Melodiya
64 件 / 64件中
-
エフゲニー・キーシン
1985年のショパン・リサイタル [エフゲニー・キーシン(ピアノ)]発売日:2020年05月22日
CD 2枚組日本語帯付き 価格:3,225円(税込、送料無料)
初出音源!キーシン、1985年12月23日のリサイタル2歳でピアノを始め、10歳でモーツァルトの協奏曲第20番を演奏し公式デビュー、11歳で初リサイタルを開催するなど、幼い頃から神童の名をほしいままにしてきたエフゲニー・キーシン。彼の名を一躍有名にしたのは、12歳の時にキタエンコが指揮するモスクワ・フィルハーモニーと共演したショパンのピアノ協奏曲の演奏でした。 1985年、スヴャトスラフ・リヒテルから「モスクワの夜祭り」に招待されたキーシンは、美術館でリサイタルを行いましたが、この録音はなぜかリリースされることはなく、そのままお蔵入りになってしまいました。 今回、この貴重な録音を発売することで、14歳の彼による“珠玉のショパン”が人々の耳に届くことになります。キーシンにとって「出発点」ともいえるこれらのショパン作品には、瑞々しい感性と、現在の彼の演奏にも通ずる「揺るぎない解釈」が宿っており、これを聴くと、改めて彼の才能に驚かされることでしょう。
収録作曲家:
-
シュニトケ(1934-1998):
アニヴァーサリー・エディション [リアナ・イサカーゼ(ヴァイオリン)/ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)/ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー(指揮)/ソヴィエト国立文化省交響楽団 他]発売日:2020年05月15日
CD 2枚組 価格:3,225円(税込、送料無料)
アルフレート・シュニトケ、生誕85周年記念の2枚組が登場20世紀ロシアを代表する作曲家の一人、アルフレート・シュニトケの生誕85周年を記念した2枚組の登場。ユダヤ系ロシア人のシュニトケは、初期の作品こそショスタコーヴィチの影響が感じられるものの、年齢を重ねるごとに独自の作風を開拓、さまざまな試行錯誤を繰り返しながら「多様性」と呼ばれるユニークな形式を生み出したことで知られています。 さまざまなジャンルの作品を網羅したこのアルバムの音源は、これまでにCDとしては発売されたことがない貴重なもの。どれも1977年から1990年にかけてのライヴ収録で、合奏協奏曲第4番はモスクワ初演時の貴重な記録です。また、CD1の冒頭に収録されている“6手のためのピアノ曲”は、作品としての興味だけではなく、ロジェストヴェンスキーをはじめとした演奏家への興味も尽きることがありません。 グルジア出身のイサカーゼが演奏するヴァイオリン・ソナタ第2番や、名手クレーメルが演奏するヴァイオリン協奏曲第4番など、シュニトケの音楽を知り尽くした奏者の演奏が聴きどころ。
収録作曲家:
-
ベートーヴェン(1770-1827):
弦楽四重奏曲全集[8枚組 BOX] [ベートーヴェン弦楽四重奏団]発売日:2020年04月10日
CD 8枚組 価格:6,675円(税込、送料無料)
ショスタコーヴィチも認めた名アンサンブルのベートーヴェン、全集にて登場!1922年~23年に設立されたベートーヴェン弦楽四重奏団。もともと彼らは、モスクワ音楽院の卒業生によって結成され「モスクワ音楽院弦楽四重奏団」と名乗っていましたが、1931年に偉大な作曲家ベートーヴェンの名前をアンサンブル名に冠し、メンバーを変更しながら1987年まで活動を続けました。50年以上に渡る演奏活動の中で600以上の作品を演奏し、200作以上の録音を残しています。中でもショスタコーヴィチはこのクァルテットのためにいくつかの弦楽四重奏を書くなど、良好な関係を築いたことで知られています。 この録音は今から50年前、ベートーヴェンの生誕200年を記念して録音された弦楽四重奏曲の全集で、創立メンバーのツィガノフとシリンスキー、1960年代にメンバーに加わったツァバニコフとドルニジンという新旧のメンバーによる親密なアンサンブルと精緻なハーモニーは、発売まもなく大人気を獲得しました。今回はベートーヴェンの生誕250周年にあわせ、再び全集での登場となります。
収録作曲家:
-
チャイコフスキー(1840-1893):
歌劇《マゼッパ》 [ウラディーミル・ヴァライティス(バリトン)/エフゲニー・ネステレンコ(バス)/タマラ・ミラシュキナ(ソプラノ)/フアト・マンスロフ(指揮)/ソビエト国立ボリショイ劇場交響楽団・合唱団 他 ]発売日:2020年04月10日
CD 3枚組 価格:3,525円(税込、送料無料)
ボリショイで40年間に渡って多数のオペラを指揮したマンスロフが指揮する《マゼッパ》プーシキンの物語詩「ポルタヴァ」を元にしたチャイコフスキーの歌劇《マゼッパ》。若い女性を巡る狂気の愛と、主人公への政治的迫害などを描いた残忍な内容を持つ作品です。何度も台本の改訂を繰り返すなど、構想から完成まで2年の歳月を要し、ようやく、1884年にモスクワのボリショイ劇場とサンクトベテルブルクのマリインスキー劇場で初演。出演者の技術不足があったものの、チャイコフスキーは成功の喜びを味わいました。その後も、作曲家自身が何度も台本に手を加え、最終的には恋の物語に最大の焦点を当てるという改編が行われています。 Melodiyaではいくつかの《マゼッパ》録音を保有しており、どれにも各々素晴らしい歌手が参加しています。このアルバムは1970年代の録音で、カザフスタン出身の指揮者マンスロフのもと、ウラディーミル・ヴァライティス、ソ連人民芸術家の称号を持つタマラ・ミラシュキナやエフゲニー・ネステレンコなどの名歌手たちが声の饗宴を繰り広げています。
収録作曲家:
-
ググニン、ホロデンコ、ゲニューシャス(ピアノ)
ヴェラ・ゴルノスタエヴァ
生誕90年に捧ぐ [アンドレイ・ググニン(ピアノ)/ヴァディム・ホロデンコ(ピアノ)/ルーカス・ゲニューシャス(ピアノ)]発売日:2020年04月10日
CD 価格:2,250円(税込)
ソ連を代表する名教師、ゴルノスタエヴァ生誕90年を祝して!ヴェラ・ゴルノスタエヴァはモスクワ出身のピアニスト。モスクワ音楽院付属の中央音楽学校でピアノを学び、モスクワ音楽院に進学、ゲンリヒ・ネイガウスのもとで研鑽を積み、1955年に大学院を卒業した後は、優れた教師としてグネーシン音楽大学とモスクワ音楽院で後進を指導、1966年にはソ連政府から功労芸術家の称号を贈られるとともに、モスクワ音楽院の教授に昇格しました。 このアルバムは、彼女の生誕90年を祝う1枚で、演奏しているゲニューシャス、ホロデンコ、ググニンの3人は、ゴルノスタエヴァが「三銃士」もしくは「3人のボガトィーリ(ロシアの伝説的な英雄)」と呼んだほどのお気に入りの弟子でした。ゴルノスタエヴァについて「芸術における絶対的な自由への道を教えてくれた」(ゲニューシャス)「音楽家の責任、理解、真の愛」(ホロデンコ)、「彼女は信じられないほど正直だった」(ググニン)と3人がそれぞれの思いを抱いており、ここでは、彼女の優れた教えが脈々と受け継がれていることを伺わせる表情豊かな演奏が披露されています。
-
ショスタコーヴィチ・
プレイズ・ショスタコーヴィチ[5枚組 BOX] [ドミートリー・ショスタコーヴィチ(ピアノ) 他]発売日:2020年03月27日
CD 5枚組 価格:6,675円(税込、送料無料)
Melodiyaレーベルより、20世紀最高のロシアの作曲家、ショスタコーヴィチの貴重な自作自演を収録したボックスの登場です。ショスタコーヴィチ自身が、協奏曲や室内楽曲から声楽チクルスまでを、ダニール・シャフラン、ザラ・ドルハノヴァやアレクセイ・マスレニコフにベートーヴェン弦楽四重奏団など20世紀の最高峰の音楽家たちと録音。さらに注目は、ダヴィッド・オイストラフとショスタコーヴィチが自宅で録音したヴァイオリン・ソナタや、名作曲家でもあるミチスワフ・ヴァインベルグと演奏した「交響曲10番(2台ピアノのための編曲版)」がボーナスとして収録されています。ショスタコーヴィチは、ペテルブルク音楽院でピアノを学んだ母親よりピアノの手ほどきを受け、自身もペテルブルク音楽院に進み(同級生には伝説のピアニスト、マリア・ユーディナや、ソフロニツキーがいました)1927年のショパン国際ピアノコンクールに出場。ディプロマを獲得し、1960年代半ばまではリサイタルも開催したほどピアニストとしても素晴らしい腕を持っていました。作曲家自身と20世紀の偉大な音楽家たちの演奏により、ソビエト時代の天才の音楽の真の姿を捉えることができるでしょう。
収録作曲家:
-
マキシム・ヴェンゲーロフ
ヴァディム・レーピン
エフゲニー・キーシン
1986年6月11日
第8回チャイコフスキー国際コンクール開幕公演 [ヴァディム・レーピン(ヴァイオリン)/イリーナ・ヴィノグラドーヴァ(ピアノ)/エフゲニー・キーシン(ピアノ)]発売日:2020年03月27日
CD 2枚組 価格:3,225円(税込、送料無料)
これは、1986年モスクワにおける、天才たちの饗宴の記録…。 今から30年以上前の1986年の6月に、人々の記憶に残る貴重な公演が行われました。第8回チャイコフスキー国際コンクールの開幕を飾る公演として、まだ15歳にもなっていなかったキーシン、ヴェンゲーロフ、レーピンの3人が演奏したのです。3人はすでに、ロシアの音楽界で頭角を現し活躍し始めていましたが、この時は恥ずかしそうにステージに上がり、緊張の面持ちで演奏。子供らしい真摯で素直な演奏の中にも、大人顔負けの成熟度を見せつけ、未来の巨匠を予感させました。聴衆はそれを「奇跡的」と大絶賛、コンクールの百戦錬磨の審査員たちをも魅了したのです。 この音源は、コンクール終了後、Melodiyaが直ちにLPとして発売、長らく入手不可能なレア盤となっていましたが、この度リマスターされてCD化されました。
-
ルドルフ・バルシャイ
アニヴァーサリー・エディション [ルドルフ・バルシャイ(ヴィオラ&指揮)/ダヴィッド・オイストラフ(ヴァイオリン)/ミハイル・ムンチャン(チェンバロ)/チャイコフスキー弦楽四重奏団/モスクワ室内管弦楽団 他]BARSHAI, Rudolf: Rudolf Barshai Collection
発売日:2020年03月27日
NMLアルバム番号:MELCD1002600
CD 5枚組 価格:5,100円(税込、送料無料)
日本でも大人気を博した指揮者バルシャイ、生誕95周年記念アルバムが登場!1924年、ロシアのラビンスクに生まれ、モスクワ音楽院でヴァイオリンとヴィオラを学び、当初はヴィオラ奏者として活動を始めたルドルフ・バルシャイ。1955年から指揮者に転向、自ら創設したモスクワ室内管弦楽団を率いて、ソ連国内で活発な活動を行い、同世代の作曲家の作品を次々と初演。なかでもショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲は自ら「室内交響曲」に編曲するなど、アレンジャーとしても素晴らしい成果を上げています。また、晩年は若いころから愛していたというマーラーの「交響曲第10番」を補筆完成、録音を残したことでも知られています。 この5枚組では、優れたヴィオラ奏者としての活動と、指揮者としての非の打ちどころのない完璧な演奏を3枚のアルバムに収録、残る2枚には、晩年、病床にあっても編曲を続けていたという「フーガの技法」全曲と、同じくバルシャイが編曲したプロコフィエフの小品を併せることで、彼の音楽に対する愛情と偉大な功績を探ることに成功しています。
-
RAPID MOVEMENT
20世紀ロシアのピアノ協奏曲集
(ツファスマン、ショスタコーヴィチ、カプースチン) [ドミトリー・マスレーエフ(ピアノ)/レオニード・グーリエフ(トランペット)/ウラディーミル・ランデ(指揮)/シベリア国立交響楽団]発売日:2020年03月27日
CD日本語帯付き 価格:3,000円(税込、送料無料)
1988年生まれの俊英ピアニスト、マスレーエフの華麗な演奏2015年に開催された“第15回チャイコフスキー国際コンクール”ピアノ部門の優勝者ドミトリー・マスレーエフ。このアルバムは、彼がソリストを務めるショスタコーヴィチのピアノ協奏曲を中心に、同じく20世紀ロシアの2人の作曲家、カプースチンとツファスマンの協奏曲形式の作品を収録した1枚。 ピアノとトランペットの掛け合いが見事なショスタコーヴィチでの息を呑むかのようなテクニックはもちろんのこと、ジャズ風の肌触りを持つカプースチンでの柔軟で即興的なリズムの処理、同じくロシア・ジャズの草分けとして知られるツファスマンの音楽を華麗なタッチで演奏するマスレーエフの妙技をお楽しみ下さい。
-
パガニーニ(1782-1840):
大四重奏曲(原曲 大ソナタ イ長調 MS3)
コシュキン(1956-):
メガロン(ギターと弦楽オーケストラのための協奏曲) [アルチョム・デルヴォード(ギター)]発売日:2020年03月27日
CD 価格:2,250円(税込)
ロシアを代表するギタリスト、デルヴォードの自信作6歳でギターを始め、2006年、最高峰のギター・コンクールの一つ「ミケーレ・ピッタルーガ」でロシア人として初めて優勝を飾ったアルティム・デルヴォード。現在はグネーシン音楽大学で若手を指導しながら、ロシアの作曲家の新作を多数録音するなど、活発な活動を行っています。 このアルバムには、ヴァイオリンと同じくらいギターを愛した19世紀の大作曲家パガニーニの作品と、現代の作曲家ニキータ・コシュキンの作品を収録。コシュキンは1956年、モスクワに生まれ、14歳の時に祖父から贈られたアンドレス・セゴビアのレコードを聴いてギタリストを志し、1980年代に作曲家として国際的な名声を獲得しました。2017年に発表した「24の前奏曲とフーガ」は技術の習得と解釈の明晰さが要求される、ギタリストのためのバイブル的存在です。 ここでは彼が四重奏曲に編曲したパガニーニのソナタと、2005年に作曲したギター協奏曲「メガロン」のライヴ収録を聴くことができます。ギターを知り尽くした作曲家ならではの、緻密な筆致による2作品を、デルヴォードは文句ない技巧と音楽性で聴かせます。
-
リムスキー=コルサコフ(1844-1908):
歌劇《不死身のカシチェイ》(秋のおとぎ話) [パヴェル・ポントリャギン(テノール)/ナタリア・ロジェストヴェンスカヤ(ソプラノ)/モスクワ放送交響楽団/モスクワ放送合唱団/サムイル・サモスード(指揮) 他]発売日:2020年03月13日
CD 価格:2,250円(税込)
ストラヴィンスキーの「火の鳥」と同じ民話を素材にしたリムスキー=コルサコフの歌劇リムスキー=コルサコフ自身が台本を書いた《不死身のカシチェイ》は、「火の鳥」とルーツを同じにしながらも、カシチェイの命は卵ではなく、娘のカシチェエヴナの涙に封じ込めらるなど、さまざまなアイデアが取り入れられた意欲的な物語であり、ワーグナーの影響を強く受けた半音階的なハーモニーを多用した魅力的な音楽がこれを彩っています。 この1949年の録音は、リムスキー=コルサコフの生誕175年を記念し、初めてCDとしてリリースされるもので、ボリショイ劇場の黄金時代を支えたナタリア・ロジェストヴェンスカヤをはじめとした、この時代のロシアを代表する歌手たちの歌唱を、1930年代後半からモスクワで優れたオペラ指揮者として活動したサムイル・サモスードが丁寧にまとめた魅惑的な演奏です。
収録作曲家:
-
チャイコフスキー(1840-1893):
子供のための16の歌 [グリンカ・コラール・カレッジ少年合唱団アレクセイ・ゴリボル(ピアノ)ウラディーミル・ベグレツォフ(指揮)]TCHAIKOVSKY, P.I.: 16 Songs for Children (Glinka Choral College Boys' Choir, Goribol, Begletsov)
発売日:2020年01月17日
NMLアルバム番号:MELCD1002436
CD 価格:1,950円(税込)
収録作曲家:
-
マリア・ユーディナ
アニヴァーサリー・エディション[10枚組 BOX] [マリア・ユーディナ(ピアノ) 他]発売日:2020年01月17日
CD 10枚組 価格:13,200円(税込、送料無料)
ロシアのピアニスト、マリア・ユーディナ(1899-1970)のアニヴァーサリーを記念したMelodiyaレーベルの貴重なアーカイヴ音源10枚組ボックス・セットの登場です。 ペトログラード音楽院(ペテルブルク音楽院)の同級生で友人のショスタコーヴィチも一目置くピアニストであったユーディナは、反体制派であることを公言しながらも、スターリンが彼女の大ファンであったため、彼を巡る数々の武勇伝も残されている伝説的な存在です。 力強いタッチと高い精神性、宗教性に貫かれたピアニズムでバッハやベートーヴェンの解釈で高い評価を得ており、この1948年から1969年の間の録音のアンソロジーには、バッハの「平均律クラヴィーア曲集」からの抜粋、ベートーヴェンの初期と晩年のソナタ、シューベルトの即興曲から、グラズノフの希少作品、プロコフィエフ、ルトスワフスキやストラヴィンスキーなど20世紀音楽までが網羅されているだけではなく、ボーナス・トラックとして1950年のライブ録音によるバッハの「前奏曲とフーガ」や、1954年にキエフのツアーで収録された「チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番」などファン垂涎の音源も収録されています。
-
J.S.バッハ(1685-1750)&
ヴィヴァルディ(1678-1741):
協奏曲集 [アイナル・ステーン=ノックレベルグ(ピアノ)/アレクサンドル・ザゴリンスキー(チェロ)/アレクサンドル・ロスクトフ(指揮)/ヴォログダ・フィルハーモニー協会室内管弦楽団]発売日:2020年01月17日
CD 価格:2,250円(税込)
ロシアの名チェリスト、ザゴリンスキーと、ノルウェーのピアニスト、ステーン=ノックレベルグによる「バロック音楽の2大作曲家の対話」ともいえる協奏曲集。バッハとヴィヴァルディの協奏曲が交互に配置されています。 1962年生まれのザゴリンスキーは、モスクワ音楽院で学び、モスクワ・フィルの首席として活躍、ロシア名誉芸術家の称号を与えられているバロックから現代までの幅広いレパートリーを持つチェリストです。グリーグのピアノ作品全集の演奏で知られるステーン=ノックレベルグは、1944年ノルウェー生まれでロマン派を得意としますが、バッハでは洗練された演奏スタイルとバロック音楽への深い洞察力を発揮しています。全く背景の違う二人ですが、2002年より共演を重ね、メロディア・レーベルでも共演アルバムを発表しています。 このアルバムではそれぞれが交互にソリストを務めて協奏曲を演奏し、ドイツとイタリアのバロック音楽の対話を導きだしています。オーケストラは二人が共演を重ねているヴォログダ・フィルハーモニー協会室内管で、クリアでスタイリッシュなサウンドが音楽の対話を盛り立てています。
-
〈ロシアの現代音楽家による合唱作品集 第2集〉
スロニムスキー(1932-):
レクイエム
アレクサンドル・プーシキンによる2つの合唱曲
2つのロシアの歌 [タチアーナ・ミネイエヴァ(ソプラノ)/ポリーナ・シャマイエアヴァ(メゾ・ソプラノ)/アンドレイ・バシュコフ(テノール)/ドーミトリー・クズネツォフ(バス)/レフ・コントロヴィチ(指揮) 他]SLONIMSKY, S.: Choral Music (Anthology of Contemporary Choral Music by Russian Composers, Vol. 2) (Kontorovich)
発売日:2020年01月17日
NMLアルバム番号:MELCD1002598
CD 価格:2,250円(税込)
Melodiyaレーベルからの現代ロシアの作曲家による合唱曲集シリーズ第2弾は、サンクトペテルブルク音楽院の教授を務め、ピアニストや音楽学者としても活躍し、合唱作品を得意とするスロニムスキーのレクイエムを中心としたアルバム。スロニムスキーは深淵かつ真摯でメロディアスな作風で知られており、合唱は、彼のオペラやバレエ、交響曲などあらゆる作品に登場します。 この「レクイエム」は、スロニムスキーが「作曲家は生涯に一度しかレクイエムを作曲できない」として取り組んだ、ソリスト、大合唱団とオーケストラという大編成による大作。どこかロシアのオペラを想起させる力強さに溢れ、美しいソロ曲を含むだけでなく、大編成の合唱と時に激しさを増す管弦楽伴奏から、スケールの大きい強い祈りの気持ちが伝わります。 指揮は1947年モスクワ生まれのコントロヴィチ。合唱指揮を学び、1996年以来モスクワ音楽院の教授を務め、ホロストフスキーのCD他多数の録音や、ロシア国内外で活躍しています。
収録作曲家:
-
B” Like Britain - ブリテンの「B」
(バックス、ブリテン、ボーエン、ベネット作品集) [リュドミラ・ベルリンスカヤ(ピアノ)/アルトゥール・アンセル(ピアノ)]発売日:2019年12月20日
CD 価格:3,000円(税込、送料無料)
2011年以来、2台ピアノで数々の共演を果たしてきたベルリンスカヤとアンセルによる「2台ピアノのためのオリジナル作品」シリーズ。3枚目となる最新作は、20世紀のイギリス音楽です。アルバム・タイトルの「B」は、ブリテン(英国)を表すだけでなく、ここに収録されている全ての作曲家のイニシャルがBであることに由来しています。 近代イギリス音楽のルネッサンスを開いた一人とされ、ケルトの要素を取り入れたロマンティックで神秘的な作風を持つバックスや、近年再評価が進む“イギリスのラフマニノフ”と称されるボーエン、イギリスの作曲家の中では高い知名度を誇り、自身も巧みな演奏家でもあったブリテン、そして映画音楽やジャズ演奏でも有名で3度オスカーにノミネートされたベネットまで「2台ピアノにおけるイギリス音楽史」というユニークな切り口で厳選された作品を美しくドラマティックな演奏で楽しむ魅力的な1枚です。
-
フリッツ・クライスラー&
セルゲイ・ラフマニノフへのオマージュ [シトコヴェツキー(ヴァイオリン) /ゲニューシャス(ピアノ)]Violin and Piano Recital: Sitkovetsky, Dmitry / Geniušas, Lukas - KREISLER, F. / BEETHOVEN, L. van / GRIEG, E. (Hommage to Kreisler and Rachmaninoff)
発売日:2019年12月20日
NMLアルバム番号:MELCD1002595
CD日本語帯付き 価格:2,400円(税込)
偉大な作曲家で、演奏家でもあったクライスラーとラフマニノフ。この二人は親しい友人で度々共演しましたが、一緒に録音スタジオに入ったのはわずか3回のみ。その時にはベートーヴェンやグリーグ、シューベルトなどを録音しています。 それから長い時を経て21世紀となった今、二人の才能ある音楽家、1954年生まれのシトコヴェツキーと1990年生まれのゲニューシャスが、前世紀の巨匠たちへのオマージュとして全く同じソナタを演奏。世代は離れているものの、ロシア音楽の伝統を継承する二人は固い友情で結ばれており、シトコヴェツキーの指揮でしばしば共演を重ねてきましたが、アンサンブルパートナーとしての録音はこのアルバムが初めてのこと。見事に調和のとれたアンサンブルが聴きものです。 オリジナルの「ラフマニノフ&クライスラー盤(NAXOS 8.110968)」との聴き比べも楽しいことでしょう。
-
デニソフ(1929-1996):
アニヴァーサリー・エディション [ドミトリー・デニソフ(フルート)/ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指揮)/ソビエト国立文化省交響楽団]DENISOV, E.: Peinture / Flute Concerto (The First Concert in The USSR) (D. Denisov, USSR Ministry of Culture Symphony, Rozhdestvensky)
発売日:2019年12月20日
NMLアルバム番号:MELCD1002604
CD 2枚組 価格:3,225円(税込、送料無料)
“ロシア音楽のエディソン”と称される作曲家エディソン・デニソフ。2019年にリリースされるこのアルバムは彼の生誕90周年を記念するもので、1990年2月6日、モスクワ音楽院大ホールで開催された公演の貴重な放送音源の初CD化です。 アメリカ人の偉大な発明家にあやかって風変わりな名前を付けられたデニソフは、もともと数学を専攻していましたが、ショスタコーヴィチに手紙を書いて教えを請うたことで才能を見出され、師の援助で音楽家へと転向しました。 その音楽は西側の前衛音楽路線に沿っており、当時のソビエト社会主義のイデオロギーに反する反体制派の「フレンニコフの7人」の一人と認定され、1979年には「革新的な音楽というよりもむしろ、的外れ、騒音、汚泥」とまで批判され、演奏の機会を失ってしまいます。 彼の作品が再びロシアで演奏されるようになったのは、60歳を過ぎてからのこと。とりわけこの1990年の公演は、作曲家だけでなく、ロシアの国にとってもペレストロイカによる新しい時代の幕開けを飾る記念碑的なものでした。 キャリアの初期からデニソフをレパートリーとしてきたロジェストヴェンスキーによって、新たな歴史の1ページが開かれたのです。本盤には、そこで演奏されたデニソフの1970-80年代の重要な作品の他、作品についての作曲家自身のコメントやロジェストヴェンスキーとの会話、公演前のリハーサルの一部が収録されています。
-
ロシアの現代作曲家デシャトニコフは1955年ウクライナ生まれ。現代ロシアで最も頻繁にその作品が演奏される作曲家の一人で、ボリショイ劇場から委嘱された「ローゼンタールの子どもたち」で有名になり、ギドン・クレーメルとのコラボや、多数の映画音楽でも成功しています。最も原典主義的な作曲家であるとされるデシャトニコフが、ここではショパンを模して“24の前奏曲”という形で作品を作ったのが興味深いところ。 タイトルの“ブコビナ”とは、北部がウクライナ、南部がルーマニアにまたがったカルパティア山脈の丘陵地帯の名前。現代的な作曲技法に西ウクライナの民族風味がスパイスとして加えられ、これがほどよいアクセントになっています。 ライナーノーツ(ロシア語、英語)は独特な感性をもつ現代ロシアの詩人、マリア・ステパノワによるもので、デシャトニコフの音楽と絶妙なコラボを発揮しています。 「ブゴビナの歌」はニューヨーク・タイムズ紙でも絶賛された、2017年10月のアメリカン・バレエ・シアターの振付家アレクセイ・ラトマンスキーの新作バレエで、この曲を献呈されたゴリボルの生演奏で世界初演されました。日本では2018年にゲニューシャスがリサイタルで初演を行っています。
収録作曲家:
-
ブラームス(1833-1897):
ヴィオラ・ソナタ 第1番・第2番 Op.120
2つの歌 Op.91 [スヴャトスラフ・ベロノゴフ(ヴィオラ)、ゲオルギ・マジョルスキ(ピアノ)、ナタリア・ザゴリンスカヤ(ソプラノ)]発売日:2019年08月16日
CD 価格:2,080円(税込)
ロシアの名手によるブラームスのヴィオラ・ソナタ、名指揮者コンドラシンの長男による知られざる録音が登場カンチェリのヴィオラ協奏曲「風は泣いている」の名演で知られる、1965年ロシア生まれのヴィオラ奏者ベロノゴフ。1988年のロシア国際ヴィオラ・コンクールを制した後、しばらくロシア国内での活躍を続けていましたが、現在はスペイン領カナリア諸島テネリフェ島に住み、ヴィオラ・ダ・ガンバを含む音楽活動を続けています。ここでは歌心溢れる表現でブラームス晩年の傑作をたっぷりと聴かせており、ヴィオラの持つ奥深い表現と艶やかな一面を堪能させてくれます。 モスクワ ヘリコン・オペラのソリスト ザゴリンスカヤは、現在もロシア内外で活躍している名花。またピアニストのマジョルスキは、現在ヨーロッパで演奏活動と後進の指導にあたっています。 名指揮者キリル・コンドラシンの長男ピョートル・コンドラシンは、メロディアのサウンド・エンジニアとして25年ほど活躍し、有名演奏家の録音を数多く残しました。1990年代に入ると自ら会社を立ち上げて録音を行いますが、その多くは経済的な理由から日の目を見ることなく埋もれてしまったということです。メロディアはそれらの録音から今回のアルバムのほか、選りすぐりをリリースする予定です。
収録作曲家:
-
スヴィリードフ(1915-1998):
名作集 [ウラディーミル・フェドセーエフ(指揮)、ルドルフ・バルシャイ (指揮)、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー (指揮)、モスクワ放送交響楽団、モスクワ室内管弦楽団、ヴァシリー・ティモニン (テノール)、ヴラディスラフ・チェルヌシェンコ (指揮)、グリンカ記念国立アカデミー合唱団、エレーナ・オボレンスカヤ (メゾ・ソプラノ),ユリア・アリソヴァ (メゾ・ソプラノ)、アレクサンドル・サッツ (ピアノ)、ウラディーミル・ミニン (指揮)、モスクワ室内合唱団、イリーナ・コルニロワ (メゾ・ソプラノ)、ワレーリヤ・グルベワ (メゾ・ソプラノ)、ユーリ・ウーホフ (指揮)、ユルロフ記念ロシア国立アカデミー合唱団、アレクサンドル・ユルロフ (指揮)]発売日:2019年07月19日
CD 2枚組 価格:2,880円(税込)
ロシアの国民的作曲家の代表曲を一堂にソヴィエト時代を代表する作曲家の一人であり、ロシアでは今も国民的作曲家として高い人気を誇るスヴィリードフ。管弦楽ではフェドセーエフが来日公演のアンコールで演奏して大評判となった「吹雪」や、その創作活動の中心とも言える声楽曲などをたっぷりと収録したアルバムが登場。 映画「時よ、前進!」のテーマ(DISC 1、TRACK 21)は、長年ロシアのニュース番組のテーマ曲として使用されており、彼の根強い人気を象徴する1曲といえます。管弦楽作品の指揮はフェドセーエフのほかバルシャイ、ロジェストヴェンスキー、合唱団もロシア有数の団体による録音が選ばれた、MELODIYAならではのコンピレーション・アルバムです。
収録作曲家:
-
セルゲイ・ドレンスキー・リサイタル
20世紀アメリカで生まれたピアノ協奏曲
ラフマニノフ(1873-1943):
パガニーニの主題による狂詩曲
ガーシュウィン(1898-1937):
ラプソディ・イン・ブルー
バーバー(1910-1981):ピアノ協奏曲 [セルゲイ・ドレンスキー(ピアノ)、アレクサンドル・ドミトリエフ(指揮)、ソヴィエト文化省交響楽団、ヴィクトル・ドゥブロフスキー(指揮)、ソヴィエト国立交響楽団]発売日:2019年07月19日
CD 価格:2,080円(税込)
初CD化!ロシアの名ピアノ教師ドレンスキーによるアメリカ製協奏曲ギンズブルグに学び、モスクワ音楽院でルガンスキー、マツーエフ、ブーニンを育て、日本人では清塚信也も教えを受けた名教師にして、中村紘子との交流でも知られるロシアの大ピアニスト、ドレンスキーの初CD化音源が登場。20世紀にアメリカで誕生した協奏曲を収めたものですが、ロシアから移住したラフマニノフはもちろん、アメリカ色が強いガーシュウィンも実はロシア移民二世ということで、2曲はソヴィエトにルーツを持つという選曲となっています。 「ラプソディ・イン・ブルー」は強烈なトランペットを筆頭に主張の強い管楽器群などソヴィエトならではの骨太な演奏、「パガニーニ・ラプソディ」では少し意外なくらいのシャープな演奏を楽しむことが出来、力強さだけでなく明快なメリハリがたいへん心地よいドレンスキーのピアノが、その味わいを引き立てています。
-
アレクサンドル・ガウク(1893-1963)
生誕125年アニヴァーサリー
R.シュトラウス、ドビュッシー、デュカ、リスト [アレクサンドル・ガウク(指揮) モスクワ放送交響楽団 ヴェラ・ドゥロヴァ(ハープ)、グリゴリー・ギンズブルク(ピアノ)]発売日:2019年06月28日
CD 2枚組 価格:2,880円(税込)
ソ連の大指揮者による貴重なレパートリーを一堂に!ムラヴィンスキーらと共にソヴィエト連邦時代を代表する指揮者の一人、ガウクの録音を集めた2枚組が登場。「ティル」や「魔法使いの弟子」といったメジャー・レパートリーに大曲「ファウスト交響曲」、ロシアではハープの第一人者であったドゥロヴァを迎えたドビュッシー、1927年の第1回ショパン・コンクール第4位として世界で認められた大ピアニスト・ギンズブルクとのリストなどを収録しています。 膨大な録音を残しながら現在手にすることの出来る音源が限られているガウクだけに、これだけの録音をまとめて聴くことが出来るのは、たいへん嬉しいところです。
-
ベラ・ダヴィドヴィチ(1928-)
ベートーヴェン(1770-1827):
ピアノ協奏曲 第1番
ショパン(1810-1849):
ピアノ協奏曲 第1番
ワルツ集 [ベラ・ダヴィドヴィチ(ピアノ)、アルヴィド・ヤンソンス(指揮)、モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団、モスクワ放送交響楽団]Piano Music - BEETHOVEN, L van / CHOPIN, F. (Davidovich, Moscow Philharmonic, Jansons)
発売日:2019年06月28日
NMLアルバム番号:MELCD1002584
CD 2枚組 価格:2,880円(税込)
アゼルバイジャンが生んだ大ピアニスト全盛期の録音ソヴィエト連邦時代のアゼルバイジャン出身で、1949年の第4回ショパン・コンクールにおいてチェルニー=ステファンスカと優勝を分け合ったダヴィドヴィチ。特にショパンを得意とした彼女でしたが、ベートーヴェンの第1協奏曲は10歳になる頃にデビューを飾った曲でもあり、このアルバムには所縁の深い作品が集められいるといえます。 ヴァイオリニスト、ディミトリ・シトコヴェツキーの母親としての顔を持つ彼女はその後アメリカに亡命し、現在は後進の指導を中心に活躍していますが、全盛期の録音を集めたこの2枚組では、独特のスケール感を持つ美しい演奏を堪能することが出来ます。
-
RUSSIAN LAST ROMANTICS
ロシア後期ロマン派の2台ピアノ作品
メトネル(1880-1951)
ラフマニノフ(1873-1943)
グラズノフ(1865-1936): [リュドミラ・ベルリンスカヤ/アルトゥール・アンセル]発売日:2019年04月26日
CD 価格:2,640円(税込)
おしどりデュオによる、2台ピアノ作品集第2弾!ベルリンスカヤとアンセルの夫婦デュオによる、2台ピアノのためのオリジナル作品を録音していく企画の第2弾。前作はアンセルの生まれたフランスのベル・エポックに挑んだ彼ら、ここではベルリンスカヤの故郷ロシアの名作を集めています。 メトネルの2曲は、彼が後半生を過ごしたイギリスで第二次世界大戦中に作曲されたもの。結局帰ることは出来なかった故国に思いを馳せつつ書かれていますが、からっとした美しさと楽しいリズムが印象的な作品です。 最も知られたラフマニノフの組曲は、弾き手の技量が試される早いパッセージが続きますが、彼らしい旋律美とピアニスティックな魅力に溢れており、唯一「ロマンス」はゆったりとした美しい響きに身を任せられる楽章となっています。 グラズノフ晩年の「幻想曲」もロシア・ロマンティシズムに溢れたもの。二人による息の合った演奏はこれらの作品のロマンティックな魅力を大いに引き出しており、また丁々発止のやりとりも素晴らしい出来栄えです。
-
ニコライ・ルガンスキー
1990年3月13日 モスクワ・ライヴ
J.S.バッハ(1685-1750):
半音階的幻想曲とフーガ ニ短調
イタリア協奏曲 ヘ長調
パルティータ ホ短調 [ニコライ・ルガンスキー]BACH, J.S.: Chromatic Fantasia and Fugue, BWV 903 / Italian Concerto / Partita No. 6, BWV 830 (Lugansky)
発売日:2019年04月26日
NMLアルバム番号:MELCD1002570
10)
CD日本語オビ付き 価格:2,320円(税込)
初出!目が覚めるほど鮮烈なバッハ1990年3月、まもなく18歳を迎えるルガンスキーによるライヴ録音が登場。1988年の第8回ライプツィヒ・バッハ・コンクールで銀賞を受賞し、この1990年にはラフマニノフ・コンクールで2位、1994年のチャイコフスキー・コンクールで2位(最高位)を勝ち取る彼ですが、そのピアニスト人生最初期のライヴの一つが、メロディアのアーカイヴから初発売となります。 ニコラーエワに長く師事し、彼女を継ぐ者の一人と認められたルガンスキーらしい、たいへん鮮烈なバッハ。「半音階的幻想曲とフーガ」冒頭から力強く大きなインパクトで聴かせ、続く「イタリア協奏曲」での迷いのないタッチもこの上ない心地よさ。現在まで精力的な活躍を続けるルガンスキーですが、これは若きヴィルトゥオーゾとしての一つの頂点を記録した素晴らしいアルバムです。拍手入り。
収録作曲家:
-
レオニード・コーガン(1924-1982)
生誕95年
アニヴァーサリー・エディション[5枚組 BOX] [レオニード・コーガン]LEONID, Kogan: Leonid Kogan Violin Collection
発売日:2019年04月26日
NMLアルバム番号:MELCD1002580
CD 5枚組 価格:5,840円(税込、送料無料)
大ヴァイオリニストの多彩な至芸を堪能ソヴィエト連邦時代を代表する大ヴァイオリニストの一人、レオニード・コーガンの生誕95周年を記念した5枚組。ピアニスト、エミール・ギレリスの妹で、傑出したヴァイオリニストであったエリザヴェータとの夫婦仲睦まじいデュエットに始まり、モスクワ音楽院でのリサイタル、ロストロポーヴィチらとのアンサンブル、コンドラシン、ネボルシンとの共演による協奏曲と、当時のソヴィエトならではの豪華共演を楽しむことが出来ます。 早熟の天才として十代で颯爽とデビュー。若くしてエリザベート王妃国際音楽コンクールを制し、あのティボーをして「誰も彼のようには演奏できない」と言わしめたコーガンですが、ここに収められた録音はいずれも二十代から三十代のもので、技術的にも音楽的にも充実した時期にある天才の至芸を堪能することができます。
-
ヴァインベルク(1919–1996):作品選集
室内楽作品集
トランペット協奏曲 [アレクセイ・ミフリン(ヴァイオリン)、エフゲニア・セイデル(ピアノ)、アレクサンドル・ブルシロフスキー(ヴァイオリン)、フョードル・ドルジーニン(ヴィオラ)、アッラ・ヴァシリエヴァ(チェロ)、ミェチスワフ・ヴァインベルク(ピアノ)、ルドルフ・ヴァルシャイ(指揮) モスクワ室内管弦楽団、ボロディン四重奏団、ティモフェイ・ドクシツェル(トランペット)、アリギス・ジュライティス(指揮)、モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団-6]発売日:2019年03月22日
CD 3枚組 価格:3,920円(税込、送料無料)
今年(2019年)に生誕100年となるポーランド出身の作曲家ヴァインベルクの、室内楽を中心とした名曲・名演を集めた3枚組。 ナチスを避け1939年以降ソヴィエトで活躍したヴァインベルクは、一般にショスタコーヴィチの影響を強く受けているいといわれ、交響曲など大規模な作品がよく知られていますが、この作品集を聴けばそれらが一面的であることがよく理解できることでしょう。ユダヤ、ポーランド、そのほかアルメニア音楽や東西の様々な作曲家などの影響も受けつつさらに発展させ、ショスタコーヴィチが「彼は心臓の血で音楽を書く」と語ったように、明白な主体性で感情をストレートに盛り込みんだ、聴くものに直接語り掛けてくる音楽を堪能することができます。 ボロディン四重奏団などソヴィエト音楽史を彩る名手たちの名が連なるセット。最後には、巨人ドクシツェルによるトランペット協奏曲も収められているのが嬉しいところです。
収録作曲家:
-
BIG MY SECRET
ピアノ・リサイタル
(ラモー、ブル、バッハ、モーツァルト、ナイマン) [アントン・バタゴフ]Piano Recital: Batagov, Anton - RAMEAU, J.-P. / BACH, J.S. / MOZART, W.A. / NYMAN, M. / BULL, J. (Big My Secret)
発売日:2019年03月22日
NMLアルバム番号:MELCD1002572
CD 2枚組 価格:3,200円(税込、送料無料)
個性派ピアニスト、バタゴフのライヴ・アルバム。前半ブゾーニ編曲版バッハのコラール前奏曲(トラック4、6、8、10)には、コラール旋律に基づく前奏を付与するなど独自の編曲も加え、ゆったりとしたテンポで作品の深淵を覗きこむような、バタゴフならではの個性的な解釈。動きのあるラモーやブルとの好対比を聴かせます。 そして後半はマイケル・ナイマンの映画音楽という、がらっと変わった趣向。自身も映画音楽の作曲家として活躍するバタゴフらしく、独特なテンポ運びとメリハリのある進行で、純粋な音楽としての作品の素晴らしさを引き出しています。両プログラムを繋ぐようなモーツァルトの、沈鬱にして美しい表情も聴きものです。
-
J.S.バッハ(1685-1750):
ヨハネ受難曲 BWV 245 [エヴァンゲリストアレクセイ・マルティノフ(テノール)/イェズスアナトリー・サフィウリン(バス)/ピラトユーリ・サヴェリエフ(バス)/エドゥアルド・セーロフ(指揮)/レニングラード古楽・現代音楽室内管弦楽団]発売日:2019年02月22日
CD 2枚組 価格:3,200円(税込、送料無料)
1981年、旧ソ連時代に国内の音楽家たちによって初めて演奏された、J.S.バッハ「ヨハネ受難曲」の歴史的録音。1967年にカール・エリアスベルクとニコライ・ラビノヴィチによって創設された「レニングラード古楽・現代音楽室内管弦楽団(現在名称:サンクトペテルブルク国立アカデミー交響楽団)を当時の首席指揮者エドゥアルド・セーロフが振り、当時ソ連で名を馳せていた名合唱指揮者アレクサンドル・スヴェシニコフの教えを受けた3人の歌手がソロを担当、同じく彼が創設した合唱団が参加しており、実質上、この公演は1980年にこの世を去ったスヴェシニコフの偉業を讃えたものとなっています。 当時のソ連での最高水準の演奏家たちによるバッハは、驚くほど洗練された解釈と力強さを備えており、少年合唱の澄んだ響きも美しく、最近のピリオド奏法を用いた演奏とは異なる味わいを持っています。
収録作曲家:
-
SEASONS OF TANGO
タンゴによるヴィヴァルディの「四季」
(S.I.ヨーナー編) [ユーリ・メディアニク(バヤン)/エモーション・オーケストラ/【メンバー】/セルゲイ・ポスペロフ(ヴァイオリン)/アレクセイ・コルバノフ(ギター)/オレグ・トゥルソフ(コントラバス)]発売日:2019年02月22日
CD 価格:2,320円(税込)
ロシアからウクライナにかけて用いられる楽器バヤン。1907年にピョートル・ステリゴフが考案し、主としてバラライカとのアンサンブルで用いられるロシア式のアコーディオンです。 このアルバムは、著名なバヤン奏者ユーリ・メディアニクが考案したプロジェクト“クラシック音楽とタンゴの融合”の最初の録音で、ヴィヴァルディの「四季」をバヤンとヴァイオリン、ギター、コントラバスという異色のアンサンブルで演奏するという試みがなされています。 ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」とヴィヴァルディの「四季」を組み合わせた演奏は、これまでにも時折リリースされていますが、ここでのアレンジはヴィヴァルディそのものがタンゴに変容するという斬新なもの。メディアニクとエモーション・オーケストラはまるで中世のバンドのような柔軟な表現を駆使し作品を自在に演奏、誰もが知っている名曲に新たな魅力を加えています。
収録作曲家:
-
1989年生まれのピアニスト、オレグ・アクラトフ。生まれた時から視覚障害を持っていましたが、優れた音楽的才能を発揮、4歳でイェイスクの音楽学校に入学し、点字を用いて楽譜を学び才能を開花させました。モスクワの大学ではジャズを専攻、ジャズピアニストとしてデビューし、エヴェリン・グレニーやウィントン・マルサリスと共演したり、リンカーン・センターでジャズ・コンサートを開催して絶賛されました。また歌手としても活動し、ユネスコ世界合唱団の一員として世界中のチャリティー・イヴェントに参加するなど精力的に活躍しています。 そんな彼が今回挑戦したのは、ベートーヴェンの最も有名な3つのソナタ。多くのピアニストが取り組んできたこの作品ですが、アクラトフはベートーヴェンの苦悩と自身のさまざまな経験を重ねることで、彼のみが表現できるユニークな世界を創り上げることに成功しています。
収録作曲家:
-
モーツァルト(1756-1791):
弦楽三重奏のためのディヴェルティメント
シュニトケ(1934-1998):
弦楽三重奏曲 [ルボツキー・トリオ]発売日:2019年02月22日
CD 価格:2,320円(税込)
2003年結成、長年親密なアンサンブルを繰り広げてきた「ルボツキー・トリオ」が演奏するモーツァルトとシュニトケの三重奏曲。活躍した時代におよそ200年の隔たりがある2人の作曲家ですが、大胆な作風と豊かな感性に裏打ちされた各々の作品には、多くの共通性を見出すことができます。モーツァルトがフリーメイソンのために作曲したとされるディヴェルティメントは、本来の意味である「娯楽性」を排した演奏至難な曲。晩年のモーツァルトらしく、精緻な作風によって書かれています。 1985年に作曲されたシュニトケの三重奏曲は後にピアノ三重奏曲に改編され、どちらのヴァージョンでも演奏される名作。マルク・ルボツキーはシュニトケの親友であり、彼の作品を何度も演奏しその真価を世に問うたことで知られるヴァイオリニスト。この最新録音でも作曲家への深い共感が感じられます。
-
1988年、ウラジオストック生まれのチェリスト、アレクサンドル・ラムが弾くブリテンの「無伴奏チェロ組曲」。彼はモスクワ国立チャイコフスキー音楽院で、ナタリア・シャホフスカヤ(ロストロポーヴィチの愛弟子)に学び、大学院過程を終えた後、ベルリンのハンス・アイスラー高等音楽院に留学し更なる研鑽を積みました。数多くの国際コンクールでの入賞歴を誇りますが、なかでも2013年にヘルシンキで開催された「パウロ国際チェロコンクール」でロシア勢初の3位入賞と、2015年のチャイコフスキー国際コンクールでの第2位入賞が彼の名声を一気に高めることとなりました。 このアルバムで彼が演奏する「無伴奏チェロ組曲」は、名チェリスト、ロストロポーヴィチの演奏を聴いて感銘を受けたブリテンが作曲した一連のチェロ作品の一つ。バッハの「無伴奏チェロ組曲」にインスパイアされた作品は、バロック的な様式と新古典主義の融合を試み、さまざまな作品からの引用を散りばめられた20世紀チェロ曲の最高傑作です。 第1番は1965年、第2番は1968年にロストロポーヴィチによって初演されたものの、1971年に作曲された第3番は、ロストロポーヴィチの“渡英禁止”の余波を受け、1974年まで初演がお預けとなってしまいました。すさまじいテクニックと奥深い感情表現が要求される一連の曲にラムは真摯に取り組み、瑞々しい感性がほとばしる演奏を聞かせています。
収録作曲家:
-
チャイコフスキー(1840-1893):
「スペードの女王」 3幕のオペラ [ヴィターリ・タラシチェンコ(テノール)、ナターリャ・タツコー(ソプラノ)、イリーナ・アルヒーポヴァ(メゾ・ソプラノ)、ドミトリー・ホロストフスキー(バリトン)、ニーナ・ロマノヴァ(メゾ・ソプラノ)、グリゴリー・グリチュク(バリトン)、ウラジミール・フェドセーエフ(指揮)、ユルロフ記念国立アカデミー合唱団、モスクワ放送交響楽団]発売日:2019年01月18日
CD 3枚組 価格:4,160円(税込、送料無料)
2017年に亡くなったホロストフスキーの追悼として、そのモスクワ・デビューとなった公演のライヴがCDで登場。メロディア・レーベルからは初めての発売となります。 イタリア・オペラ、特にヴェルディでの評価が高かったホロストフスキーですが、第2幕で有名なアリア「貴女を愛しています」を歌う「スペードの女王」でのエレツキー役は、彼の最初の当たり役として国内外各地で絶賛されたものでした。27歳のホロストフスキーによる、初々しさを残しながらも奥深い歌声をお楽しみいただけます。 フェドセーエフの指揮による力強い演奏は、かつて他レーベルから発売された際、「スペードの女王」初めてのCDとして大いに歓迎されたものです。
収録作曲家:
-
〈ロシアの現代音楽家による合唱作品集 第1集〉 [エフゲニア・クリヴィツカヤ (オルガン)、エカテリーナ・メヘチナ (ピアノ)、アンドレイ・ヴィンニツキー (打楽器)、マリヤ・チェルマキナ (ソプラノ)、ミハイル・コテルニコフ (テノール)、アレクサンドル・ソロヴィエフ (指揮)、モスクワ音楽院室内合唱団]
Choral Music - SHCHEDRIN, R.K. / CHALAYEV, S.R. (Anthology of Contemporary Choral Music by Russian Composers, Vol. 1) (Soloviev)
発売日:2019年01月18日
NMLアルバム番号:MELCD1002557
CD 価格:2,320円(税込)
2012年から2017年まで、モスクワ音楽院の各ホールで行われた同音楽院室内合唱団の演奏会より、主に宗教的あるいは教訓的なものを中心に、現代ロシア合唱界で重要な作品ばかりを集めたアルバム。 合唱のレパートリー拡大に努め、指導者としてこの合唱団を大きく育てたボリス・テヴリンが2012年に世を去ったのち、その教え子であったアレクサンドル・ソロヴィエフが師の遺志を継いで、同時代の作曲家たちの作品を積極的に取り上げていきました。彼らの活動の集大成として音楽院とメロディア・レーベルが共同企画し、ロシア作曲家協会の全面的サポートを得て、これまでにない規模で制作されるロシア現代合唱作品アンソロジーの第1弾です。
-
J.S.バッハ(1685-1750):
チェロ・ソナタ(ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ)集
(チェロとオルガンによる) [クニャーゼフ/ギユー]BACH, J.S.: Cello and Organ Music (Knyazev, Guillou)
発売日:2018年11月09日
NMLアルバム番号:MELCD1002498
CD日本語帯つき 価格:2,320円(税込)
クニャーゼフのニュー・アルバムは、フランスのオルガンの巨匠ギユーとの共演。2人がパリで初共演して以来20年も温めてきた企画として、バッハの「ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ」をチェロとオルガンで演奏しています。 元々チェンバロが伴奏という枠にはまらず、2つのソロ楽器によるソナタという性格を持つ作品ですが、ギユーはここで決してチェロの邪魔はせずに特徴的な音栓を選び、また原曲ではトリルで伸ばすところをオルガンならではの持続音で処理するなど、自ら製作に関わった楽器を自在に操って、曲が潜在的に持つ側面を新たに際立たせています。クニャーゼフのチェロものびのびと歌いながらアンサンブルを大切にしており、フレーズにより押したり引いたりの表現を巧みに構成しています。余白には、バッハの有名作品を2人で奏でた嬉しいおまけ付き。
収録作曲家:
-
ラフマニノフの生誕145年(没後75年)を記念し、ロシアを代表するレーベルMELODIYAが全力で取り組んだコレクターズBOXが登場。ラフマニノフが残した主要作品をほぼ網羅しています。 レーベルに残る数多くの音源のうち1950代以降の録音を中心に、ソヴィエト時代から現代までのロシアを代表するヴィルトゥオーゾたちの名演奏から、曲ごとにベストのテイクを選んで収録。また自作自演や、1920年代の歴史的名演奏などもボーナス・トラックとして追加しました。さらに付属のLPには、クライネフのピアノとテミルカーノフの指揮によるピアノ協奏曲第2番、キタエンコが振った「ヴォカリーズ」管弦楽版という、2曲の未発表録音を収録。作曲家ラフマニノフを俯瞰する大規模な作品集として、また古今の名演奏を集めたコレクターズ・アイテムとして、多くの人を満足させるこれまでにない大規模なアンソロジーです。
収録作曲家:
-
1965年に生まれ、ロシアの現代音楽ピアニストの騎手にして、ポスト・ミニマルと位置付けられる作曲家でもあるアントン・バタゴフ。メシアンやバッハで聴かせた、極端に遅いアプローチながら高い緊張感を保つことで生まれる高次元の美しさが、一部で大きな話題となりました。 彼が今回リリースするのは英国バロック。ヴァージナル作品と、劇音楽や歌曲を鍵盤用にアレンジした作品を集めています。冒頭の「ガリヤード」では、低音パートのみで深々と開始されたのち親しみやすいメロディがこれに絡み、視覚的な遠近法を感じさせるような奥行きと美しさを作り出しています。この奥深さはアルバム全体を支配するものですが、続くパーセルの「シャコンヌ」は比較的動きのある作品であり、構成にメリハリも持たせて飽きさせません。またゆったりと始められるパーセル「ロンド」ですが、後半ではこの作品を元にしたブリテンの「管弦楽入門」を意識したようなテンポが急に挿入されたりと、アイデアも多彩。「私たちは、ジャズ、ロック、ニューエイジ、ミニマル、そしてアヴァンギャルドを体験してしまっている」というバタゴフの言葉通り、バロックを当時のままに演奏しようとするのではなく、現代の語法で語り直す面白さと新鮮さ、そして美しさを解き明かしてくれるアルバムです。 スタインウェイの音を素直に拾った余韻の響き過ぎない録音も、作品と演奏の素晴らしさを引き立てています。
-
ダヴィッド・オイストラフ 生誕110年記念
アニヴァーサリー・エディション[5枚組] [ダヴィッド・オイストラフ]発売日:2018年09月21日
CD 5枚組 価格:5,440円(税込、送料無料)
2018年9月30日に生誕110年を迎えるダヴィッド・オイストラフ。ロシアが誇る「ヴァイオリンの王」の記念すべき年に、メロディアから5枚組のセットが登場です。心臓に深刻な疾患を抱えながらもステージに立った1972年12月28日の公演は、今回が初めてのリリースとなっています。 1935年の第1回ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールで第2位、1937年のウジェーヌ・イザイ・コンクールで優勝の座を射止め、国際的なヴァイオリニストとして広く認められた1930年代後半のSP録音。オイストラフ60歳を祝して書かれたショスタコーヴィチのヴァイオリン・ソナタの、公式の初演(1969年5月3日)より半年ほども前に作曲者の自宅で行われた非公式初演を収めた貴重な録音。他にも、ロストロポーヴィチ&ヴィシネフスカヤ夫妻、ヴァインベルクと共演したショスタコーヴィチ「ブロークの詩による7つの歌曲」の初演や、コンドラシンとの協奏曲づくしの公演など、様々な巨匠たちと幅広いレパートリーを演奏してきた彼の天才的な多様性を物語る、たいへん豪華な内容となっています。
-
ムソルグスキー(1839-1881):
組曲「展覧会の絵」/子供部屋
交響詩「はげ山の一夜」
(I.イオフ編曲室内管弦楽版)発売日:2018年07月27日
CD 価格:2,320円(税込)
ヴァイオリニスト、指揮者、イリヤ・イオフの編曲による弦楽合奏のためのムソルグスキー。「展覧会の絵」はこれまで、ラヴェルによる管弦楽編曲を筆頭に、オルガンやシンセサイザー、ジャズやロック、バヤン(ロシアのアコーディオン)などによる民族音楽的なアプローチまで、様々な編曲が行われ、広く親しまれてきました。イオフによる新たな編曲では、この作品の美しいメロディを弦楽合奏により引き出しつつ、19世紀ロシア風の手法にこだわり、あくまでロシア的な作品として再生することに成功しています。打楽器や管楽器の直線的な音色から解放された弦楽の雄大な響きには、ロシアの大地を連想させるものが確かにあります。 「子供部屋」は、ムソルグスキーのほかの歌曲集と比較しても取り上げられることの少ない作品ですが、イオフは今回の編曲で「弦楽と声楽が溶け合う音によって、子供の世界が持つ笑い、涙、恐怖、そして真の喜びを初めて描き切ることができた」と語っています。ドイツでの公演の折には「細部まで克明な彫刻のような素晴らしさ」と、地元の新聞で絶賛されました。 ラストを飾る「はげ山の一夜」は、一般的なリムスキー=コルサコフ版を下地とした編曲。夜明けの場面にはチューブラーベルも登場しています。ムソルグスキーの研究者やファンの強いこだわりにも十分に応える編曲です。
収録作曲家:
-
ロシア出身で現在はドイツで暮らすピアニスト、オリガ・アンドリュシチェンコ。モスクワ音楽院でアレクセイ・リュビモフに学んだのちに、ケルン音楽大学の大学院で更なる研鑽を積みました。20世紀から21世紀のロシア音楽をレパートリーの中心とし、モソロフとロスラヴェッツの全ピアノ作品を既に録音している彼女は、メロディアから初めてのリリースとなるこのアルバムでも、得意とする戦後ソヴィエトの珍しいアヴァンギャルド作品を集めています。 グバイドゥーリナ「シャコンヌ」、ペルト「パルティータ」、シルヴェストロフ「ソナタ第1番」は、彼らのキャリアの初期に書かれた新古典主義の影響の濃い作品ですが、それぞれ作曲家の特性を既によく伝えています。1980年代後半に始まったペレストロイカが生んだ自由な空気は、アヴァンギャルドの作風にも大きな影響を与えており、ウストヴォリスカヤ「ソナタ第6番」、シュニトケ「ソナタ第3番」はその代表的な作品。そして1994年に作曲された、デニソフの遺作の一つである「3つの前奏曲」が持つ独特のロマン性は、一つの時代の締めくくりであったといえます。
-
ラフマニノフの生誕145年を記念し、ソヴィエト戦後世代の知られざるアーティストから現代ロシアの新星まで、多彩なピアニストによる演奏を収めた作品集。あまり一般的とは言えない6手という編成で書かれた「ワルツ」と「ロマンス」は、ラフマニノフ自身が姉妹たちと夏の休暇を楽しむために作られました。 ここで弾いているのは、1908年生まれの作曲家ウラジミール・ブーニンが築いた「ブーニン一族」を代表する3人。息子でファインベルク晩年の高弟ヴィクトル、その兄弟のウラジミール、そしてエフゲニーです。前奏曲ハ短調からテーマを取った大作「ショパンの主題による変奏曲」と、3つの管弦楽作品の編曲を弾くアレクサンドル・バフキエフは、妻のエレーナ・ソロキーナとのデュエットで知られます。 歌曲からの編曲のうち2曲を弾くのはナウモフ門下のアレクセイ・ナセトキン。もう1曲「私の窓辺に」を弾くドミトリー・バシキーロフはロシア内外で広く活躍しており、ダン・タイ・ソン、ヴォロドス、コジュヒンの師としても知られます。 ラストを飾る「コレルリの主題による変奏曲」を弾くのは、既に数々の国際コンクールで受賞歴を誇るリュビモフ門下の新星セルゲイ・カスパロフ。ラフマニノフという大作曲家を共通項として、録音が少ないアーティストの演奏を堪能できる、ロシア・ピアノ・ファンには嬉しい好企画です。
-
ムソルグスキーは生涯に渡っていくつかピアノ曲を作曲しましたが、現在知られている作品は「展覧会の絵」のみであり、他の曲は全くと言ってよいほど演奏される機会もありません。もっとも、ムソルグスキー自身も晩年は歌劇の作曲に注力していたため、残されている作品のほとんどは初期から中期に書かれたものですが、どの曲も描写的でまるで歌劇の中のアリアのような美しいメロディに彩られており、折々のムソルグスキーの心情が反映されたかのような独創性を持っています。 このアルバムには彼のピアノ曲全てが収録されており、もちろん13歳の作品「騎手のポルカ」も含まれています。MELODIYAの膨大な音源から選ばれた名手たちの演奏でお楽しみください。ボーナス・トラックの「死の歌と踊り - セレナード」はこのアルバムのための新録音です。
収録作曲家:
-
2011年「ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクール」と「チャイコフスキー国際コンクール」で特別賞を受賞、2014年にはロン・ティボー(クレスパン)国際コンクールで優勝し、世界の檜舞台で活躍している1987年生まれのヴァイオリニスト、エイレン・プリチンが演奏するプロコフィエフのヴァイオリン作品集。ピアノは同じ年のモスクワ出身の俊英、ユーリ・ファヴォリンが担当、20世紀のヴァイオリン・ソナタの中でも最高傑作である2曲のソナタで熱い共演を繰り広げています。 冒頭の「5つのメロディ」はもともとロシア出身のソプラノ歌手ニーナ・コシェツのために書かれたヴォカリーズ(歌詞のない歌)であり、その後に作曲家自身がヴァイオリンとピアノのために編曲した作品。伸びやかで透明な旋律が魅力的です。
収録作曲家:
-
フランスの若手ピアニスト、アルチュール・アンセル。彼は世界中のコンサートホールで活躍していますが、ロシア国内で名声を確立したのは、リュドミラ・ベルリンスカヤとのピアノ・デュエットの成功によるものでしょう。 現代音楽の名手としても知られ、豊富なレパートリーを持つアンセルですが、このアルバムでは1760年代後半に作曲されたハイドンの3つのソナタを選曲。C.P.E.バッハの影響も見られる中期のソナタから、アンセルは多彩な表情を引き出しています。
収録作曲家:
-
バッハやメシアンなどの作品を「極端に遅いテンポ」で演奏、独特のアプローチで知られる1965年生まれのピアニスト、アントン・バタゴフ。作曲家でもある彼は、ロシアでいち早くミニマルとジャズを取り入れたアヴァンギャルドな作風の持ち主として活躍。また時には天使に憧れ俗世を離れてしまうなど、浮世離れした性格でもあります。 このアルバムは彼が2012年10月にニューヨークのラフマニノフの墓を訪れた際に沸き起こったインスピレーションを書き留めたもの。ラフマニノフと現代の“ポストモダン”作曲家とを繋ぐために“ラフマニノフを象徴する2つか3つの音符による小さな動機”を選び、「もし今を生きる作曲家たちがこの動機を元に音楽を書いたら」とバタゴフ自身が想像して作り上げた音楽集です。全編ミニマル・ミュージック的でもあり、瞑想的でもある特異な1枚となっています。
収録作曲家:
-
「ロシアのゴールデンデュエット」と称されるバフキエフとソロキーナのピアノ・デュオ第2集。彼らは1968年に初めて共演を行い、以来、40年近くのコラボレーションの結果、ロシア国内外で数千回に及ぶコンサートを開催、様々な作曲家の100以上の作品を演奏し、70枚以上のレコードとCDをリリースしました。レパートリーはバロック期の音楽から近現代の作品まで幅広く、創造性に富んだ音楽は高く評価されています。 第1集(MEL1002197)ではシューベルト、シューマン、ブラームスとヨーゼフ・ランナーというロマン派の作品を収録していましたが、第2集は1980年と81年に収録されたモーツァルトのソナタ集。なかでも有名なK448での鮮やかな演奏が聴きものです。
収録作曲家:
-
#AUSTRIAINTIME
ロシアの若い作曲家による室内楽作品集 [新モスクワ・アンサンブル]Chamber Music (Austrian) - BODROV, K. / BAITEREKOV, S. / ROMASHKOVA, A. / KHOROV, D. (#Austriantime) (New Moscow Ensemble)
発売日:2018年03月23日
NMLアルバム番号:MELCD1002511
1)
CD 価格:2,320円(税込)
-
シューマン(1810-1856):
チェロ協奏曲
エルガー(1857-1934):
弦楽オーケストラのためのセレナード
カプースチン(1937-):
チェロ協奏曲 第2番 [ザゴリンスキー/ロスクトフ]SCHUMANN, R.: Cello Concerto, Op. 129 / ELGAR, E.: Serenade, Op. 20 / KAPUSTIN, N.: Cello Concerto No. 2 (Zagorinsky, Loskutov)
発売日:2018年02月23日
NMLアルバム番号:MELCD1002483
CD 価格:2,160円(税込)
-
1932年、レニングラードで生まれ、ムソルグスキー学校、グネーシン音楽大学を経てモスクワ音楽院で学んだ指1932年、レニングラードで生まれの指揮者ウラディーミル・フェドセーエフの85歳を記念したアルバム。1971年に当時のレニングラード・フィルハーモニーに客演指揮者としてデビューし、1974年からはモスクワ放送交響楽団の音楽監督、首席指揮者に就任。現在でも良好な関係を築いています。幅広いレパートリーを持ち、名曲、秘曲をまんべんなく取り上げ、常に話題を提供することでも知られています。 このアルバムにはリムスキー・コルサコフとストラヴィンスキーの刺激的な演奏を収録。「シェエラザード」はフェドセーエフが最も得意とする曲の一つで、世界ツアーでも必ず演奏するオーケストラのトレードマークの役割を担う大切なレパートリーです(この演奏は、かつてCDで流通していましたが、現在では入手困難となっています)。
収録作曲家:
-
The Unity of Opposites
ポチェキン・ブラザーズ [ミハイル&イヴァン・ポチョーキン]Violin and Viola Recital: Pochekin, Mikhail / Pochekin, Ivan - MOZART, W.A. / HAYDN, M. / GLIÈRE, R. / PROKOFIEV, S. (The Unity of Opposites)
発売日:2018年01月26日
NMLアルバム番号:MELCD1002534
CD 価格:2,160円(税込)
Melodiyaレーベルが力を注ぐ「若い芸術家たち」に焦点を当てるシリーズの1枚。ヴァイオリニストの両親を持つポチェキン兄弟は、ロシアを中心に世界中でソリスト、デュオの両面で演奏活動を10年続けている俊英です。ヴァイオリン2台(もしくはヴァイオリンとヴィオラ)という組み合わせのアンサンブルはかなり珍しく、また、作品もあまり多くありませんが、兄弟は常に個性をぶつけ合いながらも、調和の取れた演奏を披露することで知られています。 このアルバムに収録された3人の作曲家の作品でも、お互いの才能が拮抗することで、スリリングかつ親密な響きが紡ぎ出されています。
-
3×3 ライブ [ゲニューシャス/プリチン/ブズロフ]
Chamber Music (Piano Trios) - SHOSTAKOVICH, D. / WEINBERG, M. / RAVEL, M. (3x3) (Geniušas, Pritchin, Buzlov)
発売日:2017年12月22日
NMLアルバム番号:MELCD1002491
CD 価格:2,160円(税込)
3人の若手奏者が、3人の作曲家のピアノ三重奏曲を演奏するというシリーズ。今回は20世紀の作品が選ばれています。1914年に書かれたラヴェルの作品は軽やかでロマンティックで、ショスタコーヴィチとヴァインベルクの作品との共通項はないように感じられますが、17歳のショスタコーヴィチはラヴェルを知っていたことを仄めかしており、このピアノ三重奏曲も少しだけフランス風の香りを漂わせています。 ピアノのゲニューシャスをはじめ、1987年生まれ、ヴィエニャフスキ国際コンクールの入賞者プリチン、やはり15以上の国際コンクールで入賞したチェロのブズロフの三人による求心力のある演奏です。
-
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(1927-2007)。アゼルバイジャン出身、20世紀を代表するチェリストです。ソリストとしてだけでなく、指揮者としても活躍し、親交のあったショスタコーヴィチやプロコフィエフのチェロ作品と管弦楽作品を積極的に演奏し、ロシア国内だけでなく、世界中に広めた功績も知られています。 このBOXに収録された音源はどれも1967年以前に録音された「若い時期」の演奏であり、ロストロポーヴィチが初演を担った作品も含まれています(ブリテンのチェロ協奏曲はこの演奏が世界初録音になりました)。タイトルの「SLAVA」とはロストロポーヴィチの愛称で、“栄光”を意味するロシア語と、彼自身のファーストネームの一部に由来しています。
-
1988年生まれのドミトリー・マスレエフ。バイカル湖とモンゴル国境にあるシベリアの町、ウラン・ウデの出身、モハメド音楽院とイタリアのコモ湖ピアノアカデミーで学びました。数多くの国際コンクールに入賞し注目を浴びましたが、最も輝かしい記録は、何といっても2015年に開催されたチャイコフスキー国際ピアノコンクールの優勝でしょう。以降、世界の檜舞台に立つ回数が格段に増えたマスレエフは、名ピアニスト、ボリス・ベレゾフスキーの薫陶を受け、モスクワで何度もデュオ・リサイタルを開催しています。 このアルバムでは、スラドコフスキの指揮をバックに、ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第2番を演奏。冒頭には全く対照的な曲調であるスカルラッティのソナタを収録。幅広い表現力を見せています。ボーナスとして収録された彼自身の編曲によるショスタコーヴィチの「エレジー」も聴きどころです。
-
シューベルト(1797-1828):
ピアノ・ソナタ 第16番・第21番 [マルティノフ]SCHUBERT, F.: Piano Sonatas Nos. 16 and 21, D. 845 and 960 (Martynov)
発売日:2017年10月27日
NMLアルバム番号:MELCD1002504
CD 2枚組 価格:3,040円(税込、送料無料)
1969年生まれの現代ロシアを代表するピアニストの一人、ユーリ・マルティノフが弾くシューベルトの2つのピアノ・ソナタ。ロシアで初めてクラヴィコードでバッハの「平均律クラヴィア曲集」を演奏した人であり、ロシアでのルネサンス、バロック音楽演奏のスペシャリストとしても活躍しています。 ハープシコードやオルガンを得意とするマルティノフですが、この2006年に録音された2曲のシューベルトは、どちらもモダン・ピアノ(スタインウェイ)が用いられており、バロック物とは全く違う表現を見せています。ゆったりとしたテンポで、シューベルトの晩年の作品特有の濃密な世界をじっくりと描き出しすことで、聴き手の耳を魅了します。
収録作曲家:
-
ボリス・チャイコフスキーの甥であるアレクサンドル・チャイコフスキー(ピョートル・イリイチとは血縁関係なし)。彼は現代ロシアで最も著名な作曲家の一人であり、ユーリ・バシュメットとの音楽的協力でも知られています。 このアルバムには2曲の協奏曲を収録。1993年に初演された「シンプル・トーンによるエチュード」は、バシュメットに献呈された作品で、ロマン派、印象主義、ジャズ、ミニマリズム、ロックンロールに至るまでの様々な時代のイディオムが使われています。「2台のピアノと管弦楽のための協奏曲」はネイガウス門下のアレクサンドル・スロボジャニクと彼の息子のために書かれた作品。最初は独奏ピアノの協奏曲でしたが、初演の終了後に第2ピアノのパートが付け加えられたもので、このヴァージョンでの初演ではチャイコフスキーはこのパートを演奏したということです。 2曲を指揮するのはマリス・ヤンソンス。以前もBR KLASSIKに「交響曲第4番」(900107)を録音するなど、アレクサンドル・チャイコフスキーを愛奏しており、この録音でも共感に満ちた素晴らしい演奏を披露しています。
収録作曲家:
-
J.S.バッハ(1685-1750):
チェロ作品集
フランス組曲 [ザゴリンスキー/ステーン=ノックレベルグ]BACH, J.S.: Cello Music (Zagorinsky, Steen-Nøkleberg)
発売日:2017年05月19日
NMLアルバム番号:MELCD1002454
CD 5枚組 価格:4,080円(税込、送料無料)
1962年生まれのチェリスト、アレクサンドル・ザゴリンスキーは、モスクワ音楽院を卒業後、1988年まで名教授ナタリア・シャコフスカの助手を務めながら、数々のコンクールに入賞。1991年から2000年にはモスクワ・フィルの首席奏者として活躍「ロシア名誉芸術家」の称号を授与されています。彼のレパートリーはとても広く、バロックから現代まで4世紀に渡る作品を自在に演奏することでも知られています。 共演のアイナル・ステーン=ノックレベルクは1944年、ノルウェー生まれのピアニストでグリーグのオーソリティです。生まれも経歴も全く異なる2人ですが、2002年から共演を重ね、これまでにもロマン派の作品を集めたアルバムでの「2人の音楽性」が高く評価されています。 今回のバッハ作品では、独奏曲では各々の個性を最大に発揮しながら、共演曲ではその独自の個性をぴったり融合させるという素晴らしい演奏が繰り広げられており、デュオ曲、独奏曲、どこからでも楽しめるBOXです。
収録作曲家:
-
ショスタコーヴィチ(1906-1975):
協奏曲全集 [ゲニューシャス/マスレエフ/ドガーディン/ミリューコフ/ブズロフ/ラム/タタルスタン国立響/スラドコフスキー]SHOSTAKOVICH, D.: Concertos (Complete) (Geniušas, Masleyev, Dogadin, Milyukov, Buzlov, Ramm, Tatarstan National Symphony, Sladkovsky)
発売日:2017年05月19日
NMLアルバム番号:MELCD1002465
CD 3枚組 価格:4,080円(税込、送料無料)
2016年、ショスタコーヴィチ生誕110年を記念して始動したプロジェクトの第1弾は、「マーラー:交響曲選集」で注目を浴びたスラドコフスキを指揮者に据え、2015年に開催された「チャイコフスキー国際コンクール」の入賞者(ドガジンのみ2011年の入賞者)をソリストに迎えた3枚組の協奏曲全集。交響曲に匹敵するスケールの大きさと、内容の深さを持つこれらの協奏曲を若手演奏家たちの熱気溢れるソロで聴く全集は、ロシアの音楽教育の伝統と実力を示したMelodiyaレーベルの自信作となっています。
収録作曲家:
-
シリーズ名に「APRIORI=先験的」の文字が付されていることからわかる通り、新しくMelodiyaレーベルが発足して25年、今回のアルバムほど慎重を期した録音はこれまでにありませんでした。ユニークな楽器編成、バロック期から現代作品(めったに演奏されないベートーヴェンの二重奏も含む)といった曲のスタイルの違い、時にはエレクトロニクスと、従来のMelodiyaでは考えられないほどの多様性を持ったプログラムは、全てが3人の演奏者たちの芸術的意思を反映したものであり、これを最上な形で録音し、リリースすることはレーベルにとっても画期的なプロジェクトとなりました。演奏は全て2016年に完成したばかりのモスクワ音楽院小ホールで行われ、その素晴らしい響きを存分に取り入れた録音も聴き所です。
-
オレグ・ヴェデルニコフの思い出に捧げる
〈ロシアの20世紀チェロ作品集〉
ショスタコーヴィチ/デシャトニコフ
シュニトケ/シチェドリン [ヴェデルニコフ/ゴリボル]Cello and Piano Recital: Vedernikov, Oleg / Goribol, Alexei - SHOSTAKOVICH, D. / DESYATNIKOV, L.A. / SHCHEDRIN, R.K. / SCHNITTIKE, A. / FAURÉ, G.
発売日:2017年02月24日
NMLアルバム番号:MELCD1002452
4)
CD 価格:2,160円(税込)
2015年に48歳の若さで生涯を閉じたロシアのチェリスト、オレグ・ヴェデルニコフ。才能に恵まれた奏者でありながらも、存分に名声を勝ち得たとは言えない不遇の演奏家の一人です。スヴェドロフスクでエンジニアの家庭に生まれたヴェデルニコフは、ウラルで学んだ後、1989年にモスクワ音楽院の大学院に入学、ナタリア・シャコフスカヤに師事、ソロ活動を始めてすぐにピアニストのアレクセイ・ゴリボルとデュオを結成して活動を始めます。1991年にイタリアのトラーパニで開催された室内楽コンクールで1位を獲得、ロシア同時代の作曲家たちの作品の初演を数多く行う演奏家として知名度を上げました。2001年には北京交響楽団の首席チェロ奏者となり、10年以上中国で活躍、帰国後はモスクワ現代音楽アンサンブルのソリストを務めていましたが、病を得て、2015年6月11日に惜しまれつつこの世を去りました。 この1993年に録音されたアルバムは、当時デュオを組んでいたゴリボルとの共演で「20世紀のロシア作品」が収録されていますが、この録音はこれまでリリースされることがなく、ヴェデルニコフの死後1年以上を経て、彼の思い出のためにリリースが決定したということです。
-
2016年、ショスタコーヴィチの生誕110年を記念して、ロシアの名手チュコフスカヤによって録音された「24の前奏曲」を含むピアノ作品集。彼女のパフォーマンスは息を呑むほどの妙技と、ロシア伝統の演奏法に支えられており、その才能はロストロポーヴィチにも賞賛されたほどです。しかし、1980年ショパン国際ピアノ・コンクールに入賞(イリーナ・ペトロヴァ名義にて)した際は、多数の演奏会への出演を依頼されるも国家安全保障委員会から許可が出ず、即刻帰国し、以降80年代後半までは出国を許されることがなかったという当時の政策に振り回されてしまいました。とは言え、10年間に渡ってソ連の主要都市で400回以上のコンサートを行い、聴衆の心を掴んだ彼女、海外で演奏できるようになった80年代後半の演奏は、目に見えて自由度が増したということです。マキシム・ショスタコーヴィチの協力者としても知られる彼女は、現在教育者としても活躍し、後進の育成に力を注いでいます。
収録作曲家:
-
イラリオン府主教(アルフェエフ)(1966-):
〈宗教作品集〉
スターバト・マーテル
上昇の歌/クリスマス・オラトリオ [ゲルズマーワ/ディデンコ/シロフスキー/アカデミー・オブ・コラール・アート・クワイア/スピヴァコフ]ALFEYEV, H.: Stabat Mater / A Song of Ascents / Christmas Oratorio (Gerzmava, Didenko, Shilovsky, Academy of Choral Art Choir, Spivakov)
発売日:2016年11月30日
NMLアルバム番号:MELCD1002419
CD 2枚組 価格:3,040円(税込、送料無料)
ロシア正教会の府主教。聖職者であり、神学者であり、歴史学者であり、作曲家であるというイラリオン(1966- 修道誓願前の姓:アルフェエフ)の作曲家としての作品集。モスクワに生まれ、ヴァイオリン、ピアノ、作曲を学び、2年間の兵役を終えた後、1987年1月にヴィリニュスの聖神修道院で修道士になり、その年の8月には司祭に叙聖されたという優れた人で、現在ではロシア正教の要職に就いています。 作曲家の作品のほとんどは宗教曲で、無伴奏の正教会の奉神礼のための曲や、このアルバムで聴くことのできるオーケストラを用いた演奏会用の大規模な作品など、時には前衛的な響きも用いた、どれもが意欲的な作品です。この2011年の録音は、ヴァイオリニストとしても知られるスピヴァコフが指揮を担当、少年合唱団を含む壮麗な合唱と、世界的に高名なソリストたちを迎えて繰り広げられた感動的な演奏です。
収録作曲家:
-
メニューイン
生誕100年アニヴァーサリー・エディション [メニューイン]Violin Recital: Menuhin, Yehudi - FRANCK, C. / DEBUSSY, C. / BLOCH, E. / BARTÓK, B. (Anniversary Edition)
発売日:2016年11月23日
NMLアルバム番号:MELCD1002460
CD 6枚組 価格:10,800円(税込、送料無料)
2016年はユーディ(イェフディ)・メニューイン生誕100年の記念年です。Melodiyaレーベルでは“20世紀の最も偉大なヴァイオリニスト”であった彼を記念して、歴史的録音のセットをリリースします。 ベラルーシ出身のユダヤ人哲学者を父に持ち、4歳からヴァイオリンを始めたメニューインは、すぐさま神童振りを発揮し、7歳で初コンサートを開催、13歳の時にはベルリンでコンサートを行うなど、世界的に注目されました。第二次世界対戦中は慰問活動を積極的に行い、バルトークへ援助をしたり、戦後にはフルトヴェングラーと共演したりと活発な活動を行います。1951年にはアメリカの親善大使として日本に初来日、以来、大の親日家になったことでも知られ、日本でも馴染み深い演奏家の一人です。ロシア(当時のソヴィエト)にも何回も訪問し、数多くの演奏家たちとも交流、とりわけ1962年には大規模なツアーを組み、この時には彼の妹ヘプツィバがアンサンブル・メンバーに加わるなど興味深いコンサートを繰り広げました。 CD1と2には1945年にソ連のピアニストと共演したリサイタル、CD3と4はヘプツィバとのデュオ、そしてCD5と6はオーケストラとの共演を中心に収録したこのBOXは、1951年の初来日の際にも会場の全ての人を熱狂させたという“天才メニューイン”の姿を彷彿させる絶頂期の演奏が詰まっています。