PENTAX K-1 FA Limited × 佐々木啓太

Profile:佐々木 啓太(ささき けいた)

1969年 兵庫県生まれ。高校を卒業後、写真専門学校に入学。貸スタジオ勤務、写真家のアシスタント生活を経て独立。「写真はモノクロに限る」が口癖だが、デジタルではカラーやデジタルエフクトも活用しながら作品の幅を広げている。「街角写真家」として自身の作品発表の場として、毎年のように写真展を開催しながら、雑誌取材、カメラ雑誌の原稿執筆など、幅広く活躍中。

smc PENTAX-FA77oF1.8 Limited

個人的には、味わいというFA Limitedシリーズ最大のポイントを一番感じるレンズなので、FA Limited はこのレンズから始めて欲しいと思っています。
その味わいはピント位置には程よいシャープさがあって、ボケ味に絶妙な柔らかさを持っています。数値だけでなく実際のプリントを見ながらレンズ設計を決めた真骨頂がここにはあります。
そんな微妙な味わいを堪能するのはシンプルなモノクロが最適です。カラーなら仕上がりに柔らかさがある「ほのか」もオススメです。

絞り優先 F1.8 / 露出補正 プラス0.3 / WB 太陽光 / モノトーン

古い公衆電話のガラス。このレンズが作る優しいトーンのモノクロにすると雰囲気が出るので、
この電話が使われてきた背景を想像しながらシャッターを切った。

絞り優先 F1.8 / 露出補正 プラス0.7 / WB 日陰 / ほのか

尾道で出会ったネコ。ネコの後ろからの光が美しく、後光が差しているようにも感じた。
逆光の厳しい条件でもイメージを追い込んで行けるのはレンズ性能に余裕がある証拠。

smc PENTAX-FA43oF1.9 Limited

FA Limitedシリーズ最初の1本で、使いこなす楽しさがあるレンズです。焦点距離が35mmフィルムの対角線と同じ43mmの標準レンズということだけでなく、被写体までの距離で印象が変わるボケ味に特徴があります。
そんなこのレンズの味わいを堪能するためには、絞り、撮影距離、アングルの全てをコントロールする必要があります。このレンズを使いこなせば撮影のスキルと表現力も進歩します。
35mmフィルム時代に「写真は標準レンズに始まり標準レンズに終わる」そんな言葉がありましたが、それを強く感じられるのも魅力です。

絞り優先 F1.9 / 露出補正 プラス0.7 / WB 日陰 / ほのか

このレンズのボケ味が生きるように柔らかくなる「ほのか」でオーバー露出にした。
少し近づいてボケ味を強調すると、どこにでもありそうな風景でも特別に感じやすくなる。

絞り優先 F2.5 / 露出補正 マイナス1.0 / WB 日陰 / 雅(MIYABI)

冬の夕方、空気も澄んでいるのでコントラストが強くなりすぎることもあるので、少し影になっている
場所を狙った。この写真のボケはうまくいったパターンで、思い通りに決まったときの喜びは格別。

smc PENTAX-FA31oF1.8 Limited

FA Limited シリーズの最後発にして最高峰かもしれないレンズです。広角レンズとして程よい広さで、絞りを開けたときのボケは滑らかで味があって、少し絞り込んで離れた風景を撮ると広角レンズらしいシャープさも楽しめます。
こんな優等生のような性格のレンズなのでファンが多いのもうなずけます。K-2につけたときのバランスも良いので常用レンズとしても最適です。
少しへそ曲がりなボクは、この高性能な優等生レンズは自分だけの使いこなしポイントが探しづらいと感じています(笑)。

絞り優先 F1.8 / 露出補正 マイナス0.3 / WB 太陽光 / リバーサルフィルム / ハイコントラスト

街で見かけた落書きを優等生的な描写のレンズをいじめるような超ハイコントラスト
(リバーサルフィルム+ハイコントラスト)で狙った。そんな意地悪も受け止めてくれる。

絞り優先 F5.6 / 露出補正 プラス1.0 / WB CTE / リバーサルフィルム

しまなみ海道で見つけた銘木(笑)。このレンズが持っている程よい広がりを活かしながら、
少し絞ったときのシャープさをつかって周りの雰囲気も入れながらまとめた。

PENTAX K-1 FA Limited Lens