しかも、土を耕してオーチャードグラスやクローバーなどの外来種の種を撒いてつくる餌ではなく、雨と太陽の恵だけで育つ野シバを餌とします。

もっとも、自然の山野には草以外の植物も自生しているので、これらも餌になります。



牧草地の草は牛に食べられ踏みつけられていくうちに、植生を徐々に変化させていきます。背の高い草が消えて野シバが根付き、やがて一面野シバになります。牛は野シバの若芽を餌にしますが、再生力の強い野シバは次々と若芽を芽吹かせて牛に餌を提供します。

野シバは雑草に負けること がないので除草剤や化学肥料を投与することもなく、その根は肥沃な表土をがっちりと押さえ込み土壌侵出をも防いでくれます。

また、野シバで育つ健康な牛の “ きれいな ” 糞尿は野シバの栄養源となり、牛と野シバの共存関係が出来上がるのです。(中洞牧場では野シバ・木の葉・雑草などがなくなる冬期は国産の無農薬乾草を給与しています)



これは「1ヘクタール・2頭以内、合計でも100頭前後」という少数飼育だから可能なことでもあります。いくら自然放牧でも、過放牧地や数百頭数千頭規模の放牧地では糞害がでてしまいます。