"日本の歴史において初めてオルゴールが紹介されたのは1852年です。 鎖国をしていた江戸幕府と唯一取引のあったオランダ人が江戸の深川で見世物として公開したのです。ここからオルゴールの名前は一気に広がりました。 そして小林伝次郎という時計職人が文久年間に研究し、初めてオルゴールを作ったという記録があります。このときの音楽は民謡だったと伝えられています。 横浜開港見聞誌(1860年)には絵入りで紹介されています。 明治、大正時代にオルゴールは次第に広く知られるようになります。 そして昭和初期頃から部品の製造に興味を持つようになります。 通産省からの指示もあり、スイスのものを研究しました。 しかしヨーロッパの技術をそのまま持ち込むことは難しく、独自に研究と開発を重ねました。 そして朝鮮戦争が始まって、量産していた日本製のものをアメリカ兵が自国へのお土産として買って帰ったことにより、独自の技術によって作られたオルゴールは海外でも高く評価されることになります。 当時は「大きな古時計」や「支那の夜」が大人気だったそうです。 そしてかつてはヨーロッパが中心であったオルゴール産業は日本へと移り変わりました。現在では世界中の90%のシェアとなっています。"