オルゴールには、シリンダー・オルゴールとディスク・オルゴールがあります。このうちシリンダー・オルゴールは、細いピンが取り付けられたシリンダーが、ぜんまいの力でゆっくり回転しながら櫛歯を弾いて音を出すのが、その仕組みです。シリンダーの1回転で1曲演奏するようになっていますが、複数の曲を演奏するオルゴールもあります。シリンダーに複数曲の収録がされている場合には、1曲演奏し終わるとシリンダーが少し横に移動して曲変換する仕組みになっています。 シリンダーを移動させるためには、曲変換のためのギアを使用します。このギアは、ぜんまいの力を伝えるシリンダーギアのシリンダ側の表面についていて、収録曲数分の爪があります。シリンダーギアはシリンダーと同一の軸で回転するもので、曲変換のギアはこの軸から離れた位置に付いています。このギアが回転すると、シリンダー送り込み棒がギアの階段を上っていってシリンダーを少しずつ移動させます。最後の曲を演奏後には、シリンダー送り込み棒は階段を滑り落ちて最初の位置に戻ります。シリンダーの移動は、よく見ないと分からないほどの僅かなものです。 移動の間は少しですが無音の状態になりますので、長い1曲を分割した場合には、無音の箇所が自然に聞こえるように編曲にも工夫されています。