カランカラーン (ドアの開く音・・・)


『ようこそ BAR 文房具カクテル へ』

本日もようこそお越し下さいました。だいぶ当店の趣向を感じとって頂けたようですね。
ありがとうございます。

さて、そろそろ文房具好きの皆様が揃ったところで
今宵も文房具の話に花を咲かせ美味しいお酒の肴にして下さい。


13drink 50年間作り続けたスケッチブック U


マルマンのスケッチブックが発売されネットでも沢山の方々がblog等で紹介されていました。文房具をこよなく愛する方が非常に多いのはマスターとししても嬉しい限りでございます。
今日は9月1日(土)です。私が小学生の頃、9月1日が日曜日だと始業式は9月2日になり授業は確か?3日から始まり宿題が余分に出きると計算していた事を思い出します。

前回の流れから今回では、少しマルマン社について触れてみたいと思います。
1920年 東京神田に初代井口興一氏が「丸万商店」を創業。創業当時は、学習用スケッチブックの製造・販売を開始し、やがて関東・東北地区の官公私立中学に納品されていました。1950年代後半に画紙開発におけるキーパーソンとなる前川博氏により紙の開発を行うパターンが定着してきたのはこの頃でした。そして今回取り上げた「図案シリーズ」が1958年開発に至るのでありました。

従来、スケッチブックを綴じるワイヤーは、一本一本、手で巻いてリングに通していました。この工程を自動化して生産効率を上げるために、井口氏は製本機を買い付けにヨーロッパに向かうのですが戦後の渡航制限が続く中での旅立ちは困難が伴ったといいます。念願の「スパイラル製本機」を導入してスチールワイヤーを螺旋状に加工し、リング穴に通す作業を一括・自動で行うこの機械により、スケッチブックの本格的な量産が開始されました。このとき、製品ラインナップの中で重要な位置を占めたのが「図案シリーズ」です。今も変らず製品の顔となっている、深い緑と黄色の表紙は、東京・渋谷のデザイナー、奈良部恵三郎氏の持ち込みによるアイデアでした。デザイン(図案)という概念が一般的ではなく、デザイナーも「図案家」と呼ばれたいた時代ですが大胆な構成でありながら温かい雰囲気の「図案」が印刷された表紙は、市場に受け入れられました。

1960年代に向かい高度成長時代に突入していく頃に開発された「プラスチックバインダー」は、用紙の差し替えが出来る画期的なノートでした。この製品は、多くのユーザーの支持を得て、現在に至るまで愛され続けています。1980年代はバインダーやルーズリーフの経験を生かし、ビジネス用途のファイリング用品の開発を進め独自の視点での製品開発を行い今日に至っております。今では文房具専門店を始め文房具売場では欠かせない商品、ルーズリーフやスケッチブックを始めとする沢山のオリジナル商品をお持ちのマルマン社はデザインへのこだわりから環境対応や紙の魅力を引き出しながら、最近お客様の要望の高い「筆記への興味」に応える製品作りを期待しています。
(文献 「私の名前をご存じですか?」2007年7月発行 より引用)

マスターより早くこの世に生まれ今でも沢山のユーザーに愛される製品を開発した
マルマン株式会社の画紙へのこだわりは本当に脱帽いたします。



・2007.09.01 13drink 〜50年間作り続けたスケッチブック U〜