (Royal Liverpool Philharmonic, Lloyd-Jones)
■協奏曲
発売日:2011年10月19日 NMLアルバム番号:8.570145
CD価格:1,900円(税込)
合奏協奏曲第1番を始めとした作品集(8.570704)での表情豊かな音楽を聴くだけで、「まだまだイギリスにはすごい作曲家がいるんだな」と驚かせてくれたオルウィン(1905-1985)ですが、ここでも、その劇的な音楽がたっぷり楽しめます。ヴェニスのムーア人とは、あのシェークスピアが描いたオセロのこと。もともとはブラスバンドのために書かれたものをP.レーンがが管弦楽へと編曲。オセロとデズデモーナを中心とした人間模様が激しい音楽で表出されています。他には、見事に練られた合奏協奏曲2曲と、極めて田園的な2つの作品を収録。合奏協奏曲第3番は、偉大なる指揮者ヘンリー・ウッドの没後20年を記念してBBCから依嘱された作品です。
収録作曲家:
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ピツェッティ(1880-1968):
弦楽四重奏曲集 [ライタ四重奏団]PIZZETTI, I.: String Quartets Nos. 1 and 2 (Lajtha Quartet)
■室内楽
発売日:2011年10月19日 NMLアルバム番号:8.570876
CD価格:1,900円(税込)
まるでドヴォルザーク? と聴きながらジャケットを見直してしまいそうな、第1番の弦楽四重奏曲。これを書いたのは、マリピエーロ、カセッラ、レスピーギと同世代のイタリアの作曲家ピツェッティ(1880-1968)です。彼はどちらかというと先進的な和声には嫌悪感を抱いていたようで、初期バロックやルネサンス音楽への回帰を目指していましたが、とはいうものの、抒情的な旋律を用い、和声も半音階的だったりと、かなり時代の風潮には忠実だったようです。さわやか香りを持つ前述の第1番に比べ、その約26年後に書かれた第2番は、明らかに後期ロマン派風の成熟した濃厚な音楽であり、ゆったりとした第1楽章では、おなじみのBACHの名前も音として引用されています。神秘的な音の流れは、そのまま第2楽章へと続き、見事な構造を持つスケルツォを経て、激しい終楽章へとなだれ込むのです。まさに「音のドラマ」です。
収録作曲家:
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イディル・ビレット
アーカイヴ・エディション 第5集
マーラー(1860-1911): ピアノ四重奏曲
フランク(1822-1890): ピアノ五重奏曲 [ロンドン弦楽四重奏団]MAHLER, G.: Piano Quartet / FRANCK, C.: Piano Quintet (Biret Archive Edition, Vol. 5)
■室内楽
発売日:2011年10月19日 NMLアルバム番号:8.571278
CD価格:1,900円(税込)
ビレットの幅広いレパートリーを示す、珍しい室内楽作品の演奏です。マーラーの作品は、彼がウィーン音楽院に在学していた16歳の頃に書かれた単一楽章の曲で、作曲科の試験に提出するために書かれたとされています。本来は4楽章形式で構想されたと言われますが、第3楽章スケルツォの断片が残っているのみで、他は紛失したようです。この楽章のみ、未亡人アルマの遺品から発見されました。後年の作風のような重厚さは見られないものの、終わり近くに現れるヴァイオリンの悲劇的なカデンツァが未来を予見させます。もう1曲のフランクは、渋さの権化のような作品ですが、ビレットの演奏は、フランク特有の旋律美を面白いほどに感じさせてくれる説得力あるものです。またロンドン弦楽四重奏団も素晴らしい。現れては消える緊張感漲るメロディを追っていくうちに、この曲が好きになること間違いなし。
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イディル・ビレット
アーカイヴ・エディション 第9集・第10集
リスト(1811-1886):
ベルリオーズ=幻想交響曲/イタリアのハロルド [ルーゼン・グネス/イディル・ビレット]LISZT, F.: Berlioz - Symphonie fantastique / Harold en Italie (Biret Archive Edition, Vols. 9, 10)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2011年10月19日 NMLアルバム番号:8.571284-85
2CD価格:2,900円(税込)
ビレットが演奏するベルリオーズ(1803-1869)=リスト(1811-1886)の幻想交響曲は、NAXOSにも録音があり(8.550725)、こちらもとても評判が高いのですが、こちらの録音はそれよりも14年前の演奏です。彼女はこのリスト版を演奏するにあたって、ベルリオーズの原曲をよく研究し、リストが編曲した際の原曲との微妙な相違点を修正していることで知られていますが、この録音でもそれは顕著に現れています。後年の演奏よりも若干軽やかさとぎこちなさが同居していますが、よくぞここまで! という妙技は変わりありません。もう1曲の「イタリアのハロルド」は2011年の最新録音です。ヴィオラをともなうこの交響詩を全曲演奏してしまうというだけでも偉業なのですが、これがまた随分と良くできていて、ついつい聴き入ってしまいます。どうしても統一感が不足がちな原曲よりもまとまりがあり、一気に聴きとおすことが可能です。
収録作曲家:
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プロコフィエフ(1891-1953):
バレエ音楽「ロメオとジュリエット」 Op.64 [ジョーンズ/ゴラーニ/ハンプソン]PROKOFIEV, S.: Romeo and Juliet, Op. 64 (excerpts) (arr. for viola and piano) (M. Jones, Golani, Hampton)
■バレエ・ダンス音楽
発売日:2011年10月19日 NMLアルバム番号:8.572318
CD価格:1,900円(税込)
現在、プロコフィエフ(1891-1953)の全作品の中でもとりわけ愛されているのが、この「ロメオとジュリエット」でしょう。もともとの台本はハッピーエンドで終わることになっていて、その理由は「死者は踊ることができない」というものでした。しかし、悲劇的な結末でも、踊りで表現することで、原作通りの結末に変更したというものです。初演は酷評でしたが、プロコフィエフ自身はこの曲を大層気に入っていたようで、管弦楽組曲の他、ピアノ独奏組曲までも作られています。このヴィオラ版を作ったのは、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲の演奏で知られる「ベートーヴェン弦楽四重奏団」のヴィオラ奏者、ボリソフスキー(1900-1972)を中心にした仲間たち。彼らは作曲家もうなるであろうほどの名編曲で、この名作に新たな光を当てたのです。
収録作曲家:
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バルトーク(1881-1945):
ピアノ作品集 第6集
ピアノの初歩/断片/4つのピアノ小品他 [ヤンドー]BARTOK, B.: Piano Music, Vol. 6 (Jando) - The First Term at the Piano / 4 Piano Pieces / Petits morceaux / 2 Elegies
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2011年10月19日 NMLアルバム番号:8.572376
CD
通常価格:1,900円→ 特価!:390円(税込)バルトーク(1881-1945)の初期のピアノ作品集です。22歳の時に書かれた4つの小品は、明らかにリストの影響を受けてることは間違いありません。第1番「左手のための練習曲」での輝かしい超絶技巧の表出は、まさに「当時の」彼がピアニストとして目指していた到達点なのでしょう。管弦楽のために書いた交響詩「コッシュート」(19世紀のハンガリーの偉大なる革命家)からの葬送行進曲も未発表のリスト作品だと言われても、そんなに違和感がありません。それから少し時を経た1909年に書かれた「2つのエレジー」はタイトル通り陰鬱な雰囲気を湛えた内省的な作品です。ただ、やはりリストの最晩年の作品と言われても「そんなものかな」と思えてしまうのはご愛敬。やはりもっと民謡風な作品を求めてしまうのは仕方ありません。「ピアノの初歩」は楽しい教育用教材です。
収録作曲家:
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スタンフォード(1852-1924):
〈室内楽作品集〉
ピアノ四重奏曲 第2番 ハ短調
ピアノ三重奏曲 第1番 変ホ長調
伝説/「ジグ」/「ハッシュ・ソング」 [グールド・ピアノ・トリオ]STANFORD, C.V.: Piano Quartet No. 2 / Piano Trio No. 1 / Legend / Irish Fantasies (Gould Piano Trio)
■室内楽
発売日:2011年10月19日 NMLアルバム番号:8.572452
CD価格:1,900円(税込)
ああ、なんて気持ちのよい音楽だろう!
思わずつぶやきたくなるような印象的で優美な曲たち雄大な森、はたまた広大な田園地帯。そんな開放的な場所で大きく伸びをしたくなるような清々しい音楽。スタンフォードの室内楽には、いつもそんな雰囲気が漂っています。イギリス音楽の祖、スタンフォードはドイツ・ロマン派の作風を模範としながらも、アイルランド民謡を取り入れた独自の音楽を数多く残しました。その中でも室内楽は大きな位置を占め、その叙情詩的な美しさは、水彩画のような淡い色合いを帯びています。このアルバムに収録されたピアノ三重奏曲第1番は、ハンス・フォン・ビューローに捧げられており、優雅この上ない作品です。それ以外の作品はこちらが世界初録音。とりわけ、1913年に作曲されるも、長い間顧みられることのなかった第2番のピアノ三重奏曲の秘められた美しさにはため息をつく他ありません。ちょっとブラームス風の響きを感じさせるも、描かれている世界は彼独自のもの。このグールド・トリオの蘇演により、私たちはまた一つの名作を手に入れました。収録作曲家:
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ホルブルック(1878-1958):
ヴァイオリン協奏曲「グラスホッパー」
ヴァイオリン・ソナタ 第1番
ホルン三重奏曲 [ピーコック/スティーヴンソン/M. スミス]HOLBROOKE, J.: Violin Concerto, "The Grasshopper" / Violin Sonata No. 1 / Horn Trio (Peacock, Stevenson, M. Smith)
■協奏曲 ■器楽曲(ヴァイオリン)
発売日:2011年10月19日 NMLアルバム番号:8.572649
CD価格:1,900円(税込)
イギリス、クロイドン生まれの作曲家ホルブルック(1878-1958)のヴァイオリン作品集です。彼は12歳でピアニストとしてデビュー、その後指揮活動を続けながら、作曲家としての道を志し、22歳の時に交響詩「大鴉」を発表。次々と大作をものにし、ついには「コックニーのワーグナー」と呼ばれるほどの同時代の作曲家の中でも先進的な位置を獲得したのでした。しかし、第一次大戦後も後期ロマン派の作風を捨てることなく、また、常に大作の上演・・・ワーグナー風の連作・・・を夢みていたため、結局は時流に乗れずに、次第に忘れられてしまったのです。とはいえ、彼の器楽曲はもっと気楽で明るく魅力的なものであり、民謡風の主題をもつ素朴なものです。アルバム・タイトルになっているヴァイオリン協奏曲「バッタ」は彼自身が、協奏曲版とソナタ版(こちらの方の最終楽章が若干平易に書かれている)の2つのヴァージョンで出版していますが、この録音では難しい方の協奏曲版を用いています。
収録作曲家:
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ルチア・ポップ
GREAT SINGERS [ポップ - 録音:1968年-1982年]Great Singers Live: Popp, Lucia
■オペラ
発売日:2011年10月12日 NMLアルバム番号:900306
CD価格:1,500円(税込)
今なお光を放つ永遠のスープレッド・ソプラノ、ルチア・ポップの秘蔵音源!「20世紀最高のスザンナ」として、全ての人から愛されていた名歌手ルチア・ポップ(1939-1993)。チャーミングで清楚な歌い口と、艶やかな声、そして可憐な容姿で国際的に活躍。彼女が54歳という若さでこの世を去ってしまった時は、全世界のファンが悲しみの涙にくれたことは言うまでもありません。彼女の当たり役は、何と言っても前述の「フィガロの結婚」のスザンナであり、また、あのクライバーの伝説的名演「こうもり」のアデーレでしょう。もちろん他のドイツ・オペラも得意としていたことは間違いありません。また、リート歌手としてはマーラー、R.シュトラウスなどロマン派の作品がレパートリーの中心でした。この1968年から1982年の日曜コンサートでは、彼女お得意のモーツァルトや、お国もののスメタナを始め、いくつかのオペレッタ(この分野でも素晴らしい歌を披露)、そして、声が円熟してからレパートリーを広げたドニゼッティなど、彼女の多彩な表情を伺い知ることができます。21世紀の今、彼女を越えるスザンナは現れるのでしょうか?
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ブラームス(1833-1897):
交響曲 第1番 ハ短調 Op.68 [ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィル/スクロヴァチェフスキ]BRAHMS, J.: Symphony No. 1 (German Radio Saarbrucken-Kaiserslautern Philharmonic, Skrowaczewski)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2011年10月12日 NMLアルバム番号:OC408
CD価格:2,025円(税込)
ブルックナー、ベートーヴェンとはまた違う孤高の世界を見せてくれるスクロヴァのブラームス。以前にもハレ管、読響など他のオーケストラとの演奏が話題になっていて、「できることなら、手兵ザールブリュッケンとのブラームスを聴いてみたい!」と思っていた方も多いのではないでしょうか? この演奏は、期待に違わぬ素晴らしいもので、快適なテンポ、重厚な音色はもちろんのこと、とことん丁寧に奏される内声部にもおどろかされます。もちろん要所要所では、絶妙なアゴーギクがつけられています。第4楽章で輝かしいテーマを導くコラールの荘厳さにも圧倒されること間違いありません。艶やかな弦の音色はいぶし銀の如く。まさに満を持してのブラームスです。
収録作曲家: