地元のお客さんに大人気!
アヴェイロ郊外で開催される干しダラ祭り

ポルトガルのソウルフード、干しダラ。こちらのコラムでも何度か紹介させて頂きましたが、現地ではバカリャウ(Bacalhau)と呼ばれ、とても愛されている食べ物です。大きなタラを塩漬けにして干した食べ物で、もともとは保存食として使われていました。

クリスマスや大事な日にバカリャウを食べることが多く、今ではイワシなどより少し高級な食材になっています。ポルトガルでは365日毎日違うバカリャウレシピを楽しめると言われているほど愛されていて、その調理方法はバラエティーに富んでいます。

スーパーには必ずバカリャウコーナーがあります。カットされているものから、開いた状態のもの、また冷凍のものまで様々です。

大きいスーパーではグレード別に平積みされているため、迫力があります。

厚みがある方がより高級とされていて、それぞれ自分自身の目で確かめて選びます。選んだ後は、店員さんに頼んでカットしてもらいます。

機械を使って手際よくカットしてくれます。

大きさにもよりますが、平均で1枚25-35ユーロくらいでしょうか。作りたい料理によっては既にカットされているものやフレーク状のものを買った方が安いかもしれませんが、1枚買うと様々な部位が出るのでいくつかの調理法を楽しむことができます。

ポルトガルの国民的食べ物とも言えるバカリャウですが、ポルトガルよりももっと北の海で水揚げされます。その起源をたどると、8世紀までさかのぼります。この頃、北ヨーロッパから西ヨーロッパに進出していたヴァイキングが日持ちのする干しダラを交易品として各地にもたらしたそうです。大航海時代に入るとポルトガルにとっても欠かせない食材になりました。20世紀まではポルトガルも北ヨーロッパの海まで遠洋漁業していましたが、近年はノルウェーやカナダからの輸入に頼っています。

遠洋漁業の様子

実際に漁をしていた船も残されています。

タラの加工工場の多くがアヴェイロ郊外の町Ílhavo(イリャヴォ)にあります。昔から漁村だったこの場所から多くの漁師がタラを捕りに長い漁に出ました。一度出たら半年は帰れなかったとか。Ílhavoではバカリャウに関するイベントや博物館があります。最近は、毎年夏になると干しダラ祭りが開催され、地元のお客さんにとても人気があります。

干しダラ加工会社やレストランが臨時レストランを開きます。

写真⑥ここでしか食べられないようなメニューもあり、迷ってしまいます。

厚みがある方がより高級とされていて、それぞれ自分自身の目で確かめて選びます。選んだ後は、店員さんに頼んでカットしてもらいます。

メルカード(マーケット)には通常買うよりお得な商品もありました。

バカリャウの缶詰も種類豊富です。サラダなど手軽に使えるのが嬉しい缶詰です。

このフェスティバルは5日間開催され、期間中はコンサートやワークショップ、バカリャウを使った新しいレシピの紹介などイベントがたくさん用意されています。

ポルトガルのソウルフード、干しダラをお腹いっぱい楽しむことができるイベントです。毎年8月上旬に開催されているので、気になる方は公式サイトをチェックしてくださいね。

以前ご紹介したバカリャウの記事はこちら

それでは、また次回!