コモックの桜の木のゆらい



コモックの敷地の隅に一本の桜の木があります。
この桜の木は、コモックが移転してきた年の夏、か細い苗木の状態で植えられました。

コモックが移転してきたのは2011年7月、あの東日本大震災の数か月後でした。
当時、日本全体が被災地の復興のために何ができるか試行錯誤している真っただ中でした。

コモックとしても日々の節電から始まり、福島の起き上がりこぼしを通した募金活動など、小さな活動をスタートさせました。

桜の苗木を植えて1年後の春、開花を楽しみに待っていましたが、つぼみが花を付けることはなく、そのまま若葉へと変わってしまいました。

2年目もつぼみに花が見られない、さみしい春が過ぎていきました。
3年目、4年目も幹の成長は見られるものの、それまでと同じ春が過ぎていきました。
ひょっとしてこの桜の木には花は付かないのかもしれない、そんな気さえしてきました。

ところが5年目の春、周辺地域の桜が満開を迎えたころ、ふと見ると小さな花が数輪、確かに咲いていました。
それから6年目、7年目と花の数は増え続け、幹の太さもたくましく成長してきました。

コモックの桜の木は、東日本大震災の復興の年月とともに成長してきました。
きっと今年も、昨年に増してたくさんの花を付けてくれるでしょう。

東北地方の今年の桜の開花予想は、福島が4月3日、仙台が4月5日となっています。
あの震災から8年目の春がやってきました。