オルゴールの原型は、中世ヨーロッパの時計塔に組み込まれた鐘「カリヨン」だとされています。技術の進歩に伴い、18世紀に自動演奏装置として進化を遂げたオルゴールは、当時唯一のオーディオ機器として多くの人に愛されました。シリンダーに埋め込んだピンで櫛の歯を弾いて音を出す仕組みで、シリンダーが1回転すると1曲演奏するようになっています。 19世紀に発明されたディスク・オルゴールは、櫛の歯を弾いて演奏する仕組みはシリンダーオルゴールと同様ですが、シリンダーの代わりにディスクを使っています。ディスクには穴が開けられて突起物が作られており、ディスクがぜんまいの力で回転すると、突起物はスターホイールと呼ばれる歯車を回転させます。その歯車が櫛の歯を弾いて、音を出します。突起物そのものではなく、スターホイールを利用する仕組みを作ったのが大きな違いです。 スターホイールは、シリンダーのピンよりも大きいので、強いストロークで櫛歯を弾くことができます。そのため、ディスク・オルゴールは、より豊かな音色を奏でることができるようになりました。また、大きなシリンダーを組み込む必要がなくなったため、櫛歯の大型化や歯の数の増加が可能になり、高度な演奏ができるようになりました。