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 > 知れば知るほど奥深い 磧本ソムリエのワイン講座 > LESSON#032 ボルドー取材こぼれ話

ボルドー取材こぼれ話
 2007年6月に世界遺産に登録されたボルドー市。ワインファンには嬉しい出来事でしたね。ちょうどその年にMy Wine CLUBの取材でボルドーを訪れていたんです。取材ではサンテミリオンまで足を運びましたので、世界遺産を2カ所も回れることができて大変ラッキーでした。そんなラッキーな取材の思い出を振り返りながらこぼれ話をしたいと思います。
マドモアゼルもぶどう畑が好き

 昔、フランスで修行していた時代にはぶどう畑の世話をするのは日に焼けて恰幅の良い年配の方々が多かったように感じます。しかし今回訪れてみると、驚いたことにぶどう畑に入って作業していたのはチャーミングなマドモアゼルたちだったのです!ピアスなどのお洒落もしており、カメラを向けると恥ずかしそうに下を向いてしまう初々しさもあり、とても可愛らしい彼女たちを見ていると、時代の変化を感じました。ですが、ボルドーワインの味はますますレベルアップしていますね。

昔、フランスで修行していた時代にはぶどう畑の世話をするのは日に焼けて恰幅の良い年配の方々が多かったように感じます。しかし今回訪れてみると、驚いたことにぶどう畑に入って作業していたのはチャーミングなマドモアゼルたちだったのです! ぶどうに愛される名誉ある畑

 ボルドーではアペラシオンに選ばれなかった畑には飼料用のとうもろこしを植えたりして、少しでも収益があがるようにしています。そんな畑さんたちの会話を想像してみましょう。
「アペラシオンに認定されていいですね。僕は落ちてしまいました。やはり、代々の血筋…いえ、地筋がいいのですね。」
「いえ、ぶどうは痩せて水はけの良い土地が好きなんですよ。私のように荒れた痩せっぽちのほうが好かれるのです。あなたこそ、よく肥えて、恰幅がよくてモテモテでしょう。」
「確かに、とうもろこしたちにはモテていますが、ぶどうに愛されたいんです!」

とうもろこしはよく肥えた土地が好きですが、ぶどうは痩せて水はけの良い土地が好きなんです。 モデル磧本、大奮闘! ポーズを決めるなど大忙しの磧本ソムリエ

 フランスは日本より陽が暮れるのが遅く、いつまでも明るいのです。22時くらいになって、ようやく夜の雰囲気になり始めます。なので、取材スタッフ達も、遅くまで仕事続行でした。もちろん私も「マイワインクラブ」の読者のために、テイスティングに次ぐテイスティングで、殺人的なスケジュールをこなしました。ときどき、ガロンヌ河岸で、港に立つ石原裕次郎のように渋いポーズを決めたり、ぶどう畑で万歳をしてシャッターチャンスを待つなど、モデル磧本も大活躍しました。

シャトー・エアポート(!?) ボルドー空港では空きスペースを利用してぶどうが植えられていたのです。

 ボルドー空港で面白いものを発見しました。なんと、空港にミニぶどう畑があったんです。帰国時のことなのですが、搭乗手続きが済んで出発ロビーに向かう途中、今日でボルドーともお別れかと、景色の見納めにテラスへ出ました。そこは二階だったのですが、下のほうを見ると、空きスペースを利用してぶどうが植えられていたのです。遠目だったので品種までは分かりませんでしたが、ちゃんと葉っぱも繋がっているミニ畑はとても可愛らしかったです。

どっちが有名人? ワイン貴族のフィリップ・カステジャ氏

 ポイヤックで再会したワイン貴族のフィリップ・カステジャ氏。彼が数年前来日した際、僕の店を訪ねようとタクシーに乗り込んだらしいのですが、僕の店はパリの小路のように細い道路を辿らなければならないので運転手さんは迷子になりました。 「ポイヤックでは、シャトー名を言うだけでタクシーは僕の家に連れて行ってくれるよ」とからかうフィリップ氏に僕は「東京では店の名前より僕の名前のほうが有名だから、タクシーの運転手には店名ではなく、ソムリエ磧本のいるところへ連れて行ってと頼むのが正解なんだ」と言ってしまったのでした。