2010年4月
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アスガー・ハメリク(1843-1923):
交響曲集 [トマス・ダウスゴー指揮]HAMERIK, A.: Symphonies (Helsingborg Symphony, Danish National Radio Choir and Symphony Orchestra, Dausgaard) (4 SACD set)
発売日:2010年04月28日
4 SACD-Hybrid価格:5,445円(税込、送料無料)
アスガー・ハメリクはデンマークの作曲家です。彼は幼い頃から音楽の才能を示し、ガーデとJ.P.E.ハートマンの下で学び、ドイツに行ってからは、晩年のベルリオーズから強い影響を受けました。1871年にはボルティモアのピーポディ研究所の音楽学校に招かれ、オーケストラの指揮をしながらいくつもの交響曲を作曲しました。1900年にデンマークに戻りましたが、残念なことに母国では高い評価を受けることができず、彼のおよそ100曲ある作品はほとんど忘れ去られてしまいました。このBOXは彼の7曲ある交響曲とレクイエムを収録した。
収録作曲家:
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J.S.バッハ(1685-1750):
マタイ受難曲 [エクス・カセドラ合唱団&バロック管/スキッドモア]BACH, J.S.: St. Matthew Passion (Sung in English) (Skidmore)
■声楽曲 ■合唱曲
発売日:2010年04月28日 NMLアルバム番号:ORC100007
2CD価格:2,438円(税込)
2009年の聖金曜日4月10日に、バーミンガム・シンフォニー・ホールで行われた「英語歌唱によるマタイ受難曲全曲」のライヴ録音です。英語版のマタイと言えば、以前バーンスタインの演奏がありました(あちらは啓蒙的な意味も含め、まことに感動的な演奏でした)し、他にも1937年のクーセヴィツキと1979年のウィルコックスの録音もあります。しかし、こちらのマタイは、全く新しいテキストを用いて歌われているところに注目です。この合唱団に縁のあるニコラス・フィッシャーとジョン・ラッセルの2人が翻訳したテキストは、より時代に即した美しい英語が使われていて、現代人の心にまっすぐに届くマタイとして絶賛を浴びたものです。バロック・オーケストラによる味わい深い響きと、最近の傾向でもある早めのテンポ、そしてイーモン・ドーガンを始めとするおなじみの歌手たちによる素晴らしい演奏は、『マタイ受難曲』を味わい尽くした人にも、新しい感動を与えることでしょう。各々の演奏家によって違った祈りの言葉があるということを、しみじみ感じさせてくれるアルバムと言えそうです。
収録作曲家:
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シューベルト(1797-1828):
交響曲 第8番&第9番 [フルトヴェングラー - 録音:1950年-1951年]SCHUBERT, F.: Symphonies Nos. 8, "Unfinished" and 9, "Great" (Furtwangler) (1950-1951)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2010年04月21日 NMLアルバム番号:8.111344
CD価格:1,600円(税込)
音自体が生き生きと語り出すような、輝きに満ちたシューベルトこのアルバムは、シューベルトの交響曲の中でも、最も名演とされている2曲を収録したものです。このフルトヴェングラーの演奏は、人間のあらゆる感情…悲嘆、激怒、喜び、そして慰めを曲の流れとともに洗い出し、爆発的な音楽の流れを作りだします。感情表現の見事さは、とりわけゆっくりとした楽章に顕著でまさに滔々と流れる大河を思い起こさせるかのような不滅の輝きを持つ演奏です。この堂々とした演奏を聴いていると、交響曲作家としてのシューベルトが目の前に立ち現れることでしょう。
収録作曲家:
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ジークフリート・ワーグナー(1869-1930):
歌曲全集 [ブローベルク/グラドナー]WAGNER, S.: Lieder (Complete) (Wahnfried-Idyll) (Broberg, Grabner)
■声楽曲
発売日:2010年04月21日 NMLアルバム番号:8.225349
CD価格:1,815円(税込)
偉大なるワーグナーの息子として生まれ、最初は建築家の道を志すも、結局は音楽家としての使命に目覚め、作曲家、指揮者として活躍することになったジークフリート・ワーグナー。しかし、現在では彼の作品を耳にすることはほとんどありません。一部のオペラは少しずつ上演されるも、ここに収録された歌曲はすっかり忘れ去られた存在となっていました。しかしこの15曲の中には、彼が愛した幻想的な風景やお伽噺の国の住人たちの姿が存分に映し出されています。人間世界のドロドロしたものを見過ぎてしまった彼の心が追い求めたのは、このような優しい世界だったのかもしれません。
収録作曲家:
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ロックバーグ(1918-2005):
ピアノ作品集 第1集
2台ピアノのための「炎の環」(1996-97) [ハーシュ=ピンカス・ピアノ・デュオ]ROCHBERG, G.: Piano Music, Vol. 1 - Circles of Fire (Hirsch-Pinkas Piano Duo)
■器楽曲(フルート) ■器楽曲(ピアノ)
発売日:2010年04月21日 NMLアルバム番号:8.559631
CD
通常価格:1,600円→ 特価!:390円(税込)心の内部、そして脳の内部に炎は宿ります。それは太陽系を銀河系を形造る普遍的な炎であり、小惑星、彗星すらも内包しています。それらは大きな軌道に乗り、巨大な螺旋を描きつつ、数百万マイルという想像を絶する距離を横切って流れていきます。そんな風景を心に描いてください。ロックバーグ(1918-2005)の15曲からなるピアノ・デュオ曲は想像を絶する世界を目の前に見せてくれるかのようです。ある時は煌めき、ある時はぶつかり合い、湧き上がる音の炎を丹念に描いていきます。静かに燃える炎、くるくる回る炎。人間の原始的感覚に直接訴える音楽です。
収録作曲家:
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W.シューマン(1910-1992):
交響曲 第8番/夜の旅行
アイヴズ(1874-1954):
アメリカ変奏曲(編曲 W.シューマン) [シアトル響/シュワルツ]SCHUMAN, W.: Symphony No. 8 / Night Journey / IVES, C.: Variations on America (orch. W. Schuman) (Seattle Symphony, Schwarz)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2010年04月21日 NMLアルバム番号:8.559651
CD価格:1,600円(税込)
アイブズの編曲版も含めて、いかにも「アメリカ」らしい作品を3つお届けいたしますNAXOSの人気シリーズ、W.シューマンの交響曲集も今作が最終巻となります。このアルバムのメインは大編成のオーケストラを用いた交響曲第8番です。1962年10月4日にリンカーンセンターでバーンスタイン&ニューヨーク・フィルによって初演された3つの特徴的な楽章からなる作品です。ゆったりとした第1楽章は、過去のいくつかの自作を引用しながら、ハープ、ピアノを含む印象的な音色を交え少しづつ熱を帯び、金管楽器の咆哮によるクライマックスを迎えます。そのまま休みなしで続く第2楽章も、1950年作曲の弦楽四重奏曲第4番のメロディを用た息の長い旋律が歌われます。そして快活な最終楽章が続きます。ここではピアノや打楽器が縦横無尽に活躍し、多彩な音色で耳を楽しませてくれます。彼の素晴らしい管弦楽法を体感する一瞬です。モダンな響きの中にどことなく懐かしさを纏った音楽です。長大な「夜の旅」も陰鬱な音楽ではありますが、やはりどこか郷愁を誘う部分もあり、何とも魅力的な作品です。最後のアイブズの変奏曲の編曲版は原曲ともども有名です。アメリカと銘打たれていますが実はイギリス国歌。それもかなり歪曲されていますけどね・・・。
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フォーレ(1845-1924):
チェロとピアノのための音楽集 [ユースト・ベン=サッソン/スターンフィールド]FAURE, G.: Cello Sonatas Nos. 1 and 2 / Sicilienne / Elegie / Pavane / Papillon (Joost Ben-Sasson, Sternfield)
■器楽曲(チェロ) ■器楽曲(ピアノ)
発売日:2010年04月21日 NMLアルバム番号:8.570545
CD価格:1,600円(税込)
目の前でチェロとピアノが戯れる・・・、流麗だけれども捉えることは難しいエルサレム交響楽団の首席チェロ奏者、および世界的ソリストとして活躍するイナ=エスター・ユースト・ベン=サッソンの弾く味わい深いフォーレのチェロ作品集です。彼女はフルニエに学び、ベルグラード国際チェロ・コンクールで優勝し、チェリビダッケを始めとした大指揮者とも数多く共演しています。フォーレの2曲のチェロ・ソナタはどちらも晩年に書かれた独特の渋い魅力を放つ作品として知られます。時は20世紀に入り、もともと緩やかだったフォーレの調性感はいよいよ希薄となり、その響きは水面を反射する光のように移ろっていきます。彼女はそんな繊細な流れを的確に捉え、流麗さを損なうことなく淡々と音にしていくのです。良く知られた「夢のあとに」などの初期の作品の編曲集はまた違った味わいがあり、こちらもフォーレの音楽を聴く喜びに浸れます。
収録作曲家:
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ロバン(1976-):
オルガン作品集 [ロバン]ROBIN, J.-B.: Organ Music - Cercles Reflechissants / Regard vers l'Air / 3 Elements d'un Songe (J.-B. Robin)
■器楽曲(オルガン)
発売日:2010年04月21日 NMLアルバム番号:8.570892
CD価格:1,600円(税込)
17世紀のオルガンは神と語ったが、21世紀のオルガンは宇宙を語る1976年生まれの若きオルガニスト、ロバンの作品集です。演奏家としての彼の腕前はクープランの「教区のためのミサ曲」(8.557741-42)で伺い知ることができますが、作曲家としての才能に触れる事はまた違った驚きに満ちています。彼の作品は強さと詩的な情感を兼ね備えていて、オルガンの性能を知り尽くした者にしか書き得ない新しい音の構造を伴っています。2台のオルガンの音色比べも楽しい「空に目を向けよ」での力強い音のアラベスクや、カンザス大学の委嘱作である「環の反射(リフレティング・サークル)」での飽くなき音色への追求に耳をすますと、彼がどんなものをオルガンの音色で描きたいのかが理解できるでしょう。また終始ミステリアスな雰囲気の漂う「3つの夢の元素」は従来のオルガンのイメージを覆すほどの斬新な作品です。
収録作曲家:
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期待の新進演奏家シリーズ
ニコラス・アルトシュテット [アルステット/ガラルド]Cello Recital: Altstaedt, Nicolas - PIERNE, G. / d'INDY, V. / BOULANGER, N. (French Cello Sonatas)
■器楽曲(チェロ)
発売日:2010年04月21日 NMLアルバム番号:8.572105
CD価格:1,600円(税込)
柔らかな羽毛の中に潜む鋼の芯、すでに世界が注目している実力派チェリストを聴く1982年生まれのアルトシュテットは、すでにいくつかのCDもリリースしている期待の若手チェリストです。ベルガメンシチコフとゲリンガスに師事し、2005年ドイツ音楽コンクール、及びシュトゥットガルト国際チェロ・コンクール、そして2006年アダム国際コンクールなどいくつものコンクールでも優勝。その実力は誰もが認めるところです。このNAXOSでのデビュー盤はピエルネとダンディ、ブーランジェの作品を演奏しています。ロマン派と印象派の境目にあるかのようなピエルネのチェロ・ソナタ、古いフランスの舞曲形式を踏襲したダンディの作品、薄氷の上に築かれるかのような繊細な面持ちのブーランジェの作品と、同じ「フランス音楽」とひとくくりにはできないような多彩な表情を持った曲たちを、柔軟な歌い口と艶やかな音色で歌いあげてます。
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マルケヴィチ(1912-1983):
管弦楽作品全集 第4集 [アーネム・フィル/リンドン=ジー]MARKEVITCH, I.: Orchestral Works (Complete), Vol. 4 - Rebus / Hymnes (Arnhem Philharmonic, Lyndon-Gee)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2010年04月21日 NMLアルバム番号:8.572154
CD価格:1,600円(税込)
できることなら自作自演盤も聴いてみたい、天才作曲家マルケヴィチのピカレスク作品大好評のマルケヴィチ管弦楽曲集シリーズの第4作です。ここでは彼の作品の中で最も不可解で興味をそそられる2つの曲が中心です。興行師レオニード・マシーンに依頼されて作曲したにも関わらず、どうしたわけか上演されることのなかったバレエ「レブス」。そして「讃歌」と名付けられているのに、内容は極めて世俗的な作品(これはマルケヴィチの実験的な作品と言われています)です。どうしても、ストラヴィンスキーやプロコフィエフの筋肉質の音楽を想起させられますが、やはり曲に現れる独特のポリリズムと多調性はマルケヴィチならではのもの。同時多発的な音の爆発には心地良さすら感じます。
収録作曲家:
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ブランカフォート(1897-1987):
ピアノ作品全集 第5集 [オリウ/ビリャルバ]BLANCAFORT, M.: Piano Music, Vol. 5 (Villalba) - Nocturnes / Hommage a Faure / Peces petites per a mans menudes / La verge de Palau Solitar
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2010年04月21日 NMLアルバム番号:8.572220
CD価格:1,600円(税込)
静寂と隣り合わせの世界、 ひんやりとした空気の中に立ち昇る美しい和音ブランカフォートのピアノ作品全集も第5番目のリリース、こちらが最終巻となります。ピアニストのビリャルバが作曲家の遺族に直接交渉し、未出版のスコアを借り出して、この録音が実現したのです。どの作品も珍しいのですが、とりわけフォーレの作品からインスピレーションを受けたであろう「夜想曲」の美しいこと。第1番と第2番は大いなる自然への憧憬で、第1番の不明瞭な調性感は聴き手を即座に夜の世界へと引き込みます。第3番と第5番はより抽象的な世界感に支配されていて、聴き手も感覚を研ぎ澄ませなくてはいけません。第2番は若き日への懐古。第4番は諦観に支配されているようです。ある時期のブランカフォートは挫折感を味わい、自らを翼の切り取られた鳥と称しましたが、ここで聴ける彼の音楽にはどれも真の魂が宿っているように思われてなりません。
収録作曲家:
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ヘンデル(1685-1759):
オラトリオ「アレクサンダーの饗宴」 [サマン/ショッホ/フランクフルト・バロック管/マルティーニ]HANDEL, G.F.: Alexander's Feast [Ode] (Samann, Schoch, Mertens, Junge Kantorei, Frankfurt Baroque Orchestra, Martini)
■声楽曲
発売日:2010年04月21日 NMLアルバム番号:8.572224
CD価格:1,600円(税込)
本当に輝かしい英雄の物語、初演時のコヴェントガーデン劇場では1300人以上が大熱狂!ヘンデルは晩年になって精力的にオラトリオを作曲しました。この「アレクサンダーの饗宴」もそんな中のひとつです。この作品は1736年ロンドンで初演された時、1300人もの観客が大興奮したというもので、1697年ドライデンが書いたアレクサンダー大王を讃える詩が元になっています。愛と戦い、そして祝宴。これらが見事に音で表現された華やかなオラトリオです。しかし現代では、その幕間に演奏された合奏協奏曲ばかりが有名で、本来のオラトリオが演奏されることはほとんどなくなってしまいました。初演時、ヘンデルは理想的なソプラノ歌手を得るためにイギリス中を探しまわり、結果、見つけたのはアンナ・マリア・ストラーダ(ルール・ブリタニアを作曲したトマス・アーンの未来の妻)で、彼女はこの公演の成功に大きく貢献しました。このアルバムには合奏協奏曲は含まれていませんが、その曲は8.550158で聴くことができます。
収録作曲家:
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ソヴィエトとロシアのヴィオラ音楽集 [フェドトフ/ハモンド/ヴェシュアイツェル]
Viola Recital: Fedotov, Igor - KRYUKOV, V. / VASILENKO, S. / FRID, G. / KREIN, Y. / BOGDANOV-BEREZOVSKY, V. (Soviet Russian Viola Music)
■器楽曲(ヴィオラ)
発売日:2010年04月21日 NMLアルバム番号:8.572247
CD価格:1,600円(税込)
同じ国の人たちのはずなのに、どうして出来上がった音楽はこんなに違うのだろう?ほとんど耳にすることのないロシア、ソヴィエトの作曲家たちの、これまた渋いヴィオラ・ソナタ集です。通して聴いてみると各々の作曲家たちの個性の違いが際立つ面白いアルバムとなっています。これらの曲の中には、ロマン主義の叙情性とスクリャービン、ショスタコーヴィチの明らかな影響、そしてロシアらしい感傷性とわずかに感じられるフランスの空気がごちゃ混ぜになって含まれていて、それを感じ取るのがとても楽しいひと時となるに違いありません。フェドトフとヴェシュアイツェルはこれがNAXOSへのデビュー盤となります。瑞々しい才能の発見も楽しい限りです。
収録作曲家:
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ヴィルトゥオーゾ・ヴィオラ [チェイス]
Viola Recital: Chase, Roger - BENJAMIN, A. / ENESCU, G. / KODALY, Z. / JONGEN, J. / VIEUXTEMPS, H. / PAGANINI, N. / KREISLER, F. (The Virtuoso Viola)
■器楽曲(ヴィオラ)
発売日:2010年04月21日 NMLアルバム番号:8.572293
CD価格:1,000円(税込)
「ヴァイオリンでもなく、チェロでもない中間の大きさ」というイメージの付きまとうヴィオラですが、一度この音色にはまってしまうと、もう後には戻れないほどの魔力がある楽器です。特に中音域から低音域の艶やかさと、絶妙な表現力はどんな言葉を持ってしてでも表すことはできません。そんなヴィオラの魅力を存分に楽しむ1枚がこれ。もともとヴィオラのために書かれた曲と、他の楽器のために書かれた曲を聴き比べるのも楽しいでしょう。通好みの人が愛する作曲家ジョンゲンの珍しい作品も収録されています。またバッハの曲をコダーイが編曲したトラック3もオススメです。見事なヴィオラを演奏するチェイスはロンドン生まれでカナダで学んだ人。優れた室内楽プレイヤーとして世界中で絶賛されています。
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ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):
宗教的合唱曲作品集 [ケンブリッジ・クレア・カレッジ合唱団/ブラウン]VAUGHAN WILLIAMS, R.: Sacred Choral Music (Clare College Choir, Cambridge, T. Brown)
■宗教曲
発売日:2010年04月21日 NMLアルバム番号:8.572465
CD価格:1,600円(税込)
みんなが知っている穏やかな作曲家とは一味違う、荘厳で激しすぎるヴォーン・ウィリアムズの作品集ヴォーン・ウィリアムズが1921年から22年にかけて作曲したト短調ミサは彼の宗教作品の中でもとりわけ有名です。英国後期ルネッサンスの様式と、彼自身の対位法への興味が融合した大作で、無伴奏の合唱のみで歌われます。しかし、このアルバムで興味深いのは、今までほとんど顧みられることのなかったいくつかの作品です。本来はオーケストラと合唱のために書かれた「3つの合唱による讃歌」(今回はオルガン伴奏による)や、オルガンと混声合唱のために書かれた「飛行体の車輪のヴィジョン」はほとんど耳にする機会がありません。この作品は彼の友人であった聖マイケル教会のオルガニスト、ハロルド・ダークのために書かれたもので、オルガン・パートには超絶技巧が要求されています。出所は旧約聖書のエゼキエル書で、そこに書き記された謎の飛行物体についての音楽です。この物体の謎は現代でも解明されておらず、もしかしたらUFOでは? とも言われている不思議なものです。
収録作曲家:
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モーツァルト(1756-1791):
ピアノ協奏曲 第22番&第23番 [バレンボイム/バイエルン放送交響楽団/ラファエル・クーベリック]MOZART, W.A.: Piano Concertos Nos. 22, 23 (Barenboim, Bavarian Radio Symphony, Kubelik)
■協奏曲
発売日:2010年04月21日
CD価格:1,500円(税込)
この盤に収録された2曲の協奏曲は、どちらも1785年から1786年に作曲された、モーツァルト円熟期の作品です。自作の弦楽四重奏曲をハイドンに献呈したり、フィガロの結婚を作曲したり、と充実した活動を行っていた時期で、この2曲も流麗なピアノ・パートと豊かな楽想、そして起伏に富んだ構成を持つ素晴らしい出来となっています。また両曲とも、第2楽章のゆっくりとした楽章が短調で書かれていて、「モーツァルトの憂愁」も存分に感じられます。さて、バレンボイムとモーツァルトの相性の良さは誰もが知るところです。イギリス室内管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニーとの弾き振りの全集は、どちらも名演中の名演として評価されています。1970年と言えば、バレンボイムがそろそろ指揮者としての地盤固めを始めた頃のものですが、この演奏では、オーケストラの手綱をクーベリックに全面的に預け、実にのびのびとピアノを演奏するバレンボイムに出会えます。このバレンボイムとクーベリックの演奏、比較的知名度の低い第22番の冒頭から、驚くほどの緊張感と華やかさを持って立ち現れます。また両曲の特徴である、管楽器の絡み合いが実に見事。フルート、ホルン、クラリネットなどがあちこちから顔をのぞかせ、ついついスコアを再確認したくなる面白さです。第2楽章の豊かな音響、そして第3楽章の中間部のうっとりとするような部分など、聴きどころは満載です。第23番も名演!こちらは幅広く歌う第1楽章の第1主題(こちらも管楽器がすばらしい)、予想外にゆったりとしたピアノ。など、こちらも聴きどころ満載です。すでに、今までに数多くのモーツァルトを聴いてきた方も、この1枚はまた新たな発見をもってお聴きいただけることと存じます。
収録作曲家:
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リスト(1811-1886):
交響詩集 第1集(編曲 A.ストラーダル) [マリン]LISZT, F.: Symphonic Poems (Complete), Vol. 1 (arr. A. Stradal) (Marin)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2010年04月21日 NMLアルバム番号:TOCC0035
CD価格:2,600円(税込)
リストの13ある交響詩は、作曲家自身によって2台ピアノ用に編曲された版が存在しますが、こちらは彼の弟子であったストラーダルがピアノ独奏用に編曲したものです。ストラーダルはチェコのピアニストで、リストの他にブルックナーにも師事したことがあります彼の名前はリストの生涯にも度々登場し、彼自身もリストの晩年の夜想曲「夢の中に」を献呈されています。腕の立つピアニストでもあり、バッハ、ヘンデル、ブクステフーデ、そしてリストの作品を数多く編曲したようですが、その楽譜のほとんどは散逸してしまい、全貌はわかりにくくなってしまっているようです。彼の編曲は、それが管弦楽作品であろうとも、原曲の音符を全てピアノで演奏するというコンセプトに基づいたもの。当然音も厚くなり、技巧的にも困難を極めることとなります。この革命的な作品を実際に耳で聴く喜びをぜひ味わってみてください。
収録作曲家:
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ウッド(1932-):
室内楽作品集 [ロンドン大公トリオ/シルバーソーン/ヒートン]WOOD, H.: Chamber Music (The London Archduke Trio, Silverthorne, Heaton)
■室内楽
発売日:2010年04月21日 NMLアルバム番号:TOCC0075
CD価格:2,600円(税込)
1932年、ランカシャー生まれのヒュー・ウッドは、現代イギリスの最も有名な作曲家の一人です。彼の音楽は叙情性豊かな上品さと、力強い表現力を併せもつものです。確かに前衛的な音楽ですが、決して聴きにくいものではなく、たとえば「楽園の鳥によるパラフレーズ」などは、まるでメシアンの作品のような色彩感を有しています(ただし、メシアンのような陶酔感はなく、飽くまでも現実的な響きに終始します)。彼は交響曲などの大規模な曲よりも、室内楽曲のような凝縮された形式を好み、ここに収録された6つの作品もどれもパワフルで多彩な表現を持って書かれています。1958年に書かれたOp.1の「変奏曲」から2005年作曲のピアノ三重奏のための序曲まで、ほぼ50年間の軌跡を追うことで、この英国の作曲家の足跡を辿れるのではないでしょうか。
収録作曲家:
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トッホ(1887-1964):
舞踏組曲/チェロ協奏曲 [ポルテラ/キャロル]TOCH: Tanz-Suite / Cello Concerto
■協奏曲 ■室内楽
発売日:2010年04月15日 NMLアルバム番号:8.559282
CD価格:1,600円(税込)
収録作曲家:
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ローテ(1653-1700):
マタイによるイエス・キリストの受難の書(マタイ受難曲) [カントゥス・チューリンギア/クラップロット]ROTHE, J.C.: St. Matthew Passion (Klapprott)
■宗教曲
発売日:2010年04月07日 NMLアルバム番号:777554-2
2CD価格:4,890円(税込、送料無料)
歴史の中に埋もれてしまった名作を積極的に発掘することに意欲を燃やすcpoレーベルの、また新たなシリーズが始まります。“MusikerbeThuringen(チューリンゲンの音楽的遺)”と題されたこのシリーズの第1作目は、中部ドイツに残存する最も古いと思われる「マタイ受難曲」です。作曲家ローテに関する情報は、「ロスヴァインのカントールであった父と、ゾンダースハウゼンのオルガニスト、ルードヴィッヒ・ゲルバーに音楽の教えを受け、作曲家、ヴァイオリニストとして活躍した」くらいしか残っていません。彼の書いた「マタイ」の音楽語法は、恐らく当時のチューリンゲンのスタイルの典型的なものであったであろう、と考えられます。ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、そして通奏低音(ここではオルガン)の簡素な響きと、決して声を荒げることのない歌手たちの歌は、ひしひしと胸に迫ってきます。最後の合唱の澄み切った美しさは感涙ものです。
収録作曲家:
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アイヒナー(1740-1777):
交響曲集 ― Opp.5・6・7・11 [ラルテ・デル・モンド/エールハルト]EICHNER, E.: Symphonies - Opp. 5, 6, 7, 11 (L'Arte del mondo, Ehrhardt)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2010年04月07日 NMLアルバム番号:C5021
CD価格:2,600円(税込)
収録作曲家: