スイスと日本のオルゴールの違いですが、スイスのオルゴールが優れているところは、なんといっても職人の技術力の高さです。オルゴールの原型となった自動カリヨンはスイスの時計職人が創り出しました。もともとは鐘によって鳴らされていたカリヨンという教会で使われていた楽器を、調律をおこなった金属片を用いることにより、小型化と自動化に成功したものが自動カリヨンです。 この自動カリヨンは、後にぜんまいの発明によって時計に取り入れられ、時計のチャイムとして用いられるようになりました。その後櫛歯が発明されたことによりついにシリンダーオルゴールが誕生します。このシリンダーオルゴールの誕生にも、スイスの時計職人が尽力しています。この古く長く続く伝統ゆえに、スイスのものは金属の堅さ、重さ、木の材質などの点で優れており、音が大変良いという評判があります。さらにその音には自律神経を整え、ホルモンの分泌を正常にする効果もあるとまで言われています。 一方、日本では第二次世界大戦後、株式会社三協精機製作所が製造を始め、世界の市場の80パーセント以上のシェアを占めるまでになりました。このように日本のオルゴールの技術も高まってきています。