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 > 知れば知るほど奥深い 磧本ソムリエのワイン講座 > LESSON#027 ワインこぼれ話

ワインこぼれ話
 お酒にまつわることわざは世界にたくさん残されていますが、ワインにまつわるエピソードやこぼれ話、ことわざもあります。次から次へと時代を超えて言い伝えられて来た内容ですから、おもしろくて、意味が深いものも多いのです。ワイングラスを傾けながら、読んでみてください。
ミサにも使うほどのムルソーファン ルイ15世が愛した女性として歴史に名が残るポンパドール夫人。彼女は美貌の持ち主だけではなく、芸術の熱心な愛好家で、ワイン好きとしても有名でした。

 ルイ15世が愛した女性として歴史に名が残るポンパドール夫人。彼女は美貌の持ち主だけではなく、芸術の熱心な愛好家で、ワイン好きとしても有名でした。  ポンパドール夫人とワインに関する逸話はたくさん残されていますが、五大シャトーのひとつ「シャトー・ラフィット」が王室御用達ワインになったのも、彼女の推薦があったからなのです。
 その上、彼女の庇護を受けていたやり手の政治家ベルニス枢機卿も、大のワイン好き。しかもブルゴーニュのムルソーに目がないことで名が知られていたんです。聖体拝領のミサにもムルソーしか使わなかったというくらいの熱烈なファンでした。ムルソーのミサは、さぞかし香しいものだったんでしょうね。

ワインには大地と太陽のエネルギーがいっぱい

 「1杯のワインは、しばしば、牛二頭よりも強く引く」。フランスのサヴォワ地方のことわざで、「1杯のワインを飲むと牛二頭分より強いパワーがみなぎる」という意味なんです。
 実は、昔の地中海地域でも「ワインには不思議なパワーが備わっている」と考えられていたのです。「地中深く根を伸ばしたぶどうの樹は大地のエネルギーを得ている。一方、地上のぶどうの樹は太陽からのエネルギーをたくさん受けている。つまり、収穫を迎えたうどうには、この大地のエネルギーと太陽のエネルギーのふたつが含まれている」というというものでした。
 現代の私たちも、サヴォワ地方や古代地中海の人々をみならって、ワインからたくさんのエネルギーをいただいて日々過ごしていきたいですね。

「1杯のワインは、しばしば、牛二頭よりも強く引く」。フランスのサヴォワ地方のことわざで、「1杯のワインを飲むと牛二頭分より強いパワーがみなぎる」という意味なんです。 相手のホンネを知りたかったら一緒にワイン!? 相手のホンネを知りたかったら一緒にワイン!

 イタリアのことわざ、「真実はワインの中にある。」似たような表現は世界各国に散らばっていて、「ワインで正直」(ラテン語)、「生のワインは舌を解き放つ」(スロバキア語)…etc。分かりやすく言うなら、「ワインを飲んだら正直なことを話す」という意味ですが、これは、酔ったせいで口がなめらかになるというより、ワインがそれだけ魅力に富んだ飲み物であるということなんです。確かに美味しいワインを飲んだら、心が豊かになって、オープンになり、どんどんホンネが出てくるかもしれませんね。相手のホンネを知りたかったら、ワインをお供にすることをお忘れなく。

昔の人も知っていたワインと健康 イタリアのことわざで、「ワインはよい血をつくる」。つまり「ワインは健康にいい」ということ。

 これもイタリアのことわざで、「ワインはよい血をつくる」。つまり「ワインは健康にいい」ということ。現代では、「ワインに含まれているポリフェノールは、体を寂びさせてしまう活性酸素という物質をできにくくする働きがある」のが分かっていますが、昔の人たちは、そういう研究結果がなくても「ワインは身体にいい」と分かっていたんですね。
 昔々、ワインは、薬替わりに使われていたことの名残でしょうか。とはいえ、「過ぎたるは及ばざるがごとし」」というこざもあるように、飲み過ぎて二日酔いにならないよう、注意してくださいね。

1杯のワインから生まれるたくさんの言葉 「ワインのない食事は、太陽の出ない1日と同じ」/ゲーテ(ドイツの哲学者)

 歴史上の著名な人物たちもワインには魅せられていたようで、興味深いこと葉を残しています。
「ワインのない食事は、太陽の出ない1日と同じ」/ゲーテ(ドイツの哲学者)
「ワインは、ひとつの道徳的&心の素直さを運ぶ物質である。/カント(ドイツの哲学者)
「18歳未満はワインを飲んではいけない。30歳代までは適度に飲んでいいが、醜態をさらしたり飲み過ぎたりしないように。陽気に浮かれて騒いでもいいのは40歳から。ワインは40歳以上の人たちの人生の重荷を軽くしてくれ、ガンコな心に優しさを取り戻し、絶望的な思いを忘れさせてくれる」/プラトン(ギリシャの哲学者)
 どれも、含蓄のあるお言葉ですね。