ダンブロージオ(アルフレード) D'Ambrosio, Alfredo
| 生没年 | 1871-1914 | 国 | |
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| 辞書順 | 「タ」 | NML作曲家番号 | 87349 |
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アウアーのレガシー・シリーズ
トーシャ・ザイデル/米コロンビア録音集(1918-20) [トーシャ・ザイデル]発売日:2026年02月27日
CD価格:2,325円(税込)
トーシャ・ザイデル(1899-1962)は、オイストラフやミルシテインと同郷のウクライナはオデーサの生まれ。師のアウアーからは1歳3か月違いのハイフェッツと共に「天使と悪魔」と並び称されました。1918年4月にカーネギーホールにデビューして成功を収めるとすぐに米コロンビアに専属契約で迎えられます。 ここに収められたのは、その最初期の録音。印象的なのは緩急の差を大きくとるテンポ設定と、現代ではめったに聴かれることが無いような個性的なアーティキュレーション。ツィゴイネルワイゼンは前に進むのをためらっているかのように遅い前半から、後半は大幅にテンポアップしますが、その中にも自在な緩急が付いていて機械的な印象がまったくありません。チャイコフスキーのアンダンテ・カンタービレのような緩やかな曲では、心の中で歌詞を付けて歌っているのではないかと思えるような、個性的で独特な節回しが聴かれます。 ニューヨーク・トリビューンの批評家H. E. Krehbielはザイデルの演奏について「疾駆し、燃え上がり、呼吸するような弓使い、堅固にして豊かなトーン、忘れがたい演奏」と評しましたが、100年以上前の録音ながらその片鱗が伝わります。
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英コロンビア & デュオフォン録音集 [デイジー・ケネディ(ヴァイオリン)]
発売日:2025年10月10日
CD 2枚組価格:3,000円(税込、送料無料)
ヴァイオリンの歴史的音源を精力的に復刻するBiddulph、最近は100年余り前の録音にまでアンテナを広げています。 デイジー・ケネディは1893年1月にサウス・オーストラリアに生まれ、7歳からヴァイオリンを始めました。15歳の時にオーストラリアを訪れたヤン・クーベリックの目に留まり、彼が自らの師オタカール・シェフチークに推薦してプラハとウィーンで学ぶことになりました。1911年にウィーンとロンドンでデビューして成功を収め、その後はロンドンを拠点に活動。卓越した技巧に加え、彼女のステージでのパフォーマンスが強く人を惹きつけるものであったと伝えられています。 第1次世界大戦前後の英国楽壇で、聴衆・作曲家・演奏家から最も人気のあった人物の一人でしたが、人気ゆえの過密スケジュールがたたり、家庭の事情も相まって1937年に引退。1988年にロンドンで亡くなると、遺灰は故郷オーストラリアのアデレード・ヒルズに撒かれました。ナイジェル・ケネディは彼女のいとこの孫にあたります。 この時代の録音を聴く上で興味深いのは当時の演奏スタイルとレパートリーを伝えてくれること。ケネディの演奏は基本的に端正ですがポルタメントの使用が時代を感じさせます。速いテンポの曲での確かな技巧に加え、協奏曲の緩徐楽章で「純粋な感情、詩人の感性」と評された抒情的な表現も聞きもの。 彼女は「19世紀と20世紀の音楽」と題したコンサート・シリーズを開催していましたが、1920年前後においては、それは「現代音楽」そのものでした。このアルバムにも録音当時には書かれて間もなかった作品が収録されており、資料としても貴重です。 レーベルによれば当CDはデイジー・ケネディの正規録音すべてを収録しているとのことですが、それに加えてテスト盤が発見されたフバイのPlevna notaとクラカウアーのパラダイスは初出とのこと。ブックレットにはケネディの写真4点に加え、彼女のレコードの宣伝ポスター、そしてJonathan Woolfによる13ページにも及ぶ詳細で熱い共感のこもった解説(英語のみ)が掲載されています。
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マリー・ホール 録音集
エルガー(1857-1934):
ヴァイオリン協奏曲他
小品集 [マリー・ホール、エドワード・エルガー 他]発売日:2025年06月27日
CD価格:2,175円(税込)
20世紀の最初の四半期に華々しく活躍し、ヴォーン・ウィリアムズの名曲「揚げひばり」誕生に貢献したマリー・ホール(1884-1956)を聴く1枚。9歳の時に、優れた演奏家で作曲家でもあったエミール・ソーレを感嘆させたというホールですが、家庭に経済的余裕が無く進学を断念。個人教授のレッスン料を稼ぐため、路上などありとあらゆる場所で演奏したと後に述懐しています。 エルガーや、「G線上のアリア」で知られるウィルヘルミらの指導を受けた彼女は、17歳でヤン・クーベリックを感心させて推薦を得、プラハ音楽院で名教師として知られたオタカール・シェフチークに師事、翌年のデビュー・リサイタルではカーテンコールが25回にも及んだと伝えられます。その翌年にはロンドンでヘンリー・ウッド指揮クイーンズ・ホール管弦楽団とパガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、ヴィエニャフスキのファウスト幻想曲を披露してセンセーショナルな成功を収めました。 1908年6月に演奏会で居合わせたヴォーン・ウィリアムズの目に留まり、後に彼は「揚げひばり」を作曲して彼女に献呈。ピアノ伴奏版もオーケストラ版もホールのソロで初演されました。1912年12月にはエルガーのヴァイオリン協奏曲を作曲者の指揮で演奏して大きな評判となり、ここに収められた録音に結実します。ただしSPレコードの収録時間の制約から「短縮版」による演奏で、第1楽章と第2楽章が各4分、第3楽章が7分半に切り詰められています。 ここに復刻されたのは1904年から24年にかけての演奏。さすがに音質面での制約はありますが、リースやパガニーニの無窮動や常動曲に聴く軽快に弾むような弓捌きは聴いていて楽しく、サン=サーンスの「白鳥」冒頭のポルタメント、ラフのカヴァティーナにおけるヴィブラートの使い方などに当時のスタイルを聴くことが出来ます。ドヴォルザークのユモレスクはゆるやかなテンポでメランコリックに奏でられて印象的。バッハ、ヘンデル、ルクレールの作品はバロック音楽の演奏史における貴重なドキュメントでもあります。
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ベルギー王宮三重奏団
英コロンビア録音集
モーツァルト、シューマン、
サン=サーンス、フランク、トゥリーナ [ベルギー王宮三重奏団]発売日:2025年05月02日
CD 2枚組価格:3,000円(税込、送料無料)
1920年代から30年代にかけて欧州各国でツアーを行い、ヨーロッパ屈指のアンサンブルとの声望を得ていたベルギー王宮三重奏団がコロンビアのベルギー部門に行った録音をBiddulphが復刻。 ベルギー王宮三重奏団は19122/23シーズンに創設され、当初メンバーはヴァイオリンがエミール・ショーモン(1878-1942)、チェロがモーリス・ダンボワ(1889-1969)、ピアノがエミール・ボスケ(1878-1959)でした。その後、ヴァイオリンがHector Crockers(1901-65)を経て1927年からアルフレッド・デュボワ(1898-1949)に代わり、デュボワの死をもって活動を停止しています。3人ともイザイと所縁が深く、ダンボワはイザイの弦楽三重奏団や弦楽四重奏団のメンバーとして活躍し、無伴奏チェロ・ソナタを献呈されました。 ボスケもイザイとしばしば共演。デュボワもイザイと共演したほか、その後任としてブリュッセル音楽院の教授に迎えられ、グリュミオーを指導したことは広く知られています。彼らの演奏はフランコ=ベルギー派の典型的なスタイルを伝えるものとして、またモーツァルトから当時の現代音楽であったトゥリーナに至るピアノ三重奏曲がどのように演奏されていたかを伝える貴重なドキュメントです。 余白にはデュボワがピアノのフェルナン・フイエンスと共演した小品9曲を収録。ポルタメントを始め、彼の弓使い・指使いがよく伝わる録音となっています。
