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 > 知れば知るほど奥深い 磧本ソムリエのワイン講座 > LESSON#012 世界中のワインをおいしく味わうために

世界中のワインをおいしく味わうために
世界各国のワインボトルを見てみると、すべて同じではありませんね。栓のタイプやボトルの形・色など、違っているのがわかります。 「この違いはなに?」「違っててだいじょうぶ?」…ワインを飲み始めたみなさんが持つ素朴な疑問にお答えしましょう。
栓の種類がいろいろあるのは、どうして?
 ワインと言えばコルクと思われがちですが、最近の傾向として、スクリューキャップやシリコン( 人工コルク)が増えているんですよ。スクリューキャップはすぐ開けられて、飲み残しても 簡単に再栓して保存できるので、とても便利。また、コルクは乾燥を防ぐためにボトルを横にして保管することが多いですが、スクリューキャップは立てたまま保管できます。スクリューキャップはオーストラリアやアメリカなどのワイン新興国で使われ、ここ数年でヨーロッパでも人気を得ています。でも、コルクには、“開ける楽しみ”がありますね。そこで、折衷案として生まれたのがシリコン栓なんですよ。
ボトルの形や容器の材質は、すべてのワインで同じじゃないの?
 ワインを詰める容器も、いろいろです。世界中で使われているガラスボトルの代表格は、ボルドー型とブルゴーニュ型。このほか、ライン・モーゼル型、ボックスボイテル型、フィアスコ型、シャンパン型などがあるんですよ。最近では、たくさん入るボックスワインも多く見られますね。ボックスといっても、牛乳のように紙容器に直接入っているわけではなく、ワインは酸化を防ぐ真空パックの中に入っていて、持ち運びしやすいように紙箱詰めになっているんです。僕が思うに、こうした容器というのは、その国の民俗や伝統を反映しているような気がします。
透明のボトルと色のついた瓶があるのは、どうして?
   一般的に、赤ワインは緑色のボトルに入っています。赤は長期熟成タイプが多く、光を吸収しやすいので、光による劣化を防ぐために緑色のボトルに入れてワインを守っているんです。ロゼは瓶に詰められてから比較的短期間で飲まれてしまうので、光を遮断することより、ロゼの美しい色が楽しめる透明なボトルが好まれます(すべてではありませんが)。
ボトルの底が凹んでいるものと、凹んでいないものがあるのは、どうして?
 ボトルの底の凹みを「パント」と呼んでいます。凹みはワインの澱が舞い上がりにくくするための工夫で、こうした昔ながらの知恵が、ボトルデザインの伝統として今も残っているんですよ。パントが大きいのは、ボルドー型(タンニンが豊富なワインが多いので、澱も出やすいですね)やシャンパン型(ボトルの強度を上げるために大きいという説があります)。ブルゴーニュ型はパントが小さく(ボルドーに比べると澱が出にくいワインが多いですね)、そのほかのタイプは小さいか、またはパントがない平らな底になっています。
世界のワインと日本は、とっても仲良し。ご存知でしたか?
 山梨県と、ブルゴーニュのソーヌ・エ・ロワール県は、ワインつながりで姉妹都市提携を結んでいるんですよ。「笛吹市(山梨県)とニュイ・サン・ジョルジュ(ブルゴーニュ)」「甲府市(山梨県)とポー(アキテーヌ)」「勝沼町(現甲府市、山梨県)とボーヌ(ブルゴーニュ)」もワインの縁で提携を結んでいます。ワインつながりではないけれど、ボルドーと仲良しなのは福岡市。九州の日仏文化会館の館長さんが取り持つ縁だったようです。今まで遠いように思えた世界のワインが急に身近に感じられ、味わってみたくなりますね!