シリンダー・オルゴールでは、細いピンが植えられたシリンダーが曲を記録しています。シリンダーの回転にともない、ピンが櫛歯を弾いて音を出すのが、シリンダー・オルゴールの仕組みです。 シリンダー・オルゴールの構成は、ムーブメントとボックス、響板から成ります。 ムーブメントは、オルゴールの演奏をする心臓部分で、シリンダー、櫛歯、ぜんまい、速度調整機構が構成部分です。シリンダーは1回転して1曲の演奏をしますので、大きいほど演奏時間が長くなります。複数曲分のピンを受けて、1曲ごとに横にずらして次の曲を演奏するタイプもあります。櫛歯は長短と重さを調整することで、音程を調律します。ぜんまいはオルゴールの動力源で、香箱と呼ばれる箱に収納されています。速度調整機構は、ぜんまいの力をシリンダーに伝え、さらに速度を安定化する働きをします。 ムーブメントが出す音を増幅させる役割を果たすのがボックスと響板です。響板は、ムーブメントが固定されている板で、材質や厚さで響きが変わるので、曲の雰囲気に合わせて選ばれます。ボックスは、ムーブメントや響板からの振動を周囲の空気に伝達します。木材の場合には、響板と同様、材質や厚さが響きに影響します。