パウマン(コンラート) Paumann, Conrad
| 生没年 | c. 1410 - 1473 | 国 | |
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| 辞書順 | 「ハ」 | NML作曲家番号 | 22827 |
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鍵盤と弦(14世紀から15世紀の音楽)
弦が張られた鍵盤楽器のための14世紀から15世紀の音楽 [ヴァニア・ダル・マソ]Keyboard Recital: Dal Maso, Vania - ILEBORGH, A. / PAUMANN, C. (Clavis et Chorda - 14th- and 15th-century music for stringed keyboard instruments)
発売日:2025年11月21日
NMLアルバム番号:CDS8079CD価格:2,325円(税込)
鍵盤と弦が1台の楽器の中で織りなす中世&初期ルネサンス悠久の響き中世からルネサンス時代初期に使用されていた鍵盤楽器3種の精巧な復元を用いて、当時のさまざまな写本から集めた音楽を奏でた注目の1枚です。 1.クラヴィコード クラヴィコードは、タンジェントと呼ばれる金属片で響板に張られた弦を突き上げ振動させることで音を出す鍵盤楽器。14世紀頃に発明されたとされ、軽量で持ち運びやすいので、主に16-18世紀に家庭用の鍵盤楽器として広く使用されました。音量は非常に小さいながら、鍵盤のタッチで音量や音程を微妙に変化させることができ、バッハやその息子たちも愛用していたことが知られています。この録音で使用されている楽器は、ブルゴーニュのフィリップ善良公に仕えた医師、天文学者、演奏家で楽器製作者でもあったアンリ・アルノー・ド・ズヴォレが1440年頃に書いた写本に記されたテキストと図版に基づいて復元されています。弦はわずか10列ですが、37もの音を奏でることができます。弦の数が少ないため、響板がより大きく共鳴します。 2.ハンマー式クラヴィシンバルム クラヴィシンバルムはチェンバロの原型とされる楽器。上記のアンリ・アルノー・ド・ズヴォレの写本には、翼のような型をした楽器の記述があり、チェンバロのように弦をはじく機構と、ピアノのようにハンマーで弦を叩く機構の2つが記されています。この録音では、ハンマーで弦を叩くタイプを使用。フォルテピアノに比べれば遥かに単純な構造ですが、軽やかで独特な音色を持ち、反復音の演奏に適しているとされています。 3.クラヴィツィテリウム 鍵盤に対して響板と弦が垂直に付けられたアップライト型のチェンバロのような楽器。現存する唯一の楽器は15世紀に製作されたもので、ロンドンの王立音楽大学が所蔵していますが、後世の大幅な改造が施されています。この録音では、その楽器に基づいて15世紀に作られた時の姿を復元したものを使用。響板は比較的薄いため、音の広がりが良く、楽器がよりスムーズに響き、中世の理想とされる甘く柔らかな音色を奏でることができます。 (...)
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Carmina Predulcia
15世紀、シェーデル歌集からの音楽 [アンサンブル・アルマーラ(古楽器使用)]Carmina Predulcia - Music from the Schedel Songbook (15th Century) (Ensemble Almara)
発売日:2021年02月26日
NMLアルバム番号:8.551440CD価格:1,900円(税込)
ニュルンベルク出身のドイツ・ルネサンス期の歴史家、ハルトマン・シェーデル(1440-1514)。この時代におけるもっとも重要な博学者であり、また医師、人道主義者でもあった彼は、印刷機を使用した最初の地図製作者の一人としても名を遺しています。彼は書籍や美術、音楽のコレクターでもあり、これらを編集したおよそ600冊の本は、人々の知識向上のために大いに役立つものとなりました。 この「Carmina Predulcia」はシェーデルが編纂した歌集の一つ。ほとんどは作曲者不詳の歌ですが、中にはデュファイなどの名前も含まれており、この時代にどのような曲が流行していたのかを知ることができます。バーゼル・スコラ・カントルムで学んだエリザベート・パヴェルケが主宰する古楽アンサンブル「アルマーラ」の演奏で。
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『とてつもなく、あなたが好きなのです』
ジョスカン・デプレ(1450/53-1521):
世俗歌曲集 [ドゥニ・レザン・ダドル、ドゥース・メモワール]JOSQUIN DES PREZ: Tant vous aime / El grillo / Petite camusette / Qui belles amours (Doulce Mémoire, Dadre)
発売日:2022年05月20日
NMLアルバム番号:RIC436CD価格:2,475円(税込)
「俗のジョスカン」の作品を体系的に。
フランスの頼れる古楽グループによる画期的録音15世紀後半から16世紀初頭にかけ、最も優れた多声音楽作曲家の一人として絶大な名声を誇ったジョスカン・デプレ。ポリフォニーの精髄を極めたその教会音楽は多数録音されていますが、生前から人気があり後続世代の作曲家たちもさかんに派生曲を書いた世俗歌曲に関しては、アルバム単位の重点的な取り組みが滅多になされていないのが現状。フランス中部の古都トゥールに拠点を置く古楽アンサンブル、ドゥース・メモワールによる今回のアルバムは、その渇きをいやして余りある充実した内容になっています。 ア・カペラ重唱によるスタンダードな作品解釈だけでなく、リュートやハープで多くの声部を受け持っての独唱、さらには同時代の器楽編曲や先達たちの関連作品なども収録。精鋭集団シンタグマ・アミーチのルネサンス管楽器奏者たちも参加、古雅で素朴な味わいが美しいショームやボンバルド、リコーダーなどのコンソートで彩りを添えます。歌手勢にもル・ポエム・アルモニーク出身のマチュー・ル・ルヴルールや自身も中世-ルネサンス専門のグループを主宰するポラン・ビュンドゲンら精鋭陣が温もり豊かでありながら透明感ある歌声を響かせ、曲ごとの味わいを際立たせます。 この時代の音楽に関する研究で世界的な信望を得ているデイヴィッド・ファロウズによるライナーノート(英・仏・独語)も充実しており、歿後500年を過ぎてなお注目の高まりが止まらない重要作曲家を追ううえで見逃せない1枚に仕上がっています。
