■ ポイントその1 【 真珠の光沢/真珠層の巻き厚 】

真珠の命とも言える光沢。「テリ」とも表現されますが、真珠を見極める際に最も重要な要素のひとつです。
真珠の光沢は色目と同じでとても複雑です。厳密には干渉色などさまざまな要素がバランス良く成り立った状態で光沢の良し悪しも決まってくるのですが、ここでは「光沢」と「真珠層の巻き厚」の関係についてお話しいたします。

核の表面に形成された真珠層の厚さを「巻き」といいます。真珠層の厚さは母貝の種類によって異なりますが、一般に養殖期間が長ければ厚くなり、耐久性、弾力性、美しさが増すといわれています。真珠層が厚くなれば、真珠に奥深い輝きが生まれ、真珠独特の内側から湧き出てくるような輝きが出てくるわけです。また、単に巻きが厚ければ良いというものでもなく、レンガ状の真珠層が綺麗に重なっていなければ美しい輝きは生まれないのです。真珠って本当に神秘的な宝石ですね。
その大切な巻きの厚みは特別な機械を使わなければ測定できません。測定済みの鑑別書が付いている真珠であれば一目瞭然ですが、全ての真珠がそうではありませんのでここで、初心者の方にも分かりやすい見分け方をご紹介します♪

真珠にお顔を近づけてじ・・・と見てみてください。真珠の表面に自分のお顔などがはっきりと映れば映るほど美しい光沢です。いくら大きさや形が良くてもぼやっとしたプラスチックのような輝きに真珠としての魅力はありません。ぎゅっと引き締まった感じでバランスのとれた光沢を持つものほど高品質な真珠です。その美しさはうっとり見惚れてしまうほどです。




 ■ ポイントその2 【 自然にできるえくぼ(きず) 】

真珠のキズ と言っても人工的にできたキズではありません。真珠が貝の中で真珠層(巻き)を形成していく段階で、環境の変化や貝が自ら出す分泌物などにより出来る自然の凹凸です。 これらをキズと呼んでしまうと一瞬悪い印象を持ってしまいますね。新品のジュエリーを購入するのにすでにキズがついている・・・それだけは嫌だ!と必死の形相で真珠のキズ探しをする方もいらっしゃるかもしれません。お気持ちは分からなくはないですが、( ̄▽ ̄;)  真珠の場合はキズも本真珠の証。よほど目立つ大きなキズでない限り、選択の要素の中で一番神経質にならなくても良い部分ではないでしょうか。
もちろん真珠の評価においてはキズは少ないほど良いのですが、”テリもよく、真円でキズがない真珠”となれば希少価値も高く、高級品になります。キズは他の要素(大きさやテリなど)に比べて対面距離ではほとんど分からないものが多いですからご予算内で良い商品を、とお考えの際にはあまり神経質にキズを見つめず、テリや形を優先することをお薦めします。



■ ポイントその3 【 ネックレスの連相 】

連相とは、“一連のネックレスの中で、どれだけ色やテリが揃っているか”というネックレスの完成度を表す言葉です。
それぞれの質は良くてもネックレスとして組み上げた時に色目やテリがバラバラ・・・では良いネックレスとは言えません。多種多様な個性を持つ真珠ですので、連相良く組み上げるのは大変な作業ですが、美しいネックレスには必要不可欠な要素です。
なお、マルチカラーのように様々な色目を組み合わせたネックレスは”悪い連相”とは言いません。センス良く色目や大きさを組み合わせたマルチネックレスは大変人気の高い商品です。



■ ポイントその4 【 真珠のお色目 】

自然の恵みで作られる真珠のお色目は本当に多彩で、赤!黄!青!と信号のようにはいきません。また、色の定め方、呼び方は真珠業界内でも統一されたものがありませんので、一般の方にはより分かりにくいなものとなっています。
真珠の色目には「ボディーカラー(実体色)」と「干渉色」の2つがあります。まず 【ボディーカラー】ですが、これは真珠自体が持つ絶対的な色で。真珠層の結晶をつなぐたんぱく質の色です。色の種類は主に 「ホワイト」「クリーム」「ゴールド」「ブルー」「グレー」です。一般的にはよりホワイトに近い方が良いとされていますがクリーム系の重厚感のある落ち着いた雰囲気は根強い人気もあります。アコヤ真珠の多くはクリーム色を帯びていますが、実はこのボディーカラー、「前処理」の段階でホワイトに加工することが可能なんです。ただ過度の加工は真珠に負担かかかり、品質の低下を招きますので、美しい光沢やテリを維持しながらオフホワイトやクリーム系のボディーカラーのまま市場に出回るものもたくさんあります。
次に「干渉色」についてです。干渉色は外部の光を受けて浮かび上がるもので、模造パールにはない本真珠の最大の特徴でもあります。色は「ピンク」と「グリーン」の2色。これは南洋真珠(黒蝶真珠・白蝶真珠)でも同じことです。この2色が片方しかでない場合もあれば、両方出る場合もあります。アコヤ真珠のネックレスではほんのりしたピンク系が人気がありますが、実はピンク系だから高価!というわけではありませんのでご注意ください。あくまでご自分に似合う色やお好きな色で選んでいただければ良いと思います。当店の商品ページでは先に干渉色を表示し、その後ボディーカラーを表示しています。

ボディーカラー → ホワイト
干渉色  → ピンク系
この場合は 「ピンク系ホワイト」となります。

お問い合わせの多いグレーカラーですが、こちらはほとんどの真珠で「コバルト処理」がされています。安定した色を作り出すことができるコバルト処理などはアコヤ真珠のグレーネックレスに昔から使われている技法です。 処理をしているから価値が下がるというようなことはありません。
アコヤ真珠の大半はホワイト色〜クリーム色で、まれに「ナチュラル」と呼ばれる淡いグレー色の真珠ができます。「コバルト処理」や「染め」をしない限り真っ黒や濃いグレーは出来ません。ナチュラルカラーのご質問も多数お寄せいただきますが、これは上記の処理をしていない自然のグレー色をもったアコヤ真珠のことを言います。ナチュラルカラーの真珠は場合は中心となる核の近くに褐色若しくは黒色の有機物などが必要となり、さらにその有機物が上手く反射をし、巻きの厚みも手伝って初めて綺麗な輝きが生まれます。そんな偶然に偶然を重ねた1つ1つ微妙に色や輝きの違う真珠を1連のネックレスに組み上げるのですからそれは大変な作業です!採れる量も少ないこともあり、ナチュラルカラーのネックレスが市場に出る数は多くありません。この為近年人気が急上昇です。



■ ポイントその5 【 真珠の形 】

真珠の中心には丸い「核」が入っています。その核に真珠層が巻いていくので、丸い真珠ができるわけですが、必ずしも真円の真珠が出来るとは限りません。真珠層が巻けば巻くほど貝の中でかたよりがでる場合もあり、「巻きが厚くて」「美しい形」の真珠は本当に貴重なものなのです。研磨することのできない真珠は厳密に言えば真円のものはないと言えますから真円にいかに近いかで評価が判断されます。当然真円に近いほど評価は高くなりますが、真円で照りがない真珠と、真円でなくても照りの強い真珠では後者のほうが良いとされます。キズと同じで、対面距離で見たときに多少変形していても強い光沢があれば全く気にならないものも多いですから、そのことを考慮して探してみると、お買い物上手になれるかもしれません♪美しいドロップやそのペアのように希少価値が高いものは特別に評価されています。最近ではバロックなどのかなり変形した真珠も個性的な魅力で人気があり、自然の核(砂など)に真珠層が巻いていく 芥子(けし) 珠も唯一無二の存在から高値が付くことも珍しくありません。 ぜひ基本の1本(ホワイトネックレス)を持たれた後はこのような変形珠にもチャレンジしてみてください! きっと愛着のあるジュエリーの1つになります♪