ベンボ(アントニア) Bembo, Antonia
生没年 | 1640頃-1720頃 | 国 | |
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辞書順 | 「ヘ」 | NML作曲家番号 | 120345 |
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ベンボ(1640-1720):
《恋するヘラクレス》 [イェルク・ハルベック、イル・グスト・バロッコ]発売日:2025年07月25日
CD 2枚組価格:4,800円(税込、送料無料)
ヴェネツィアに生まれてカヴァッリの薫陶を受け、ルイ14世下のパリで才能を開花させた
アントニア・ベンボ。そのオペラが鮮やかによみがえるアントニア・ベンボは1640年頃ヴェネツィアの医者の娘として生まれ、当時のオペラ作曲家として有名な存在だったフランチェスコ・カヴァッリの下で音楽の高度な教育を受けました。1659年にはヴェネツィアの名家出身の夫と結婚したものの平穏な生活は送れず、1676年になって駐仏ヴェネツィア大使の使節団に音楽家として加わり、パリへと旅立ちました。その音楽の実力からルイ14世の寵愛を受け、王室から年金を与えられただけでなく、修道院に居住を許されて1720年に世を去るまでそこで暮らしながら、聖俗さまざまな作品を書いてルイ14世に捧げました。 《恋するヘラクレス》の台本は、1660年にルイ14世の結婚の祝賀行事のための作品としてカヴァッリに依頼されたもの。なぜベンボが1707年になってこの台本に曲を付けたのかは定かではありませんが、英雄ヘラクレスはルイ14世を示すものであることから、この作品も国王に捧げたものと思われます。 イタリア音楽とフランス音楽の要素を融合させたこのオペラは、いかにもフランス的な序曲からはじまり、イタリアの技巧的アリアとフランス的な合唱が組み合わされています。しかし、ベンボがルイ14世のために力を注いだオペラだったにもかかわらず、自らがダンサーであったルイ14世は、バレエを伴わないイタリア的なオペラに興味を示さず、このオペラは上演されることがありませんでした。 (曲目・内容欄に続く)収録作曲家:
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女の声
17世紀イタリアの女性作曲家たち [レ・カプスベルガールズ]Vox Feminae - BEMBO, A. / CAMPANA, F. / LEONARDA, I. / QUINCIANI, L. / STROZZI, B. (Les Kapsber'girls)
発売日:2025年03月28日
NMLアルバム番号:ALPHA1098
CD価格:2,775円(税込)
次々と姿を現す、闇に沈められていた17世紀イタリアの女性芸術家の世界バロック期の音楽を中心に、作品成立時の佇まいをよく見定め曲の味わいを引き出してゆく女性奏者集団レ・カプスベルガールズの新作は、歴史に埋もれていた17世紀イタリアの作曲家たちに光を当てる好企画。名高い貴婦人作曲家バルバラ・ストロッツィや多作な修道女作曲家イザベッラ・レオナルダ、「麗しのアマリッリ」の作者ジューリオ・カッチーニの娘フランチェスカなど既に比較的録音に恵まれている作曲家たちはもちろん、14歳の若さでローマの有名楽譜出版社が作品刊行に踏み切ったフランチェスカ・カンパーナ、コレッリの同時代人で近年再評価めざましいアントニア・ベンボといった女性たちの名品も数多く収録しています。 バロック初期のレチタール・カンタンド(歌いながら語る)様式の残照から1700年前後の充実したカンタータ風の作品に至るまで、声楽のよき伴侶を務めた楽器テオルボの名手カプスベルガーの作品も挟みながら、さまざまな女性芸術家たちの感性を通じて17世紀音楽の多様さにも気づかされる内容の充実も嬉しいところ。小編成ならではの親密なアンサンブルで、21世紀ならではの古楽的発見の面白さを存分に味わえる1枚となっています。