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 > 知れば知るほど奥深い 磧本ソムリエのワイン講座 > LESSON#039 日本各地のお正月料理とそれに合うワイン

日本各地のお正月料理とそれに合うワイン

 お雑煮にもいろいろな種類があるように、全国には郷土色豊かなお正月料理があります。そこで今回の講座では、日本各地でお正月に食べられる料理と、それに合うワインをご紹介。皆様がお住まいのところでも似たような郷土料理がありましたら、ぜひためしてみてください。

1時間目 北海道・氷頭なます

氷頭とは、サケの頭部の軟骨の部分。軟骨が氷のように透けて見えることから、この名が付いたようです。

 氷頭とは、サケの頭部の軟骨の部分。軟骨が氷のように透けて見えることから、この名が付いたようです。普通のなますと同じくお正月料理のひとつとされ、北海道のほかにも、青森や岩手、新潟の沿岸部でも作られます。薄く切った生鮭の頭部に塩をして酢で洗い、ダイコンと合わせて甘酢で和えます。イクラで彩りを添えて、お正月らしく紅白なますのようにしても食べられています。
「氷頭なます」にオススメのワインはボルドーのクレマン

2時間目 福島県・いかにんじん

いかにんじんは福島県民のソウルフード。お正月料理に欠かせないのはもちろんのこと、常備菜としても愛されています。

 福島県民のソウルフード。お正月料理に欠かせないのはもちろんのこと、常備菜としても愛されています。細く切ったスルメとニンジンを、醤油、酒、砂糖、みりんで作ったタレに1~2日漬け込みます。昆布をいっしょに漬け込む家庭もあります。地元では、おつまみ、ご飯のおかずとして食べるほか、焼きそばの具にしたり、かき揚げにしたりと、いろいろアレンジもされているようです。
「いかにんじん」にオススメのワインはイタリアの白ワイン

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3時間目 石川県・かぶら寿司

かぶら寿司は塩漬けにしたブリをカブではさみ、米麹に漬けた「なれ寿司」の一種です。

 塩漬けにしたブリをカブではさみ、米麹に漬けた「なれ寿司」の一種です。金沢が有名で、石川県を代表するお正月料理ですが、富山県でも盛んに食べられています。家庭ごとにさまざまな味があり、ブリ以外に、サバやサケでも作られます。カブは絶妙な歯ごたえで、ブリの旨味を米麹のやさしい甘さがふんわり包み込んでいます。ワインと同じ乳酸発酵なので相性ぴったりです。
「かぶら寿司」にオススメのワインはドイツの白ワイン

4時間目 和歌山県・いがみの煮付け

いがみとは、ブダイのこと。温暖な海域で獲れる冬が旬の魚で、紀南地方の代表的な磯魚です。

 いがみとは、ブダイのこと。温暖な海域で獲れる冬が旬の魚で、紀南地方の代表的な磯魚です。お正月などのハレの日になくてはならない、1匹丸ごと使ったお頭付きの煮魚で、地元では煮こごりといっしょに食べると大変美味しいとされています。醤油、砂糖、みりんを使った甘辛い味付け。お酒のおつまみとしてはもちろんのこと、アツアツのご飯の上にかけても親しまれています。
「いがみの煮付け」にオススメのワインはイタリアのキャンティ

5時間目 鹿児島県・きいこん

きいこん(切いこん)とは、鶏肉と野菜の煮物のこと。材料を切って鍋に入れるところから、その名が付いたといわれています。

 きいこん(切いこん)とは、鶏肉と野菜の煮物のこと。材料を切って鍋に入れるところから、その名が付いたといわれています。鶏肉は骨付きのぶつ切りを使い、野菜はダイコン、サトイモ、ニンジン、ゴボウ、そのほかコンニャクや厚揚げなどを入れます。ダシは干し椎茸で、醤油とみりんで味付けします。筑前煮(がめ煮、炒り鶏)に似ていますが、きいこんは必ず骨付き肉を使います。
 「きいこん」にオススメのワインはボジョレーの赤ワイン