"小さなピンのような突起がついた金属製のドラム型をした部品が回ることで音楽が奏でられるタイプのオルゴールを、ドラム型の部品の名称「シリンダー」からとってシリンダー・オルゴールといい、オルゴール全盛期と言われていた頃には数多くの職人が数々の素晴らしいシリンダー・オルゴールを作り出し、多数のオルゴールメーカーが存在していました。 1815年にスイスのジュネーブで創業したニコール・フレールは高い技術力から生み出されるクオリティの高い製品が評判となりましたし、1816年に同じくスイスのサン・クロワで創業したメルモド・フレールはシリンダー・オルゴールのみならず、ディスク・オルゴールのムーブメント作りも行うようになります。 1814年創業のペイラードもスイスのサン・クロワのメーカーで、質の高いものからお手頃価格のものまで様々な品を世に送り出していました。 時計メーカーでありながらシリンダー・オルゴールも手掛けるようになった、スイスのジュネーヴのルクルト・フレールは、ゼンマイをそれまでのキーによる巻き上げ方法からレバーでの巻き上げへと改良しています。 これら以外にもヘラーやコーション、B.H.アブラハムズ、レぺ、ジョージ・ベンドン、B.A. ブレモンドなどをはじめとした各社がシリンダー・オルゴールを手掛けていました。"