お歳暮でお世話になった人や友人・知人に感謝を表そう

お歳暮は、日頃お世話になっている方々に対した1年の締めくくりにお礼の気持ちとして贈るものです。その起源は江戸時代までさかのぼり、毎年2回の盆と暮れの時期に、長屋の大家さんや取引先に対し「日頃お世話になっています。これからもよろしくお願いします」という意味を込めて、店子や商人が贈り物を持参したのが始まりの1つといわれています。それが商習慣と結びつき、現在のような形になったといいます。

現代では、お歳暮は感謝の気持ちと、「これからもよろしくお願いします」という思いを込めて贈る贈り物そのものを指します。贈る相手は昔であればお世話になった人や上司、取引先などでした。しかし、最近では上下関係や会社での関係などに限らず、親しい友人や知人、親族などに贈るケースも増えています。

お歳暮を贈る時期

お歳暮は季節のあいさつなので、贈る時期をきちんと守るのが大事なマナーの1つです。昔は、新年を迎える準備を始める12月13日の「すす払い」から20日までの間に贈るものとされていましたが、すす払いの習慣が廃れたことで贈る時期は前倒し傾向になっています。現在では11月末に贈るのも珍しいことではなくなりました。

もっとも、地方や贈るものの内容によっても若干の違いが見られ、例えば関東地方では12月初旬~31日ごろ、関西地方では13日~31日ごろが多いようです。一般に、受け取る側の負担を考えて年越し準備で忙しくなる年末の25日以降は避けたほうがよいといわれていますが、生鮮食品や鮭や昆布巻きなどのお正月用品は別になります。むしろ正月に近い日付で贈ったほうがよいとされています。

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何を贈ればよいのか

お歳暮で贈る品物に「こうでなければならない」という規則は特にありません。金額の目安としては2,500円~5,000円程度が一般的です。高価なものはかえって相手に気を使わせてしまうことにもつながります。いずれにしてもお互いに負担にならない程度のものが適切です。

その予算の中で選べるものは、果物から旬のグルメ、飲み物、酒、正月用品、地域の特産品に至るまで多種多様です。相手の好みが分かっている場合はそれに合わせて、そうでなければ、子どもの数や相手の家族構成も考えた上で、「小さい子どもも食べられるもの」や「おじいちゃん・おばあちゃんと一緒に食べられるもの」など、それぞれの家庭に合ったものを選ぶとよいでしょう。

稲庭うどんは昔からギフトの定番と言われ、様々な家庭で喜ばれています。

お歳暮の金額分布図

お歳暮の渡し方

お歳暮は今でこそ配送が普通となっています。包装も簡易包装が一般的になっています。もし直接手渡す場合には相手の目の前で紙袋や風呂敷から出し、相手から見て正面になるように向きを変えて渡すようにしましょう。

お歳暮の時期を過ぎてしまったら...

お歳暮は年賀状とは違うので、たとえ喪中であっても渡したり受け取ったりするのは問題ありません。

もしも年内に間に合わなかったら、関東地方では1月7日(松の内)までに、関西地方では15日までに表書きを「御年賀」として贈ります。

その後立春(2月4日頃)までの間なら「寒中御見舞」として贈ります。

この点は注意しましょう。

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失敗しないために気をつけること

時期に遅れずにお歳暮を贈るには、まず「誰に贈るか?」を早めに明確にする必要があります。基本的には、自分がお世話になっていると思う人に贈ればよいのですが、両親や親戚、勤務先の上司、取引先といった定番の相手に加え、友人や近所の人、会社の同僚、習い事の先生などに贈る人も増えてきています。

贈る相手が決まったら次は品物選びです。その際には贈る相手のことを考えながらその人の趣味嗜好や家族構成にあったものを贈るのが基本です。
(稲庭うどんの賞味期限は常温で1年以上と長く、贈り物に適しています。)

贈り先は会社? 特定の個人? ビジネスお歳暮の贈り方

取引先の会社に贈る場合には、宛名は先方の会社名、社長名、もしくは関係部署の代表者名や担当者名とすることが一般的です。ただ、特に特定の人にお世話になっている場合には、会社に個人名で贈ることやその方のご自宅に直接贈ることもあります。また、送り主についても、個人名、上司との連名、部署名、自社名など、さまざまなパターンが考えられます。

会社関係のお歳暮では、こうした宛名や送り主の書き方ひとつとっても、細心の注意を払いたいものです。些細なところではありますが、誤った判断をしてしまうと仕事上のトラブルにつながりかねません。事前に自らの上司に報告・相談した上で、判断を仰ぎましょう。