ジンバリスト(エフレム) Zimbalist, Sr., Efrem
| 生没年 | 1890-1985 | 国 | ロシア、アメリカ |
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| 辞書順 | 「シ」 | NML作曲家番号 | 17518 |
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英コロンビア & デュオフォン録音集 [デイジー・ケネディ(ヴァイオリン)]
発売日:2025年10月10日
CD 2枚組価格:3,000円(税込、送料無料)
ヴァイオリンの歴史的音源を精力的に復刻するBiddulph、最近は100年余り前の録音にまでアンテナを広げています。 デイジー・ケネディは1893年1月にサウス・オーストラリアに生まれ、7歳からヴァイオリンを始めました。15歳の時にオーストラリアを訪れたヤン・クーベリックの目に留まり、彼が自らの師オタカール・シェフチークに推薦してプラハとウィーンで学ぶことになりました。1911年にウィーンとロンドンでデビューして成功を収め、その後はロンドンを拠点に活動。卓越した技巧に加え、彼女のステージでのパフォーマンスが強く人を惹きつけるものであったと伝えられています。 第1次世界大戦前後の英国楽壇で、聴衆・作曲家・演奏家から最も人気のあった人物の一人でしたが、人気ゆえの過密スケジュールがたたり、家庭の事情も相まって1937年に引退。1988年にロンドンで亡くなると、遺灰は故郷オーストラリアのアデレード・ヒルズに撒かれました。ナイジェル・ケネディは彼女のいとこの孫にあたります。 この時代の録音を聴く上で興味深いのは当時の演奏スタイルとレパートリーを伝えてくれること。ケネディの演奏は基本的に端正ですがポルタメントの使用が時代を感じさせます。速いテンポの曲での確かな技巧に加え、協奏曲の緩徐楽章で「純粋な感情、詩人の感性」と評された抒情的な表現も聞きもの。 彼女は「19世紀と20世紀の音楽」と題したコンサート・シリーズを開催していましたが、1920年前後においては、それは「現代音楽」そのものでした。このアルバムにも録音当時には書かれて間もなかった作品が収録されており、資料としても貴重です。 レーベルによれば当CDはデイジー・ケネディの正規録音すべてを収録しているとのことですが、それに加えてテスト盤が発見されたフバイのPlevna notaとクラカウアーのパラダイスは初出とのこと。ブックレットにはケネディの写真4点に加え、彼女のレコードの宣伝ポスター、そしてJonathan Woolfによる13ページにも及ぶ詳細で熱い共感のこもった解説(英語のみ)が掲載されています。
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〈アウアーのレガシー〉
エフレム・ジンバリスト [エフレム・ジンバリスト(ヴァイオリン)]発売日:2022年09月23日
CD価格:2,175円(税込)
歴史的な弦楽器奏者の録音復刻に特化したBiddulphレーベルが、あらたなシリーズをスタート。名教師として知られるアウアーの教え子たちの録音の復刻です。 レオポルト・アウアー(1845-1930)はハンガリーに生まれ、ヨーゼフ・ヨアヒムらに師事。時代を代表する名手の一人として名声を誇りました。後にサンクトペテルブルク音楽院とカーティス音楽院で教え、特にサンクトペテルブルク時代の門下生にハイフェッツ、ミルシテイン、エルマンらの名手を輩出して、教師としても圧倒的な名声を築きました。アウアーは門下生らを一つの型にはめることをしなかったので、ひとくちにアウアー門下と言っても演奏スタイルは多彩。このシリーズによって、その広がりがあらためて実感されることでしょう。 シリーズの最初に選ばれたのはエフレム・ジンバリスト(1889-1985)。12歳でサンクトペテルブルク音楽院に入学してアウアーに学び、卒業の際は音楽院長のグラズノフが「比較を絶した才能」と称えたそうです。 アウアーはジンバリストの知性を特に評価していたそうですが、実際にその演奏は、情熱や感興が高まる瞬間でも曲のフォルムと品格を保っています。ボウイングのテクニックも見事で、レガートの息の長さ、スムーズさはため息もの。小品12曲とソナタ2曲を収めたこのアルバムは、彼の魅力を伝えてくれます。 1922年以後、何度か来日し、カーティスでは江藤俊哉を熱心に指導したジンバリストだけに、日本にゆかりのある曲が2曲収録されているのは嬉しいところです。

