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 > 知れば知るほど奥深い 磧本ソムリエのワイン講座 > LESSON#017 食後のデザートワインと余韻の楽しみ方

食後のデザートワインと余韻の楽しみ方
「あ〜美味しかった」。ワインとともに食事を味わって満足!と思っても、まだもうちょっと飲みたくなるのが、ワインの醍醐味。そんな時は、チーズなどの軽いおつまみとともにワインをもう少し飲んで、食後の余韻を楽しみたいものです。そこで、今回はデザートタイムのワインと、メインの後のワインの楽しみ方についてお話ししましょう。
チーズとワインのベストな組み合わせは?

 黄金のマリアージュであるチーズとワインですが、種類が多くて、合わせ方に迷う時もありますね。チーズとワインを同じ産地にすると良いとよくいわれます。そこで、フランスの代表的なAOP(原産地呼称統制)チーズと、それに相性の良いフランスワインの主なアペラシオンをご紹介しましょう。

白カビタイプ ウォッシュタイプ
シェーヴルタイプ 青カビタイプ
ハードタイプ プレイボーイで有名なカサノヴァは、「ロックフォールを食べ、シャンベルタンを飲めば、消えかけた愛は再び燃え立ち、芽生えたばかりの濃いはたちまち成就する・と語ったといわれ、ロックフォールとシャンベルタンが爆発的に売れたそうです。
スイーツとワインを一緒に楽しむ時のコツは

 食後に甘いものを食べる際は、チーズやバター、チョコレートやナッツなどを使った、脂肪分を含むスイーツの方がワインには合います。反対に、ゼリーやシャーベットなどのさっぱりしたものや水分の多いものは、口直しにはぴったりですが、ワインと一緒に楽しむには向きません。食後にフルーツを食べる際はカットした生のままよりも、ドライフルーツやコンポートにしたり、生ハムを添えるとワインが引き立ちます。

チョコレートは苦いものよりも、甘いものの方がワインにはよく合います。 貴腐ワインやアイスワインを飲む時に気を付けたいのは?

 一にも二にも、温度。甘口ワインは、冷やすと美味しく楽しめます。適温は5~10℃です。「冷やしすぎた?」と思っても大丈夫。グラスに注げば空気に触れて、自然に温度が上がります。5~10℃の差はお好みで、複雑な熟成香を楽しみたい方は高めに、心地良い甘味を楽しみたい方は低めに温度を調整しましょう。両方楽しみたい方は、大きめのグラスでゆっくりと時間をかけて飲むことをおすすめします。

貴腐ワインの銘醸地ソーテルヌでは、食中酒としても貴腐ワインが飲まれています。フォアグラやブルーチーズと合わせるのは有名ですが、そのほかにも、子牛のブランケット(クリーム煮)や、スモークサーモンなどとも楽しみます。 貴腐ワインやアイスワイン以外に、おすすめの甘いデザートワインは?

 ポルトガルのポートやマディラ、スペインのシェリー、イタリアのマルサラなどがあります。なかでもポートは、日本に初めて伝わったワインで、昔の国産ワインに甘口が多かったのも、ポートの影響だといわれています。輝く色彩、コクのある甘味、芳醇な香りが心地良く調和した気品あふれる味わいから、“ポルトガルの宝石”と称され、ヨーロッパでは広く親しまれています。

ポートは一度封を切っても風味が落ちないので、ナイトキャップとして毎日少しずつゆっくり楽しめるのも魅力です。 食後にコーヒーとワインを合わせてもいい?

 もちろん構いません。ただ、軽い味わいのワインではコーヒーに負けてしまうので、樽熟の濃厚な赤ワインや、貴腐ワイン、ポートなど、コクのあるワインの方がコーヒーにはいいですね。また、ワインを飲む前や食中は、コーヒーを控えた方がいいでしょう。コーヒーの香りと苦味で、ワインの味わいがわからなくなってしまうからです。コーヒーはチーズとも合うので、ワインとコーヒーでチーズをつまみながら、食後のおしゃべりに花を咲かせるのも楽しいですね。

香りを嗅ぎ、口に含み、全体に広げ、余韻を楽しむという流れにおいてコーヒーとワインのテイスティングの仕方はとっても似ています。