エイジングケア=年齢に応じて、健康維持を目指すこと。
ここではワインによる健康的な作用(今の若さや美しさを維持すること)を指します。
エイジングケアワイン研究所では、老化物質AGEsを作りにくくする作用が認められ、糖化の進行予防に役立つ可能性のあるワインを「エイジングケアワイン」と称し、一定の基準をクリアしたものを認定しています。
株式会社モトックスと同志社女子大学 杉浦伸一教授が共同で、2023年12月に設立した研究機関。
糖化による老化のメカニズムから、ワインの抗糖化作用に関する研究内容まで、エイジングケアとワインに関係する最新情報を発信しています。
玉ねぎをフライパンで炒めると、次第にきつね色になります。これは糖とタンパク質を加熱することで生じる「糖化」という化学反応で、発見者にちなみ「メイラード反応」とも呼ばれています。
糖化はフライパンの上だけの現象ではなく、人のからだの中でも起こります。
人体を構成する要素の中で、タンパク質は水分に次いで多い成分です。
そんなタンパク質に、体温という暖かい環境の中で糖が結びつくと、元のタンパク質は次第に姿を変えていきます。糖化が進んでくると、最終的には体の“コゲ”とも呼ばれる糖化最終生成物(AGEs;advanced glycation end products)が作られます。
糖化=AGEsの蓄積は、「老化」に関わるからだのさまざまな変化と密接に関わっています。
エイジングケアで関心の高いお肌の変化は、AGEsと関係することが分かっています。
国内の研究では、皮膚に蓄積したAGEs量が多くなるほど、画像解析で判定した“見た目年齢”が高くなるとされています。
細かく皮膚の内部を見てみると、表皮でのAGEsの蓄積は①キズが直りにくくなる、②肌のうるおい成分(セラミド、コレステロールなど)が減少する、③ケラチノサイトの構造が破壊されて角質層のバリア機能が低下する、④メラニン色素が増加してシミ・ソバカスの原因になる、といった悪影響を及ぼします。
皮膚や骨、血管などでは、コラーゲンタンパク質が組織をしなやかに保つ役割を果たしていて、そこではスプリングのような「架橋」が規則正しく橋をかけています。ところがAGEsが蓄積すると、コラーゲンの間に無秩序な橋をかけてしまうため、組織全体の安定性が崩れて壊れやすい構造になります。
血管を形作る細胞などの表面には、AGEsと結合するための鍵穴(受容体)があります。AGEsとこの受容体が結合すると、細胞の中で酸化ストレスや炎症物質が作り出され、血管の障害や細胞死を引き起こす原因になります。
これまで老化には酸化ストレスの関わりが大きいとされてきました。 しかし近年では、酸化の根底には糖化があることや、「糖化が酸化ストレスを引き起こし、酸化ストレスが糖化をさらに促進する」という悪循環を生むことも分かっています。
現在、エイジングケアにはさまざまな方法が提案されていますが、老化現象の中心ともいえる糖化をターゲットにした「抗糖化」は、これからのエイジングケアの新しい常識になる可能性があります。 日常生活の中でできるところから「抗糖化習慣」を始めてみませんか?
エイジングケア 認定ワイン