2006年
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トゥリーナ(1882-1949):
ピアノ作品集 第3集 ~ セビーリャ Op.2
スペインの女たち Op.17/セビーリャの女たち Op.89 [マソ]TURINA, J.: Piano Music, Vol. 3 (Maso)- Seville / Spanish Women / Women of Seville
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2006年12月01日 NMLアルバム番号:8.557684
CD価格:1,900円(税込)
情熱的なスペイン女性のポートレート先輩格のアルベニスやグラナドスのものと比べると、やや知名度で負けていますが、数多く遺されたトゥリーナのピアノ曲も、スペイン・ピアノ音楽の至宝の一つというべきものでしょう。当盤ではスペインとともに、「女性」が特定の人物というよりも、様々な「スペインの女性」が、情熱的・官能的に、高度なピアニズムを駆使した音画として描かれていきます(トゥリーナは、巨匠モシュコフスキーにもピアノを学んでいます)。NAXOSで多くのスペイン音楽を録音している、カタルーニャ出身のホルディ・マソによる演奏は、とりわけ叙情的なムードの表出において、素晴らしいものがあります。
収録作曲家:
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ペンデレツキ(1933-2020):
交響曲 第7番 「イェルサレムの7つの門」 [ワルシャワ・フィル/ヴィト]PENDERECKI, K.: Seven Gates of Jerusalem, "'Symphony No. 7" (Warsaw Philharmonic, Wit)
■交響曲/管弦楽曲 ■声楽曲
発売日:2006年12月01日 NMLアルバム番号:8.557766
CD価格:1,900円(税込)
新ロマン主義の感動的大作は七尽くし前衛の旗手としても活躍したことのあったベンデレツキですが、やがて誰の耳にも「分かり易い」新ロマン主義に傾倒します。この朗読、声楽つきの大作、交響曲第7番もそういった路線で、声という楽器の持つエモーショナルな表出力を存分に活かしながら、表題に掲げられている内容を、壮大に歌い上げていきます。前衛時代を思わせるような鋭い響きを随所に挟み込みますが、あたかも後期ロマン派を思わせるような感覚です。また、題材も7に絡めば、楽章の数も7、7音の動機も登場する、七尽くしもこの曲の特色ですが、なんと第6番を完成させる前に、この第7番を書き上げたというのだから、念が入っています。
収録作曲家:
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ヴァンハル (1739-1813):
ヴァイオリン協奏曲集 [西崎崇子]VANHAL: Violin Concertos in G major, B flat major, and G major
■協奏曲
発売日:2006年12月01日 NMLアルバム番号:8.557815
CD価格:1,900円(税込)
あのモーツァルトも弾いた曲ハイドンとほぼ同時代、すなわち音楽家が王侯貴族の庇護の下で生計を立てていた時代にあって、史上初のフリーランス音楽家であったといわれるヴァンハルのヴァイオリン協奏曲です。いずれの曲も、過剰な名人芸に耽るというよりも、協奏的な魅力のツボは押えながらも、優雅さが前に出ている、といった作風になっています。また、変ロ長調の1曲には、モーツァルトがソリストとして演奏したという記録が残っているということでも注目されます。現在の知名度に反して、いかに彼が人気のあった作曲家であったか、同時代の音楽家か高く評価されていたかを示すエピソードといえるでしょう。
収録作曲家:
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ワーグナー(1813-1883):
楽劇「ワルキューレ」 [フルトヴェングラー - 録音:1954年]WAGNER: Walkure (Die) (Modl, Rysanek, Furtwangler) (1954)
■オペラ
発売日:2006年11月01日 NMLアルバム番号:8.111056-58
3CD価格:3,900円(税込、送料無料)
数多い録音が残されながらも、フルトヴェングラーは録音に重きを置く指揮者ではありませんでした。しかし1952年に収録した「トリスタンとイゾルデ」を聴き、ようやくスタジオ録音の価値を認識し、やがてHMVプロデュースの元、ウィーン・フィルと共に「ニーベルングの指環」の全曲録音に着手します。しかしこのワルキューレを録音した後、病に倒れ、その夢は叶わぬものとなりました。死の直前のものとはいえ、彼のトレードマークである緩急をつけた脈動感あふれる演奏は健在で、うなりをあげんばかりの「騎行」のスリリングさは、ワルキューレの録音史において、永遠に名を残すものでしょう。
収録作曲家:
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グラナドス(1867-1916):
3つのギターのための編曲
ゴイェスカス ~ 恋をするマホたち
わら人形 [トリオ・カンパネッラ]GRANADOS: Goyescas / El Pelele (arr. for 3 guitars)
■器楽曲(ギター)
発売日:2006年11月01日 NMLアルバム番号:8.557709
CD価格:1,900円(税込)
やっぱりスペインにはギターがよく似合うグラナドスのピアノ曲の最高峰ともいわれる「ゴイェスカス」。複雑で華麗なピアニズムを誇るこの曲集を、3つのギターに編曲してみた、というのが当盤ですが、やはりスペイン音楽にはギターがよく似合います。ノリの良い曲、しっとりとした曲、それぞれが持ち味をいささかの不自然さもなく発揮してると申せましょう。「ゴイェスカス」番外編として、共に親しまれている「わら人形」が、ちゃんとセットで編曲されているもの、何とも嬉しいところです。同じくスペイン・ピアノ音楽の真髄として親しまれている、アルベニスの「イベリア」による同趣向1枚(8.557064)とともにお楽しみください。
収録作曲家:
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イギリス弦楽小曲集 第6集 [ロイヤル・バレエ・シンフォニア/ロイド=ジョーンズ]
ENGLISH STRING MINIATURES, Vol. 6
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2006年11月01日 NMLアルバム番号:8.557753
CD価格:1,900円(税込)
思わず愛してしまうミニアチュールの宝箱イギリスの弦楽作品のシリーズは、どの作品を聴いても、思わず好きになってしまう魅力でいっぱいの宝箱。大言壮語だけが音楽ではないのです。ホルスト、パーセル、ウォーロックといった英国を代表する作曲家の作品をお薦めするのはもちろんですが、他のラインアップにもご注目を! とろけるような美しい旋律をたたえた5。何だか嬉しくなっちゃうカースの組曲。風光明媚な田園風景を想起させるカーの小品。ミュージカルで有名なアンドルーの父にあたるウィリアム・ロイド・ウェッバーの洒落たワルツ。セインズベリーの内省的な夜想曲。リプキンの組曲は少々難解ですが、ヴィヴァルディの「四季」を引用しています!
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ピアノ独奏によるベートーヴェン交響曲全集
(リスト編曲)LISZT: Beethoven Symphonies Nos. 1-9 (Transcriptions)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2006年10月01日
5CD価格:4,200円(税込、送料無料)
世界でもトップレベルのテクニックを誇るコンスタンティン・シチェルバコフ。NAXOSレーベルでのショスタコーヴィチやMARCO POLOレーベルでのゴドフスキーなどマニア垂涎のアイテムを次々と繰り出す鬼才です。このリストが編曲したベートーヴェンの交響曲は、かのカツァリスの全曲録音で爆発的な知名度を得たのですが、それ以降、なかなか他のピアニストが手を出さない不思議な領域としても知られています。 さてリストの編曲について。 数多くの作品を自らの言葉に編曲し続けたリストですが、この交響曲に関しては、原曲の持ち味を損なうことなく巧妙にオーケストラの響きをピアノに置き換えています。1番や2番は曲自体が小ぶりなこともあって、軽妙さが際立つものとなっていますが、大規模な3番になると、その凄さに舌を巻く他ありません。たった1台のピアノから繰り出される音色の多彩さ、そして各々の楽章の性格付け。オーケストラの必要性を感じなくなってしまうかもしれません。 コミックで人気になった第7番も聴きどころ。主人公が演奏したとしたら面白いだろうな。と想像するのも楽しいでしょう。 圧巻は第9番です。合唱まで含めてピアノ1台で演奏してしまうという無謀な試み。もちろんシチェルバコフは文句なく演奏し、編曲芸術のきわみをまざまざと見せつけてくれるのです。
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ギボンズ(1583-1625):
教会讃美歌集 [トーヌス・ペレグリヌス/ピッツ]GIBBONS, O.: Hymnes and Songs of the Church (Tonus Peregrinus, Pitts)
■声楽曲
発売日:2006年10月01日 NMLアルバム番号:8.557681
CD価格:1,900円(税込)
声楽曲から器楽曲まで幅広く活躍し、かのグレン・グールドも愛した作曲家ギボンズ。当盤は、教会や家庭で歌われる用途のため、1623年に出版された「教会の讃美歌集」に含まれるギボンズの旋律を全て取り上げるだけでなく、指揮のピッツらが改めて和声を付けたりダブルベースを付加したりするなどの編曲を施し、更にオリジナル作品(突然に現代風になったりして驚かされます!)を挿入して、曲順も再構成。ギボンズの美しい音楽を独自の視点でリフレッシュしてお届けします。トヌス・ペレグリヌスの演奏は、いつものように惚れ惚れする美しさ。家庭でも歌えそうな単純な曲に奥深さを与えています。
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ペルト(1935-):
無伴奏合唱のための作品集 [エローラ・フェスティバル・シンガーズ/エジソン]PART: Music for Unaccompanied Choir
■合唱曲 ■現代音楽
発売日:2006年10月01日 NMLアルバム番号:8.570239
CD価格:1,900円(税込)
この美しい響きの前では、沈黙あるのみ静謐で研ぎ澄まされた音を使用することでガッチリと現代人の心を掴んだエストニア出身の作曲家ペルト。彼の宗教的合唱曲は幾つディスクを集めても良いものです。どの曲も似ているのに、少しずつ違う。常に共通するのは、聴き手が思わず耳に全神経を集中させてしまう、沈黙が支配する音空間。その緊張感がたまりません。比較的規模が大きい「勝利の後で」は、ペルト作品としては明るく力強さがあり、演奏会用のレパートリーとしても好まれています。エジソン率いるカナダの混声合唱団の明るめの響きが、曲の美しさを最大限に引き出してくれる快演。合唱ファンのみならず広くお薦めします。
収録作曲家:
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ホルスト(1874-1934):
組曲「惑星」
ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):
交響曲 第4番 [ロンドン響/ホルスト/BBC響/ヴォーン・ウィリアムズ]HOLST: Planets (The) (Holst) / VAUGHAN WILLIAMS: Symphony No. 4 (Vaughan Williams) (1926, 1937)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2006年09月01日 NMLアルバム番号:8.111048
CD価格:1,900円(税込)
質実剛健なる響きにおおわれた太陽系クラシック音楽には稀な「宇宙」をモチーフとした組曲である「惑星」。現代の宇宙のイメージが反映されてか、スペクタクルな映画音楽的要素が盛り込まれている演奏が多いですが、ホルストの自作自演を聞くと、彼はこの組曲を音楽としてむしろ思索的で堅牢なイメージを描いていたのではないかと思われます。「木星」といえども決してけばけばしくならず、きりっと抑えたものとなっています。対照的に、RVWによる自作自演の4番は極めて劇的な色調を持つ演奏で、長らくこの作品の録音の傑作と評価されてきたものです。第1・2次世界大戦の間の不安な世相を反映したともいわれる、あまり取り上げられることのない4番が、作曲者自身の演奏で残されているのは極めて幸運ともいえましょう。
収録作曲家:
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ライネッケ(1824-1910):
ハープ協奏曲/フルート協奏曲
バラード [スウェーデン室内管/ガロワ]REINECKE: Flute Concerto / Harp Concerto / Ballade
■協奏曲
発売日:2006年09月01日 NMLアルバム番号:8.557404
CD価格:1,900円(税込)
保守派には保守派の良さがある長命、多作、保守的作風の三つを併せ持つ作曲家に対する評価は、どうも芳しくなくなりがちです。ライネッケはそんな風潮の最大の犠牲者の一人で、しばしの間、聴く者の心を健全な幸福感で満たしてくれる、均整の取れた音楽の美しさはもっと評価されてしかるべきでしょう。ハープ協奏曲もフルート協奏曲も、両独奏楽器の機能は最大限に活され、聴き応えは十分な一方で、扇情的な名義主義の陥穽は巧みに避けられており、あくまでも品の良い、純音楽的な趣味の良さで勝負する、ライネッケ流の魅力で満ちています。巨匠ガロワがフルート独奏に、指揮に、楽譜校訂にと八面六臂の大活躍なのも、当盤の魅力の一つです。
収録作曲家:
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リスト(1811-1886):
〈ピアノ作品全集 第23集〉
ベートーヴェン 交響曲第7番・第8番(ピアノ編曲) [シチェルバコフ]LISZT: Beethoven Symphonies Nos. 7 & 8 (Transcriptions) (Liszt Complete Piano Music, Vol. 23)
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2006年09月01日 NMLアルバム番号:8.557856
CD価格:1,900円(税込)
ピアノの鬼神ならでは意訳が面白すぎ!ピアノ編曲は数多くありますが、原曲と編曲者の大物度が突出しているベートーヴェン/リストの交響曲全9曲は、編曲の王様というにふさわしい存在です。当盤収録の第7、8番は、その中でも独創的な書法が冴え渡るユニークな名編曲と申せましょう。第7番では、哀感を表出しながらも、積み重なる多声部を巧妙に処理する第2楽章や、オーケストラでは埋もれてしまうような内声が、粒立ち良く響いて推進力となっていく終楽章が、とりわけ見事です。また小振りながらも、原曲自体に特異な書法も目立つ第8番は、原曲の音型をピアニスティックなそれに大胆に置換する「意訳」が随所で光っており、リストのアイデアマンぶりが発揮されています。
収録作曲家:
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期待の新進演奏家リサイタル・シリーズ
シモーネ・ラムスマ(ヴァイオリン)
エルガー作品集 [エルガー作品集]Violin Recital: Simone Lamsma
発売日:2006年09月01日 NMLアルバム番号:8.557984
CD価格:1,900円(税込)
若き才媛たちの熱演で楽しむ、貴族的な調べ知る人ぞ知る名曲というのも過去形か、登場曲のマニアックな選択でも知られる、音大を舞台にした人気少女コミックにも取り上げられて、一躍注目度が上がったのが、エルガーのヴァイオリン・ソナタです。この曲で味わうことのできる、凛とした気品を湛えた憂愁美は比類のないもので、まさにエルガー以外ではありえない、絶品と申せましょう。有名な「愛のあいさつ」や「気まぐれな女」も、こうして他の作品と並べて聴いてみると、改めてエルガーらしいノーブルな美しさがたっぷり詰まっていることに、改めて気づかされます。日蘭の若い才媛の共演による爽やかで情熱的な演奏も、エルガー作品との相性は抜群です。
収録作曲家:
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ブラームス(1833-1897):
ピアノ作品集 [バックハウス - 録音:1932年-1936年]BRAHMS: Solo Piano Works (Backhaus) (1932-1936)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2006年08月01日 NMLアルバム番号:8.111041
CD価格:1,900円(税込)
1927年に全曲録音したショパンの練習曲に代表されるように、当初バックハウスはシューマン、リストを含む広いレパートリーの持ち主でした。やがてブラームス、ベートーヴェンを中心とするドイツものに集中するようになり、これらは揺るぎない評価を今でも保っています。ショパンなどを弾いていた頃から、彼の演奏スタイルは堅実で無駄な虚飾を排するオーセンティックなものでしたが、決して譜面の呪縛にとらわれたものでも無味乾燥なものでもなく、一種の「語り口」を持った説得力のあるものでした。これらブラームスの小品、わけてもOp.76-2においては、バックハウス=重厚壮大という先入観を打ち破る、独特の軽みが聴かれます。
収録作曲家:
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ヴェルディ(1813-1901):
歌劇「アイーダ」全曲 [ミラノフ/ビョルリンク - 録音:1952年]VERDI: Aida (Milanov, Bjorling, Perlea) (1955)
■オペラ
発売日:2006年08月01日 NMLアルバム番号:8.111042-44
3CD価格:3,900円(税込、送料無料)
前にも後にもない、「ドラマティコ」の風吹きすさぶ「アイーダ」声質は澄み、厚みがあり、ピアニシモから一気に膨らみ上がる強烈なフォルテシモ。その劇的な表現力を持つミラノフは、まさにドラマティコ中のドラマティコ・ソプラノの名花でありました。2幕最終場でのハイEsへの跳躍こそないにしろ、彼女のゆらぎのない声は合唱を圧倒し、高らかに響きわたります。胆力あふれるウォーレンに、「永遠の青年」の美声を持ったビョルリンク、加えてクリストフが集うという、当時としては最高のメンバーによる、最強の「アイーダ」です。ボーナス・トラックの「仮面舞踏会」もハイライトながら聞き所満載。若きピーターズがリリックでユーモラスな歌声を披露しています。
収録作曲家:
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ダウランド(1563-1626):
リュート作品集 第1集 [ノース]DOWLAND, J.: Lute Music, Vol. 1 (North) - Fancyes, Dreams and Spirits
■器楽曲(リュート)
発売日:2006年08月01日 NMLアルバム番号:8.557586
CD価格:1,900円(税込)
リュートの典雅な響きと共に安らぎのひとときを過ごす幸福ダウランドは今日でも特に尊敬され、その作品が演奏され続けるルネッサンスの作曲家です。シェークスピアの同時代人である彼の音楽は、存命当時から賞賛されたのです。約百曲におよぶリュート独奏のための作品集こそ代表作で、当盤はリュート曲全集の第1集となります。ダウランドの音楽には、人間の幅広い感情が表現され、知性や気品に溢れています。旋律の妙、対位法の駆使、半音階の大胆な使用など、優れた作曲技術の裏打ちがあるからこそ。7曲のファンタジー(あるいはファンシー)は特に見事です。こういう音楽をBGMで流して、リュートのシンプルで典雅な響きに身を浸す幸福に酔えるディスクです。
収録作曲家:
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イギリス弦楽小曲集 第5集 [ロイヤル・バレエ・シンフォニア/ロイド=ジョーンズ]
ENGLISH STRING MINIATURES, Vol. 5
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2006年08月01日 NMLアルバム番号:8.557752
CD価格:1,900円(税込)
素朴な舞曲をしなやかな弦の調べで室内楽ともフル・オーケストラとも違った魅力を持つ弦楽合奏ですが、クラシック音楽全体の中では、それほどメジャーなジャンルではありません。しかし、この隙間産業発揚に熱心なのがイギリスです。素朴な民謡や古典的な舞曲の形式を利用しながら、気品豊かな、しかし決して肩の凝ることのない、名品、佳品の宝庫となっています。当盤はアイアランドを除けば、どちらかといえば知名度の低い作曲家の作品が多くなってますが、ウェーベルンの弟子にして、高名なリスト学者(作品整理のためのサール番号が有名)でもある、ハンフリー・サールの編曲作品が聴けるなど、興味深い出会いがあると申せましょう。
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アイアランド(1879-1962):
弦楽四重奏曲集 [マッジーニ四重奏団]IRELAND: String Quartets Nos. 1 and 2 / The Holy Boy
■室内楽
発売日:2006年08月01日 NMLアルバム番号:8.557777
CD価格:1,900円(税込)
修行時代の素晴らしい成果、純ロマン派風四重奏曲20世紀に活躍しながらも、耳に優しい調性音楽を書き続けたアイアランドですが、早くに両親が亡くなるなど、幼少期には苦労を重ねています。しかし才能は身を助けるもので、14歳にして王立音楽学校に入学します。その修行時代に書かれたのが、この2曲の弦楽四重奏曲です。後年の個性はあまり芽生えていませんが、ブラームスやメンデルスゾーン、あるいはベートーヴェンを思わせるような、ロマン派系の楽曲としての出来栄えはなかなかです。残念ながら、後年になって彼はこのジャンルに戻ってきませんでしたが、唯一ピアノ曲からの編曲として「聖なる少年」があります。こちらでは、彼らしい民謡風の美しい旋律を堪能することができます。
収録作曲家:
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グレート・ギタリスト・シリーズ
アンドレス・セゴビア
1946年ニューヨークおよび1949年ロンドン録音集 [セゴビア - 録音:1949年]SEGOVIA, Andres: 1946 New York and the 1949 London Recordings (The) (Segovia, Vol. 2)
■器楽曲(ギター)
発売日:2006年07月01日 NMLアルバム番号:8.111088
CD価格:1,900円(税込)
大バッハをギターの世界に取り入れたセゴビアの功績ギターを独奏楽器としての高い位置に引き上げた功績のほか、セゴビアの偉業として印されるものに、大バッハの編曲が挙げられます。35年に「シャコンヌ」を初演したときは、批判の対象にもさらされましたが、彼の編曲の巧みさ~ギターの慣用的な書法を適用しながら、オリジナルの持つ曲想を壊すことなく移行した編曲技術~に加え、彼の演奏が深い音楽性に裏打ちされていたことから、次第に高く評価されるようになり、ギターの重要なレパートリーとして確立されました。このCDに収録されているのは彼が残した2種類の録音のうち、より集中力に勝るとされているSP時代のものです。
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ヴァイス(1687-1750):
リュートのためのソナタ集 第7集 [バルト]WEISS, S.L.: Lute Sonatas, Vol. 7 (Barto) - Nos. 15, 48
■器楽曲(リュート)
発売日:2006年07月01日 NMLアルバム番号:8.557806
CD価格:1,900円(税込)
ヴァイスは没年が大バッハとぴったり重なったわけですが、当盤に聴くソナタ「第15番」は、音楽の実質もバッハ的と言えるでしょう。冒頭の朗々とした「アルマンド」から、まるでバッハの無伴奏チェロ組曲を聴いているかのような感触があります。最晩年作の「第48番」は、当時としては珍しい嬰ヘ短調という調性を採用し、演奏技巧的にも極めて難しく、そして流れるような美しさを持つ作品に仕上がっています。スカルラッティの鍵盤ソナタにも比肩しうる名作と言えるでしょう。バートの演奏は常に見事、録音状態も良好です。
収録作曲家:
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ストライク・アップ・ザ・バンド(マーチ名曲集) [スウェーデン王立空軍軍楽隊/ヨハンソン]
STRIKE UP THE BAND!
■吹奏楽
発売日:2006年06月01日 NMLアルバム番号:8.557545
CD価格:1,900円(税込)
世界のマーチ名曲てんこ盛りで気分爽快!これは文句無しに楽しい! 聴けば気分爽快! イェーテボリを拠点に活躍するスウェーデンの吹奏楽団による、世界中のマーチの名曲集です。古くはシューベルトの「軍隊行進曲 第1番」から網羅。日本の体育行事でお馴染みの「旧友」・「双頭の鷲の旗の下に」・「ボギー大佐」・「錨をあげて」、映画で有名になった「ダムバスターズ」、ミュージカル・ナンバーの「ストライク・アップ・ザ・バンド」、モンティ・パイソンのコメディ番組で使われた「自由の鐘」、モスクワのラジオ放送愛聴者にはお馴染みの「モスクワへの挨拶」、ベルリンフィルの野外演奏会で必ず登場する「ベルリンの風」など、名曲が並びます。「これはこういう題名だったのか」と発見する曲もあることでしょう。超有名曲だけではない選曲が嬉しいではありませんか。
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ラター(1945-):
子供たちのミサ曲
シャドウズ/結婚の賛美歌 [ケンブリッジ・クレア・カレッジ聖歌隊/ブラウン]RUTTER: Mass of the Children / Shadows / Wedding Canticle
■合唱曲 ■キッズ
発売日:2006年06月01日 NMLアルバム番号:8.557922
CD価格:1,900円(税込)
聴く者を幸せにする旋律で音楽を埋め尽くす作曲家現代英国の作曲家ラターの音楽が世界中の合唱団で歌われている理由は簡単、彼の音楽は、聴く者を幸せにする旋律で埋め尽くされているからなのです。少年の頃、ブリテン「戦争レクィエム」の世界初録音に参加した体験から、大人と子供の声を混合させ、レクィエムではなく、より喜ばしい作品を書きたいという動機から生まれたのが「子供たちのミサ曲」。伴奏に2版あり、当盤では室内管弦楽+オルガン版を使用。「結婚の賛美歌」はタイトル通り結婚式に使われるために書かれた、静かな感動を秘めた逸品。嬉しいカップリングが録音時ラター唯一の歌曲集「シャドウズ」。バリトンとギターでシンプルに人生の儚さを描きます。
収録作曲家:
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グレート・ギタリスト・シリーズ
アンドレス・セゴビア
1944年 アメリカ録音集 [セゴビア - 録音:1944年・1949年]SEGOVIA, Andres: 1944 American Recordings (The) (Segovia, Vol. 1)
■器楽曲(ギター)
発売日:2006年05月01日 NMLアルバム番号:8.111087
CD価格:1,900円(税込)
カザルス、クライスラーの讃辞なくとも歴史に残る、偉大なギタリストカザルスがチェロを独奏楽器として高い位置に引き上げたのと同様、セゴビアはギターをクラシカルな芸術性高い独奏楽器に推し進めました。タルレガや自分自身の手による編曲によってクラシカルな曲を演奏会にとり入れる等、レパートリーの拡大はもちろんのこと、楽器としてのギターそのものにも職人と共に改良を加え、現代使われている形にしたのもセゴビアの功績によるものです。従来主流だった指の腹で弾く奏法に変え爪で弦をはじく奏法を用い、左手の魔術ともいうべき彼独特のビブラートをかけることで、微妙な節回しのかかったメロディーの歌わせ方を得意としました。
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ゴベール(1879-1941):
フルート作品全集 第3集 [ピンカス/スミス]GAUBERT: Works for Flute, Vol.3
■室内楽 ■オペラ
発売日:2006年05月01日 NMLアルバム番号:8.557307
CD価格:1,900円(税込)
フルーティスト・コンポーザーならではの優美な世界ゴベールの知名度は、どちらかといえばフルート関係者限定に留まってしまっているのではないでしょうか。しかしその作品たちは、フォーレやドビュッシーの甘口系の作品に通ずる、甘美でロマンティックな楽想の宝庫ともいえ、もっと広く知られてしかるべきだけの魅力が備わっています。例えば「平原の夕暮れ」は、ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」と冒頭がそっくりですが、その後の展開にも、この有名曲に負けないだけの美しさがあると申せましょう。12曲収録されている編曲集は、いずれも「ひねりのない」ストレートなものですが、有名な旋律をそのままフルートで奏することで、この楽器の魅力を純粋に伝える結果となっています。
収録作曲家:
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アルゼンチンのギター音楽集 第2集 [ビジャダンゴス]
GUITAR MUSIC OF ARGENTINA, VOL. 2
■器楽曲(ギター)
発売日:2006年05月01日 NMLアルバム番号:8.557658
CD価格:1,900円(税込)
クラシカル・ギターのかっこいいレパートリーの宝庫アルゼンチン出身で来日経験もあるギタリスト、ビリャダンゴスによる、アルゼンチンのギター音楽名曲集の第2集。第1集(8.555058)も併せてお楽しみください。とにかくかっこいいレパートリーがいっぱい。シネシの代表作「開かれた空」。母のような優しさに溢れたモスカルディーニのワルツ。ピアソラの死を悼むプホールの曲集、様々なギター演奏技巧で理屈抜きに耳を楽しませてくれる奏者ビリャダンゴスの自作自演曲やサンティジャンの練習曲。シンプルな第2楽章に代表される独特のセンチメンタリズムと力強さが同居するグァスタビーノの「ソナタ」。なかなか聴けない、優れた選集になりました。
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ブラームス(1833-1897):
4手のためのピアノ作品集 第15集
交響曲 第3番・第4番 [ケーン/マティース]BRAHMS: Four-Hand Piano Music, Vol. 15
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2006年05月01日 NMLアルバム番号:8.557685
CD価格:1,900円(税込)
2台ピアノでも雄大に響くシンフォニー多くの自作オーケストラ曲、室内楽曲を、1台4手、あるいは2台4手用にピアノ編曲したブラームス、おかげで等シリーズも独奏曲集をはるかに上回る枚数に到達していますが、交響曲第3、4番はついに2回目の登場です。当盤は2台ピアノによる演奏ですが、絶対的なダイナミックレンジや音色の多彩さでは、もちろん原曲に及ばないものの、なかなかスケール感に富んでおり、十分に音楽的で雄大な味わいが楽しめます。編曲技法も巧みで、楽曲の細部の面白さを拾い上げると同時に、微妙なピアノ的な楽想への書き換えも見られ、興味は尽きません。同じ奏者達による連弾版(8.554117、8.554822)との聞き比べもぜひどうぞ。
収録作曲家:
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ベルリーニ(1801-1835):
歌曲集 [オニール]BELLINI: Songs
■声楽曲
発売日:2006年05月01日 NMLアルバム番号:8.557779
CD価格:1,900円(税込)
ベルリーニの小宇宙たる歌曲、悪い筈がありません!30数年という短い生涯で、ベルリーニが築いたオペラでの名声は揺るがしようのないものです。その歌曲ですから、これは期待通り、彼の音楽の小宇宙なのです。12歳の頃に書かれたトラック2「蝶々」から、晩年のパリ時代の作品で、ショパンのピアノ曲「バラード第1番」の冒頭にも似た、特徴ある序奏で始まるトラック12「捨てられたわが身」まで、生涯に渡り創作された歌曲たち。規模が最も大きいトラック8「帰れ、いとしのフィリッデよ」が持つ音楽の力は、一度聴いただけで大きな感銘をもたらす、まさにオペラのスケッチ的な傑作。
収録作曲家:
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アルウィン(1905-1985):
交響曲第4番/弦楽のためのシンフォニエッタ [ロイヤル・リヴァプール・フィル/ロイド=ジョーンズ]ALWYN: Symphony No. 4 / Sinfonietta
■交響曲/管弦楽曲
発売日:2006年04月01日 NMLアルバム番号:8.557649
CD価格:1,900円(税込)
ここにも英国のお家芸、弦楽合奏の名作が!映画音楽と純クラシックの両分野で数多くの作品を生み出したアルウィン。交響曲第4番は、そんな経歴の彼の作品らしく、「往年の名画」的世界が、シリアスなクラシックの装いを纏って展開されており、随所に壮大な響きを聴くことができます。そして、弦楽のためのシンフォニエッタもまた、圧倒的です。ベルクのオペラ「ルル」からの引用を含んでいますが、12音技法によって書かれているわけではありません。しかし、全体に半音階的な動きが多く、20世紀的な鋭い音のぶつかりも見せつつ、ロマンティックな感情の動きを伝える傑作といえましょう。中間楽章と両端楽章の静と動のコントラストも見事の一言につきます。
収録作曲家:
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イギリス・テューバ協奏曲集 [ヴォーン=ウィリアムズ/グレグソン/ステップトー]
BRITISH TUBA CONCERTOS
■協奏曲
発売日:2006年03月01日 NMLアルバム番号:8.557754
CD価格:1,900円(税込)
秘められた独奏楽器としての可能性が全開!オーケストラやブラスバンドの華やかなスポットライトの片隅で、低音を地道に支え続けるテューバですが、表舞台に引っ張り出しても、立派に主役を務められることを証明するのが当盤です。巨匠ヴォーン・ウィリアムズが、なんと82才時にこういった作品を手掛けていたのには驚かされますが、とりわけ第2楽章の詩情豊かさ、旋律の美しさは素晴らしく、思わず溜息が出てしまいそうなほどです。その他では、グレグソン作品が大変に親しみやすい傑作で、いかにもイギリスらしい温和さと、ゴキゲンといった言葉がぴったりのノリの良さが持ち味です。特にジャズ的な要素も顔をのぞかせる第3楽章は、愉悦の極みといえましょう。
収録作曲家:
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大木 正夫(1901-1971):
交響曲 第5番「ヒロシマ」
日本狂詩曲 [新日本フィル/湯浅卓雄]OHKI: Japanese Rhapsody / Symphony No. 5, 'Hiroshima'
発売日:2006年03月01日 NMLアルバム番号:8.557839
CD価格:1,900円(税込)
原爆の惨禍を決して忘るまい。戦後60年を経て甦る交響曲大木正夫(1901-71)はベートーヴェンを愛し、音楽が民衆の幸福に貢献できると信じた、信念の人でした。そしてまた、早坂文雄が「情熱の人」「ロマンティスト」と評した作曲家でもありました。戦前の楽壇においてはワインガルトナー賞を受賞するなど大きな業績を残しましたが、現在はわずかにカンタータ「人間をかえせ」が知られるのみになっています。 1953年に発表された「ヒロシマ」は、第6番まで存在する大木の交響曲の中でも、極めて特異な性格を持つ大作。丸木位里・俊夫妻による連作「原爆の図」に寄せて作曲された、8つの楽章からなる大木の「展覧会の絵」とも言える作品です。全編を覆う陰鬱な不協和音、激烈なトーンクラスター、うつろな旋律。ロシアで演奏された際にペンデレツキに影響を与えたとも言われるこの「ヒロシマ」は、当時の日本からすれば、異常な先進性を持った作品と言えます。恐怖と怒りの音響の中に私たちは耳ざわりのよい旋律を探しますが、大木はそれを許しません。いかなる理由によってもヒロシマに「救い」などありえなかったのだと、作曲家は考えたのかもしれません。同時収録された底抜けに明るい「日本狂詩曲」との著しい対照には驚かされますが、大木は本来、情熱的で直截的な作曲家。それが「ヒロシマ」のような作品を書かなければならなかった事実に、いっそう強く胸を打たれます。 新日本フィルはこれがNAXOS初登場。湯浅卓雄の大胆なタクトの下、素晴らしく切れのあるアンサンブルを披露しています。記念碑的世界初録音!
収録作曲家:
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ショパン(1810-1849):
コルトーのSP録音集 第1集
24の前奏曲 [コルトー - 録音:1926年-1950年]CHOPIN: 24 Preludes / 3 Impromptus (Cortot, 78 rpm Recordings, Vol. 1) (1926-1950)
■器楽曲(ピアノ)
発売日:2006年02月01日 NMLアルバム番号:8.111023
CD価格:1,900円(税込)
熱烈なワグネリアンであり、詳細な分析を施した校訂の楽譜を出版させたコルトーは、実は非フランス的なピアニストでもありました。いわゆるフランス流派のピアニストが、粒のそろった音質で、ややドライなタッチで精妙に弾き、あまり感情の起伏を投入しないという流儀であったの対し、コルトーは大胆なルバート、アゴーギク、デュナーミクを持って独自の解釈を披露したのでした。その源泉がワーグナー信奉から発しているとも言えますが、あくまでもそれらの要素が過多にならず、一定の抑制が利いているところは、やはりフランス人の明晰性ならではとも言えるでしょう。この盤のショパンは、まだ技巧的に破綻をきたしていない、脂ののりきった頃の演奏です。
収録作曲家:
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シェーンベルク(1874-1951):
6つの無伴奏混声合唱曲
弦楽四重奏曲 第2番/弦楽組曲 ト長調SCHOENBERG: 6 A Cappella Choruses / String Quartet No. 2 / Suite in G major (Schoenberg, Vol. 3)
■室内楽
発売日:2006年02月01日 NMLアルバム番号:8.557521
CD価格:1,900円(税込)
弦楽と声楽の新しい世界を切り開いた「弦楽四重奏曲 第2番」当盤の収録曲は作曲年が40年間に渡るもので、シェーンベルクを知る上で重要な作品なのです。中でも作曲者の妻に捧げられた「弦楽四重奏曲第2番」は、シュテファン・ゲオルゲの詩を用い、後半2楽章でソプラノ独唱と弦楽四重奏が融合して新しい世界を切り開くのに成功しています。「6つの無伴奏混声合唱曲」は、民謡を素材に作曲者なりのポリフォニックな編曲を施したもので、20年の間隔を置いて3曲ずつまとめたもの。「弦楽オーケストラのための組曲」は、音楽を学ぶ若者のために書かれた一見わかりやすい作品ながら、演奏困難なため、それほど知られずにいる注目作です。
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ウィーン少年合唱団が歌うユダヤの聖餐コンサート
VIENNA BOYS CHOIR: A Jewish Celebration in Song
■合唱曲
発売日:2006年02月01日 NMLアルバム番号:8.559419
CD-R価格:1,900円(税込)
「天使の歌声」ウィーン少年合唱団がナクソスに登場!何と、あの「天使の歌声」のウィーン少年合唱団が、ウィーンの男声合唱団やユダヤ教のカントールと共にアメリカのユダヤの歌を演奏するという、驚きのジョイントを繰り広げます。この録音以来、ウィーン少年合唱団はユダヤの歌を世界演奏旅行で取り上げるようになりました。もとは同声三部合唱で書かれた2作品を、男声パートを加えて、典型的な東欧のユダヤ教合唱音楽の編成である四部合唱としたものです。2人の作曲家は、共にカントールの父を持つという、ユダヤの伝統の継承者。ここに聴く音楽はどこまでも人間的で、わかりやすい旋律によって率直に魂に語りかける雰囲気に満ちています。
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アリアーガ (1806-1826):
弦楽四重奏曲全集 [カメラータ・ボッケリーニ]ARRIAGA: String Quartets (Complete)
■室内楽
発売日:2006年01月01日 NMLアルバム番号:8.557628
CD価格:1,900円(税込)
ドラマティック! これぞ天才の閃き!!丁度50年の時を隔てて同じ誕生日に生まれたこと、夭折の天才であることから、「スペインのモーツァルト」とも呼ばれるアリアーガの弦楽四重奏曲3曲です。その凄味が一番わかりやすいのは、なんといっても短調作品である第1番で、期待通り凄まじいパトスを放っています。続く第2、3番も、旋律、和声の美しさ、効果的な楽器の用法、独創性のいずれにおいても申し分なく、若者らしい溌剌さに溢れています。これほどロマン的でドラマティックな感情表現を持った楽曲が、19世紀の初頭、わずか18歳(出版時)の若者によって生み出されたということは、まさに驚異としかいいようがありません。
収録作曲家: