「美白」「しわ改善」と書ける書けないのからくり

ズバリお答えすると…、

「化粧品」「医薬部外品」の違いで、書ける書けないが決まる


例えば「アルブチン」という、美白作用で有名な美容成分があります。

同じ「アルブチン」が化粧品と医薬部外品(薬用化粧品)の中に入っていても、その商品が「化粧品」としての製造許可しか取っていなければ、「化粧品」の方には「美白」という言葉を表記、広告に使用する事ができません。

「しわ」についても同じです。

「医薬部外品」の許可を取るのはハードルが高い

化粧品は化粧品製造販売業の許可をとっていれば、必要な届け出を出すだけで製品を翌日から販売できます。

それに対して医薬部外品は、製造販売許可も必要です。そのほかに製品そのものの承認と審査が必要で「この成分でこういう効果がある」というデータと書類を提出し、審査を受けなければなりません。
どんな働きがあったか、安全性や安定性などに関する膨大な量の実験データを提出して審査を通るまでに何年もかかるケースもあり、一つの有効成分の申請登録に500万円もの資金が必要な場合もあります。

また、医薬部外品は、医薬部外品製造の設備を整え、国の監査を受け許可を取った工場でしか作れないため膨大な資金が必要です。その為、それだけの資金力が無いメーカーは、そういった工場に製造を依頼しなければならないのですが、1回のロットも多く資金もかかります。

薬用化粧品は、この医薬部外品製造の設備を整え、国の監査を受け許可を取った工場でつくられたもので指定された成分が指定されたパーセント入っていれば許可を取れますが、1ロット製造する度に、検査費用が10万円かかり工場設備の更新にも、50万円かかります。

その為、同程度の有効成分を配しながらも、化粧品のまま販売するという戦術をとるメーカーも少なくありません。大手ほどの資金力無いところはそうせざるを得ないというのが現状です。
その代わりに、「美白」「しわ」「しみ」「たるみ」「くすみ」「ほうれい線」「乾燥肌」「敏感肌」など、商品説明や広告に書けない言葉が一気に増えます。

医薬部外品は海外には無い

実は日本独自のものです。
似たような制度は、韓国やアメリカの一部にあるところもありますが、ヨーロッパにはありません。確かに薬か薬じゃないかの二択でいいのではないかと思います。医薬部外品はその中間という非常にあいまいな立ち位置なので諸外国からは批判されることもあります。

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